
臨済宗の焼香の特徴は?臨済宗の葬儀・法事で知っておきたいこと。
焼香のやり方は宗派によって違うものです。自分の宗派が臨済宗であった場合、焼香のやり方をしっかりおさえておくことが大切です。そこで、臨済宗の焼香の特徴を詳しく説明します。葬儀や法事の際に知っておきたいことも解説していますので、是非お読みください。
最終更新日: 2020年02月20日
臨済宗の焼香について解説

正しいお焼香の仕方をご存知でしょうか?
亡くなった方の関係者として立派に振る舞うためにも、焼香のやり方を知っておくことは大切です。
しかし、宗派別に焼香のマナーは異なります。
臨済宗の焼香の特徴がよくわからないという方も多いのではないでしょうか?
そこで今回の「終活ねっと」の記事では、
臨済宗にとって、焼香とは?
臨済宗の焼香の回数、やり方は?
臨済宗妙心寺派の焼香について
臨済宗の葬儀
これらの内容について詳しく解説します。
最後まで読むことで臨済宗に対する理解も深まるのではないでしょうか。
臨済宗とは?

臨済宗の焼香について知る前に、臨済宗そのものについて説明をします。
臨済宗の起源は中国の禅宗五家(臨済、曹洞、潙仰、雲門、法眼)の1つで、日本には鎌倉時代に伝わったとされています。
日本に臨済を伝えたのは栄西という僧で、彼が臨済宗の開祖とされています。
日本仏教においては禅宗(臨済宗、曹洞宗、日本達磨宗、黄檗宗、普化宗)の1つであります。
臨済宗は別名仏心宗と呼ばれるように、お釈迦さまの心を己の体に宿して生きることを目指し修行に励みます。
座禅によって自ら悟りを開き、仏に近づいていくのです。
臨済宗は鎌倉時代に上級武士を中心に広まりを見せました。
また、茶道など当時の文化にも多大な影響を与えたと言われています。
臨済宗にとって焼香の意味は?

焼香は仏式の葬儀や法事では欠かすことのできないものです。
また、お墓や仏壇の前であげるお線香も広い意味では焼香にあたります。
ただ、多くの人にとっては、「お線香をあげる」という別の行為としてのイメージが強いかもしれません。
まず、焼香全般の意味は、仏・法・僧の三宝に向けた供養や亡くなった方への弔いが挙げられます。
また、その香りで腐敗臭を抑えるという意味もあるそうです。
昔はドライアイスによる遺体の保存技術も存在しなかったため、香りがかなり役立ったと言われています。
臨済宗においての焼香も同様の意味があると言われています。
ただ、前述したように、座禅により仏へと近づくことを教義としているため、仏への供養の意味が強いとされています。
臨済宗の焼香のマナー

では、臨済宗の焼香のマナーについて解説してまいります。
本番で恥をかかないためにも、臨済宗の焼香の正しいやり方を知っておくが大切です。
焼香の順番
お焼香は亡くなった方との関係が深い方から順番に1人ずつ行います。
とはいうものの、そもそもの席順が関係の深い人順になっていますので特に問題はないでしょう。
焼香の回数は1回
臨済宗の焼香の回数は1回〜3回と言われていますが、基本的には1回です。
焼香のやり方
まず、焼香台の手前まで移動して遺族に1礼します。
焼香台の前に近づき合掌と礼拝をして、抹香を右手の親指・中指・人差し指でつまんで香炉にくべます。
この時、額にいただいてはなりません。
その後、仏前でもう1度手を合わせ、礼拝をして、遺族にもう1礼して完了です。
ちなみに2回の場合は、1回目を額にいただき、2回目を香炉にくべます。
お線香の立て方
お線香の立て方や本数も宗派によって異なります。
臨済宗では、お線香は1本だけさします。
右手で線香を持って火をつけ、左手であおいで火を消し、供えてください。
この時、決して口で吹いて消してはなりません。
人間の息は不浄とされているからです。
臨済宗妙心寺派の焼香について

臨済宗妙心寺派は日本で最大級の禅宗で、約3400もの寺があるとされています。
宗派という言葉には「臨済宗、曹洞宗」という同じ仏教の中での分派を指す意味や「臨済宗妙心派、臨済宗建長寺派」という宗派門流の分派を指す意味があり、広く使われています。
臨済宗は14派に別れていますが、多数派の妙心寺派とその他の宗派(臨済宗の中の分派)に焼香や線香の違いはあるのでしょうか?
焼香回数は他の宗派と違うの?
臨済宗14派の差異はほとんどないとされています。
したがって、前述した通りの焼香のやり方で対応できるでしょう。
線香の立て方は他の宗派と同じ?
線香の立て方にも差異は見られません。
1本だけ立てるということを忘れないようにしましょう。
臨済宗の葬儀の特徴

参列者として臨済宗の葬儀に出向く場合、予想だにしなかった出来事に驚いてしまうかもしれません。
臨済宗の葬儀の様子をあらかじめイメージしておくと、当日は落ち着いて亡くなった方に思いを馳せることができます。
そこで、臨済宗の葬儀の様子を解説しました。
終活中で葬儀について知りたい方にも読んでいただきたいです。
お経で喝と叫ぶ
お経の後半あたりで、僧侶がいきなり喝!と叫ぶ場面があります。
これは臨済宗の葬儀のメインでもある引導法語送りで見られます。
引導法語とは、亡くなった方を仏の道へと導くための法語です。
「引導を渡す」という台詞もここからきていると言われます。
「喝!」という僧侶の叫びは故人をこの世の未練から突き放し、安らかに仏の道へ誘うという意味が込められています。
仏に近づくことを教義とする臨済宗ならではの叫びと言えるでしょう。
葬儀で松明を投げる?
葬儀で登場する松明も引導の意味を持っています。
松明であの世とこの世をつなぎ、悪霊を退け、煩悩を焼き尽くします。
引導渡しが行われる直前に僧侶が松明に見立てた赤い棒をもち、空中に円を描くように棒を回した後、その棒を投げるのです。
昔は本物の松明が使われていたと言われています。
葬儀でシンバルを叩く?
葬儀の終わりが近づくと僧侶がシンバルのような楽器を使って激しく音を鳴らす光景を目にすることができます。
このシンバルのような楽器は、妙鉢(みょうはち)というものです。
妙鉢は元々、宮中で使用されていた打楽器で、その歴史は平安時代にまで遡ります。
妙鉢は臨済宗だけでなく、浄土宗や天台宗の葬儀でも用いられ、鳴らすことにより仏様に音楽を供養するという意味があります。
戒名について
戒名とは、仏の弟子としての名前、仏縁があった証のことを指します。
臨済宗では、住職資格を有した僧侶が規則に沿って、授与すると決まっています。
臨済宗の戒名にはランクがあり、成人の場合は居士・大姉が良いとされます。
下のランクには信士・信女があり、ランクごとに戒名料に違いがあります。
通夜葬儀に授与する場合を「没後戒名」と呼びます。
多くの人が通夜葬儀で戒名をしますが、臨済宗では「没後戒名」よりも生きている間に名前をもらう生前戒名の方が良いとされます。
体に仏を宿そうとする臨済宗の本義を追い求めることができるからです。
臨済宗の数珠の特徴は?
臨済宗では、多くの人が略式の片手数珠を使っているそうです。
ただ、正式には108の主玉が繋がった看経念珠が臨済宗の数珠として使用されます。
看経念珠の特徴として念珠の原型に近い非常にシンプルな形をしていることが挙げられます。
108の主玉には、108ある人間の煩悩を引き受け、守ってくれるという意味があります。
看経念珠は曹洞宗でも使われます。
また、振分念珠と呼ばれる数珠を使用することも可能で、振分念珠は日蓮宗以外の宗派で共通して使うことができます。
臨済宗の焼香についてまとめ

いかがでしたか?
今回の記事では、臨済宗の焼香について
臨済宗の焼香の意味は三宝に向けた供養の意味と死者への弔いの意味がある
臨済宗の焼香の回数は基本的に1回で、やり方は額にいただかず、香炉にくべる
多数を占める臨済宗妙心派のやり方は他の宗派と変わらない
臨済宗の葬儀では、僧侶が「喝」と叫んだり、妙鉢で大きな音を鳴らしたりするが、死者を仏道へ導くという意味がある
という内容について解説しました。
焼香の正しい作法を覚えておくことは大切ですが、それよりも重要なのは、亡くなった方への気持ちを込めて仏の道へ送り出してあげることです。
そして、その故人への思いを忘れずに生きていくことができれば良いのではないでしょうか。
「終活ねっと」のこの記事が皆様のお役に立てましたら幸いです。
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