末期の水を行う意味とは?正しい作法やタイミングなどを解説します

誰もが生きている限りは臨終の時を迎える瞬間は避けることができません。日本では古くから臨終を迎えようとする方などに末期の水を行う風習があります。言葉自体は聞いたことがある方も多いでしょうが、末期の水はどのようなやり方で行われ、タイミングはいつなのでしょうか?

目次

  1. 末期の水について
  2. 末期の水とは?
  3. 末期の水の正しい作法
  4. 末期の水を行う際の注意点
  5. 末期の水以外の臨終後の流れ
  6. 神道の葬儀でも末期の水は行う?
  7. 末期の水のまとめ

末期の水について

葬儀

人は生きている限り、いつか必ず臨終の時を迎えます。
亡くなる原因が病気によるものにせよ、また不慮の事故や戦争などによるものにせよ、臨終を迎えるときは避けることができません。

日本では古くから臨終をまさに迎えようとしている方や臨終を迎えた方に対して、末期の水を行う風習があります。
「末期の水」について言葉自体は聞いたことがある方は多いでしょう。
しかし具体的に行うタイミングや作法を知らない方もまた多いのではないでしょうか?

そこで今回終活ねっとでは、臨終を迎えようとしている方や臨終を迎えた方に対して行われる末期の水について詳しく見ていきます。

  • 末期の水とはどのような風習なのか?
  • 末期の水の正しい作法とは?
  • 末期の水を行ううえで気を付けるべき注意点とは?
  • 末期の水以外に行われる臨終後の流れとは?
  • 神道の葬儀でも末期の水は行われるのか?

末期の水の詳しいやり方や作法について、深く知りたい方にとって役立つ内容となっております。
ぜひとも最後まで読んでいただければ幸いです。

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末期の水とは?

葬儀

末期の水の風習については、名前であれば聞いたことがある方は多いでしょう。
その一方で、末期の水について聞いたことのない方や内容まではよくわからない方も多いのではないでしょうか?

ここではまず、末期の水がどのような風習であるのかについて詳しく見ていきます。

「末期の水」の意味・読み方

末期の水は「まつごのみず」という読み方です。
「末期」とは「人生の最期を迎えようとしているタイミング」という意味で、まさに息を引き取ろうとしている方の唇を水で湿らせることを指します。
またほかにも息を引き取った方に対して行われる場合に使われることも多いです。

なお別の表現に「死水をとる」という表現もあるため、覚えておきましょう。
また「末期」の部分は、国語の教科書に書いてあるような「まっき」ではないので注意します。

なぜ臨終を迎えようとしている方や臨終を迎えた方に対し末期の水を行うのかといえば、死後の世界に旅立とうとする方にのどの渇きをいやしてもらうためです。
仏教では死後の世界に旅立った方は飲食ができないと考えられているという理由もあり、旅立った後に死後の世界で極力苦しい思いをしないように行います。

また別の考え方では、臨終を迎えようとする方や臨終を迎えた方に対し水を飲んでもらうことで、再び元気になったり生き返ったりほしいと願う意味もあるためです。

末期の水の由来

末期の水は仏教用語であるため、由来も仏教の開祖であるお釈迦様の逸話にあります。
お釈迦様が入滅、つまり臨終の時を迎えようとしていた時に、のどの渇きをいやそうと弟子に水を求め、その際に鬼神が水をお捧げしたことが由来です。

このような逸話から、仏教では臨終を迎えようとしている方やすでに臨終を迎えた方に対し唇を湿らせる風習が行われるようになりました。

末期の水の正しい作法

葬儀

具体的に末期の水はいつどのように行えばよいのでしょうか?
親しい方が臨終を迎えようとしている場合、あまりの悲しみや動揺からなかなか末期の水をどのように施せばよいかがわからない方も多いでしょう。

ここでは末期の水を行うべきタイミングや正しい作法について詳しくご紹介します。

末期の水を行うタイミングはいつ?

まず末期の水を行うタイミングについて見ていきましょう。
末期の水は上記のお釈迦様が入滅する際の逸話から、もともと臨終を迎えようとする間際の病人に対して多く行われていました。

しかし現在では病院で医師が病人の死亡を宣告した後に行うのが一般的です。
この場合、ご遺族による最期の対面の後、看護師のエンゼルケアの前に行います。
ほかにも故人のご遺体がご自宅などに搬送されて、湯灌師や納棺師の手で湯灌や死化粧を施すのに先立って行う場合も多いです。

末期の水の際に用意するもの

末期の水を行う際には、事前にいくつかのものを用意する必要があります。
まずご遺体の唇を湿らせるために使うお水と脱脂綿、そして脱脂綿を巻き付けるためのお箸が一般的です。
お水については茶碗などに入れた状態で用意します。

ただし地域によってはお箸の代わりにしきみや菊の葉、鳥の羽を使うことあるため、病院の医師や菩提寺の僧侶、ご近所の方などに確認が必要です。
またお箸についても、場合により新品の筆で代用することもあります。

なお末期の水に必要な道具一式は、病院や葬儀社などで用意してもらえる場合が多いですので、その点は安心して大丈夫でしょう。

末期の水のやり方

必要なものの準備ができたら、末期の水を行いましょう。
具体的な手順として、以下のようなものが挙げられます。

  • お箸や筆の先に脱脂綿などを巻いたうえで、白い糸などで縛る
  • 箸先などにつけた脱脂綿の部分を水につけて湿らせる
  • 水を湿らせた脱脂綿を故人の唇にそっと当てる。
    最初に上唇、次に下唇の順に行い、左から右に向かって撫でる要領でやる。
  • 唇に当て終えたら、水を浸した布やタオルなどを使って故人の顔を拭く。
    この時額、鼻、顎の順番になるよう心がける。
    なお額は左から右へ、鼻は上から下へ、あごは左から右へ拭いていく。
    拭きながら故人にねぎらいや感謝の言葉を掛ける。

末期の水を行う順番

末期の水は故人のご遺族やご親族が主に行いますが、実は血縁で故人に近い順から行うのが作法です。
具体的には故人の喪主から始めて配偶者、故人の子供、親、兄弟姉妹、子供の配偶者、故人の孫の順番で行われます。

ちなみに喪主が配偶者の場合は、その後は故人の子供から始める順番です。

末期の水を行う回数

末期の水を行う回数が何回であるのか気になる方も多いでしょう。
末期の水を行う回数は、1人につき1回だけです。
複数回やることは弔事では縁起が悪いうえ、社会常識から考えてもあまり好ましいことではないとされているため、必ず1人1回は心がけましょう。

末期の水を行う際の注意点

困った人々

末期の水を行う際には、いくつか注意すべき点があります。
注意すべき点を知っていないと、ほかのご遺族やご親族からいい目で見られませんので、以下の注意点は事前に知っておくとよいでしょう。

無理やり口には入れない

まず末期の水を行う際は、ご遺体の口に無理やり水を湿らせた脱脂綿の部分を入れないようにすることが重要です。
たしかに末期の水には、これから死後の世界に旅立つ故人にのどの渇きをいやしてもらう意味で行われます。

しかしいくらのどの渇きをいやしてもらうためとはいえ、口の中に無理やり入れることはよいことではありません
故人に対しても、また立ち会っているほかのご遺族やご親族にも失礼な行為ですので控えましょう。

臨終に立ち会った人は全員行う

末期の水は基本的に、故人の臨終に立ち会った方が全員で行うのが作法とされています。
もし何らかの事情でご遺族の誰かがその場に間に合っていない場合は、その方の合流を待って末期の水を施すのが一般的です。

ただ間に合わない方が合流するまでかなり時間がかかる場合は、極力揃ったうえで行うのが現実的といえます。

小さな子供にもやらせる?

上記の項で見たように末期の水は、故人の臨終に立ち会ったご遺族全員で行うのが作法です。
しかしもしその場に小さな子供がいる場合は、無理やりさせないようにしましょう。

小さな子供は感受性が豊かであるため、無理やりさせることは心理的なショックが大きいためです。
もし小さな子供でも末期の水を行いたいという意思がある場合は、やり方や作法を丁寧に教えながらやらせてもよいでしょう。
いわば子供の意思を尊重して判断することが大切といえます。

自宅で行う場合の注意点

一般的にはご遺体に末期の水を行う場所が病院であることが多く、病院の場合は医療スタッフなどもいるうえ冷暖房も稼働しているため、それほど環境面の心配はありません。
しかし病院ではなくご自宅で末期の水を行う場合は、ご遺体の安置で多少注意する必要があります。

基本的にご遺体は臨終の瞬間から腐敗し始めるため、腐敗の速度を遅くするためにも低温の環境にすることが重要です。
このためご自宅で末期の水を行う場合は、季節に応じて安置してある部屋で空調をきかせて室温が低くなるようにしましょう。

浄土真宗では末期の水は行わない

浄土宗や曹洞宗といったほとんどの仏教宗派では、故人が臨終を迎えた段階で末期の水を行いますが、浄土真宗では行うことはありません
浄土真宗では亡くなった方は仏様のお力によって、すぐに極楽浄土に仏様として生まれ変わると説いています。

言い換えれば、故人が死後の世界で飲食ができずに苦しい思いをするとは考えないため、末期の水を行う必要がないためです。

末期の水以外の臨終後の流れ

葬儀

故人が臨終を迎えた後に行うこととして、末期の水以外にも清拭や湯灌、死化粧が挙げられます。
ここでは末期の水以外に故人のご遺体に対して行うことについて、それぞれ簡潔に見ていきましょう。

清拭

清拭(せいしき)とは、故人のご遺体を水で濡らした布などできれいに拭き清めることです。
故人が気持ちよい状態で死後の世界へ旅立つことができるようにするためのものであるとともに、清拭によって腐敗の速度を遅くする衛生的処置でもあります。

病院で故人が臨終を迎えた場合、故人の看護を担当した看護師がエンゼルケアという形で行うのが一般的です。
故人がご自宅で臨終を迎えた場合は、訪問看護師や葬儀社の専門スタッフが行います。
ご遺体を拭き清めるほか、傷口に処置を施したり、鼻への詰め物まで行われるのが基本的です。

湯灌

清拭以外にご遺体に対して行われる処置には、湯灌(ゆかん)もあります。
これはご自宅や葬儀会場にある浴槽でご遺体を入浴させて、きれいに洗ったり布などで拭いたりする行為です。

なお湯灌を行うには専用の設備の取り扱いが必要になるため、専門資格を持つ湯灌師の手で行われます。
湯灌については、以下の記事でより詳しく説明されていますので、ぜひともご参照にしていただければ幸いです。

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死化粧

清拭や湯灌を施したご遺体には、最後に死化粧を行います。
具体的にはまずご遺体の髪を整え、爪をきちんと切り、さらに男性についてはひげもきれいに剃るのが一般的です。
これらの処理が終わったら、眠っている顔の部分が安らかに見えるように化粧を施します。

死化粧と同時に死後の世界への旅で着用する死装束も着せますが、最近では従来から着せている白装束に加え、故人が生前好んで着用した服装を着せることも多いです。
ただし適切な服装は宗教や宗派により異なりますので、事前に確認しておきましょう。
死化粧についてより詳しいことは以下の記事で紹介されていますので、ぜひともご活用ください。

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神道の葬儀でも末期の水は行う?

神棚

末期の水はお釈迦様が入滅する際の逸話が由来になっているためか、末期の水の風習があるのは仏教だけのように見えます。
しかし実は仏教以外に神道でも、臨終を迎えた故人に末期の水を行うのが一般的です。

神道では死を穢れとして避ける考え方がありますが、その穢れを清める意味でも神道でも仏教と同じように末期の水を行います。
ただし神式で行う場合、脱脂綿を巻き付けるのは箸にではなく榊の葉に対してです。
神道では榊の葉はお通夜や葬式も含め儀礼で一般的に使われるという理由によります。

末期の水のまとめ

葬儀

今回終活ねっとでは、臨終を迎えようとしている方や臨終を迎えた方に対して行う末期の水について見てきました。
記事の内容をまとめますと、以下の各ポイントのようになります。

  • 末期の水とは、臨終を迎えようとしている方や臨終を迎えた方に対して行う風習で、「まつごのみず」と読む。
    末期の水を行う意味として、死後の世界に旅立つ故人にのどの渇きをいやしてもらうというものや、元気になったり生き返ったりするのを願うものがある。

    末期の水は仏教の開祖であるお釈迦様が臨終に際して弟子に水を求め、鬼神がお捧げした逸話が由来になっている。
  • 末期の水はかつてはお釈迦様の逸話と同じように臨終を迎えようとする方に行っていたが、現在では故人が臨終を迎えた直後に行われる。
    末期の水で用意するものは、お箸または新品の筆、脱脂綿、お椀に入れた水である。
    なお脱脂綿に代えて、しきみや菊の葉などを使うこともある。

    末期の水のやり方として、脱脂綿などを箸先に縛って水を湿らせたうえで、唇にそっと当てるというもので、上唇から下唇の順で左から右に向かってなぞる。
    行う順番は故人から見て血縁的に近い人物からというのが一般的で、1人につき1回ずつ行う。
  • 末期の水を行う際の注意点として、脱脂綿を無理やり口に入れないことや臨終に立ち会った方が全員やること、小さな子供に無理にやらせないことが挙げられる。
    またご自宅で行う場合は季節に応じて部屋の室温に注意することや、浄土真宗では末期の水を行わない点にも注意する。
  • 末期の水以外で臨終後に行うこととして、清拭や湯灌、死化粧が挙げられる。
  • 末期の水は仏教のほか神道でも行われる。
    神道では死を穢れとして避ける考え方であるため、ご遺体の穢れを清めて葬儀を行う意味がある。

末期の水は故人にのどの渇きをいやしてもらったうえでお別れを告げるという意味で、葬儀の最初の段階といえます。
このため故人を気持ちよく送り出すという意味でも、きちんとやり方や作法を知ったうえで行うようにしましょう。

なお文中でも触れたように末期の水は臨終に立ち会った方全員で行うのが作法であるため、極力ご遺族全員で臨終の場に立ち会うようにするとよいです。

葬儀関係ではどうしても葬儀費用や香典のことなど、お金の面で問題になりがちです。
とりわけ葬儀費用は一般的に高い傾向があり、その工面に苦労する方も多く見られます。
以下の記事では葬儀費用の相場や極力安くする方法を詳しく説明していますので、葬儀費用でお悩みであればぜひともご活用していただければ幸いです。

今回も最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

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