納骨堂のメリット・デメリットについて

仏教において、お墓というのは死者の肉体が眠る大切な場所だとされています。
しかし昨今、お墓として用いるための土地の減少や管理の大変さ、また信仰の自由から、昔ながらのお墓に対する概念が変わってきているのも事実です。
日本では高度経済成長に至る前から核家族化が進み、実家に暮らし続けて先祖代々からのお墓を守っていく若者は減少しております。
平成になった今でも、その状況に拍車をかけています。
そのような事情の中で注目を集めているものが「納骨堂」です。
この記事では、納骨堂のメリットとデメリットに着目しながら、色々な事情を踏まえて納骨堂を実際に選ぶとしたらどんな点に注意を払えば良いのか、次の内容でご説明いたします。
- 納骨堂とは
- 納骨堂のメリット
- 納骨堂のデメリット
- 納骨堂の種類と費用
- 納骨堂を選ぶ時の注意点
では、さっそく「納骨堂」の解説からみていきましょう。
納骨堂とは

納骨堂とは、「他人から委託を受けて、亡くなった方の遺骨を納骨するための室内のお墓」です。
納骨堂の種類としては
- ロッカー式
- 墓石タイプ
- 位牌タイプ
- 仏壇タイプ
- 機械式
- 合祀型
など、様々な種類があります。
中には室内とはいえ墓石をおいている納骨堂もありますし、上段に仏壇や位牌をおいて下段に遺骨をおくような「納骨壇」タイプのものもあります。
いずれにしても、室内で遺骨を置いておける場所、ということです。
この納骨堂は誰でも自由に建ててよいものではなく、都道府県知事の許可を受ける必要があります。
勘違いしてはいけないのが、寺院や教会など宗教の基となっている建物内であれば、どこでも納骨堂として遺骨を収蔵しても良いわけではない、ということです。
納骨堂のメリット

それでは、なぜ納骨堂を選択する人が増えているのか、普通のお墓に遺骨を納める場合と比較しながらメリットを考えていきましょう。
費用が安い
まず、なんといっても費用が安いということが挙げられます。
お墓を建てる場合、どんな墓石で建てるかによってピンキリではありますが、相場とすれば50~200万円といわれています。
ちょっとデザインにこったや材質にこった墓石にするだけで、簡単に100万円は超えてしまうものです。
さらにここに土地代(永代使用料・墓地使用料ともいいます)がプラスされます。
これも、土地の広さにもよりますが物価の高い関東圏内の平均が100万円前後といわれていますから、墓石と併せれば200万円前後となる場合もあります。
納骨堂であれば、一般的な一人用の費用の相場が50万円前後といわれているため、比べてみるとその差は歴然です。
ただ一人用ではなく複数、ないし家族用となると100万円を超える納骨堂もありますし、収骨するのに契約期間が定められている場合には、期間を更新する際に費用がかかるところもあります。
さらに永代使用するならプラスして費用がかかる納骨堂もありますので、費用を比べる時にはトータルで比べるようにしましょう。
いずれにしても、屋外のお墓をメンテナンスする費用とか、檀家としてお寺に払い続ける費用を考えれば、納骨堂の方が断然費用が安く済みます。
手間のかかる管理が不要
屋外にあるお墓の場合、雨風にさらされていますから墓石は汚れますし、整地の仕方によっては雑草が酷い状態になります。
春と秋、そしてお盆にと、年に3回のお墓参りをするだけでも掃除や草取りなどのメンテナンスにかなりの手間がかかってしまいます。
お墓のメンテナンスに関しては、自分たちがそれで良いと考えていたとしても、たまに集まる親族などから「もう少し、先祖代々のお墓を大切にしたら」というようなプレッシャーがかけられることもしばしば。
ただでさえ手間がかかるのに、精神的にも疲れてしまう要因になりかねません。
この点、納骨堂は屋内ですから管理にかかる手間がほとんど必要ありません。
さらに、費用の中には年間管理料が含まれている納骨堂も多いため、管理するためにプラスの費用がかかるということも少ないといえます。
利便性が良い
例えば、東京都台東区浅草にある納骨堂は9階建てで、外観からは遺骨を納めるような場所とは思えず、ホテルか何かだと勘違いしてしまう人もいるようです。
都心の納骨堂は近隣の駅から徒歩圏内であるため気軽にお墓参りに行くことができます。
さらに屋外のお墓だと、お墓参りを予定していたとしても天候に左右されることが多く、少しの雨なら実行する場合もありますがどしゃ降りであれば延期しなければならないこともあります。
さらにそのような天気ではお供えものも出来ません。
この点、納骨堂であれば天気も関係なく、供え物もいつだって出来ます。
そして後に触れますが機械式の納骨堂であれば、24時間いつでもお墓参りすることが可能です。
忙しい人にとって、これほどありがたいことはありません。
宗派不問
江戸時代に檀家制度が市民に浸透されてから、亡くなった後でもお寺に管理されることが一般的でした。
その場合、当然ですが墓地のあるお寺の方法で管理していくため、他宗教の方の利用なんてもっての他でした。
今では、他宗教の家族の遺骨を納骨できるお寺も増えているようですが、それでも、納骨堂の自由さに比べればかないません。
納骨堂なら、宗教が問われることはほとんどありません。
日本で納骨堂を管理しているのは、主に寺院納骨堂、公営納骨堂、民営納骨堂の3種類の団体ですが、寺院納骨堂であっても宗教を問わない場合が増えています。
もちろん、公営や民営であればなおさらです。
今の日本は、多宗教というよりも無宗教の人口が増えていると言われています。
つまり昔ながらのお寺、仏教という習慣に左右されずに納骨をしたい、という訳です。
お寺が管理するお墓などは、やはりそれなりのしきたりがありますので、宗教色が全く関係ない納骨堂がベストでしょう。
永代供養をしてもらえる
そもそも、永代供養というものはどういうものなのでしょうか?
お墓参りをする人が全くいないとしても、(お寺が)責任をもって永代、つまり永久に供養と管理をしてくれるというものです。
納骨堂はもともと、屋内であるため極端に管理する手間がかからないのが特徴ですが、誰もお墓参りをしないということになると話が別です。
大体の納骨堂には、遺骨を保管する期間というものが決まっており、期間を延長する場合には契約を更新しなければなりません。
それじゃあ永代供養は無理じゃないか…とお思いでしょうが、納骨堂の永代供養にはポイントがあって、最初から永代供養を目的として契約するなら期間を区切る必要はないのです。
永代供養を目的として納骨堂を利用する場合「合祀」という方法をとります。
これは、お骨を個々に供養、管理するのではなく、他の大勢のお骨と一緒に供養し、管理していくものです。
つまり、個々の管理費用が必要ありませんから費用もかなり抑えることが出来ます。
例えば、一人ではなく家族のお骨を納めていくために契約する納骨堂の費用は100万~300万円が相場といわれていますが、合祀であれば10万円程度で済む場合があります。
これはかなりのメリットといえますね。
バリアフリーであることが多い
納骨堂は、基本的に屋内ですから段差がないバリアフリー構造になっているのが一般的です。
これ自体は当たり前のように感じますので「何がメリットなの…?」と感じますか?しかし、屋外にあるお墓と比べてみると確かにメリットだということが分かります。
屋外のお墓というのは、都心部にある集団墓地などを除けば、往々にして舗装された歩きやすい道で行けることはあまりありません。
特に、雨が降ったりすると足元がぬかるんでしまうことが多いといえます。
これでは、高齢の方にとってお墓参りは困難となってしまいます。
比べると納骨堂は、舗装した道の上に建っているのが一般的ですし、車いすの人でも入れるように段差をなくしていることがほとんです。
さらに納骨堂であればトイレもバリアフリーとなっていますから、利便性という面からしても大きなメリットといえます。
家族代々利用できる
昔ながらのお墓は、先祖代々受け継がれてきているのが当たり前ですが、納骨堂もそれが可能です。
もちろん、一人用(一代用)もありますが、どちらかが選択できるというのもメリットといえます。
お墓であれば、家族が代々利用するために土地を購入し、墓石を建てる訳ですから、費用の項目でみたとおりの額がかかりますが、納骨堂の家族代々利用においては、土地の購入費が必要ありません。
ただ、一代用よりも費用はかかりますが、それでもお墓を建てるよりも全てにおいて手軽に行えます。
家族が代々利用できるための納骨堂は、割り当てられた一つの収蔵スペースが比較的広くつくられているのが一般的です。
多くの納骨堂は、最初に契約するのは33回忌までの収蔵期間であって、その後は契約を更新するか永代供養の項目でみたとおり他の遺骨と共に合祀するかを選択することが出来ますが、家族が代々利用する場合であってもどちらかを選択することが出来る納骨堂もあるようです。
納骨堂のデメリット

先で触れたように便利と思える納骨堂であっても、必ずデメリットはあるものです。
メリットとデメリットは、両方をしっかり考慮して初めて成り立つものですから、しっかり確認してきましょう。
供え物に制限がある
通常のお墓であれば、お墓参りの時の供え物には制限がありません。
ただ、お墓にお供えした火が点いたままの線香が、もしかしたら山火事の原因になっているかもしれないという報道がなされてから、多少は制限が出てきているという話もあります。
しかし、それが明確に規定されているお墓は未だ少ないようです。
その点、納骨堂にはお供え物に制限がある場合があります。
納骨堂は屋内ですから火の点いた線香を供えることは基本的に出来ません。
もちろん、全ての納骨堂が不可能なのではなく、許可されている納骨堂もあります。
また、一つ一つの収蔵スペースの前には線香を供えることが出来なくても、例えばそのフロアーの一か所に線香を供える専用スペースがある納骨堂もあります。
また、食べ物やお酒についても供えることに制限がある納骨堂もあります。
災害での遺骨紛失の可能性がある
日本は災害大国です。
特に最近ではゲリラ豪雨や台風などの大雨による災害も増えていますが、何よりも恐ろしいのが地震、そしてそれによる津波です。
津波は、海岸に面する沿岸地方のみの恐怖なので日本全土という訳ではありませんが、地震はそうはいきません。
そして、災害による遺骨紛失ということを考える時、最も可能性が高いのは地震なのです。
当然ながら、屋外にあるお墓だって地震により被害を被る可能性はあります。
ただ、屋内に保管している納骨堂の場合、地震によって建物自体が倒壊してしまえば、難を逃れる術はありません。
遺骨自体が紛失することはないかもしれませんが、多くの遺骨が収蔵されていますので自分の家族の遺骨がどれかというのは解らないことでしょう。
もちろん、最近の納骨堂は耐震性を考慮して建てられているので、ほとんどの場合は安心です。
契約期間がある場合は合祀墓に
納骨堂は、遺骨を収蔵・管理してもらうために運営する団体と管理委託契約を締結しなければなりません。
そして、一般的に33回忌までの契約を締結する人の方が多いといわれます。
ですから納骨堂に遺骨を収蔵する時に納める金額は、33年目までの管理費なのです。
では、その後はどうなるのでしょうか?
遺骨収蔵は契約行為ですから、33回忌以降も契約を更新して収蔵し続けてもらうか、合祀として弔ってもらうかを選択することが出来ます。
合祀を選択すれば、他の遺骨と共に弔ってもらうことになりますのでそれ以降は親族の遺骨だけを対象としたお墓参りは出来なくなります。
ただ、最初から33回忌以降は合祀で良いという契約内容であれば、管理費用を安く抑えることが出来る納骨堂もありますので、どうしても個人的に遺骨収蔵を望まないのであれば一つの方法だといえます。
合祀墓だと遺骨の移動ができない
前項でご紹介したとおり、例えば33回忌以降は合祀墓を選択した場合、他の遺骨と一緒になりますから自分の家族だけの遺骨を移動するということが出来なくなります。
また、最初から合祀墓を選択した場合にも同様です。
遺骨の移動が生じるケースというのはいくつか考えられます。
例えば、地方の実家に戻らなければならなくなった場合や、自然災害などで被災して暮らしていた場所から永久的に離れなくてはならなくなった場合などです。
或いは、一旦契約した納骨堂の管理方法などが不満に思う場合、他の納骨堂に遺骨収蔵を替えようと思っても合祀墓の場合にはそれが出来ません。
このように、合祀墓への収蔵を選択する場合には慎重な検討と判断が必要なのです。
納骨堂の種類と費用

納骨堂といっても一種類ではなく、多様な種類があります。それぞれでメリット・デメリットもありますが、ここでは納骨堂の種類と費用の目安についてご紹介します。
ただし、費用については納骨堂によって、また地域によって差がありますので、あくまでも一例としてお考えください。
仏壇式
納骨堂と聞くと、次でご紹介する「棚式」や「ロッカー式」を思い浮かべる方も多くいらっしゃると思いますが、各家庭に置いてあるような仏壇式になっている納骨堂も多数あります。
仏壇式の代表的な形式は、二段に分かれていて上段に仏壇があり、下段に遺骨を収蔵するスペースがあるのです。
これなら、まるで自宅の仏壇に手を合わせるかのようにお墓参りが出来ますし、各家庭にある仏壇が一つの建物に集合しているだけの様なものですから、家族が代々使用する契約を締結することがほとんどのようです。
そのため、費用については高く設定されていることが多いといえます。
一般的な納骨堂で、一人用の契約が50万円程度(33回忌までの契約期間の場合)といわれていますが、家族で使用できるものになると100万円を超えることが相場のようです。
費用を抑えたい方にとってはデメリットといえますね。
ロッカー式
先に触れたように、納骨堂と聞くと一般的にはこのロッカー式を思い浮かべるかもしれません。
イメージするのであれば、駅にあるコインロッカーのようなタイプでしょうか。
別名「棚式」と呼ばれることもあります。
ロッカー式のメリットの一つは費用の安さといえるでしょう。
隣のロッカーは別の方の遺骨が納められている訳ですから、収蔵スペースも狭く、管理するにも楽ですから設定金額が安いのです。
逆に、デメリットといえばお墓参りをしようとしても味気ないものとなる、ということでしょうか。
ロッカー式の納骨堂の費用は、一人用で50万円前後だといわれますが、30万円程度からあるようです。
夫婦用だとその1.2倍程度、家族用だと1.5~2倍程度だといわれます。
墓石タイプ
納骨堂であっても、まるで屋外にあるような立派な墓石が置いてある場合もあります。
お墓のある場所が建物内になった、というだけだといえるこのタイプは、先祖の遺骨には敬意を払うのだけれども遺骨を収蔵するための土地やお墓がないだけだという方、またお墓参りをとても重視したい方にとっては大きなメリットだといえます。
というのも、ある納骨堂では墓石タイプの場合、供え物や水かけも屋外のお墓のように出来る設備があるからです。
火を点けた線香を供えることも出来れば飲食物を供えることもでき、屋内なので墓石が汚れてはいないものの、先祖に水を手向けるという意味で墓石に水をかけたい人などは、断然墓石タイプを選択した方が良いでしょう。
デメリットといえば、費用が高いことです。ただ、屋内にあってメンテナンスに手間がかからず、気分的にもしっかりとお墓参りが出来ることを考えれば、当然のことといえますね。
機械タイプ
特に、都心部などに多くみられる機械タイプは、ロッカー式のように目の前に遺骨を収蔵する場所があるのではなく、例えば地下深くに、或いは地上高い所に収蔵スペースがあって機械でそこまで遺骨を運ぶタイプの納骨堂です。
人が入らないような設計になっていますから収蔵スペースが場所をとらず、何千、何万という数の遺骨を収蔵することが可能です。
また、メンテナンスにもあまり費用がかかりませんから、費用が安いという点がメリットだといえます。
目の前に収蔵スペースがないということは、遺骨を目前にしてお墓参りをすることが出来ないということです。
これがデメリットだと考える人もいますが、代表してお墓参りをする場所(墓石など)を設けてくれている納骨堂もありますから、それでも良いという方はデメリットではないでしょう。
位牌タイプ
位牌とは、仏壇などに置いてある故人の戒名を記した木のことです。
仏教では、亡くなった時に極楽浄土へ行くため、人間として生きていたときとは違う名「戒名」をつけて弔うことが一般的です。宗派によっては、故人の名を戒名の中に入れてくれる場合もあります。
位牌タイプの納骨堂には、お参りする人が入れる場所に収蔵されている故人達の位牌がズラッと並んでいるため、遺骨自体は別の場所に収蔵されているのが一般的です。
つまり、機械タイプと同様に収蔵スペースに場所をとらず、メンテナンスもかかりません。
そのため、費用が安いのがメリットであり、遺骨を目の前にしてお墓参りが出来ないということがデメリットになる、という点も同様です。
位牌タイプは、お参りする場所に大勢の位牌が並べられていますから、自分の先祖にだけお参りするのではなく、そこに収蔵されている遺骨全体にお参りする人がいるとしたら、多くの人に弔ってもらえるという考え方が出来るかもしれません。
合葬・合祀タイプ
納骨堂のデメリットの項目でもふれましたが、合葬・合祀タイプの場合にはその他大勢の方の遺骨と共に収蔵されるということになります。
例えば、永代供養塔の棚に遺骨を収蔵する納骨堂もあります。
骨壺をおいて収蔵するタイプと、遺骨のみを出して一緒にするタイプがあります。
合葬・合祀タイプのメリットは、なんといっても費用の安さです。
ロッカータイプの一人用の場合には50万円程度が相場だと述べました。安いところになると30万円という納骨堂もありますが、さらに費用を抑えることが可能です。
例えば、あるクリスチャン宗派のようにお墓参りは一切しないという場合には、これで十分だといえます。
デメリットはもちろん、家族の遺骨がどれか判らない状態でお墓参りをすることになりますから、先祖供養やお墓参りを大切に思っている方の場合は止めておいた方が良いでしょう。
納骨堂を選ぶときの注意点

遺骨収蔵に関する考え方や宗教・宗派などによってはこれだけ便利な納骨堂ですが、どの納骨堂でも同じ訳ではありません。では、どうやって納骨堂を選べばよいのでしょうか?
アクセスの利便性
例えば、青山霊園のように公園内にあるアクセスの良い屋外墓地は、どちらかといえば珍しい方です。
しかもアクセスが良いということはそのまま費用が高くなることにも直結しています。
ですから、一般的に墓地は都市部から少し離れたような場所に多くあるものです。
また、昔の人は少し小高いような丘などに墓地をつくることで、死者の魂が見守ってくれていると信じている節があったとも言われています。
しかし今、遺骨の収蔵やお墓参りに重視されているのは、交通の便の良さ、つまりアクセスの便利さだといえます。
自動車で行かなければならないような場所よりも、電車やバスなど公共交通機関を利用すればすぐに行ける場所が人気です。
出来れば、電車に乗る場合にはバスに乗り換えることなく行けるぐらいのアクセスの良さが、納骨堂を選ぶ際には重要な点ともいえます。
費用の確認
納骨堂を選ぶ時、一番重視したいのはここかもしれません。
というのも、お墓ではなく納骨堂を選ぶ一番のメリットは、メンテナンスがかからずに費用が安く抑えられる、ということだといえます。
ですから、納骨堂を選ぶ時には必ず費用の確認を行いましょう。
ただ、費用といっても一人用なのか家族用なのか、永代供養なのか33回忌までなのか、33回忌以降はどうするのか、仏壇式なのかロッカー式なのか、位牌式なのか機械式なのかなど、収蔵の仕方や納骨堂の種類によって全て違ってきます。
同じ種類の納骨堂だけで費用を見比べるのではなく、自分達が遺骨収蔵に対してどのような考え方をもっているのか、また予算と合わなければ妥協できるラインはあるのかなど、事前に話し合っておくとスムーズに選択しやすくなるでしょう。
いうまでもなく、同じ種類・同じ契約内容だとしても、納骨堂の立地条件によって、また運営団体によって費用には差がありますので、それも考慮して見積もり合わせを行うと良いといえます。
スペース
納骨堂の種類(仏壇式・ロッカー式・機械式・位牌式など)によって、遺骨を収蔵するスペースに違いがあるのは、今までご紹介してきたとおりです。
仏壇式の場合、上段が仏壇になっていて下段に遺骨を収蔵するスペースがありますので、お墓参りに行った時でもある程度の達成感が得られるものです。
これは、墓石タイプの納骨堂においても同じことがいえます。
しかし、機械式や位牌式になると、遺骨を収蔵するスペースが自分の手が届かない場所になります。
もちろん、その方が設備的には多くの遺骨を収蔵することが可能ですから、費用も安くなるのが一般的なのですが、あまりにも遺骨が見えない場所にあるとお墓参りをしても味気なく、本当に費用を払ってまで収蔵してもらう価値があるのか…と疑問に思うことがあるかもしれません。
さらに、災害などで納骨堂が被害を受けた場合、仏壇の下など個々の場所に遺骨を収蔵している場合の方が、例え仏壇が崩れてしまったとしても自分の家族の遺骨が見つけやすいというメリットもあります。
遺骨スペースが全く別の場所にある場合には、どの遺骨が誰のものかということが分かりにくくなってしまうのです。
この点に重点をおくのであれば、考慮に入れた方が賢明な納骨堂選びが出来るでしょう。
納骨堂メリット・デメリットまとめ

いかがでしたか?
この記事では、納骨堂を供養の形態として選択するメリット・デメリットを解説しました。
メリットは
- 費用が安い
- 手間がかからない
- 利便性が良い
- 宗派不問が多い
- 永代供養をしてもらえる
- バリアフリーであることが多い
- もちろん家族代々利用できる
ということです。
一方、デメリットは
- 供物に制限がある
- 災害の際の遺骨紛失のリスク
- 契約期間が満了すると合祀墓に
- 合祀墓だと遺骨の移動ができない
といったことが挙げられます。
ここでみてきたとおり、色々なタイプや費用の納骨堂がありますが、一番大切なのはどの納骨堂が人気があるのかということではなく、自分達が、遺骨の収蔵についてどのように考えているのか、ということではないでしょうか。
この点をよく考えておけば、不必要な内容で納骨堂を選ぶことがなくなり、余計な出費がかからないということもありますし、逆に費用だけで安い納骨堂を選んだ結果、契約を結んだ後に後悔してしまう…ということを無くすことも出来ます。
準備8割…といわれます。
契約する前だからこそ、様々なことを視野に入れて検討しておくことが出来るのです。
納骨堂について詳しく知りたいあなたへ...

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