西洋人とお墓:お墓から見えてくる西洋人の思いとは?

西洋のお墓と聞くと、皆さんはどのようなイメージを持っていますか?ハリウッド映画やイラストなどに見られるような、人を埋葬した盛り土の上に十字架が立っている、というようなものではないでしょうか。今回は、西洋のお墓と、そこに込められた西洋人の思いについてみてみます。

目次

  1. 西洋のお墓事情について
  2. キリスト教のお墓の捉え方
  3. 西洋のお墓の特徴
  4. 西洋のお墓に刻まれる言葉
  5. 西洋のお墓についてのまとめ

西洋のお墓事情について

お墓

日本のお墓と同じように、西洋のお墓にもさまざまなバリエーションがあります。

世界中の多くの地域で、人は亡くなるとお墓に埋葬されます。
お墓そのものは、人類が農耕や定住を始めたころからすでに存在していたものです。
余談ですが、日本でも古くは縄文時代からお墓というものが存在していました。

もちろん、西洋でもお墓というものはあります。
キリスト教の文化圏に属している以上、十字架をかたどったものも存在します。

しかし、それ以外の形のものも存在するうえ、墓には埋葬した人たちの思いが込められているのです。
今回は、西洋のお墓と、そこに込められた西洋の人の思いについてみていきましょう。

キリスト教のお墓の捉え方

日本との違い

キリスト教のシンボル十字架の形のお墓。
西洋のお墓は基本的にキリスト教の考え方が表現されているものです。

西洋で主に信仰されている宗教はキリスト教です(ただし、宗派はさまざま)。
このため、西洋のお墓にもキリスト教の考え方がよく表現されています。
それでは、キリスト教ではお墓というものをどのようにとらえているのでしょうか?

日本の場合、お墓とは故人をしのぶ場でもあるとともに、故人を供養する場でもあります。
このためお盆やお彼岸の時には、多くの人が亡くなった親族を供養するためにお墓参りをするのです。

一方、キリスト教にとってお墓とは故人をしのぶ場でもありますが、同時に故人が生前に受けた神の恵みに感謝する場でもあります。
このため、お墓参りをした時に祈ることはしますが、その対象はあくまでも神なのです。

ちなみに、キリスト教では基本的に偶像崇拝は禁じられており、このこともお墓の前での祈りの対象が神であることの理由の1つとなっています。

西洋のお墓の特徴

西洋のお墓は基本的にキリスト教の考え方に基づいたものですが、国別に見るとさまざまなお墓の形がみえてきます。
ここではそれについてみていきましょう。

国別お墓の形

アメリカの場合

アメリカ

アメリカでは、葬儀業者が経営する広大な公園墓地の敷地に多数のお墓が建てられています。

アメリカでは一般的に葬儀業者が経営している大規模な公園墓地の敷地にお墓が建てられています。
その形状も十字架のものだったり、あるいは平板状のものなどさまざまです。

かつては教会に付属した墓地にお墓を立てるというものが一般的でしたが、今では教会付属の墓地に埋葬する例は5%程度で、ほとんどみられることがありません。

イギリスの場合

イギリスの場合は、田園や緑に囲まれたところにお墓が設けられることが多いです。

イギリスはキリスト教の国でもありますが、古来から自然を愛し、ガーデニングが盛んで、老後は田園で余生を送るという生活様式が理想とされてきました。
このため、お墓も緑が多めの公園墓地に建てられるのが一般的です。

そのうえ、公園墓地には頻繁にバラなどの草花が植えられるため、イギリスの墓地はよりいっそう草花に囲まれたものとなります。
こちらも平板状のものや十字架の形のものが目立つ傾向です。

さらに、ビクトリア朝(19世紀後半)のころのお墓がところどころ残っているケースもあります。

フランスの場合

フランスでも特にパリは「芸術の都」といわれるだけあり、華やかな彫刻の施されたお墓も多く建てられています。

フランスの場合、歴史と芸術のある国であるため、お墓もその影響を色濃く受けています。
特にパリは世界から「芸術の都」と言われ、多くの芸術家や文化人、有名人が活躍した場所でした。
このため、パリ市内の墓地には多くの芸術家や文化人が眠っています。

この影響のためか、パリ市内にあるお墓は故人が眠る暗いイメージを吹き飛ばすほどに華麗なお墓が多くみられるのです。
十字架形のもののほか、小さな家の形のものやオブジェをかたどったものが少なくありません。

歴史探索という意味でもこのような墓地を訪れてみるのも悪くないでしょう。

ドイツやオーストリアの場合

ドイツやオーストリアでは古くから教会が埋葬や葬儀に大きな影響を与えてきたため、教会の敷地にお墓を建てる例が多くみられます。

ドイツやオーストリアの場合、古くから教会が埋葬や葬儀に深く関与してきた歴史があります。
そして、その影響が強いためか、ドイツやオーストリアでは土葬の方が主な埋葬のされ方なのです。
これは、特にカトリック教会が火葬を認めていないことによります。

ずいぶん前の映画ですが、音楽家モーツァルトの生涯を描いた映画『アマデウス』の終盤で、モーツァルトが亡くなった際に教会墓地で土葬されるシーンがありましたよね。
あのようなシーンをイメージしてもらえるとわかるはずです。

さて、土葬が棺そのものをそのまま土の中に埋めるという形のため、ドイツやオーストリアではお墓のサイズも大きめとなっています。
写真のように、遺体を埋めた箱型のスペースに墓石や十字架が建っているというスタイルなのです。

遺体が埋められている墓石の前のスペースには花が供えられており、お墓を美しく彩っています。

ちなみに、伝統的に土葬が多いドイツやオーストリアの埋葬ですが、近年になって火葬も広まり始めている状況です。

西洋のお墓に刻まれる言葉

一般的に刻まれている言葉

お墓

一般的な西洋のお墓には埋葬された人物の名前と、その人の生没年月日が刻まれています。

さて、西洋のお墓でも言葉が刻まれていることはよくあります。
一番簡単な例では、埋葬された人物と、その人の生没年月日が簡単に刻まれているケースです。

また、”R.I.P”と刻まれているケースもあります。
これは、”Rest In Peace(安らかに眠る)”を意味した文言です。

日本でいうところの六字の念仏(「南無阿弥陀仏」)や七字の題目(「南無妙法蓮華経」)が刻まれているのに近い意味合いのように見えます。

また、故人を追悼する言葉や詩が刻まれているケースもよくあるものです。

西洋のお墓についてのまとめ

西洋のお墓についていろいろと見てきましたが、いかがでしたか?

一口に西洋のお墓と言っても、国によってお墓の事情がいろいろと異なり、中には埋葬の仕方まで違うケースもあります。

そして、お墓を立てる場所やお墓の銘も、各国の人々の思いがもの現れたものになっています。

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