お墓参りと仏壇について

突然ですが、皆さんはご先祖様の供養の場といえばどこを挙げるでしょうか?
多くの方は、お墓もしくはお仏壇、もしくはその両方と答えるのではないでしょうか。
いずれにしても、お墓やお仏壇はご先祖様の供養の場としては欠かせないところです。
そして、多くの皆さんのお宅にはお仏壇もあれば、どこかの墓地や霊園に家のお墓もあるでしょう。
毎日のようにお仏壇の前でお線香をあげ、お供え物をして手を合わせ、また1年のある時期に定期的にお墓参りに出かけるということもよくある話です。
ところで、皆さんはこのような疑問を持ったことがありませんか?
つまり、「お仏壇に毎日のようにお参りすることと、お墓参りとはどのように異なるのか?」という疑問です。
一見したところ、どちらも結果としてはご先祖様のことをしのび、供養することに変わりはないように見えます。
そこで今回は、お仏壇へのお参りとお墓参りとはどのような違いがあるのかということについて見ていきます。
なお、この記事では、
- お墓と仏壇とではどちらが必要とされるものなのか?
- お墓参りと仏壇へのお参りはどちらに行けばよいのか?
- お墓参りと仏壇参りの方法とはどのようなものか?
という3つのポイントを中心に内容を進めていきます。
どの方にも参考にできる記事になっていますのでぜひ最後までお読みください。
お墓と仏壇はどっちが必要なの?

まずここでは、お墓とお仏壇とではどちらが必要とされるものであるかについて見ていきましょう。
終活の一環として、お墓やお仏壇の用意についていろいろと考えている方は、ぜひともご参考にして頂ければ幸いです。
お墓・仏壇を用意する意味の違い
まずは、お墓・仏壇を用意する意味の違いについて見ていきましょう。
お墓やお仏壇を用意することにはどのような意味があり、どのような違いがあるのでしょうか。
なかなか気づきにくいことではありますが、それぞれの意味について見ていきます。
お墓を建てる意味
身内のどなたかが亡くなった後、葬儀を経てしかるべき時期にお墓が建てられます。
しかし、それについてはあまりにも当たり前のようであるため、お墓を建てる意味はどのようなものがあるのかについては、意外とご存じないという方も多いのではないでしょうか。
あるいは、亡くなった身内の方やご先祖様が安らかに眠りにつくことができるための場と考えておられる方もいることでしょう。
実は、お墓は単にご先祖様が眠りにつく場という意味だけを持っているのではありません。
ご先祖様の安らかな眠りの場であると同時に、ご先祖様を正しくお祀りすることで今を生きる子孫の皆さんの繁栄を願う意味もあります。
また、ご先祖様の眠るお墓があることで、今を生きる私たちがご先祖様とのつながりを感じるとともに、仏様との縁を思うこともできます。
お墓を建てることの意味とは、いわば、単にそこに眠るご先祖様のためだけでなく、その子孫で今を生きる私たちのためでもあるのです。
仏壇を用意する意味
これに対し、お仏壇を用意する意味とはどのようなものなのでしょうか?
お仏壇にはたしかに亡くなった方のお位牌やご遺影もあることから、一見するとお墓と同じように故人が存在する場であるかのように見えます。
しかし、お仏壇とは本来はお寺のミニチュアであると考えられています。
言い換えれば、故人をお祀りする場であるというよりも、ご本尊様(信仰する対象の仏様のこと)にお供え物を捧げてお祀りする場であると考えた方がよいでしょう。
そのため、どちらかといえばご先祖様を祀る場であるというよりも、ご本尊様に対しさまざまな感謝の気持ちを示す場であるという意味合いが強いです。
ただ、ご本尊様に見守られているのと同時に、ご本尊様のお力で成仏した故人にも見守られていると実感できる場であるともいえます。
お墓・仏壇にかかる費用の違い
お墓とお仏壇との違いを、今度は建てたり用意したりするのに必要な費用という点から見ていきましょう。
お墓にかかる費用
お墓にかかる費用の内容としては、お墓のための敷地の費用である永代使用料(土地使用料)と墓石代、そして工事費用が挙げられます。
これらを合計すると、100万円から300万円というのがお墓を建てるうえでの一般的な費用の相場です。
ただし、石材や墓石のデザイン、敷地面積などによっては費用が300万円を超える場合もあります。
仏壇にかかる費用
仏壇にかかる費用の内容としては、材料に必要な費用や、製作に必要な費用、そして購入者の元までに届くまでの輸送費用が挙げられます。
最も手軽に用意しやすい種類が上置き仏壇と呼ばれる棚などの家具の上に設置するタイプで、5万円から15万円というのが費用の相場です。
より上質なものであれば、黒檀や紫檀といった海外産の木材でつくられている唐木仏壇と呼ばれる種類で、こちらは60万円から110万円ほどが相場です。
そして、最も高級な種類の仏壇が、白木の素地に金箔や金粉で装飾を施した金仏壇です。
宗派によって内部の意匠が異なるうえ、伝統工芸品に登録されているものも多いため、その費用も80万円から130万円が一般的な相場です。
ただし、中には数百万円の費用がかかる仏壇もあります。
結局どっちが必要なのか
結局のところ、お墓とお仏壇はどちらの方が必要な存在といえるのでしょうか。
結論から先に言えば、どちらでもよいといえます。
お墓であってもお仏壇であっても、ご先祖様や仏様の存在やつながりを感じることができる場であります。
ただし、もし金銭的な余裕があればどちらがあって大丈夫です
お墓参りと仏壇どっちに行けばいいの?

ここまで、お墓とお仏壇のどちらが必要であるかについて見ていきましたが、結局どちらかがもう一方寄りも必要ということではなく、どちらでもよいということでした。
そうなると、お墓参りとお仏壇へのお参りとはどちらへ行けばよいのかという疑問も出てきます。
ここでは、それについて見ていきましょう。
お参りに優劣はない
お墓参りと仏壇へのお参りとでは、どちらが尊い行為といえるのでしょうか?
結論から言うと、どちらのお参りについても優劣はありません。
それは、先ほども述べた、お墓でもお仏壇でもご先祖様や仏様を身近に感じることができることと関係しているためです。
どちらにお参りするにしても、そこでご先祖様や仏様が常に今を生きる私たちのことを見守ってくれていることにあらためて気づかされます。
ただ、もしもお墓参りに行ける余裕があるのであれば、お墓参りにも行った方がいいといえます。
というのは、お墓にはご先祖様のご遺骨が眠っている場所であるため、仏壇へのお参りに比べるとよりご先祖様を身近に感じることができるためです。
お盆・お彼岸にお墓参りに行けない場合
お盆やお彼岸といえば、1年でも多くの方がお墓参りに出かける季節ではありますが、諸事情によりお墓参りに行くことができないということもよくある話です。
このお盆・お彼岸にお墓参りに行けない場合はどうすればよいのでしょうか?
仏壇に手をあわせるだけでもいいのか
お盆やお彼岸の時期のお墓参りに行くことができない場合は、お仏壇の前で家族そろって手を合わせるだけでも供養となります。
そして、時間的な都合のつくときにあらためてお墓参りに出かければご先祖様も喜んでくれるでしょう。
もちろん、お墓参りに行けなかったからといって罰が下ったり、ご家族に不幸が起きたりするということはありません。
大切なのはご先祖様や仏様を敬う気持ちがあるということです。
お供え物はどうしたらいいのか
ちなみに、お墓参りに出かけることのできない場合、お供え物はお墓にお供えするものと同じようなものでよいです。
お盆であれば、きゅうりの馬となすの牛、お彼岸の時期であればおはぎやぼたもちを水やお花とともにお供えするとよいでしょう。
お菓子に関しては、できれば後でどのような人数の参列者でもおすそ分けできるように個別包装したものがおすすめです。
ただし、地域によってはお供え物が決まっている場合もありますので、その場合は地域の慣習に従いましょう。
お墓参り・仏壇参りの方法について

お墓参りやお仏壇へのお参りの方法としてはどのようなものがあるのでしょうか?
ここではお墓もしくはお仏壇にお参りする方法について見ていきましょう。
お墓参りの方法
お墓参りの場合は、以下の方法で行います。
- お墓参りはいつ出かけてもかまわない。
- お墓参りの際の持参するものは、ほうきやたわし、雑巾などの掃除用具や、お線香やお花、お菓子、果物などのお供え物が挙げられる。
- 最初にお墓周りの掃除を行う。この際に、くれぐれも墓石を傷つけないように配慮する。
- 掃除が終わったら、お供え物を供える。折った半紙の上に果物やお菓子を載せるほか、お花を花立にお供えする。
- 香炉にお線香をお供える。
- 参列者全員で手を合わせる。
- 帰宅する際にはお菓子や果物などのお供えした食べ物は必ず持ち帰る。ごみは残さないこと。
仏壇参りの方法
お仏壇にお参りする際には以下の方法で行います。
- お参りするタイミングは、1日のうち、朝と就寝前が基本。なお、日中は掃除をしておく。
- 朝のお参りの際には、仏壇の扉を開いて簡単に掃除をする。お供え物としてご飯とお花、水をお供えする(朝食後にお下げする)。
- お参りの時の作法は、仏壇の前に正座し一礼をして、お線香やろうそくに灯をともして念仏や題目などを唱える(宗派によって方法が違うため、特によその家庭にお邪魔するときは注意)。お参りを終える際には再び一礼してから下がる。
- 夜はお参りの後、仏壇の扉を閉める。お線香やろうそくについた火の消し忘れにはくれぐれも注意する。
いずれの方法も、基本的には掃除をし、お供え物を供えて、手を合わせるという点では同じです。
お墓参りと仏壇まとめ

お墓参りとお仏壇へのお参りの違いについていろいろと見てきましたが、いかがでしたか?
今回の内容をまとめると、以下のようになります。
- お墓とお仏壇のどちらが必要かといえば、意味の面でもご先祖様や仏様の存在を感じることができることから結局はどちらでもよい。余裕があるのならば、両方ともそろえておくことが望ましい。
- お墓参りとお仏壇へのお参りのどちらに行けばよいのかについても、どちらでもよいし、どちらにも優劣はない。なお、何らかの事情でお盆やお彼岸にお墓参りに行けない場合は、お仏壇に手を合わせるだけでも供養となるし、また都合のつくときにお墓参りに行くということでも差し支えはない。
- お墓参りの方法も、お仏壇へのお参りの方法も基本的には、掃除をし、お供え物をお供えし、手を合わせるということでは同じである。
お墓参りとお仏壇へのお参りの違いは一見すると終活とはあまり関係ないようにも見えます。
しかし、例えば両方のお参りとも優劣がつかないということを知っておくだけでも、ご家族に負担をかけまいとお墓を用意しないという選択肢を取ることにもつながると考えると、あながち終活と関係ないとも言い難い側面はあります。
その点を考えると、お墓参りとお仏壇へのお参りの違いに関する知識は終活に取り組む際に役立つともいえます。
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