神社と寺の違いって?それぞれの定義や参拝方法・建物の違いを解説

日本人にとって神社と寺は大変身近な存在で、足を運ぶ機会の多い場所です。どちらも純和風な建物で一見区別がつきにくく、違いをうまく説明できないという方も多いのではないでしょうか。そこで今回は、普段から馴染みの深い神社と寺の違いについて詳しく解説します。

目次

  1. 神社と寺について
  2. 神社と寺の定義とは?
  3. 神社と寺の参拝方法の違い
  4. 神社と寺の建物の違い
  5. 神社と寺の御朱印の違い
  6. 神社と寺についてのまとめ

神社と寺について

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神社と寺の違いは?と聞かれて、答えに困った経験はありませんか?
実はこの2つ、もともと違いがわかりにくいものなのです。

日本では奈良時代の頃から「神仏習合(しんぶつしゅうごう)」という考え方がありました。
もともと日本に根付いていた信仰と、海外から伝わってきた仏教が衝突し合うことなく、つぶし合うことなく融合して浸透・発展していく様を表した言葉です。
昔は神社の中に寺が設けられたりしたこともありました。

この動きは、明治政府が神道を国の宗教とする動きを強め、仏教とはっきり区別しようと画策した「神仏分離(しんぶつぶんり)」が活発化するまで、1000年もの間続きました。
明治以降、神社と寺は区別されるようになりましたが、それ以前の長い歴史があるため、似ている部分も多々あります。

しかし、いくらそうした歴史があるとはいえ、現代において神社と寺の違いが言えないというのもよくないことかもしれません。

そこで今回終活ねっとではそのような神社とお寺について、

  • 神社と寺の定義とは?
  • 神社と寺の参拝方法の違い
  • 神社と寺の建物の違い
  • 神社と寺の御朱印の違い

この4点に的を絞って詳しく解説してまいります。
神社と寺の違いを理解したいとお考えの方のお役に立てば幸いです。

どうぞ最後までお読みください。

神社と寺の定義とは?

お墓

ではまず、神社と寺の基本的な定義について比較をしてみましょう。

神社の定義

始めに神社の定義について解説します。

宗教

神社は「神道(しんとう)」という宗教に属しています。
神道とは古来より続く、日本固有の民俗信仰です。

神道とは自然信仰を主軸とした宗教で、経典など教えの類を書き記した書物や文章はありません。
古くから太陽や大地、雨、風、植物など自然界の全てに目を向け恵みに感謝する気持ちから、長い歳月をかけて培われていった宗教であると考えられています。

崇拝の対象

神社の崇拝の対象は、八百万(やおよろず)の神です。
八百万とは、限りなく数が多い・無数という意味の言葉で、神道の世界では至るところに神様がいると考えられています。

例えば神道では古くから、山、川、森、石、大木など人々の生活に大きな影響を与えるものに名前をつけ、神格化して崇拝してきました。

また、菅原道真や徳川家康など、実在した人物を神格化し神として祀っている神社もあります。
ひとつの神社に、複数の神様が祀られていることも少なくありません。

英語では?

神社を英語で言い表すときは「Shinto shrine」と言います。
読み方をカタカナで表現すると「シントー シュライン」となります。

「shrine」とはもともと、聖人たちの遺骨や縁の品々を納めた容器や、それらを安置した場所や建物などを表す単語です。
そこから発展して、神聖な場所・祈りを捧げる場所や建物という意味を持ちます。

日本で神社を指し示して「shrine」と言えば、どういう意味を持つ場所か概ね通じます。
しかし、基本的には日本だけでなく外国の聖なる場所や建物にも使われる単語なので、何の神様を祀っているのかわかるように「Shinto shrine」と言ったほうがよいでしょう。

寺の定義

では次に、寺の定義について解説します。

「寺」の他に「寺院」という呼び方もありますが、これは単に呼び方の違いであって、双方に特別な線引きはないようです。
寺の名称は正式には、○○山○○院○○寺という具合に非常に長い場合が多く、通常はその一部を抜き取って呼び名にしています。
そのため、寺と言ったり寺院と呼んだりするようになったのです。

ここでは統一して「寺」と表記します。

宗教

寺とは「仏教」を広めるための中心となる建物です。
もともとは僧侶が暮らし、仏教の教えを学ぶための場所とされていました。

仏教とは、紀元前5世紀頃に北インドで釈迦が唱えた教えが基礎となっている宗教です。
キリスト教、イスラム教とともに世界三大宗教と呼ばれており、信者の数は5億人とも言われています。

釈迦は北インド地域にあった国の王子でしたが、29歳で出家して苦行を重ね、菩提樹の下で悟りを開いて仏陀(ブッダ)となりました。

人は誰でも、正しい行いを積むことによって、この世の迷いや苦しみから抜け出すことができる・誰でも救われるというのが、仏教の基本的な考え方とされています。

日本には6世紀頃、飛鳥時代に伝来したと言われています。
この時代、仏教の布教に尽力した人物のひとりが聖徳太子です。

崇拝の対象

寺での崇拝の対象は仏様です。
具体的には、寺には仏様の姿を形にした仏像が安置されており、その仏像に手を拝みます。

仏像とは、基本的には仏陀(釈迦)の姿を表した像のことですが、仏として崇められた人物の姿をした仏像など、仏陀以外の仏像もあります。

仏陀の教えではもともと、何か形あるものを拝むことはしていませんでした。
仏教が始まった最初のころには、仏像というものは存在していなかったのです。

しかし、仏陀が亡くなってから数百年経過した頃から、仏の教えをよりわかりやすく伝えるために、絵図や彫像が作られるようになりました。
これが仏像の始まりとされています。

英語

寺は英語で「Buddhist temple」と言います。

単語の意味としては「temple」だけでも通じます。
「temple」は「寺」という意味の単語です。

しかし他の宗教でも、祈りを捧げる場所や建物を「寺」と呼ぶことがあります。
信仰の対象である「仏」という言葉をつけて「Buddhist temple」と呼ぶと分かりやすいです。

全国の神社と寺の数

文化庁が平成26年度にまとめた「宗教関連統計に関する資料集」に、全国の神社と寺の数の推移が載っています。

これによると、神社の数は様々な形式のものを含めおよそ8万1000社以上となっています。

この中には、神職者が常駐していない無人の神社も含まれているようです。

一方、寺の数はというと、全国におよそ7万7000寺あります。

神社も寺も、京都や奈良にたくさんあると思いがちですが、実は少し違います。
数だけで比較すると、神社が最も多い都道府県は新潟県4,700社以上、これに兵庫県、福岡県、愛知県が続きます。
また、寺が最も多い都道府県は愛知県で4,600寺以上あり、次に大阪府、兵庫県、滋賀県、京都府が続きます。

なぜ新潟や愛知に神社や寺が多いのか、理由はひとつではないようです。
主な理由としては、どちらも県の面積が広いこと、古くから多くの人口を抱える大都市であったこと、交易が盛んで多くの人の出入りがあったことなどが挙げられます。

また、歴史ある大規模な寺や神社がある京都や奈良より、各地域に信仰が根付きやすかったのかもしれません。

神社と寺の参拝方法の違い

神社

では次に、神社や寺を訪れたときの参拝方法について解説します。

神社

神社での参拝方法は「二礼二拍手一礼」が基本です。
「二拝二拍手一拝」とも言います。

神社に着いたら、まず入口となる鳥居の前で一礼し、参道を歩いて拝殿へと向かいます。
参道の中央は神様の通り道としている神社も多いので、左右どちらか端を歩くのが基本です。

手水舎(水盤舎・御水屋と呼ぶ神社もあり)で手や口を清め、拝殿の前まで来たら心を穏やかに整えます。
賽銭箱に賽銭を入れ、紐を引いて鈴を鳴らして神様をお呼びしますが、賽銭と鈴の順番は逆でもよいとされています。

この後で、まず2回礼をし、パンパンと2度手を叩いて、最後にもう一度礼をします。
これが「二礼二拍手一礼」です。
礼は頭を下げるだけでなく、姿勢を正して腰を曲げてお辞儀するのが作法です。

寺の参拝方法は「合掌」が基本です。
手を叩く(拍手)ことはしませんので気をつけてください。

合掌という点を除けば、基本的なお参りの手順は神社とほぼ同じと考えてよいです。

まず、お寺の入口である山門の前で一礼し、参道を進みます。
お寺の場合は、参道の中央を歩いても特に問題はないようです。

参道の途中に手水舎がある場合は、手や口を清め、本堂へ向かいます。
本堂の前に常香炉がある場合は煙を浴びて心身を清め、お線香をお供えさせていただきましょう。

本堂の前へ進み、御本尊となっている仏像の正面に立って賽銭を入れます。
賽銭は投げ入れるのではなく、賽銭入れにそっと手を伸ばして静かに入れましょう。
さらに、鈴や鐘などがあれば慣らします。

この後で、姿勢を正して合掌します。
静かに手を合わせ、心の中でご利益祈願をした後、手を合わせたまま深くお辞儀をします。

合掌が終わったら、最後に御本尊に向かって一礼して、その場を立ち去りましょう。

神社と寺の建物の違い

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ここまで、神社と寺の定義や参拝方法の違いについて解説してまいりました。
では次に、双方の建物の違いについて解説します。

神社も寺も、似たような外観のように思われますが、どのような違いがあるのでしょうか。

神社

神社と寺の外観の違いは、入口(門)部分に大きく表れています。

神社の入口には「鳥居」があります。
鳥居とは、2本の柱と2本の横木で構成された、神域を表す門の一種です。
その起源や由来は諸説あり、はっきりとしていませんが、8世紀頃には既に現在の形が確立されており、歴史があるものと考えられています。
朱色のものがよく知られていますが、黒や白、色塗りのないものや石造りのものもあります。

鳥居がある場所は神社であると考えてよいでしょう。

さらに、入口近くに「狛犬」が置かれているのも神社の特徴です。
狛犬は守衛役であり、神社によっては犬以外の動物の場合もあります。

また、神社の場合は、拝む対象のことを「御神体」と呼び、御神体を安置する社殿のことを「本殿」または「神殿」と呼びます。
一般の人が参拝の際にお参りする建物は「拝殿」と呼ばれています。

これらの建物は基本的には日本に古くから伝わる建築様式が用いられています。
瓦を使わない切妻屋根・高床で、全体的に装飾の少ない質素な造りになっている神社が多いです。
ただし、中には建物の外観だけでは寺と区別がつかない建て方のものもあります。

では、寺の建物の特徴はどうでしょうか。

まず入口についてですが、山門と呼ばれる門が一般的です。
寺とはもともと山に建てられていたことから、このような呼び方が残りました。
「三門」と書かれることもありますが「山門」が正式名称のようです。

門とは言いますが、瓦ぶきの大きな屋根がついているものが一般的で、2階部分に部屋を設けてある楼閣式の山門を持つ寺も多いです。
鎌倉の建長寺や京都の知恩院は壮大な山門を持つ寺として知られています。

また、山門の左右両側に「仁王像」が安置されている寺もあります。
神社の狛犬と同じように、寺を守る守衛の役割を担っているのです。
東大寺南大門の金剛力士像は8メートルにも及び、観光の目玉にもなっています。

寺における崇拝の対象は、先ほども少し触れましたが「御本尊」と呼びます。
各寺によってそれぞれ御本尊となるものは異なりますが、仏像や掛け軸、絵図などが一般的です。
この御本尊を安置する建物のことを「本堂(または金堂)」と呼びます。
寺の敷地内には本堂を中心として、説法を行うための法堂や多重塔など様々な建造物が建てられており、寺の規模によって建物の数や構造が異なります。

本堂を始めとする建物は、大陸から渡ってきた瓦を使った大きな屋根を持つものが多いです。
全体的に重厚感のある造りの建物が多く、荘厳な雰囲気を漂わせています。

神社と寺の御朱印の違い

お墓

最近では御朱印帳を持ち歩いて、旅先で御朱印を集めている人も多いと聞きます。
では次に、神社とお寺の御朱印にはどのような違いがあるか見ていきましょう。

御朱印とは

御朱印とは、神社や寺をお参りした証としていただく印です。

御朱印の内容は、神社や寺によって様々で、印影の形や内容、墨書きしていただける文言に違いがあります。
黒と赤のコントラストが鮮やかで見た目も美しいことなどから、一般の観光客の間でも人気が高まり、集めて楽しむ人が増えていったようです。

御朱印とはもともと、寺へ写経を納めた際の受付印だったと言われています。
簡単にいただけるものではなかったのです。

現在では写経を納めなくても、参拝の後、数百円を納めることでいただくことができます。
ただし、お参りもせず、スタンプラリー感覚で御朱印をもらおうとする行為は望ましいものではありません。
まずお参りさせていただき、どういった歴史を持つ神社・寺なのか見学させていただいてから、ありがたく頂戴するものなのだと心に留めておくべきでしょう。

神社と寺の御朱印に違いは?

神社と寺とで、御朱印に区別や決まりはありません

明確な線引きはありませんが、様々な神社・寺の御朱印を拝見すると、その特徴として、神社の御朱印のほうがややシンプルな印象を受けます。

神社の御朱印は、紙の中央に角印が押され、中央に大きく神社の名前、右側に「奉拝」といった言葉、左側に訪れた日というのものが多いようです。

一方、寺の場合は、朱印が複数押され、書かれている文字も梵字や崩し字が用いられることもあり、複雑な印象を受けるものが多いです。
もともと写経を納めた印であったことを考えると、寺の御朱印のほうが歴史が古いのかもしれません。

ですが必ずしも、神社の御朱印がシンプルで寺の御朱印は複雑という線引きはありません。

御朱印帳は1冊にまとめても大丈夫?

御朱印帳とは、御朱印をいただくための専用の帳面のことです。
最近では、可愛らしい表紙のものもたくさん売られていて、御朱印帳を何冊もお持ちの女性も多いと聞きます。

神社と寺で御朱印帳を分けるべきかどうか、お悩みの方も多いのではないでしょうか。

結論としては、分けなければいけないという決まりは特にありません
神社と寺で御朱印帳を1冊にまとめても大丈夫です。

ただ、様々な理由から「神社とお寺の御朱印が両方押されている御朱印帳には押印できません」と言われることもあるようです。

御朱印にはその神社・お寺の考え方があります。
記念スタンプやサービスではないということを理解しておくべきでしょう。

いろいろな神社・お寺があるということを考えると、気持ちよく御朱印をいただくためには、御朱印帳は複数冊用意しておいたほうが無難かもしれません。

神社と寺についてのまとめ

お墓

いかがでいたでしょうか。
今回終活ねっとでは、神社と寺の違いについて解説しました。

  • 神社は「神道」、寺は「仏教」に属する宗教施設である
  • 神社では八百万の神、寺では仏像が崇拝対象となる
  • 日本全国に神社は8万1000社ほど、寺は7万7000寺ほどある
  • 神社での参拝の基本は「二礼二拍手一礼」、寺での参拝では「合掌」で手は叩かない
  • 神社の入口は鳥居や狛犬、寺の入口は山門や仁王像が立っていることが多い
  • 神社の屋根は瓦以外の素材で、寺の屋根は瓦で造られていることが多い
  • 神社と寺で御朱印に区別はないが、神社はシンプル、寺は複数の印があり複雑という傾向がある
  • 神社と寺で御朱印帳を分ける必要はないが、寺社それぞれの考え方があるので分けておいた方が無難である

私たちは結婚式やお葬式、合格祈願など様々な場面で、神社にも寺にも足を運びます。
異なる宗教・信仰に属する神社と寺ですが、どちらも大変身近な存在です。

両方の違いをしっかり理解して、正しく気持ちよくお参りできるようにしましょう。

最後までお読みいただきありがとうございました。

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