お墓に戒名を彫る費用について

故人のお墓や位牌に彫ってある、漢字ばかりで書かれた名前については、多くの方が「戒名」として見聞きしたことがあるでしょう。
戒名とは、「○○院××居士」というような書かれ方をしているものです。
私たちは日常生活の中では戒名というものについてはあまり接することはありません。
戒名に接するとしたら、家族や親族の誰かが亡くなった時やお墓参りの時くらいのものです。
ところでこの戒名ですが、彫ってもらったりつけてもらったりする際にはどのくらいの費用がかかるのでしょうか?
さすがに、金額がかからずタダでつけてもらえるということはなさそうです。
なにしろ、戒名をつけるには、それなりに頭をひねらないとあのような漢字の羅列を思い浮かべることすら難しいものです。
ましてや、それをお墓に彫り込むとなるとさらに費用がかかるのではないでしょうか。
そして、その戒名にかかる費用についてあらかじめ知っておくことは、終活を進めていく中でも決して損にはならないことといえます。
今回は、お墓に戒名を彫ってもらうための費用について見ていきましょう。
今回の記事では、
- そもそも戒名とはどのようなものか?
- お墓に戒名を彫るのにかかる費用の相場はどれくらいが一般的か?
- 戒名を付けてもらう際の戒名料の相場はどのくらいか?
という3つのポイントを中心に据えて、話を進めていきます。
終活の一つとしてお墓の戒名にかかる費用について考えている方はぜひ参考にしてみてはいかがでしょうか。
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そもそも戒名ってなに?

お墓に戒名を彫ってもらうための費用について考える前に、まずは戒名とは何かについて見ていきましょう。
戒名とは
戒名とは、もともとは仏門に入った人に与えられる名前であるとともに、仏教における規則である戒律を守るという誓いの証でもあります。
現代のように亡くなった人に戒名が与えられるという風習は日本の仏教独特のものですが、そこには亡くなった人が成仏するという考え方に基づくためです。
なお、戒名は仏教の宗派によって呼び方が異なる場合もあります。
浄土真宗では「法名」、日蓮宗では「法号」と呼ばれているのがその例です。
戒名は必要なのか
この戒名ですが、亡くなった人に対して絶対に必要なものなのかどうかについて見ていきましょう。
たしかに、現代では宗教に対する価値観の変化や多様化の影響で、全員が全員仏教を信じているわけでもなければ、キリスト教といった仏教以外の宗教の信者である場合も少なくありません。
また、中には自由なスタイルの葬儀や埋葬を望む人も増えてきているという現状もあります。
このため、結論としては戒名は必ずしも必要というわけではありません。
しかし、伝統的な慣習から大多数の人たちが死後に戒名をつけてもらっているというのが現状です。
なお、戒名がない場合に生じる不都合として、寺院墓地に入るということが難しくなるというのが挙げられます。
特に、すでに祖先の時代からお付き合いのあるお寺にお墓がある場合は、戒名を付けてくれるのが基本的にその寺院の僧侶であるため、戒名がなければ代々のお墓に入れてもらえない場合もあります。
お墓に戒名を彫るのにかかる費用の相場

戒名について簡単に見てきたところで、この記事の本題であるお墓に戒名を彫ってもらうのに必要な費用やその相場について見ていきましょう。
ぜひとも、終活などで新しくお墓を建てる際の情報としてお役立てください。
墓碑に彫る場合
墓碑に彫る場合、つまり墓石のうちの竿石(墓石の中でも最も高い位置に建てられている石のこと)に戒名を彫る場合は1名あたり5万円から6万円が相場です。
単独墓(個人墓や家族墓)の場合は、基本的に竿石の正面に彫ります。
これに対して、永代供養墓などの合祀墓の場合は、竿石の側面もしくは背面に合祀されている人の戒名が彫られます。
お墓に戒名を彫ってもらう際の費用の相場についてですが、かつては戒名の文字数に基づいて決められていました。
これは、当時手作業で工具を使って一文字ずつ丹念に彫りの作業を進めていたことによります。
しかし、現代ではお墓の戒名を彫る技術も進化し、コンピューターなどが導入されるようになってきて文字数で作業工程の時間がたいして異なるということがなくなったため、1名あたりの料金の相場で費用が算出されるに至りました。
墓誌に彫る場合
お墓で戒名を彫られるのは、墓石だけとは限りません。
お墓の脇に建てられている墓誌と呼ばれる、お墓に納骨されている故人の名前や没年月日、戒名、享年が彫られている石製の板に彫られることも多いです。
墓誌に戒名を彫る場合の費用の相場は、お墓の竿石に彫られる場合に比べるとやや安くなり、1名につき5万円前後というのが一般的です。
やはりこちらについても、以前であれば工具を使って一文字ずつ彫っていたために文字数に応じて費用を算出していましたが、現代でコンピューターなどを活用して彫るため、戒名を彫る人数分に基づいて費用の計算を行っています。
墓誌については複数人分の戒名を彫っていくことができるため、長期にわたって戒名を彫ってもらうことができます。
なお、墓誌の片面につき最大で10名分前後の戒名を彫ってもらうことができるため、裏面も使うと20名前後までの戒名を彫ることが可能です。
もし、墓誌がいっぱいになった時は?
ちなみに、もし墓誌が両面とも戒名で埋め尽くされた時、これ以上戒名を新たに彫り加えることができないという場合はどうなるのでしょうか?
この場合は、新たに墓誌を建てて新しく故人の戒名を追加していくか、もしくは墓誌を磨き直して、あらためて新しく戒名を追加していくという方法がとられます。
新しく墓誌を建てる場合は5万円から20万円が、墓誌を磨き直す場合は約20万円が一般的な費用の相場です。
お墓の敷地に余裕がある場合は新しい墓誌を建てたほうが安上がりになる場合がありますが、それほどスペースに余裕がない場合は磨き直しが現実的な選択肢といえます。
ちなみに、磨き直しの場合は、今まで彫られた故人の戒名については「先祖代々之諸精霊」の一文でまとめられたうえで、再び追加で新しい戒名が彫られていきます。
閉眼供養が必要になることも
基本的にお墓の戒名は、石材店の手でお墓がある現地の墓地や霊園で彫る作業が行われます。
しかし、戒名を彫るための専用の機械がお墓までのアクセスや立地条件が悪く運搬できないという場合は、現地ではなく石材店が持っている専用の工場まで墓石や墓誌を運んで、そこで改めて戒名を彫る作業が行われます。
この場合は、戒名を彫るための費用のほかに、お墓のある墓地や霊園と工場との間の往復の移送費が必要です。
そのほかにも、墓石を移送する前にいったん僧侶を呼んで閉眼供養を執り行い、加えて彫刻の作業が完了してあらためてお墓を元通りにした際に開眼供養をやってもらう必要があります。
この際に僧侶に手渡すお布施やお車代ももちろん必要です。
なお、閉眼供養と開眼供養に対するお布施の金額の相場はそれぞれ1万円から5万円、お車代は5000円から1万円が一般的です。
このようにお墓の立地条件やアクセスが悪いと戒名を入れてもらううえでも余計な費用が発生する場合も少なくないので、終活の中でお墓を新しく建てたり、あるいは別の場所に改葬したりするのであれば、アクセスや立地条件はよく考えた方がいいといえるでしょう。
戒名料の相場

ここでは、戒名を付けてもらった際に手渡す戒名料の相場について見ていきましょう。
最初に金額の相場について先に触れておきますと、2万円から100万円とかなり幅の広い相場になっています。
ちなみに戒名料の全国平均の金額は50万円前後です。
これだけ費用の相場の幅が広い背景には、戒名にいくつかのランクがあることが大きく関わっています。
ランクによって変わってくる戒名料
戒名にはいくつかのランクによって費用が異なります。
戒名料のランクは大まかに分けて下から「信士・信女(しんにょ)」「居士・大姉(だいし)」「院信士・院信女」「院居士・院大姉」となっています。
このうち、「院」がつくものが「院号」と呼ばれます。
このようにランクが分かれるのは、生前に故人がどのくらい寺院(菩提寺)に貢献したかや、菩提寺の宗派における信心がどれほどのものだったか、また社会の中での知名度や貢献度などの判断基準で決定するためです。
ランクごとの戒名料の相場は?
さて、肝心の戒名料ですが、「信士・信女」で20万円から50万円、「居士・大姉」で50万円から80万円、「院信士・院信女」で30万円から100万円、「院居士・院大姉」で100万円以上というのが一般的な相場です。
この金額は宗派によってもさまざまですが、特に浄土真宗は比較的安めの相場です。
さらに、宗派によって特定の戒名の位号(ランク)がない場合や位号の名称が異なる場合もあります。
自分でつけて戒名料を無料にできる
実は戒名は自分でつけることもできます。
この場合は、自分でつけることになるため、僧侶に戒名料を手渡す必要がなくなり、葬儀や埋葬に関する費用の節減につなげることもできます。
しかし、自分で戒名を付ける場合は、当然ながら寺院(特に菩提寺)との関係を考慮に入れる必要が出てきます。
まず、事前に菩提寺に相談することは避けて通れません。
菩提寺がある場合、戒名を付けてもらうということ自体が葬儀や埋葬において菩提寺の意向を汲むことであり、これを無視した場合は今後の菩提寺との関係に悪影響を与えかねないためです。
そして、菩提寺の了承を取り付けたら、今度は戒名を付ける際のルールに基づいて戒名を決めていきます。
ちなみに、無宗教であったり、菩提寺がなかったりという場合には戒名を付けるうえで菩提寺のことは気にしなくても大丈夫です。
お墓に戒名を彫る費用まとめ

お墓に戒名を彫るための費用について見てきましたが、いかがでしたか?
今回の記事の内容をまとめると、以下のようになります。
- 戒名はもともと仏門に入った人間に与えられる名前であるが、現代では人が亡くなった後に成仏するという日本の仏教独特の考え方のもとに故人につけられる名前を指す。ただし、戒名が必ずしも必要というわけではない。
- 戒名を彫ってもらうための費用は、墓石に彫る場合は5万円から6万円、墓誌に彫る場合は5万円前後が一般的な相場である。墓誌が戒名でいっぱいになった場合は、新しい墓誌を建てる場合で5万円から20万円、墓誌の磨き直しで20万円の費用が必要である。なお、お墓の立地条件によっては石材店の工場で彫刻するため、その場合は墓地と工場との往復移送費や閉眼供養と開眼供養のお布施といった追加の費用が必要になる。
- 戒名料はつけられた戒名のランクや宗派によって大きく変わってくるが、全国平均で50万円ほどかかる。なお、自分で戒名を付けて戒名料を無料にできるが、その際は菩提寺との相談は不可欠である。
このように、お墓に戒名を彫ってもらう場合や、戒名をつけてもらう場合でも大きな金額のお金が必要となってきます。
そのため、戒名を彫ってもらうための費用や戒名をつけてもらうための戒名料についてあらかじめ知っておくのも、お墓を建てるだけでなく、そのあとの管理のことまで考えると極めて重要なことといえます。
今回終活ねっとでは、「お墓の戒名にかかる費用」について解説しましたが、他にも終活に関する記事を多数掲載していますのでそちらも参考にしてみてはいかがでしょうか。
最後までお読みいただきありがとうございました。
お墓を建てたいけどどうすればいいかわからない方へ...

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