神社にあるハート型の模様とは?意味や由来について徹底解説します!

神社にあるハート型の模様とは?意味や由来について徹底解説します!

初詣やご祈願などで神社に参拝する機会も多いかと思います。社殿に施された装飾の中にあるハート型の模様をご存知ですか?神社では数多く使われている模様ですが、ご存知でない方も多いのではないでしょうか。この猪目模様と呼ばれる装飾に関して由来や意味などをご紹介します。

最終更新日: 2018年11月23日

神社の模様について

神社

初詣や祈願などの様々な機会に、神社で参拝する方も多いかと思います。
神社の社殿の前に立つとその装飾や造りの素晴らしさに見とれてしまいますよね。

その中でもハート型の模様があることをご存知でしょうか?
実は古くから施された意味のある模様の一つです。

今回「終活ねっと」では、神社の模様について以下の内容を中心に詳しくご紹介します。

  • そもそも神社とは?

  • 神社で目にするハート模様の意味は?

  • ハート模様はどういうところで使われているの?

以上のことを中心にご紹介します。
また、お寺の庭の砂利模様の名前と意味についてもご紹介します。
ぜひ最後までご覧ください。

神社とは?

神社

そもそも神社とは、どんなところなのでしょうか?
神社とは、日本に古来から伝わる信仰である神道の神様をお祀りした施設の総称です。
単なる建物だけではなく鳥居をくぐった内側全てが神社であり、神のいる場所として神域とも呼ばれます。

はるか昔には、山や巨木や滝などの自然を崇拝していたのですが、お祈りをするための場所として屋根がつけられ、建物となり現在のような社殿へと姿を変えてきました。

現在の神社は、神様のご自宅とも考えることができます。
そのため伊勢神宮の遷宮のように、20年に一度建て替えて新しいご自宅に移り住んでいただく神事も存在しています。

神社参拝とは、神様のご自宅にお願い事にうかがうという事になります。
また、神道は他の多くの宗教のように神様は一人ではなく、様々な性格とご利益を持った神様が神社ごとに祀られています。

以下の記事では、神社の起源やお寺との違いについてさらに詳しく紹介しています。
こちらもあわせてご覧ください。

神社によくあるハートの模様って何?

困った人々

神社の建築物をよく観察すると装飾のところどころにハート型の模様を発見することがあります。
寺社などの歴史のある古い建造物になるほど多く見ることができます。

このハート模様は猪目(いのめ)といいいます。
ここでは、猪目模様に関して詳しくご紹介します。

猪目模様

猪目模様と呼ばれるハート型の模様は、実際のハート型とは上下が逆で上部がとがった先っぽになります。
神社や寺院で、多く見かけるこの模様はその名のとおり猪(いのしし)の目の形に似ていることからこの名称で呼ばれています。

そのかにも、菩提樹(ぼだいじゅ)の葉をかたちどったものという説や、同じく猪が発祥ですが目の形ではなく「い」の文字が変形したものという説もあります。

発祥は中国とされていて、もともとは寺院建築の際の装飾模様の一つとして飛鳥もしくは奈良時代に日本に伝来しました。
そのため、お釈迦様の周囲にはこの猪目模様が数多く使用されています。

そして、猪目模様は神社や寺院の建築物だけではなく、身に着けるものや道具などの小物まで含めて様々な装飾品で見ることができます。
それでは、この猪目模様にはどのような意味があるのでしょうか。

猪目模様の意味はあるの?

猪目模様は古くから建物の屋根や柱などの模様として見られ、火除け・魔除けの意味があります。
また、火除けの由来は古代中国の五行説に基づいています。

五行とは自然のことわりを五つの属性に分けるという考え方で、陰陽の五行は木・火・土・金・水の五種となります。
そこに、中国の古い暦の十二支が掛け合わされ、それぞれの干支に五行の属性がつけられています。

十二支の猪(亥)は五行では水の属性にあたります。
水属性の猪は火に克つということから火除けの象徴として多く用いられるようになりました。

魔除けの由来は猪が、タタリを成す神様と恐れられていたことに由来します。
猪のタタリ神は、日本最古の書物古事記に以下のような話が記載されています。

  • 日本武尊

    日本武尊が東征の後、伊吹山で白い大猪に遭遇します。
    伊吹山の神である猪の神罰により大怪我を負った日本武尊はやがて死にいたります。

  • 香坂王と忍熊王による応神天皇への反逆

    香坂王(かごさかのみこ)と忍熊王(おしくまのみこ)が神宮皇后に対して挙兵した際に大きな猪が現れ香坂王を食べてしまいます。

  • 雄略天皇が葛城山で襲われる

    雄略天皇が葛城山で大きな猪の神に遭遇します。
    鏑矢(かぶらや)を射て殺そうとしますが逆に襲われ瀕死の恐怖を味わいます。

これらの話は、すべて違う年代と状況ですが共通しているのは猪の姿をした神がいさめる意味でタタリを成すという内容です。
また、島根県には猪目町という地名があり、そこには猪目洞窟(いのめどうくつ)があります。

日本神話に登場する黄泉比良坂(よもつひらさか)つまり死の国への入り口と恐れられていて、猪目洞窟を夢で見ると必ず死ぬという伝承です。
模様との関連性は不明ですが、猪目がおそれ避けられていたという象徴の一つです。

日本では災いを神のタタリとして恐れる文化があります。
そして、タタリを成す神様をタタリ神として祀り災難から逃れようとしました。

屋根の上の鬼瓦にも同じような由来があります。
古来から伝わる猪のタタリ神の伝承が中国から伝わった猪目模様と習合したと考えられています。

猪目模様が使われているのは?

神社

それでは、火除け・魔除けの象徴である猪目模様はどのような形で使われているのでしょうか。

懸魚

懸魚(げぎょ)とは、木造の寺社建築物を火災から守るまじないの意味でつけられるようになりました。

もともとは、水の象徴の魚のかたちをしていました。
魚を屋根にかけることから、水をかけるという意味として捉えられます。

また、魚のかたちをした作り物を屋根に吊り下げるという風習は中国雲南省に今でも残っています。
建築様式が大陸より伝わった際に火除けの懸魚と猪目模様が合わさって現在の形になったと考えられます。

懸魚には、猪目懸魚のほかにも蕪懸魚など様々な形が見られますが、デザインとしての完成度が高い猪目懸魚が寺社建築の意匠として多く用いられているようです。

破風板

破風(はふ)とは、切妻造りや入母屋造りの建物の屋根の先端に当たる三角形の部分を指し、そこに取り付けられた板を破風板といいます。
また、破風は交差する屋根を支える部材として構造上も重要な役割となっています。

破風板に、火除けを願った懸魚が取り付けられます。
破風板そのものに、猪目模様を施した意匠も見られます。

倒卵形鍔

倒卵形鍔(とうらんがたつば)とは、刀の鍔の部分の形の一つです。
卵を逆さにした形状で、上部が広く下に向かって絞られています。

6世紀から7世紀の奈良時代以前の古墳時代に作られた日本独自の鍔の形状で、刀には魔を祓う力が宿るとされています。
魔除けの猪目模様がその意味からもあしらわれたと考えられています。

武士の間でも、降りかかる火の粉を打ちはらうという意味合いから火除けの猪目模様が好まれるようになりました。

また、猪突猛進という言葉にもあるとおり、勇ましく前に進むという意味から刀だけではなく戦国時代には槍や甲冑などの武具や馬具にも広くあしらわれるようになりました。

建築物や刀鍔だけではなく身近なものにも猪目模様は施されています。
神社の賽銭箱の上部にある本坪鈴(ほんつぼすず)や、巫女さんが手に持つ神楽鈴(かぐらすず)にも見られます。

鈴の音はもともと魔を払い神様を呼ぶといわれ、その意味からも猪目模様が使われたと考えられています。
よく見かける小さな鈴にも猪目模様は使われています。

神社の鈴については、こちらの記事でより詳しくご紹介していますので、ぜひご覧ください。

お寺の庭の砂利模様の名前と意味は?

寺

猪目模様のほかにも寺社建築の中では、様々な模様がみられます。
なかでも有名ものに、寺院の庭園などで砂利などを用いて描かれた枯山水(かれさんすい)があります。
ここでは、枯山水に関して簡単にご紹介します。

枯山水

枯山水は、水を一切使わずに砂と石だけで山水の模様を表現した庭園様式を指します。
最も古い記述では、平安時代に編纂された書物作庭記に記載されています。

しかし、現在一般的に枯山水として知られている様式は室町時代の東山文化として高められました。
室町幕府六代将軍足利義政が、建立した京都の銀閣寺の枯山水がその完成形ともいえます。

その他にも枯山水で有名な庭園として以下のようなものが挙げられます。

  • 龍安寺

  • 大徳寺大仙院

  • 妙心寺退蔵院

枯山水の意味は?

枯山水は、散策して楽しむ回遊式庭園とは違い屋内から眺めます。
瞑想をする座禅の道場などで、山紫水明を思い描き心を静かにするという意味で好まれて発展してきました。

枯山水で有名な龍安寺の石庭に関しては以下のような解釈が成り立つといわれています。

  • 禅の五山

  • 「心」という文字

  • 不完全なるもの

  • 無常観

  • 宇宙観

いずれにしても非常に抽象的な解釈であり、きまった回答のない禅問答のような印象です。
枯山水の意味とは、自分自身の内面に問いかけて答えを導き出すものと考えられているようです。

模様や岩、石は何を表している?

枯山水の砂は水の流れを表現しています。
砂紋(さもん)といい、さざなみ紋やうねり紋などの様々な模様があり川の流れや海のうねりに見立てています。
主に白い砂が用いられ水が無いのに水の流れを感じさせるように表現されています。

石や岩は、水の流れの上にそびえ立つ山を表現しています。
不老不死の仙人の住まいといわれる蓬莱山(ほうらいさん)や、複数の石を組み合わせて深山を表現しています。

枯山水は唐山水とも呼ばれ、室町時代に唐から伝わった水墨山水画から大きな影響を受けています。

神社の模様まとめ

神社

いかがでしたでしょうか?
今回「終活ねっと」では、神社の模様の猪目模様に関して詳しくご紹介しました。

記事の内容をまとめると以下のようになります。

  • 神社で見られるハート型の模様は猪目模様という。

    猪の目の形に似ていることからこう呼ばれています。
    古代中国から寺院建築の装飾として日本に伝わりました。

  • 猪目模様には、火除け・魔除けの意味がある。

    火除けの由来は、陰陽五行説で猪は水属性だということから、魔除けの由来は、猪はタタリ神として恐れられていたことからである。

  • 寺社の建築物や身につける道具などにも古くから使われています。

    猪目模様は、建物では懸魚や破風板に使われ、さらには刀の倒卵形鍔などにもあしらわれている。

さらに、寺院の庭園などで見られる砂と石でつくられた模様の枯山水に関しても詳しくご紹介しました。
神社に訪れた際には、猪目模様に注目し参拝してみてはいかがでしょうか。

「終活ねっと」では、神社に関する記事を多数記載しています。
以下の記事では、神社のお賽銭の起源や相場について詳しく紹介しています。
こちらもあわせてご覧ください。

最後までご覧いただきありがとうございました。

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