曹洞宗の葬儀の流れと特徴、マナーを解説!焼香の作法についても紹介

曹洞宗の葬儀の流れと特徴、マナーを解説!焼香の作法についても紹介

日本の葬儀は約9割の家庭が仏式の葬儀を執り行っています。しかし、一口に仏式といっても仏教には曹洞宗や浄土真宗などの宗派がいくつもあり、それぞれ形式や流れが違うのをご存知でしょうか。今回はその中でも曹洞宗の葬儀の流れと特徴、マナーなどを解説していきます。

最終更新日: 2020年02月29日

曹洞宗の葬儀の流れについて

葬儀

日本の葬儀は約9割の家庭が仏式の葬儀を執り行っています。
しかし、一口に仏式の葬儀といっても仏教には曹洞宗や浄土真宗などの宗派がいくつもあり、それぞれ形式や流れが違うのをご存知でしょうか。

今回「終活ねっと」では、宗派の中でも曹洞宗の葬儀の流れ、また特徴やマナーなどを解説していきます。

  • 曹洞宗とは

  • 曹洞宗の葬儀の流れ

  • 曹洞宗の葬儀の特徴

  • 曹洞宗の葬儀の作法・マナー

上記の項目を中心に解説していきます。
曹洞宗の葬儀の流れについて詳しく知りたい方は、ぜひ最後までご覧ください。

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曹洞宗とは?

葬儀

曹洞宗とは、道元を祖とする禅宗の一派です。
禅宗というのは瞑想や、坐禅などの修行を行うことによって悟りを開くことを目的とする宗派です。
同じ仏教でも信じるだけで成仏できる浄土真宗や、念仏を唱えるだけで成仏できる浄土宗とは、考え方が大きく違います。

また、同じ禅宗の一派として臨済宗という宗派が有名ですが、これら2つの宗派にも禅に対する考え方が違います。

曹洞宗は黙照禅という「ただひたすらに坐禅に没頭することが悟りへの道に繋がる」と考えたのに対し、臨済宗は看話禅という「師から出される公案を解くことが悟りへの道に繋がる」と考えました。

宗派によって考え方に違いこそあれど、禅宗の宗派に共通しているのは、日々の修行によって人は救われるということです。
この考え方は葬儀の特徴としても表れてくるため、ポイントとしてきちんと確認しておきましょう。

また、以下の記事でも曹洞宗の葬儀について詳しく解説しているため、合わせてご覧ください。

曹洞宗の葬儀の流れ

葬儀

宗派ごとに葬儀の意味合いというのは変わっていきますが、特に曹洞宗の葬儀は独自の意味合いを持つ儀式が多いです。
全体の流れとしては、まず葬儀の前半に故人の体を清め、戒律を与えることで仏弟子にします。
そして後半に読経を行なったり、鼓鈸を鳴らすなどして故人を送り出します。

日本人であるならば今後曹洞宗の葬儀に参列する可能性が無いわけではないので、きちんと流れを把握しておくと良いでしょう。

剃髪(ていはつ)

曹洞宗の葬儀では、偈文を唱えながら故人の髪を剃り落とし坊主にします。
これは故人を仏弟子の姿(坊主)にすることで、初めて仏道に導く引導を渡すことができるからです。

地域によっては仕来り通りに坊主にしますが、近年は、実際に故人を坊主にすることはなく、少しだけ剃るか、もしくは剃る振りをするのが一般的となっております。

授戒(じゅかい)

曹洞宗の葬儀では、故人に十六条戒を授けます。
これは剃髪と同じく故人を仏弟子にするための儀式であり、曹洞宗では以下5つの儀式を行います。

洒水(しゃすい)

故人に対し、法性水と呼ばれる清らかな水を散らし手向けることで、穢れや煩悩を清めます。

懺悔文(さんげもん)

故人が生前に犯した罪を懺悔します。
当然、故人は言葉を話すことができないので、僧侶が代わりに懺悔文を読むことで故人の懺悔を行います。
これらの洒水と懺悔文を行うことによって、故人が戒律を受ける準備が完了します。

三帰戒門(さんきかいもん)

十六の戒律の三戒律を与える儀式です。
三帰戒は仏様や仏様の教え、そしてその教えを守る仲間たちを頼みとし、心の拠り所とすることを誓うことです。
原文は以下のようになります。

  • 南無帰依仏(なむきえぶつ)

    お釈迦様を常に信じて生きます。

  • 南無帰依法(なむきえほう)

    お釈迦様が教えられた仏教を大切にします。

  • 南無帰依僧(なむきえそう)

    お釈迦様の教えを信じる仲間(僧侶)とお寺を大切にします。

三聚浄戒・十重禁戒

残りの十三戒律を与える儀式です。
三聚浄戒(さんじゅうじょうかい)では、一切の悪事を行わず、他者を助けながら善行を積むことを誓います。

十重禁戒(じゅうじゅうきんかい)は、意味もなく生き物を殺さないことや、盗みを働かないなど、一般的に考えられる悪いことを行わないと誓います。
原文は以下のようになります。

  • 摂律儀戒(しょうりつぎかい)

    受けた戒律を守り、一切の悪事を行わない。

  • 摂善法戒(しょうぜんぼうかい)

    自ら進んで善行を積んでいく。

  • 摂衆生戒(しょうしゅじょうかい)

    この世に生きるもの全てを助け、導いていくことを誓う。

  • 不殺生戒(ふせっしょうかい)

    無闇に生き物を殺してはいけない。

  • 不偸盗戒(ふちゅうとうかい)

    盗みをしてはいけない。

  • 不貪淫戒(ふとんいんかい)

    無闇に女性と性交をしてはいけない。

  • 不妄語戒(ふもうごかい)

    嘘をついてはいけない。

  • 不酤酒戒(ふこしゅかい)

    お酒に溺れてはいけない。

  • 不説過戒(ふせっかかい)

    人の過ちを責めたりしてはいけない。

  • 不自讃毀他戒(ふじさんきたかい)

    自分の自慢をしたり、他者の悪口を言ったりしてはいけない。

  • 不慳法財戒(ふけんほうざいかい)

    他人のためにお金を明け渡すことを惜しんではいけない。

  • 不瞋恚戒(ふしんにかい)

    怒りで自分を見失ってはいけない。

  • 不謗三宝戒(ふぼうさんぼうかい)

    仏様と、教えと、仲間を貶したり、裏切ったりしてはいけない。

血脈授与(けちみゃくじゅよ)

血脈とは、お釈迦様から教えを受け継いだ弟子が、またその弟子に受け継ぐことを繰り返しいくことで記されてきた系図のようなものです。

十六の戒律を授与された故人も晴れて仏弟子となったため、最戒律を与えた僧侶が血脈に故人の名前を記し霊前に供えることで血脈授与が完了します。

入棺諷経(にゅうかんふぎん)

授戒を終えたら、通常の葬儀と同じように僧侶による読経が行われます。
入棺諷経とは、血脈授与が終わった故人のご遺体を、棺の中に入れながら(もしくは入った状態で)故人を供養する読経を行うことです。
最初に大悲心陀羅尼(だいひしんだらに)というお経が唱えられた後に回向文が唱えられます。

大悲心陀羅尼は密教や禅宗で読まれる基本的なお経の一つで、千手観音に対する畏敬の念や功徳などが記されています。

龕前念誦(がんぜんねんじゅ)

龕前念誦も、入棺諷経と同様、故人を供養するための読経です。
龕前念誦を唱えた後に、十仏名(じゅうぶつみょう)に記されている仏の名前を唱和します。
また、十仏名と書いてありますが、実際に10尊の仏が記されている訳ではなく、この場合の10は「あらゆる」という意味が込められています。

十仏名が唱え終わったら、舎利礼文(しゃりらいもん)というお釈迦様のご遺骨に対し礼拝する四言十八句のお経を唱えます。

挙龕念誦(こがんねんじゅ)

挙龕念誦とは、本来は棺を持ち上げて火葬場へと持っていくために唱えるものですが、現在では一連の葬儀が終わってから出棺するため、形式上の読経となります。

具体的には、大宝楼閣陀羅尼(だいほうろうかくだらに)というものが唱えられた後、鼓鈸三通(くはつさんつう)を行います。
鼓鈸三通とは、曹洞宗の葬儀で使われる太鼓や鐃祓、引磐を華やかに鳴らすことで、故人を送り出す儀式となります。

引導法語(いんどうほうごう)

引導法語とは、死者を火葬する前に法語を説くことで、故人を悟りの世界へ送り出す儀式です。
法語では、故人の生前の行いなどを導師が自作の漢詩にして唱えます。

また法語を唱える前に、松明(法炬)を使って空中に左回り、右回りに円を描くことで、故人を悟りの世界へ送り出すという儀式も行われます。
しかし現代では火葬場に送る前に行われるため、松明も実際に火をつけるわけではなく、見立てたものを使って行われます。

法語の最後には「喝」という言葉を大声で発し、故人の魂を激励します。

山頭念誦(さんとうねんじゅ)

山頭念誦とは、故人のご遺体を火葬する前に唱えるお経のことです。
山頭というのが火葬場や墓地のことを表しており、本来は出棺した後に唱えられます。
具体的な内容は、故人が無事に悟りの世界へ行けるように、仏性の覚醒を願うという意味が含まれています。

また葬儀の流れによりますが、この間に焼香が行われることが多いです。

出棺(しゅっかん)

通常の葬儀と同じく、告別式等を終えたら出棺が行われます。
また、棺を火葬場へと送り出す前に、再度回向文を唱え、鼓鈸三通を行います。

前述しましたが、本来の曹洞宗の葬儀では挙龕念誦が終わった際に出棺をします。
出棺の儀式も本来は、野辺送りという参列者が葬列を組み、鼓鈸を鳴らしながら故人を運ぶのが主流でした。

しかし現代では、交通網の発達によって歩道で長い葬列を組むことができなくなり、火葬場も普及したため、出棺のタイミングが変わったとされております。

また、葬儀の流れというのは、僧侶が師匠から教わって受け継がれていくものです。
そのため、同じ曹洞宗のお寺であっても、葬儀の流れは全く同じとは限りません。
今回紹介した葬儀の流れはあくまで一般的な曹洞宗の葬儀の流れであり、地域によっては大きく異なる場合もございますのでご了承ください。

一般的な葬儀の流れについては、こちらの記事でより詳しくご紹介していますので、ぜひご覧ください。

曹洞宗の葬儀の特徴

葬儀

ここまで曹洞宗の葬儀の流れを確認しました。
見てわかる通り、曹洞宗は他の仏式の葬儀と比べてお経の種類お多く、特徴的な葬儀を行います。
ここでは、曹洞宗の葬儀の特徴を紹介します。
流れと合わせて特徴もきちんと確認しておきましょう。

鼓鈸三通(くはつさんつう)が賑やか?

読経や出棺の際に行う鼓鈸三通ですが、これは禅宗の葬儀でのみ行われる独特な儀式です。
鼓鈸というのは、音を奏でる楽器のような仏具であり、「チン・ポン・ジャラン」とも呼ばれています。

これはチンが引磐(鈴のようなもの)、ポンが太鼓、ジャランが鐃鈸(シンバルのようなもの)とそれぞれの楽器の音色を示しています。
また、奏でる際も音色通りに引磐、太鼓、鐃鈸の順番で行われます。

鼓鈸三通は音楽供養とも言い、音を奏でることで故人を悟りの世界に送り出すという意味や、仏様を葬祭場に送り出すなど複数の意味を持ちます。
そのため、荘厳な雰囲気の葬儀中であっても賑やかに行われるのです。

他の宗派より儀式が多い

曹洞宗の葬儀は、供養をする前に授戒という故人に戒律を与えて、血脈授与によって仏弟子にするという儀式があるため、他の宗派よりも儀式の数が多いです。
そのため、曹洞宗の葬儀は一般的に1時間以上かけて行われます。

ちなみに日本で一番信者数の多い浄土真宗の葬儀では、僧侶がすぐに念仏や読経を始めるため、葬儀にかかる時間は一般的に30分〜1時間程度です。

曹洞宗の葬儀の作法・マナー

葬儀

葬儀の流れや特徴を確認して臨んだとしても、作法やマナーなどを把握していないと当日恥をかいてしまいます。
曹洞宗の葬儀における作法では、特に焼香の作法が他の宗派とは違うので、きちんと確認しておきましょう。

数珠は二重

曹洞宗の本式数珠は、108個の玉を長い一連にして作られています。
また、銀輪という金属で出来た輪が数珠に掛けられているのが特徴的です。
銀輪の意味は定かではありませんが、輪が文字通り「和」を表しているというご利益的な意味や、数珠を壁などに引っかけるためなど、機能的な意味を持っていると言われています。

使用する際は、数珠を二重に手繰り、左手の親指以外の指を輪に通して、房が下向きになるようにして使用します。

実際に葬儀に参列する際は略式の数珠でも構いませんが、実家の宗派が曹洞宗であるならば用意しておくと良いでしょう。

服装は一般的なものと同じ

曹洞宗の葬儀で着用する服装に関しては、一般的な葬儀で用いられる喪服と変わりません。
一般的に男性の場合は上下共にブラックスーツ、女性の場合は黒のアンサンブルやスーツなどを着用します。

また、遺族側の場合は、男性はモーニングコートや紋付羽織袴、女性の場合はシルク状のワンピースやスーツ、黒無地の紋付着物を着用する場合もあります。

葬儀の服装マナーについては、こちらの記事でより詳しくご紹介していますので、ぜひご覧ください。

焼香の作法は2回

焼香のやり方は宗派によって様々であり、曹洞宗の場合は焼香を2回行うのが特徴的です。
以下、焼香の手順をまとめます。

  • 祭壇に向かう際に、遺族や参列者に向かって一礼をします。

  • 焼香台の前に立ったら、数珠を手に掛けて合掌を行います。

  • 抹香を右手の親指・人差し指・中指の3本でつまみ、1回目は抹香を額の前に押しいただき、香炉にくべます。

  • 2回目も同様に抹香をつまみますが、今度は額に押しいただかずにそのまま香炉にくべます(従香)。

  • 終わったらもう一度数珠を手に掛けて合唱を行います。

  • 自分の席に戻る前に、もう一度遺族と参列者に一礼をしてから席に戻ります。

以下の記事では、曹洞宗におけるお焼香のやり方について詳しく紹介しています。
こちらもあわせてご覧ください。

お香典

曹洞宗のお香典のルールは、一般的な仏式葬儀の香典のルールと変わりありません。
水引は黒白または銀色のもの使用し、表書きは「御霊前」「御香典」とします。

包み方や名前の書き方、費用相場については、こちらの記事でより詳しくご紹介していますので、ぜひご覧ください。

お布施

曹洞宗のお布施の相場は30万円から60万円です。

しかし、お布施の金額は戒名の文字数によって異なります。
6文字の場合は50万円から80万円、9文字の場合は100万円を超えることもあるので、葬儀会社の方や僧侶に確認をとってみるとよいでしょう。

僧侶への挨拶の方法やお布施の渡し方については、こちらの記事でより詳しくご紹介していますので、ぜひご覧ください。

曹洞宗の葬儀の流れまとめ

葬儀

いかがだったでしょうか。
今回「終活ねっと」では、曹洞宗の葬儀の流れと特徴について詳しく解説していきました。
以下、今回の内容をまとめます。

  • 曹洞宗は黙照禅という瞑想や、坐禅などの修行を行うことによって悟りを開くことを目的とする宗派である。

  • 曹洞宗の葬儀では、最初に剃髪を行い、授戒・読経・説法などが行われたのち、出棺となる。

  • 出棺をする前に再度回向文を唱え、鼓鈸三通を行う。
    鼓鈸三通はチン・ポン・ジャンとも呼ばれ、引磐(鈴のようなもの)、鐃鈸(シンバルのようなもの)を使って音を奏でる。

  • 曹洞宗の葬儀は儀式の数が他の宗派と比べて多く、一般的に1時間以上かけて行われる。

  • 曹洞宗の本式数珠は、108個の玉を長い一連にして作られており、使用する際は二重に手繰って使う。

  • 葬儀の服装や香典のルールは一般的な葬儀と変わらないが、焼香は一度押しいただいた後、もう一度香炉にくべるのがマナーである。

  • お布施の金額は、戒名のランクによって異なるが、30万円から60万円が相場である。
    表書きや渡し方は一般的な仏式葬儀と同じである。

宗派が違うだけで、ここまで葬儀の流れが違うということがお分かりいただけたでしょうか。
実は日本で行われている仏式の葬儀の中では、2番目に多いとされているのがこの曹洞宗です。

実際に参列者が気をつけるポイントとしては焼香の作法くらいですが、故人がどのように供養されているのかというのをきちんと理解して参列するというのは、故人を偲ぶために最低限必要な知識でもあるのではないでしょうか。
曹洞宗に限らず、葬儀に参列する際は調べられる範囲で相手の宗派を確認し、きちんと流れやマナーを守って葬儀に臨んでください。

「終活ねっと」では、他にも葬儀に関する記事を数多く掲載しております。
以下の記事では、葬儀にかかる費用や、安くする方法なども解説していますので、こちらも合わせてご覧ください。
最後まで読んでいただきありがとうございました。

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