
日本人の平均寿命が戦後急激に延びた理由とは?食生活の変化?
日本人の平均寿命は急速に延び続けており、2015年には男女ともに80歳を超えています。平均寿命が延びた理由には様々な要因があります。今回は、なぜ日本人の平均寿命がこれほどまでに延びたのかについてご紹介したいと思います。
最終更新日: 2020年12月17日
日本人の平均寿命は?
「平均寿命」とは、社会情勢等の大きな変化がないことを前提に、その年に生まれた子供が何歳まで生きられるかを示したものです。
近年、日本は世界有数の長寿国と言われるほど、平均寿命が延び続けている言われています。
これは、医療や科学技術の発展により健康でいられる期間が長くなったのが理由とされています。
2015年時点での日本人の平均寿命は男性が80.79歳 、女性が87.05歳で、男女ともに80歳を超えました。
また、男女を合わせた平均寿命では日本が83.7歳でトップになっています。
2015年の世界全体の平均値が71歳となっていますので、日本がいかに平均寿命の長い国かがお分かりになるかと思います。

終活ねっと運営スタッフ
今回「終活ねっと」では、以下の項目を中心に日本の平均寿命について解説していきます。
- 日本の平均寿命はいくつなのか
- 日本の平均寿命の推移
- 日本の平均寿命が伸びている要因
- 日本の平均寿命はどこまで伸びるのか
お時間のない方や急いでいる方でも、興味のある項目をピックアップして読むことができます。
ぜひ最後までお読みください。
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日本の平均寿命の推移
では、日本における平均寿命の推移はどのようになっているのでしょうか。
1990年から2015年のわずか15年の間に平均寿命は男女とも5歳以上伸びています。
これは、1年間の間に約0.3歳程度ずつ延びていることを示唆しています。
また、戦後すぐの1950年から比較すると、約30年も伸びています。
平均寿命が延びた理由は?

日本人の平均寿命が延びた理由には諸説あります。
今回はその中からいくつかの説についてご紹介したいと思います。
医療技術や医療サービスの向上
日本は第二次大戦後に急速な経済成長を遂げ、これに伴い科学技術も進歩をしていきました。
この科学技術の恩恵により医学の発展や医療技術の向上がもたらされ、がんなどの治療が困難と言われた病気に関しても早期発見や効率的な治療が可能となり、平均寿命を大きく伸ばす要因になったと言われています。
医学の進歩は乳幼児や子供の死亡率を大幅に下げることにもなります。
実際に発展途上国では出生率は多いものの、栄養失調や病気などで多くの子供が亡くなっています。
戦後すぐの日本も健康状態や栄養状態が良い状態ではなく、平均寿命は60歳まで届かない状態でした。
しかし、医学の進歩により日本での乳幼児の死亡率は劇的に減少し、1955年当初は4.18%近い値だったものが2018年現在ではわずか約0.17%となっています。
さらに医療サービスの向上や医療保険の拡充などにより、一般的に高額になりがちな医療費も低く抑えられています。
それによって日本国民であれば誰でも病気やけがの際に適切な治療を受けることができる態勢が整っています。
これらの社会的発展も、日本人の平均寿命上昇に貢献しているとされています。
冷蔵庫の開発
日本人の平均寿命が延びた意外な理由の一つが、冷蔵庫の開発と言われています。
戦前、冷蔵庫が普及する前は食べ物を保存する際に塩漬けにすることが多く、これによって塩分過多となる食生活になっていました。
塩分を摂りすぎると血圧が高くなり、脳卒中などのリスクが大きくなります。
実際にデータでも戦後すぐにおいて脳血管疾患は最も高い死因でした。
冷蔵庫の普及により、食べ物の保存に塩を使う必要がなくなり、食事で塩分が過多になるケースが減少しました。
これにより食生活も変化し、高血圧や脳卒中のリスクが大幅に減少し、平均寿命の飛躍的な上昇を後押ししたと言われています。
コミュニケーションの向上
アメリカの心理学研究チームの発表によれば、孤独を感じている人は寿命が縮むリスクが30%上昇する可能性があります。
日本では核家族化が進んでいる反面、お年寄りによるコミュニティも発展してきました。
お年寄りの集うサークルでは多くの行事が催され、老後の生きがいを容易に見つけられる環境が整っています。
これによって、老後でも新たな「人とのコミュニケーション」が促進され、平均寿命の延びにも影響したとされています。
またインターネットの普及により、容易にコミュニケーションが取れるようになったことも長寿の要因とされています。
最近ではお年寄りでもパソコンを使える人が年々増え、パソコンを使った円滑なコミュニケーションも可能になりました。
これによって、孤独を感じる人が少なくなり、平均寿命の向上につながったのではと見る動きもあります。
日本平均寿命はどこまで延びるのか?
これまで見てきましたように、科学技術の進歩は医療やコミュニケーションの進歩に大きく関わり、相対的に平均寿命も延びてくる要因になっていることが分かりました。
このまま予期せぬ負の要因が出ない限りは、日本人の寿命はこのまま伸び続けることが示唆されています。
最新の研究では、生命を縮めるような負の要因を、技術の進歩で減少させていくことができれば、人の寿命は100歳を超え、150歳程度まで生きることができるのではないかとの報告がありました。
日本においては、バランスの良い食生活やしっかりと保証された社会福祉などがあり、長生きができるような理想的な条件がそろっています。
このような社会が続けば、日本人の平均寿命が延び続ける可能性もありそうです。
まとめ

日本人の平均寿命は、技術の進歩に伴って急激に延び、現在では80歳を超え世界でもトップクラスになっています。
平均寿命が延びたことにより、老後をいかに過ごすかについても重要な点になるかもしれませんね。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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