永代供養だけじゃない!1人娘・長女でも両親のお墓を守る方法

昔からお墓と聞くと家の長男が守るものと言われてきましたが、今では若年層の減少により娘が守るケースも少なくありません。娘が両親のお墓を守る方法で多いのは永代供養が挙げられますが、実は永代供養のほかにも方法があるのです。

目次

  1. 1人娘なら永代供養するしかないのか?
  2. 永代供養をせずにお墓を維持するには?
  3. そもそも永代供養墓とは
  4. 無縁墓とならないように供養する
  5. 娘ができる永代供養以外の供養方法まとめ

1人娘なら永代供養するしかないのか?

お墓

明治以降の家父長制度の影響のためか、昔から先祖代々のお墓を守るのはその家の長男とされてきました。
特に、地方へ行けばそういう考え方がいまだに根強いといわれています。

しかし、現代社会においては少子高齢化や核家族化などの影響によって、将来先祖代々のお墓を守ってくれるという人がいないという事態に直面するという家も少なくありません。

特に核家族化については、本来はお墓を守るべき長男さえも大学進学や就職を機に都市部に出て、そのままそこで家族を作り地元に戻ってこないというパターンが少なくありません。
そのうえ、少子化のために家庭によっては子供が1人娘という場合も多いのが、今の社会の現状なのです。

この場合、従来の長男がお墓を守っていくという形ではなく、その1人娘がお墓を守っていくという選択肢もあるように見えます。

そこで最もよくとられる方法が永代供養という方法です。
つまり、先祖代々のお墓の管理や供養を寺院や霊園に一括してやってもらえるため、1人娘が結婚していてもそうでなくても負担が軽く済みます。

しかし、実は永代供養以外にも娘がお墓を守っていく方法があるのです。
今回はそのための方法についていろいろと見ていきます。

今回終活ねっとでは、具体的には、

  • 永代供養をすることなくお墓を維持する方法とは?
  • 永代供養墓とは何か?
  • 無縁墓とならないように供養していくには?

という3つのポイントを中心に見ていきます。

永代供養をせずにお墓を維持するには?

お墓

まず最初に永代供養に頼らない、娘によるお墓の守り方にはどのような方法があるのかについて見ていきます。

大きく分けて、以下の方法が挙げられます。

  • お墓を分骨し、そのうち両親の遺骨を手元に保管する
  • 夫の家族と同じ墓域に実家のお墓を改葬する
  • 娘の子供に継いでもらう

ただし、どの方法をとるにしても、前もって嫁ぎ先の家族(夫や、夫との間にもうけた子供、義理の両親)や、実の両親とよく相談することが大前提となってきます。

お墓を分骨し、両親の遺骨は保管する

お墓

まず挙げられる方法が、お墓に納めてある先祖代々の遺骨を分骨するとともに、そのうちの両親の遺骨を手元に保管するという方法です。
両親の遺骨については、手元で保管するついでに、手元で供養するという方法をとるのもありです。

両親以外の遺骨の納骨先としては、永代供養墓に納めたり、また実家の宗派が浄土真宗であれば本山分骨というやり方も可能です。

手元供養を行うにしても、また単に家で両親の遺骨を管理するだけという方法をとるにしても、事前に嫁ぎ先の家族(夫や子供、義理の両親など)や、自分の両親とよく相談しておくことが大事です。

夫の家族と同じ墓域に2基建てる

嫁ぎ先の夫の家族のお墓のある墓域に、もう1つ実家用のお墓を建ててそこに改葬するという方法もあります。
これは二世帯墓とよばれるもので、こちらも少子高齢化や核家族化の進展に伴い、注目されてきているお墓の一形式です。

具体的な方法としては、夫の家族のお墓の墓域を2つに分けて、そのうちの1つに娘の実家のお墓を建てるというものです。
いわば二世帯住宅の敷地内別居のお墓版といえます。

似たような方法として、夫の家族のお墓に娘の実家のお墓の遺骨を一緒に埋葬するというものもあります。
この場合は、同じ1つのお墓に両家の墓碑銘が刻まれ、納骨室にも両家の人々の遺骨が納められることになります。

しかし、この方法は人によっては別の家の人間の遺骨を一緒に納骨することに抵抗のある人も少なくないため、しばしば親族間のトラブルを引き起こす場合があり、親族内での不和のもとになりかねません。

そこから考えると、同じお墓に納骨する方法に比べて、墓域の中に2つお墓を建てるという方法は、親族間のトラブルを防いだり、経済的な負担を軽くしたりすることができるます。
その上、将来的に子供たちが継いでくれる可能性もあるために実家のお墓が放置される心配がなくなります。

子供に継いでもらう

娘の嫁ぎ先で夫との間に生まれた子供にゆくゆくは実家のお墓の跡継ぎになってもらって、子供にお墓を継いでもらうことで実家のお墓が絶えないようにする、という方法も挙げられます。

実は、将来お墓をだれが引き継いでいくかを決めることについては法律で厳密に規定があるわけではありません。
そのため、その家に嫁いだ1人娘や長女が跡継ぎになれないわけでもありませんし、ましてやその娘が夫との間に設けた子供に跡継ぎになる権利がないわけではありません。

だからこそ、よくいわれるような「お墓を継ぐのは長男」という慣習は、特に法的根拠があるわけではないのです。
極端なことをいえば、親族のうちの男性の誰かを養子に迎えて、その人を長男という扱いにして継いでもらう、という大げさなことをしなくてもよいのです。

ただし、この方法の場合は子供の意思を尊重することは大前提です。
つまり、子供に将来実家のお墓の跡継ぎになることを強制しない配慮が必要となってきます。
言い換えれば、子供に跡を継いでほしいと願うのであれば、自分が元気なうちに事前によく話し合っておくことが大切といえます。

そして、自分が元気なうちは夫や子供と一緒になるべく実家のお墓をしっかり管理しておくことも大切です。
これといった管理もされずに、いきなり子供に実家のお墓を継がせてもトラブルのもとになるだけだからです。

いずれにせよ、子供に継がせるのであれば、子供とよく話し合いつつ、元気なうちに一緒にしっかり管理しておくことが重要で、それが将来のトラブルを防ぐことにもつながります。

そもそも永代供養墓とは

お墓

お墓の跡継ぎが娘しかいない場合、最もよくとられる供養の方法が永代供養です。
この場合、実家のお墓の遺骨はいずれも永代供養墓と呼ばれるお墓に納骨されることになります。

永代供養墓に納骨された遺骨については、そのお墓を管理する寺院や霊園の側で管理や供養を一括して行ってもらうことができます。

注意しなければいけないのが、「永代」といっても未来永劫ずっとという意味ではなく、三十三回忌までとか五十回忌までというように契約内容によって区切りがあらかじめ決められているのが一般的であるという点です。

あと、多くの場合で永代供養墓は合同墓であるため、一度遺骨を納骨すると取り出しができないということもあらかじめ理解しておきましょう。

永代供養の手続き

それでは、永代供養の手続きを行うにはどのようにすればよいのでしょうか?

まずは、実家のお墓から永代供養墓に遺骨を移すのは改葬にあたるということを理解しておく必要があります。
つまり、改葬の許可を役所からもらう必要があるのです。

そのために、実家のお墓を管理する管理者から埋葬許可証を、また移転先の永代供養墓の管理者から永代使用許可書(普通の移転先のお墓の受入証明書に相当)を契約時に発行してもらい、さらに改葬許可申請書を添えて、市区町村役所の担当の窓口に提出します。

なお、担当の窓口は市区町村によりさまざまですので、事前に調べておくと提出の際に戸惑わなくて済みます。

数日後に役所から改葬許可証が発行されたら、移転元のお墓(この場合は実家のお墓)之墓じまいを行い、その後永代供養墓への納骨ということになります。
この際に、改葬許可証を永代供養墓の管理者に提出することになります。

娘の手での手元供養をお考えなら

もし永代供養ではなく、実家のお墓に眠っていた故人の遺骨を娘の手で手元供養をすることをお考えであれば、下記の記事をあわせて参考にしてみてください。

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無縁墓とならないように供養する

お墓

もしも、娘が先祖代々のお墓の跡継ぎになるという選択肢すらとることができず、結果としてお墓を管理する人がいなくなった場合はどうなるのでしょうか?

誰も管理しなくなったお墓は無縁墓と呼ばれるようになり、そのままだと管理者側が管理費の徴収などで困ってしまうため、法律(墓埋法:墓地、埋葬に関する法律)に基づいて縁故者を1年にわたって探すことになります。

具体的な方法としては、役所が定期的に発行する官報に無縁墓の縁故者を探している旨を記載してもらうものと、墓地の敷地内に同様の旨を記した立札を建てて周知するもの、とがあります。

もし、縁故者が見つからないまま期日がやってきた場合、無縁墓の遺骨は無縁仏供養塔に合祀され、お墓もそのまま撤去されることになります。
なお、一度合祀された遺骨は、再び取り出すことが不可能です。
ですので、無縁墓にならないようにきちんと供養しましょう。

娘ができる永代供養以外の供養方法まとめ

お墓

娘ができる永代供養以外のご先祖様の供養についての方法をいろいろと見てきましたが、いかがでしたか?

今回見てきたことを端的にまとめますと、以下のようになります。

  • 永代供養をすることなく、娘がお墓を維持する方法としては、「お墓を分骨し、そのうち両親の遺骨を手元に保管する」方法、「夫の家族と同じ墓域に実家のお墓を改葬する」方法、そして「娘の子供に継いでもらう」方法がある。どの方法をとるにしても、事前に夫や子供、義理の両親や実の両親とよく話し合うことは欠かせない。
  • 永代供養墓とは、永代供養を行う際に用いられるお墓で、多くは合祀墓の形をとっている。利用するには、改葬の許可が必要であることと、受け入れ先の管理者との契約が必要になる。
  • 跡継ぎのいないお墓は無縁墓という扱いになり、墓地の管理者が法律に基づいて1年間、そのお墓の縁故者を探す。縁故者が見つからない場合は、そのお墓の遺骨は無縁仏供養塔に合祀され、お墓も撤去される。

「長男がお墓の跡継ぎ」とよくいわれていても、現代社会では少子高齢化などの影響でそういう前提が崩れかかっています。

そういう社会にあっては、娘にお墓を守ってもらうという選択肢をとる必要もあり、そのための方法を知っておくことも大切といえます。

もちろん、娘に墓を守ってもらうための方法を実践するには、親族の間でよく話し合ってから行動に移すことが大前提であることは何度も触れてきたとおりです。

ここまで記事を読んで下さってございました。

終活ねっとでは、「1人娘の選択肢である永代供養」に関する記事以外にも、「葬儀・お墓・相続・仏壇」など終活に関する記事を多数掲載していますので、他の記事も参考にしてみてはいかがでしょうか。

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