
お墓の「開眼供養」とは?|お供え物・お布施・時期・マナー・やり方
お墓の開眼供養って何のことでしょう?お墓の開眼供養を経験したことがある方はあまりいないのではないでしょうか。この記事ではお墓の開眼供養を、いつ、どのような時に、どんな風に行えばよいのか、わかりやすく解説します。ぜひ最後までお読みください!
最終更新日: 2020年12月17日
そもそも開眼供養はどんな時にするの?

開眼供養(開眼法要)とは、新しくお墓を建てた時や立て直した時、仏壇、位牌を新しく購入した時に、僧侶に読経してもらうことです。
文字通り、目を開くという意味があり、開眼供養を行うことで、死者やご先祖様の魂を迎え入れて、はじめて礼拝する対象物=お墓というものになります。
開眼供養が行われていないお墓はまだ普通の石であり、ご先祖様や故人の終の棲家であるお墓と呼ぶことはできないと言われるほどです。
そもそもは、仏像を完成させる際に、最後に仏像の目を描きこむことで仏像に魂を宿らせると言われていることが「開眼供養」という名前の由来となっています。
仏像に限らず、お墓や位牌、仏壇も新しくなった時に、魂を入れるという意味で「開眼供養」というものが行われます。

「終活ねっと」運営スタッフ
今回、「終活ねっと」ではお墓の開眼供養について以下のような事柄を中心に解説していきます。
- 開眼供養を行うのはいつ?
- 開眼供養をする前にやっておくべきことってある?
- 開眼供養のマナーについて
- 納骨式も一緒に行う場合に気をつけるべきこと
時間がないという方やお急ぎの方も、知りたい情報をピックアップしてお読みいただけます。
ぜひ最後までお読みください。
新しくお墓を建てた時
開眼供養を行うのは、新しくお墓を購入した時・お墓を建てた時・お墓を改葬した時などです。
開眼供養は仏事法要の中の一つですが、慶事ですので「おめでとうございます」という言葉を使う場合もあります。
ただし、四十九日法要や納骨式と同じ日に行う場合は、言葉使いに注意してください。
「終活ねっと」では、お墓を建立した際の手続きとやるべきことについて解説した記事も掲載しております。
ぜひ以下のリンクからお読みください。
改葬の場合は閉眼供養も行う
開眼供養を行う時、全く何もないところにお墓を建てるのなら良いのですが、お墓を移したり改葬する時、あるいは位牌や仏壇を新しくするときは、閉眼法要(閉眼供養)と呼ばれる、お魂抜きや性根抜きをしなければいけません。
お墓などに宿った仏様の魂を鎮めて抜き取る供養をしないで、勝手に処分したりお骨を取り出したりしてはいけません。
流れとしては、古いお墓を改葬する時は、まず、閉眼供養をしてもらい遺骨を取り出し、お寺で一時的に預かってもらうか、家で保管します。
その後、石材店で新しいお墓を建ててもらいます。
出来上がったら、僧侶に来てもらい開眼供養を行ってから、納骨するようにします。
納骨式には埋葬許可証などが必要な場合もあります。
閉眼供養は、身内だけで行うのが一般的で、遠い親戚まで呼ぶ必要はありませんが、開眼供養はおめでたい席なので、できればたくさんの方に出席していただくのが望ましいです。
浄土真宗の場合
浄土真宗では、お墓に眼を入れたり魂を入れるという概念がないため、開眼供養とは言いません。
建碑慶讃法要、あるいは墓所建立法要と呼ばれていますが、一般的な開眼供養と同じで、御移徙(おわたまし)という慶事法要を行います。
浄土真宗の建碑慶讃法要は、開眼供養同様にいわゆるお供え物として、お墓に故人の好きだったものやお酒などを備えるのはもちろん、お寺のご本尊にお供え物として、生花一対、お饅頭、果物を用意する場合もあります。
ご本尊へのお供え物は、お餅やお米、ろうそくなど各お寺で違う場合もありますので、建碑慶讃法要のやり方は、ご住職に問い合わせてみましょう。
開眼供養をする前にやっておくべきこと

開眼供養をする日が決まったら、事前にやっておくべきことがあります。
住んでいる地域やお寺によって多少の違いはありますが、基本的なことは覚えておきましょう。
寺院への連絡
開眼供養はお墓に魂を入れる仏事法要ですので、僧侶にお墓まで来ていただく必要があります。
なるべく参列者が多い方が良いので、家族の都合の合う日を選んだら寺院へ連絡して、僧侶に相談してみましょう。
開眼供養だけ行うのか、四十九日や年忌法要、納骨式も併せて行うのかもしっかり伝えます。
お墓の場所や行き方なども伝えて、僧侶と話し合いながら日にちと時間を決めます。
開眼供養はいつまでに行わなければいけないという明確な決まりはありませんので、僧侶や家族の都合が合わなければ、もう一度、落ち着いて良い日にちを探しましょう。
お布施の用意
開眼供養を行う場合は、僧侶に来ていただくのでお布施が必要です。
その他、霊園や石材店へのお礼が必要な場合もありますし、僧侶に対してお車代がいる時もあります。
地域によって違いがありますので、よくわからない場合は素直に僧侶に聞いてみましょう。
あるいは霊園の事務所や葬儀屋さんに聞けば、教えてくれますよ。
お布施は僧侶にお渡しするものですので、施主が用意します。
開眼供養に参列した方は、お祝い金として「開眼供養御祝」や「開眼御祝」、「祝建墓」と表書きを書いて、施主に渡す場合もあります。
施主以外の参列者はお布施の用意をする必要はありません。
気を付けるべきマナーはあるの?

開眼供養を行う場合、服装やお布施の包み袋やお供え物など、知っておきたいマナーをご紹介します。
あくまで一般的なマナーですので、お墓のある場所や宗教によっての違い、地域の違いや家族構成によっても異なりますので、必ず当てはまるものではない、ということを踏まえておいてください。
服装

開眼供養に限らず、お墓参りに行くときはできるだけ黒の礼服で行きたいものです。
年忌法要や納骨式を同時に行う場合は、法事に行く格好、つまり黒の礼服がベターです。
「平服で」と言われた場合や、開眼供養だけを行う場合、
女性はあまりカジュアルすぎない黒かグレー系のワンピース、スーツなどでもOKです。
夏でも生足はNGです。
黒か肌色のストッキングと黒のハイヒールかパンプスの行くのがマナーです。
男性は、礼服かビジネススーツでもOKです。
ネクタイは礼服の場合は黒、ビジネススーツならグレーなどの一色で派手でないものを選びましょう。
男女ともキラキラ光る時計やアクセサリーは外しておきましょう。
開眼供養は本来、慶事ですので、服装はブラックではなく華やかにしてもいいのでは?と思いがちですが、他の家のお墓もありますしなるべく落ち着いた服装
にしましょう。
開眼供養は厳粛な行事ですので、間違ってもカジュアルな服装は避けたいものです。
基本的には喪服で臨み、平服の場合は地味な服、露出の少ない服になるように心がけましょう。
お布施の包み袋・金額
お布施は地域やお寺によって違いがありますが、一般的には
・お布施:3万円〜5万円
お布施の金額はお寺や法要の方法により10万円以上することもあります。
読経していただく僧侶の人数によっても金額が変わる場合もあります。
・お車代:5000円〜1万円
いわゆる交通費やガソリン代に当たるものです。
主催者側が送迎を行った時は、お車代はいりません。
ものすごく遠方から来られた場合でも、交通費は全額払うのがマナーです。
・御膳料:5000円〜1万円
開眼供養が終了したら、皆でお食事に行くのが一般的です。
しかし、お坊さんは忙しい場合が多いので、大抵の場合お食事の席はご辞退されることが多いので、その食事代分をお金でお渡しすることになります。
僧侶が食事の席に参加されるのでしたら、御膳料はいりません。
香典の包み袋は、開眼供養のみの場合は、紅白の水引で熨斗の付いていないものを使用します。
開眼供養の香典の費用の相場は友人の場合で3000円〜5000円、親族の場合で1万円となっています。
お車代、御膳料はそれぞれ別の白封筒に入れるようにしましょう。
お布施も白封筒でも構いません。
参列者の場合は、施主との関係もありますが、法要後にお食事に誘われているのなら1万円程度を包むのが一般的です。
お墓が新しくできたお祝いという考え方になります。
「おめでとうございます」という言葉を添えて渡しましょう。
お供え物

開眼供養を行う際のお供え物は、季節の果物、季節の野菜、昆布やそうめんなどの乾物、お菓子や故人の好物、清酒か焼酎、生花などを用意します。
お餅や生米を用意することや、ろうそくや線香、祭壇を用意しないといけない場合もあります。
管理事務所がある公園墓地のようなところでは、事務所が用意してくれるところもあるので問い合わせてみましょう。
納骨式も一緒に行う場合

ご先祖様がいるお墓は、主に跡を継ぐ人、お墓の世話をする人なら入ることができるのですが、生まれ故郷を離れて独立した人はお墓がありませんよね。
そのような方のお葬式が済んだ後で、家族で話し合ってやっぱりお墓を建てることにしたというときに遺骨はお墓ができるまで家で供養して、お墓ができ次第納骨される場合もあるでしょう。
ここではお墓の開眼供養と納骨式を一緒に行う時について、解説します。
お布施の金額は一緒?
納骨式と開眼供養を一緒に行う場合は、基本的にはお布施の金額は開眼供養と同じ金額で大丈夫です。
例えば開眼供養のみの場合に、お布施を3万円包む予定だった場合、納骨式も一緒に行っても金額は3万円でも大丈夫ということになります。
「お車代」「御膳料」も同じでもいいでしょう。
ただし、納骨式と開眼供養は別と考えるところもありますので、お住まいの地域や風習によって異なりますので確認してから用意しましょう。
包み袋はどうする?

納骨式のお布施を包む袋としては「白封筒」と「奉書紙」の2通りがあります。
奉書紙で包むのが最も適した方法ですが、どちらでも問題ありません。
表書きは、「開眼法要御礼」または「建碑入魂御礼」と書きましょう。
「御布施」と書いても大丈夫です。
納骨式に香典を持参する場合、弔事ですので、黒白の水引のついた香典袋を用意します。
表書きは「御仏前」や「御香典」のように書きます。
納骨式のみ行う場合の香典相場は5000円〜1万円です。
「終活ねっと」では納骨式のマナーやお供え物についてより詳しく解説した記事も掲載しております。
ぜひ以下のリンクからお読みください。
お墓の開眼供養まとめ

いかがでしたでしょうか?
今回「終活ねっと」では、お墓の開眼供養について、一般的なマナーなどについてご紹介させていただきましたが、参考になりましたでしょうか?
この記事の内容をまとめると以下になります。
開眼供養は新しくお墓を建てた時や立て直した時、仏壇・位牌を新しく購入したときに僧侶に読経してもらうこと。
新しくお墓を建てる時や改葬するときに行うのが一般的。改葬の際には、閉眼供養を行う必要がある。また、浄土真宗の場合には開眼供養とは別の、御移徙(おわたまし)という慶事法要を行う。
開眼供養の前には、僧侶に読経をしてもらう日取り等の決定をして、お布施をあらかじめ用意をしておく。
慶事であっても、墓地という場所を考えて法事に出る時の服装に近いものを身に着けるのが良い。お布施は3万円、お車代や御前料は1万円ほどが相場。参列者は、開眼供養後に食事がある場合1万円ほどを包むのが一般的。
納骨式と開眼供養を一緒に行う場合でも、お布施の金額は納骨式の金額は一緒に支払っても良い。
開眼供養はあまり何度も経験するものではないので、知らないことが多いのは当然です。
開眼供養は新しくなったお墓に魂を入れて、ご先祖様や故人が安らかに眠れるようにするものです。
地域や宗派、お墓のある場所によってかなりの違いがありますので、事前によく調べましょう。
何も知らないことは恥ではありませんので、素直に訪ねてしっかりと準備して、気持ちよく行えるようにしましょう。
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