
仏壇へのお参り、正しい作法で出来ていますか?
仏壇にお参りをするとき、正しい作法で出来ているか心配になったことはありませんか?宗派によって仏壇のお参りの作法も違ってきます。大人のマナーとして正しい作法を知っていれば、いざというときも落ち着いてお参りできますね。
最終更新日: 2020年12月17日
仏壇のお参りの作法を知りましょう

仏壇にお参りするとき、小さい頃は大人の真似をして手を合わせ、大人になってからは、今までのやり方をなんとなく続けていることが多いのではないでしょうか?
自宅の仏壇もさることながら、他所のお宅の仏壇にお参りするときに、正しくできた方が大人としてスマートですね。
「順番は?」「線香は立てるのか寝かすのか?」など、知っているようで意外と知らないものです。
宗派によって作法は違ってきますが、まずは一般的な仏壇のお参りの作法を知ってくと良いでしょう。

「終活ねっと」運営スタッフ
今回「終活ねっと」では、仏壇のお参りの際の作法に関して以下のような事柄を中心に紹介していきます。
- お参りの手順
- りんの鳴らし方・線香のあげ方
- お彼岸やお盆の際の作法について
- お参りの際の注意点
仏壇の正しいお参りの仕方について、作法や注意点の一つ一つを丁寧に解説していきます。
項目別に解説していますので、時間がないという方やお急ぎの方も、知りたい情報をピックアップしてお読みいただけます。
ぜひ最後までお読みください。
お参りの手順
一般的な仏壇のお参り
1.仏壇の前に正座し、数珠があれば手にかけご本尊に一礼します。
仏壇にはご本尊が安置されているので、まずはご本尊に礼をします。
命日の先祖があれば供養します。
2.お供え物を仏壇の前に供えます。
ご仏前やお菓子などを持参した場合は、ご家族にひと声かけてからお供えしましょう。
このとき、お参りする人が文字などを読める向きになるようにお供えします。
3.ロウソクに火を灯し、その火で線香にも火を灯し香炉に立てます。
鈴を2つ打って鳴らし、合掌します。
4.経を唱え、終わったら鈴を2つ打ち、合掌して深く礼拝します。
読経しない場合は鈴をならしません。
5.ロウソクの火を消し、再び一礼してから下がります。
ロウソクの火を消すときは、口で吹き消すのではなく必ず手であおいで消しましょう。
火消し用の仏具があればそれで消します。
のちに説明しますが、線香の本数や立て方は宗派によって異なるので注意しましょう。
日々の仏壇のお参り
仏壇への手順に沿ったお参りを「おつとめ」といい、出来れば朝、夕2回するのが望ましいそうです。
宗派によって手順や作法が違いますので、詳しく知りたい方は菩提寺へ問い合わせてみるのが良いですね。
朝のおつとめ
身支度を整え、朝食前にお参りします。
まず仏壇の前に座る前に、扉を開け、お水またはお茶とご飯(仏飯)をお供えし、お花のお水を入れ替えるなどの準備をします。
仏壇の前に座り手を合わせ一礼し、ロウソクに火を灯し、そこから線香に火を灯します。
お経または念仏や題目を唱えます。
もう一度手を合わせ、一礼してロウソクの火を消し、ご飯を下げます。
宗派によっては、お経の前後にりんを鳴らしたり、数珠を用いたりするようです。
夕のおつとめ
基本的に朝と同じですが、2回お参りするのが難しい場合は、合掌礼拝だけでもしてみてはいかがでしょうか。
いずれにしても、一日の感謝を込めてお参りします。
そして、くれぐれもロウソクの火が消えていることを確認してから扉を閉めましょう。
りんの鳴らし方

子供の頃に仏壇にお参りする機会があった人は、派手に「ちーん」と鳴らして怒られた経験もあるのではないでしょうか?
では、このりんの鳴らし方にも作法はあるのでしょうか?
りんは本来、「これからお経をあげます」や「終わります」の合図のために鳴らすので、仏壇にお参りをするときも、お経をあげなければ鳴らさないことが多いと言われています。
鳴らす場合も宗派によって作法は様々で、「鳴らす」「読経がないときは鳴らさない」「回数が決まっている」「叩く場所も決まっている」等々決められているところもあります。
りんの音は、極楽浄土まで届く美しい音色と言われています。
本来は鳴らさないのに、仏壇へお参りするときに鳴らしたからといって、間違いということではなく、割とおおらかに受け止めてくれるはずですので、りんを鳴らすときには、故人やご先祖、そして仏様へ心を込めて鳴らすことを心がけましょう。
線香のあげ方

線香は煙ではなく、良い香りを故人やご先祖や仏様に届けるためにお供えするのだそうです。
線香の作法も宗派によって違ってきますので、宗派による線香のあげ方がどう違うのか調べてみました。
宗派による違い
曹洞宗・臨済宗・日蓮宗
線香の本数:1本
線香の立て方:立ててお供えします。
天台宗・真言宗
線香の本数:3本
線香の立て方:奥に1本、手前左右に1本ずつ立て正三角形になるようにします。
浄土宗
線香の本数:1本
線香の立て方:立ててお供えします(1本を半分に折る寝焼香の場合もあります)。
浄土真宗
線香の本数:1本の線香を2つに折ります。
線香の立て方:火のついている方をお参りする人から見て左にし寝かせます。
宗派の作法は上記のようになっていますが、りんの鳴らし方同様本数やお供えの仕方が違っていたとしても、必ずしも間違いというわけではなく、この香りが届いて供養できるように、という気持ちを込めることが大事なようです。
線香の香りは仏様の食べ物とも言われています。
良い香りのものをお供えしたいですね。
お彼岸やお盆の時の作法は?
お彼岸やお盆に故郷に帰省した際に、仏壇にお参りをする機会もあると思います。
お参りの作法自体は普段と変わりません(仏壇の飾り方については、宗派ごとに決まっているようです。
)
お彼岸やお盆だからと言って、特別な作法があるわけではないようですが、お供えとして手土産を持参する場合には多少気を付けた方が良いようです。
基本的には故人の好きだったものが良いようですが、花なら香りの強いものは避ける、季節の果物なら初物を、アルコールや生ものは避ける、お菓子などの食べ物なら日持ちのするものが良いようです。
注意点
仏壇の前の座布団
毎日のお参りに関しては、「仏壇前の座布団」に作法はないようです。
仏壇前に限らず、通常の作法としての、「四方の縫い目のない面が正面」を仏壇側に向ける、「房のついている座布団は房の面を上に」などを気を付ければ良いでしょう。
法事の時の仏壇前の座布団
自宅で法事を行い僧侶をお招きする場合には、仏壇前には金襴か緋や紫の座布団を置いて導師の席を用意します。
サイズは一般的な座布団よりも大きなものを用意するようです。
これは、僧侶が袈裟を着てこられるので、一般的なサイズでは小さく見えてしますからなのだそうです。
仏壇の作法に関するまとめ
仏壇の、主にお参りの作法についてまとめてみましたが、いかがでしたか?
普段何気なくしていた仏壇のお参りにも作法があったのですね。
作法を知っていれば、所作も自然と落ち着いたものになってきます。
心を落ち着けて、気持ちを込めたお参りをたいですね。