哀悼の心を伝える葬儀のメイクのマナーとテクニック

故人とご遺族に対し哀悼の心を捧げる大切な儀式の場である葬儀。普段のメイクと変えるところ、葬儀のメイクのテクニック、髪型や服装、持ち物とのバランス、マナー違反にならないことなど、準備のできない葬儀だからこそのメイクのマナーとテクニックを考えてみました。

目次

  1. 葬儀のメイクマナーをご存知ですか?
  2. ノーメイクはNG
  3. 葬儀用メイクのポイント
  4. 髪型は?
  5. 服装について
  6. 持ち物も気をつけましょう
  7. 葬儀のメイクについて まとめ

葬儀のメイクマナーをご存知ですか?

通夜、葬儀・告別式は、故人との最後のお別れの厳粛で重要な儀式ですが、遺族側は、喪に服しつつも、何かとあわただしく、さまざまなきまりごと、しきたりに則って動かなければなりません。会葬者にとっては、故人とのお別れとともにご遺族に対しても、礼を尽くすことを忘れてはなりません。

そんな葬儀は、前もって準備をするということができません。
それは、遺族側、会葬者どちらの立場でも同様であり、メイクについても同じことが言えます。
結婚式やお祝いごとであれば、事前にサロンを予約して、プロの手に委ねることもできますが、突然の葬儀では、そんな余裕も作れません。

そうした意味からも、葬儀用のメイクマナーやテクニックは、日頃から心得ておくことが大切です。

マナーの基本は「他者への気遣い」

マナーとは、他者に対しての気遣いであり、ルールではありません。
自分以外の人に対しどんな印象を与えるか、不快にさせていないかということを考えて行動することです。

その意味において、葬儀のメイクマナーといっても、特別に難しいことがあるわけではありません。
葬儀に臨むにあたって、どんな場面でも「故人を偲び悼む」その思いで振舞えるかどうかです。

遺族側であれば、親族との永遠の別れという、人生最大の悲しい出来事の中であっても、諸事繁多な中、万障繰り合わせて参列して下さる故人との有縁の方々への感謝の気持ちで、共に故人の冥福を祈る時を共有するという葬儀本来の意味を考えての身だしなみを整えることです。

また、会葬者として参列する側であれば、故人との最期のお別れを惜しむとともに、突然の不幸に心身ともにお疲れであろうご遺族の方々を悼む思いを表すことができる身だしなみと考えることが大切です。

葬儀

ノーメイクはNG

葬祭に会葬するとき、「取るものもとりあえず、駆けつける」ということもあります。
また、常識とされている「控えめのメイク」の度合いがわからないという方もいらっしゃるでしょう。
そんなとき、「ノーメイクで」と考えられる方もあるかもしれませんが、女性がノーメイクで参列するというのは、避けるべきです。

ノーメイクの欠点は、顔色が悪く、疲れてみえることにあります。
葬祭の場には、会葬者よりもっと大変な思いをして、お疲れになっているご遺族がおられます。
そのご遺族よりも、さらにやつれた印象を与えてしまうことが、マナー違反になるのです。

日常生活のなかで、メイクをするかしないかは個人の自由ですし、職業や状況に応じて判断されているのですから、どんな場合でもノーメイクはマナー違反だなどというのは、いささか乱暴です。
しかし葬儀に関しては、会葬者として参列するときには、心労の極みであるご遺族に対して、遺族側として参列する際には、ご会葬の方々への礼節として「ノーメイクはNG」と考えるべきです。

葬儀用メイクのポイント

葬儀用メイクのポイントで最も心がけるべきポイントは、「華やかさを排除する」ということです。
ベースメイクのファンデーション、アイシャドウ、チーク、口紅などの色、ラメ、ツヤなどに注意し、日頃より控えめなメイクアップを心がけましょう。

マスカラ、アイライン

マスカラ、アイラインは、原則、使わないようにしましょう。
どうしても、目元がぼやけて気になってしまう場合は、目力が強調されるような使い方は避けてください。

アイラインは、「可愛く華やいだ印象」ではなく「切れ長で落ち着いた印象」に仕上がるように、目尻に細目に入れます。
アイラインは、入れる位置が正しくても、太さや入れ方によって、目力の強調につながってしまうこともあります。
ブラックやブラウンのアイラインを細めに入れるようにしてください。

マスカラを使う場合も、ビューラーでまつ毛をカールさせたり、重ねづけをして、量や長さが強調されるような使い方は避けてください。
「つけまつげ」は、厳禁です。もちろん、カラーマスカラもNGです。

葬祭の場では、涙が流れてしまうこともよくあることです。
アイラインやマスカラが流れてしまって、みっともないことにならないように、ウォータープルーフなどの水に強いタイプのものを使うようにしましょう。

チーク

チークも使わないことが原則ですが、あまりにも顔色が悪く見えてしまうような場合は、ラメ、パールなどが入っていないベージュピンク系のチークを薄めにのせるようにしましょう。
ブラウン等の個性的な色目は避けてください。

口紅

口紅も、ピンクやオレンジといった華やかな色ではなく、ベージュ、ブラウン系統の落ち着いたもので、ツヤのない、マットな仕上がりになるものを使います。
どうしてもグロス感が出てしまう場合は、口紅を塗った後、ティッシュオフで押さえておいてください。

ベージュやブラウン系の色味の手持ちがない場合は、唇にファンデーションを塗り、その上からピンク系、オレンジ系の口紅を塗ってティッシュオフすると、いくらか色味を抑えることができます。

その他のポイント

ベースメイクで、ラメやツヤのあるファンデーションを使ってしまっては、その他のアイテムを控えめにしても意味がありません。
ファンデーションは、マットに仕上がるものをお顔全体に薄めにのせるようにしてください。
どうしても気になる「シミ」や「クマ」などは、コンシーラーで隠すようにしてください。
ファンデーションを使うとどうしても、しっかりしたメイクになってしまうという場合は、BBクリームとパウダーで仕上げてみるとナチュラルな印象になります。

眉は、ナチュラルに仕上げるようにしましょう。
太め、短め、角度をつけるといったアイブローテクニックは、活発さや元気さ、強さのイメージにつながりますので注意してください。

香水もNGです。季節によって、汗などの体臭が気になるときは、無香料の制汗剤、スプレーなどを使って、ご遺族はもちろん、同じ会葬者にも感じられるような香水は使わないようにしましょう。

髪型は?

髪型についても、メイク同様、「華やかにならない」ようにすることが第一です。

最も悩むところが、「髪の色」ですが、できるだけ落ち着いた色味がベターではありますが、突然の訃報に接して、急遽、染め替えるというのも現実的ではありません。
日頃からかなり個性的なカラーやメッシュなどが入っているという場合は、予め、葬儀用のウィッグを用意しているという方もいらっしゃるようです。

ショート、セミロングの方は、そのままで参列しても問題ありませんが、ロングヘアの場合は、原則は、一つにまとめることが望ましいです。
髪を束ねる位置も、ポニーテールのような高い位置ではなく、高くても耳の後ろあたりまでの低めの位置で、黒か茶色のゴム、または、華美ではない髪留めなどでまとめてください。
シニヨンスタイルでかっちりとまとめるのもいいと思います。

また、長さにかかわらず、ヘアスタイルによっては、前髪や両サイドの髪が顔にかかってしまうという場合がありますが、葬儀の場では、お辞儀をすることも多いですし、受付での芳名録への記帳、お焼香や献花など、俯いたときに髪が落ちてくるようなことがないよう、黒いヘアピンなどを用意しておいて、予め止めておくようにすることも大切です。

服装について

服装については、葬儀・告別式では、いわゆるブラックフォーマル「喪服」を着用します。
喪服がない、あるいは、サイズが合わなくなったなどという場合には、黒のスーツやワンピース、黒のアンサンブルと黒の膝丈より長いスカートやパンツで葬儀に参列しても構いません。
ただし、同色の黒であっても、飾りがついているものなどは着用しないようにしましょう。

ただし、通夜式に、いわゆるブラックフォーマル「喪服」で、会葬するのは、マナー違反です。
仕事の都合などで、やむを得ず「お通夜」のみ参列という場合でも、喪服を着ていくのは、亡くなるのを予見していた、あるいは、待っていたという誤解につながる可能性があります。
男性の場合は、ダークスーツ、女性も、地味な服装であれば、特に黒である必要はありません。
むしろ、喪服や黒一色は避けた方がいいと思います。

遺族側は、通夜から喪に服しますので、正式喪服、または略式喪服(ブラックスーツ)を着用します。

持ち物も気をつけましょう

持ち物やその他についても、マナーに反しないよう気をつける必要があります。

バッグ・・・ブラックフォーマル「喪服」を着用しているときは、持ち手、留め金等もすべて黒で統一された葬儀用のバッグを持ちましょう。
通夜のみに参列する場合などは、職場から直行ということもあるかもしれませんので、特に黒でなければならないということはありません。

手袋・・・葬儀に参列していて意外と目立つのが、ネイルです。ネイルが目立ってしまうような場合は、黒の葬儀用の手袋を用意しておけば、ネイルを落とさなくても対応できます。手袋は、肌荒れが酷いときや怪我をしているときなどにも使えます。夏用・冬用を準備しておくと安心ですね。

靴・・・ブラックフォーマル「喪服」の際の靴は、黒の無地で装飾のないシンプルなものを合わせます。光沢、ツヤ、ラメなどが入っていてはNGです。
また、つま先の空いているもの、バックベルトのないもの、ミュールタイプもNGです。

ハンカチ・・・白、ベージュ、黒などの無地のハンカチを葬儀用として準備しておきましょう。
柄ものなどを使ってはいけないわけではありませんが、これもマナー、心得事として準備しておくことをおすすめします。

葬儀のメイクについて まとめ

葬儀の際には、メイク、服装すべてを含めて「他者に対しての気遣い」というマナーが大切です。
遺族側であれば、故人と会葬者の方々へ、会葬者側であれば、故人とご遺族に対しての気遣いが、マナーそのものなのです。

その上で、ポイントをまとめますと、
①メイクは「華やかさを排除」して、ラメ、パール、ツヤのない控えめなメイクを
②髪型も「華やかさを排除」して、アクセサリーもつけない。ロングヘアは一つにまとめる。
③会葬者の喪服着用は、「葬儀・告別式」のみ。「通夜」は喪服で会葬しない。
④喪服着用時は、バッグ、靴も光沢のない黒。ネイルが気になるときは葬儀用手袋を着用

こうしたポイントを心がけて、故人とご遺族への哀悼の心を表すのに一番ふさわしい姿で葬儀の場に臨み、心静かに故人の冥福を祈り、最期のお別れのときを意義ある時にしたいと思います。

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