お墓の仏具について

仏具には様々な種類があります。
お墓参りの際などに、目にする機会はあっても具体的な名称や使用方法について知らないものも多いかもしれません。
そこで今回終活ねっとでは、お墓の仏具について解説していきたいと思います。
具体的に、以下の内容について紹介していきます。
- お墓に必要な仏具の種類について
- お墓の仏具の選び方
- 仏具の掃除方法
- オススメの仏具
誰にとっても役に立つ内容となっております。
ぜひ最後までお読みください。
お墓に必要な仏具にはどんな種類があるのか

お墓に仏具は欠かせません。
しかし、仏具の種類について気にかけることは珍しいため、どんな種類があるのか詳しく知っている人は少ないかと思います。
ここでは、具体的にお墓に必要な仏具にはどんな種類があるのかについて見ていきたいと思います。
花立
花立とは、お墓の前に供えるお花を立てるための筒・花瓶のことです。
花立には主に2種類のタイプがあり、一つはネジで取り付けるタイプ、もう一つは墓石の穴の中に入れ込むタイプがあります。
ネジ式の花立は、ネジを取り外せば水の交換や掃除が簡単にできる反面、時間の経過とともに劣化によって錆びてくっついてしまったり折れてしまったりなどのデメリットもあります。
昔はネジ式が主流でしたが、最近では落とし込み式と呼ばれるタイプの花立てが使用されるようになってきています。
墓石の石材をくり抜いて花立を入れ込むため、ネジや花立の破損を気にする心配がありません。
素材についてもアルミ製や黄銅(こうどう)製、ステンレス製など様々な種類があります。
素材ごとに以下のような特徴があります。
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アルミ製
手入れが比較的簡単・価格も安い・変色に強い
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黄銅製
高級感があ理、豪華に見える
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ステンレス製
サビにくく、耐久性が高い
香炉
香炉(こうろ)とはお香を焚く器のことを指します。
香炉には主に2つの役割があり、一つはお線香を立ててご先祖様に祈りを捧げる時に使い、もう一つはお焼香をする際に用います。
香炉の形にも種類があります。
以下の3つが代表的な香炉の形です。
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宮型香炉(屋根付き香炉)
香炉に屋根が付いている形の香炉です。お墓を豪華に見せ、高級感を出したいときに適しています。
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角香炉
シンプルな四角形の形をしています。他の種類の航路と比べ、加工の手間がかからないため、比較的価格が安くなっています。
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経机香炉
経典などを置くスペースがある香炉で、高級感と利便性を兼ねています。僧侶が拝む際に、仏具や経典を置きやすいといメリットがあります。
なお、香炉を選ぶ際は地域の習慣や宗派によって違いが生じてくるため、仏具の店舗に確認することをお勧めします。
香皿
香皿(こうざら)は別名、線香皿とも呼ばれ、香立(線香を立てるための道具)を置くためのお皿のことを言います。
お線香の火が消えてしまうことを防ぎ、香炉が傷つかないようにする役割があります。
また、灰も払いやすく簡単に掃除を行うことが出来ます。
塔婆立
塔婆立て(とうばたて)とは、卒塔婆(そとうば)という亡くなった方の供養や追善のために立てる1m〜2m程の細い木を立てかけるものです。
お墓のサイズや卒塔婆の数によって種類が異なってきます。
素材としては、サビに強いという点からステンレス製が選ばれることが多いようです。
卒塔婆自体は、基本的には菩薩寺や霊園の管理の方に依頼することで準備してもらうことが可能です。
浄土真宗では、人は亡くなったら浄土へ往生するとされているため卒塔婆を立てる追善供養は基本的には行いません。
ただ、地域や寺院によっては宗派に関係なく塔婆を立てるケースもあるため、親族や僧侶へ確認してみると良いでしょう。
灯篭
灯篭(とうろう)は、明かりをともす役割や道明かりの役割があり、邪気を払い、亡くなった方が道に迷わないようにするために置かれています。
灯籠は神様の知恵を表しています。
明かりを灯すことで煩悩を打ち消すという意味が込められています。
必ず対にして置かなければならないというわけではなく、寺院によっては一基しか置いていないところもあります。
明かりを灯さなくても、置いてあること自体に意味があります。
本来は灯篭を設置した方が良いのですが、最近では、お墓のスペースが狭いという理由で灯篭をたてないケースも増えてきているようです。
手桶・柄杓
手桶・柄杓(ひしゃく)は主に水を汲んで運ぶ時に用いる仏具です。
手桶は取っ手のある桶のことをいい、柄杓(ひしゃく)は、柄がついたお椀型や筒状の器のことを意味します。
竹製の他にも、金属製やプラスチックのものがあります。
霊園によっては、手桶棚があり共同で手桶を使用できることもあります。
寺院の墓地などでは、たまに家名が記入されている手桶もありますが、家名が記入されている手桶を使用しても問題ありません。
というのも、共同の棚に置いてある手桶は「寄進」されたものであり、寄進する行為自体がご先祖様を供養し功徳に繋がると考えられているため、誰が使用しても問題ないのです。
使用した場合は、感謝の気持ちを持って綺麗に洗って元の位置に戻すようにしましょう。
お墓の仏具を選ぶポイント

仏具を実際に購入するとなると、様々な種類があるため、迷ってしまうかもしれません。
たくさん種類のある仏具の中からどのように仏具を選べばいいのでしょうか?
ここでは、お墓の仏具の選び方について紹介します。
お墓の仏具を選ぶ際に注意しておきたいのは、全ての仏具を用意する必要はないということです。
仏具には、最低限揃えておくべき仏具があります。
それらを用意しておけば、基本的には問題ありません。
最低限用意しておきたい仏具は、「香炉・火立て(ローソク立て)・花立」の3つで、これらのことを三具足(みつぐそく)と呼びます。
三具足は宗派に関係なく準備が必要です。
また、花立と火立をそれぞれ一対ずつ置いたものを「五具足」と言います。
仏具は三具足か五具足を最低限準備しておくようにましょう。
それでは実際に、お墓の仏具を選ぶ際のポイントを順に紹介していきます。
素材
素材についてはできるだけ長く使用できるように、耐久性に優れた素材のものを選択するのが望ましいです。
ステンレス製の仏具は耐久性が高いため、人気があります。
サイズ
サイズについて考慮することも重要です。
お墓のサイズに比べ、大きすぎたり、小さすぎる仏具を選んでしまうと場合によっては買い直さなければならないこともあります。
事前にお墓のサイズを把握しておき、仏具を購入する際にはお墓にあうサイズのものを購入しましょう。
デザイン
サイズと同様にデザインについても考慮しましょう。
お墓のデザインとあわない仏具を購入してしまうと、統一感がなく、見栄えが悪くなってしまいます。
ご自身のお墓が和型のお墓なのか、洋型のお墓なのか等を考慮してお墓にあうデザインの仏具を選びましょう。
お墓での仏具の掃除方法

仏具は墓石と同様、なるべく定期的に掃除をし、綺麗に保つことが望ましいです。
ここではお墓での仏具の掃除方法を具体的に見ていきます。
特に使用頻度が高く掃除する必要性も高い香炉と花立については詳しく解説していきます。
仏具を掃除する際は、素材がそれぞれ違うため、手入れの方法が異なることがあります。
金物仏具の場合、磨いて大丈夫なものは金属磨き剤や専用の洗浄液を使用して磨き、艶が出るまで磨きます。
色が付いている場合は、固い布や研磨剤で磨くと塗装が剥がれてしまうため、柔らかい布で拭き取るようにしましょう。
香炉を掃除する際は、まず灰の中の燃え残りを取り除きます。
割り箸やピンセットで大まかに取り除き、茶こしなどで灰をふるうと綺麗になります。
荷物がかさばる時などは、ネットを使用すると簡単に掃除することができるため一つの手段としてお勧めです。
花立を掃除する場合、まずステンレスの筒を取り外します。
石の花立の場合は、直接地面に置くと傷ついてしまうため、タオルなどに置いておくと良いです。
花立は長期間雨水が花立の底に溜まることで腐食し穴が空いてしまう可能性があるため、定期的なお手入れが望ましいです。
灰が固くなってきたり塊が出来てしまうような時は交換時期なので新しい灰を購入し、入れ替えるようにしましょう。
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オススメのお墓の仏具

ここまでお墓の仏具についての種類や選び方などについて紹介してきました。
ここでは、オススメのお墓の仏具を種類ごとに紹介していきます。
ぜひ仏具を購入する際は参考にしてみて下さい。
花立

ステンレス製なのでお手入れもしやすく、長く使用できます。
香炉

お線香を寝かせてお供えする場合、香皿もセットになっているため金額を抑えたい方はこちらのタイプがお勧めです。

花立がセットになっています。
色やデザインも複数あり、お好きなタイプの香炉が選べます。
香皿

ステンレス製で錆びにくく、手入れがしやすいです。
塔婆立

土台が付いているため、独立して立てることが可能です。
灯篭

墓前灯篭の価格としてはとてもお手頃な値段です。
利用する際はアンカーによる固定が必要です。
手桶・柄杓

木製のものだと千円代で購入することもできますが、雨や風にさらされる可能性があるため、やはり耐久性に優れたステンレス製がお勧めです。
また、オプションで名入れ・紋入れ等ができます。
オプションをつける際は代金引換ができないのでご注意ください。
お墓の仏具についてまとめ

今回終活ねっとではお墓の仏具について見てきましたが、いかがでしたか?
この記事の内容をまとめると以下になります。
-
お墓に必要な仏具にはどんな種類がある?
お墓の仏具には主に花立・香炉・香皿・塔婆立・灯篭・手桶・柄杓があり、手入れのしやすいステンレス製が人気となっている
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お墓の仏具の選び方
お墓の仏具を選択する際は、素材・サイズ・デザインなどを念頭に置いて検討する。基本的には三具足を揃えれば問題ない。
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仏具の掃除方法
仏具の素材ごとに掃除方法も異なる。金物仏具の場合、磨いて大丈夫なものは金属磨き剤や専用の洗浄液を使用して磨き、艶が出るまで磨く。
色が付いている場合は、柔らかい布で拭き取るようにする。
お墓の仏具の役割や種類についても確認することが出来たのではないでしょうか。
この記事が仏具選びの参考になれば幸いです。
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最後までお読みいただきありがとうございました。
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