
キリスト教の葬儀の流れや費用って?献花作法や香典袋の書き方も紹介
キリスト教は日本人にとっては仏教ほどなじみは深くありませんが、クリスマスなどでイメージしやすい宗教といえます。キリスト教で葬儀を行う場合はどのような流れで行われ、また葬儀費用はいくらほど必要なのでしょうか。今回はキリスト教の葬儀について詳しく見ていきます。
目次
最終更新日: 2020年11月25日
キリスト教の葬儀について

キリスト教は世界的には三大宗教の1つに数えられるほど広く信仰されていますが、私たち日本人にとっては仏教に比べるとそこまでなじみが深くありません。
しかしクリスマスやバレンタインデー、結婚式などのイベントが国内で広く祝われているため、ある程度はイメージしやすい存在といえます。
さてキリスト教で行う葬儀もありますが、もしキリスト教の葬儀に参列することになった場合、なじみがない方が多いだけにどのようなものか分からない方も多いでしょう。
仏教の葬儀と同じような服装で参列すればいいのか、また数珠を持っていけばいいのかなどキリスト教の葬儀にまつわる疑問は多く出てくるでしょう。
そこで今回「終活ねっと」では、キリスト教で行われる葬儀の流れやマナーなどについていろいろと見ていきます。
キリスト教の葬儀が持つ意味とは?
キリスト教の葬儀は具体的にどのような流れで行われるのか?
キリスト教の葬儀で行う献花の作法とは?
キリスト教の葬儀で用意するお花代とは?
キリスト教の葬儀で必要な費用相場はいくら?
キリスト教の葬儀で持参する香典の相場やマナーとは?
キリスト教の葬儀に参列するときの適切な服装とは?
キリスト教の葬儀で守るべきマナーとは?
キリスト教で行われる通夜とは?
友引の日にキリスト教の葬儀は避けるべきなのか?
独特の特徴を持つキリスト教の葬儀について気になる方にとって、非常にわかりやすい内容となっていますので、ぜひとも最後まで読んでいただければ幸いです。
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葬儀にかかる費用についてわからないことがある方は、「葬儀費用の相場はいくら?内訳や料金を安くする方法、注意点まで解説」をご覧ください。
キリスト教の葬儀の意味

仏教と同じようにキリスト教にはもいくつかの宗派が存在しますが、日本の場合はカトリックとプロテスタントが主な宗派です。
そしてキリスト教の葬儀では宗派によって持つ意味合いが異なります。
ここではまずキリスト教の葬儀が意味することを、カトリックとプロテスタントの場合に分けて見ていきましょう。
カトリックの場合
カトリックの場合、葬儀とは故人の生前の罪を赦してもらい、すでに天国に召された故人が神様のお力によって永遠の命を持った存在として復活できるように祈る場です。
神様に対して故人を赦してもらい復活をお願いする場であるため、カトリックの葬儀は非常に荘厳さに満ちた儀式のようになっています。
このためカトリックで行われる葬儀では、神父や参列者が故人のために神様へ働きかけをするような色彩が強いです。
プロテスタントの場合
一方プロテスタントの場合はカトリックとは全く葬儀の持つ意味が異なってきます。
プロテスタントでは故人が亡くなって天国に召されたことを神様に感謝し、将来神様のお力によって復活する希望があることを喜ぶための場です。
このためカトリックに比べると儀式のような色合いが薄く、葬儀の流れもたいへん簡潔でわかりやすいのが特徴になっています。
加えてご遺族を慰め、故人がすでに天国で神様のもとで安息を得ていると説く意味も大きいです。
キリスト教の葬儀の流れ

上記のように同じキリスト教の葬儀でも、カトリックとプロテスタントでは葬儀に対する意味合いが全く異なります。
このためそれぞれで葬儀の流れも大きく異なってくるため、参列する前には宗派ごとの流れを詳しく把握しておくことが大切です。
次にカトリックの葬儀とプロテスタントの葬儀の一般的な流れについて見ていきましょう。
カトリック式の流れ
カトリックで葬儀を行う場合、大まかな流れとして前半で葬儀ミサを、後半で告別式を行います。
以下のよう流れで行われるのが一般的ですので、順を追ってみていきましょう。
入堂聖歌
故人の棺を伴って神父やご遺族が入場、参列者は起立の姿勢で出迎える。
神父は入場時の通路に、祭壇に棺を安置した後に棺へ聖水を振りかける。
なお入場時には聖歌が歌われる。開式の辞
神父または司会によって開式が宣言される。
言葉の典礼
祈りと聖書朗読、神父による説教が行われる。
感謝の典礼
神父やご遺族、参列者で聖体拝領を行う。
パンとぶどう酒を神父が祈祷後に分け与え、全員で故人の復活を祈りつつ口にする。告別式の開始と入堂聖歌
再び神父とご遺族が参列者が起立し聖歌が流れる中で入場する。
故人の略歴の披露・弔辞や弔電の紹介
故人の人柄や信仰歴を中心に略歴を紹介する。
さらに故人に寄せられた弔辞や弔電が読み上げられる。献花
献花台に全員で献花を行う。
喪主挨拶
ご遺族を代表して喪主が挨拶する。
閉式の辞
神父や司会により閉式が宣言される。
プロテスタント式の流れ
プロテスタントではカトリックと異なり、葬儀・告別式は区切りなく行われます。
以下のような流れで行われますので、こちらも順を追って見ていきましょう。
開式の辞
牧師や司会によって開式が宣言される。
お祈りと聖書朗読、賛美歌斉唱
牧師の説教
故人の人柄や略歴にも触れながら説教をする。
弔辞・弔電の紹介
故人に寄せられた弔辞と弔電が読み上げられる。
再びお祈りと賛美歌斉唱
献花
全員でお花を捧げる。
喪主挨拶
ご遺族を代表して喪主が挨拶する。
閉式の辞
牧師や司会が閉式を宣言する。
キリスト教の葬儀での献花作法

キリスト教の葬儀で特に重要なものの1つといえるのが、故人を追悼するために行われる献花です。
文字通り故人の安息を祈ってカーネーションやユリといった白い花を献花台にお供えします。
献花はご遺族や参列者、神父または牧師など参列している全員で行いますが、一定の作法があるために前もってその作法を理解しておくことが大切です。
まず献花を行う順番は喪主→ご遺族→ご親族→参列者→神父または牧師となっており、この点は仏式葬儀の焼香と同じといえます。
ご自身の順番が回ってきたら席を離れて、葬儀スタッフなどからお供えする白いお花を両手で受け取り、右手でお花を左手で茎を持つようにしましょう。
次に祭壇の手前に献花台がありますので、そこまで歩いた後でご遺族や祭壇に対して一礼します。
そして時計回りにお花を回転させて、茎側が祭壇を向くようにしたうえで献花台に置きましょう。
その後は黙祷し一礼をしましょう。
最後にご遺族に一礼した後で、ご自分の席に戻りましょう。
キリスト教の葬儀でのお花代

キリスト教の葬儀ではお花代という金銭が存在しますが、実は香典としてのお花代と仏式葬儀でいう供花に対するお金という意味でのお花代があります。
香典として準備するお花代については後ほど見ていくとして、ここでは祭壇へのお花に対する金銭を意味するお花代を見ていきましょう。
こちらのお花代の相場は1万5千円前後が標準的ですが、故人との関係を考えてより多めに包む場合は2万円から3万円包むケースもよく見られます。
ただし祭壇にお供えするお花は喪主や葬儀社、あるいは葬儀を行う教会の方で用意することが一般的であるため、お花代を持参する前に喪主や葬儀会社に確認した方がよいでしょう。
キリスト教の葬儀にかかる費用

日本国内で行われる葬儀のほとんどが仏式葬儀であるため、全般的に葬儀費用の相場は非常に高いというイメージが付きまといがちです。
特に仏式葬儀の場合はお布施で戒名料が高い相場となっているため、なおさら高いといえるでしょう。
さてキリスト教の葬儀での費用相場はいくらくらいなのでしょうか。
全体的な傾向では仏式葬儀に比べると安いといえます。
これは仏式葬儀の場合と異なり、教会に対する献金がそれほど高くないためです。
一般葬や家族葬といった葬儀の形態や規模にもよりますが、具体的な金額相場は30万円から100万円程度と考えてよいでしょう。
ただ100万円という数字は、いろいろと要望をした場合に発生する追加料金も含めたときのものです。
葬儀費用の一般的な相場については、以下の記事でより詳しく説明されていますので、ご参考にしてみてください。
キリスト教の葬儀での香典

キリスト教の葬儀でも香典を持参するのはごく一般的です。
はたしてどのくらいの金額を包んで持参すればよいのでしょうか。
ここではキリスト教の葬儀での香典相場や表書きにまつわるマナーを見ておきます。
香典の平均金額
まず香典の金額相場については、仏式葬儀に持参する場合と同じで故人との関係別におよその相場が決まっています。
例えば故人が親の場合で5万円から10万円程度、祖父母の場合で1万円から5万円程度、知人や友人の場合で5千円から1万円です。
言い換えればキリスト教の葬儀だからといっても、相場はそれほど変わらないため安心してよいでしょう。
香典袋の表書き
キリスト教の葬儀では香典の意味でのお花代も存在します。
このため一般的に使われる表書きが「御花代」や「御花料」で、宗派に関係なく使うことができる種類です。
ほかにもカトリックのみで使える「御ミサ料」、プロテスタントのみで使える「弔慰金」があります。
キリスト教の葬儀で持参する香典のマナーについては、以下の記事により詳しく説明されていますので、ぜひともご覧になってください。
キリスト教の葬儀での服装

仏式葬儀と異なるキリスト教の葬儀では、服装についても独特のマナーがあるように考えられがちです。
しかし実際のところは、仏式葬儀に参列する場合と同じような服装を着用して問題ありません。
具体的には黒系のスーツやワンピースが基本形といえます。
男性の場合は上着のスーツの下に黒ネクタイを締めた白のワイシャツといういでたちで、さらに黒い靴下を着けたうえで黒い靴を履きましょう。
一方女性の場合も黒のストッキングとパンプスを履きます。
アクセサリーについては男女とも結婚指輪以外は極力付けないようにし、特に金属製の腕時計やネクタイピンなどのいわゆる光物は避けるようにしましょう。
ただ女性については真珠製のネックレスを一連だけ身に着けてよいとされています。
キリスト教の葬儀での服装マナーについては以下の記事でより詳しく解説されていますので、ぜひともご活用ください。
キリスト教の葬儀でのマナー

キリスト教の葬儀では独特のマナーが存在するため、こちらについても前もって知っておいた方がよいでしょう。
次にキリスト教の独特な葬儀マナーをいくつかご紹介します。
お悔やみの言葉遣い
キリスト教では葬儀の際にお悔やみの言葉を用いません。
これはキリスト教では亡くなった方が、すでに天国で永遠の命による新しい生を生きていると考えられるためです。
故人の死を悲しむものではないため、お悔やみの言葉遣いには注意する必要があります。
最も無難な言葉遣いとして、故人の安息を祈る意味合いの言葉を掛けるとよいでしょう。
賛美歌・聖歌斉唱には参加する
キリスト教の葬儀では何度か賛美歌や聖歌を斉唱する場面があります。
キリスト教において賛美歌や聖歌は、お祈りと同じように神様に対する呼びかけであるとともに、神様に感謝する意味もあるためです。
このためキリスト教の葬儀では賛美歌や聖歌を極力一緒に歌うこともマナーとされています。
歌詞については式次第に印刷されているので心配しなくてよいでしょう。
ただ悲しみが大きかったり、キリスト教に対する信仰がなかったりして歌う気になれずに歌わなくてもとがめられることはありません。
キリスト教の通夜とは

キリスト教の葬儀でも実は通夜は存在します。
ただ日本のキリスト教独自の慣習であるため、海外のキリスト教では行われない点に注意しましょう。
通夜では基本的に賛美歌や聖歌の斉唱とお祈り、神父や牧師の説教、献花が行われます。
ほとんど葬儀・告別式とあまり変わらない流れといってよいでしょう。
ただ仏式葬儀と同じように、葬儀・告別式に比べると若干こじんまりとした流れというのが正確なところです。
なお通夜が終わった後は、ご遺族が牧師または神父とともに簡単な茶話会を行います。
軽食や飲み物を口にしつつ故人の思い出に花を咲かせますが、この時にお酒が出てこないのも特徴です。
友引にキリスト教の葬儀は避ける?

葬儀と聞くと、人によっては「友引の日に葬儀をやらない方がよい」と考える方もいます。
友引の日に葬儀を行うと、故人の霊がゆかりのある方を連れて行ってしまうという意味で縁起が悪いと考えられているためです。
キリスト教の場合は友引など六曜は特に関係ありませんので、友引に当たる日に葬儀を行っても大丈夫でしょう。
ただ友引の日は火葬場が休みにしているケースが多いですので、火葬場の日程を確認したうえで葬儀の日を決めるとよいです。
キリスト教の葬儀に関するまとめ

今回「終活ねっと」では、キリスト教の葬儀の流れやマナー、費用相場などについていろいろと見てきました。
今回の記事で触れた内容をまとめますと、以下に挙げる各ポイントの通りです。
キリスト教の葬儀ではカトリックとプロテスタントで意味合いが異なる。
カトリックの場合は故人の生前の罪を赦してもらったうえで、永遠の命を持った存在として復活できるように祈る意味がある。
プロテスタントの場合は故人が天国で永遠の命を持った新しい生ができることと復活の希望があることを神様に感謝する場である。カトリックの葬儀は、儀式中心の葬儀ミサと献花や弔辞・弔電の読み上げが中心の告別式からなる。
プロテスタントの葬儀は、牧師による説教や賛美歌斉唱、献花が中心であまり儀式は行われない。献花は決められた順番を守って行う。
順番が回ってきたらお花を受け取り、献花台の前でご遺族や遺影に一礼した後で茎を祭壇側に向けて置く。
そして黙とうと一礼の後、再びご遺族にも一礼して戻る。キリスト教の葬儀で持参するお花代は1万5千円前後が一般的だが、2万円から3万円ほど包む場合もある。
キリスト教の葬儀費用は、30万円から100万円ほどが相場である。
仏式葬儀に比べて安いのは仏式葬儀のお布施ほど宗教者への謝礼金が高くないためである。キリスト教の葬儀で持参する香典の相場は、仏式葬儀の場合と同じように故人との関係性に応じて決まっている。
香典袋の表書きとして宗派不問で「御花代」や「御花料」が一般的であるほか、宗派により「御ミサ料」や「弔慰金」が使われる。キリスト教の葬儀で着用する服装は、基本的に仏式葬儀と同じである。
男性も女性も黒系のスーツやワンピースが基本である。
アクセサリーについては結婚指輪以外は極力着けないようにするが、女性については真珠製のネックレスであれば一連だけ身に着けてよい。キリスト教の葬儀でのマナーとして、お悔やみではなく安息を祈る言葉を掛けるべきである点と、賛美歌・聖歌斉唱に極力参加する点が挙げられる。
日本のキリスト教独自で行われる慣習として通夜もある。
葬儀・告別式当日と似たような流れで儀式が行われ、終了後は簡単な茶話会を催す。キリスト教の葬儀に友引は関係ない。
しかし火葬場が休みの場合は多いため、その点を考慮して葬儀の日を決めるとよい。
キリスト教の葬儀はカトリックとプロテスタントによって流れは異なりますが、式中に説教や賛美歌・聖歌斉唱、献花などがある点は同じです。
特に献花は参列したら必ず行いますので、前もって作法を知っておくとよいでしょう。
加えて香典や服装など仏式葬儀と同じようなマナーが存在するため、その点は事前に確認しておきましょう。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
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