現在から古代まで~歴史をさかのぼってみる中国のお墓と事情

現在から古代まで~歴史をさかのぼってみる中国のお墓と事情

人が亡くなると埋葬される場所がお墓ですが、今回は日本ではなく歴史の先輩である中国のお墓事情に焦点を当てました。世界一の人口を擁する現在の中国のお墓事情と、古代中国の英雄二人に関するお墓事情に迫ってみたのでご覧ください!

2018-09-29

4000年の歴史!中国のお墓事情

お墓

古来中国では、天葬・水葬・火葬・土葬の四つの埋葬法が用いられてきました。
その中でも一般的に土葬が主流でしたが、1950年代になると毛沢東が火葬の導入を提唱し、国策で土葬から火葬へと推進し始めます。
理由は資源と農耕地の確保というもので、様々なスローガンを元に宣伝工作が行われたとされています。

21世紀に入り中国で土地が高騰すると、北京や上海ではなんとお墓がマンションより高くなる墓地バブルが起き始めました。
そして現在、都市部では土地不足のため土葬は一部の金持ちしか出来ず、一般人は火葬しお墓を立てる以外選択肢が無いとされています。
ちなみに中国の法律では、土葬した場合でも10年後には火葬し墓に埋葬しなければなりません。

そのため政府は、芝生葬・花葬・樹木葬・壁葬・などの埋葬方法を勧めていると言われています。

中国のお墓のデザイン

地域や霊園などのお墓の規模によって違いがありますが、中国のお墓の形の特徴として、亀の甲羅のようなデザインのお墓が多いようです。
これは日本でも「鶴は千年、亀は万年」と言われているように長寿の意味合いがあるからです。
また、お墓の入口にはシーサーを魔除けのために置くという独特な特徴があります。

沖縄でも見られる亀甲墓(きっこうばか)

沖縄のお墓にも亀の様な形の亀甲墓があります。
中国南部の唐墓から伝わったと考えられており、17世紀後半から亀甲墓が沖縄で造られるようになりました。

沖縄では死者を風葬にする習慣があり、亀甲墓は風葬するためのお墓なのです。
遺体を風化させ、1年から数年後に親族が遺体を取り出して「洗骨」を行い、遺骨を「蔵骨器」に納めて安置します。

現在では火葬が普及し、核家族化による大規模な墓の需要が減ったこともあり、亀甲墓のサイズは小型化しています。

考古学における歴史的発見の兵馬俑

兵馬俑

中国で有名なお墓といえば、世界八大奇跡といわれる歴史的大発見の兵馬俑です。

1974年、西安の東北・臨潼県の農民が井戸を掘っていて偶然見つけた陶器の破片が発見のきっかけで、1号坑、2号坑、3号坑と3つの俑坑が発掘されました。

その規模は2万平方メートルを超え、なんと総計8000点の陶製の兵馬が見つかっています。
この兵馬は一つとして同じ容姿のものはおらず、実在した軍団の兵士を1体ずつ陶製の像に写したと考えられる兵馬が、服のしわや髪の毛といった細部まで入念に作りこまれているだけでなく、本物の武器を持って発見されたのです。

この兵馬俑は、秦の始皇帝が造らせたもので、死後の始皇帝自らを守るため地下に配置させていたものなのです。

「20世紀最大の発見」といわれたお墓

中国の始皇帝が造らせたものとして「万里の長城」という大規模なものがありますが、お墓である兵馬俑も大規模なもので、2000年以上誰にも見つからず地下に存在していたことから、発見当時は「20世紀最大の発見」と世界中が驚きました。

中華統一を果たした秦の始皇帝が36年もの歳月をかけて造営し、70万人もの動員数をかけました。
この殉死者の代わりに埋葬した8000体の兵馬俑たちは、死後も始皇帝を守るため敵国のある東を向いて目を光らせていたのです。

また、司馬遷の記した「史記」には、地下に巨大宮殿が築かれたと書かれていて、今現在でもその全貌は明らかになっておらず、考古学的な発掘調査が進行中です。

不老不死を求め水銀をも飲んだ始皇帝の事情

中国を統一し敵無しとなった始皇帝ですが、晩年不老不死の仙薬を求め、仙人になろうとしていました。
当時、仙人は天界と人界を自在に行き来し、永遠に生きられると信じられていました。
そのためあらゆる薬を試し、毒薬である水銀をも飲んで死んだという伝承があります。

始皇帝は不老不死を願いつつ、もし自分に死が訪れた場合には霊魂だけは永遠に存在させ、皇帝としていつまでも君臨し続けたいという始皇帝の事情があったのでしょう。

三国時代の英雄 曹操のお墓

2009年中国河南省安陽県で「魏武王」の文字が刻まれた石板が発見され、墓から60歳前後とみられる男性の遺骨が見つかり、それが中国・後漢時代に登場する有名な曹操の墓であることがわかりました。

墓の総面積は740平方メートルで、前後に2つの大きな墓室と4つの副室があり、金や銀の器、鉄剣、水晶珠などの副葬品が発見され、曹操の遺骨のほかに2人の女性の遺骨も見つかりました。

英雄のお墓も盗掘され荒らされた状態で発見

曹操のお墓は、1号墓と2号墓が発見されたのですが、内部は荒らされていて一部の副葬品が盗まれたとされ、墓内には7つの盗掘穴があることから、墓室に侵入した盗賊団は少なくとも7組にのぼるといわれています。

また曹操のものだと考えられる遺骨が出土したのですが、本来の場所から動かされていて、頭蓋骨の面がえぐり取られ状態が悪く、現代の技術でもその容貌を復元することは難しいようです。

荒らされてしまった理由として考えられるのが

〇盗掘者が墓の中に金品や財宝がないことに腹を立ててお墓の物品を破壊したため

〇三国志演義などで曹操の悪者としてのイメージが民衆に定着してしまったためお墓が荒らされた

という可能性が考えられます。

豪華な副葬品を拒んだ曹操の事情と思惑

陳寿の記した中国の歴史書 「正史 三国志」には曹操は生前「遺体を包むには平服を以てし、金玉珍宝をおさむることなかれ」と質素に葬るように命じていました。

大規模なお墓を造らせた秦の始皇帝とは真逆の命令ですが、理由としては

〇曹操が儒教に対して強い反発を抱いていたため薄葬令を命じた

〇三国時代は戦乱が長年続き、経済・民衆が衰えたため、豪華なことはせず国を立て直そうとした

といった、政治家・統治者としての曹操の思惑と事情があったのでしょう。

今も昔も様々な中国のお墓事情

お墓

お墓に葬られた死後もなお、皇帝として君臨したかった始皇帝・贏政(えいせい)。
三国の戦乱を勝ち抜いた覇者であっても、国のことを考え薄葬令を命じた曹操。
その時代の英雄によって、お墓事情は様々です。
現在、中国では土地不足で簡単に土葬して墓地を増やすことが出来ないという事情がありますが、火葬であってもせめてお墓を建てて供養をしたい、という先祖を敬う気持ちは万国共通であり、大切にしていきたいですね。

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