高齢化率の上昇と日本のセカンドライフの変化

高齢化率とは、65歳以上の高齢者人口が総人口に占める割合のこと言います。日本の高齢化率の上昇にともない、今後、日本で起こってくるであろうセカンドライフの変化を読み解きます。

目次

  1. 超高齢社会に突入 老後の生活に変化の兆し
  2. 高齢化率の上昇と今後の社会保障
  3. 健康寿命の伸びと日本企業からの需要
  4. 高齢化率の増加にともない意識も変化
  5. 高齢者が元気に働く日本へ

超高齢社会に突入 老後の生活に変化の兆し

人々

かつての老後の生活といえば、仕事から解放され、ゆったりとした生活を送るといったイメージが強いように思います。
物価の安い国に移り住み、自由気ままな生活を送る夫婦などの姿も、よくテレビで目にしました。
ですが、今後の日本では、ゆったりとした老後ではなく、アクティブに働く高齢者の姿を良く目にするかもしれません。
税制改革や、日本企業の雇用の変化をキーワードに高齢者に求められていく将来を読み解いていきたいと思います。

高齢化率の上昇と今後の社会保障

高齢化率の上昇にともない、若者に比べて病気にかかりやすい高齢者が増えるわけですから、当然、医療費が増加していきます。
介護など、高齢者関係給付費が年々増加していくことは、自然なことです。
増え続けていく、高齢者関係給付費に対して、どのような対策が取られるのでしょうか。
世界の国々の中には、高額の税負担と引き換えに、社会保障に重点をおき、高齢者向けのサービスが日本と比べてはるかに充実した国があります。
たとえば、デンマークがそのような国に該当します。
日本が、消費税8% 国民負担率約40%なのに対して、デンマークでは消費税25% 国民負担率約70%と、かなりの高納税国となっているかわりに、「医療費無料」「出産費無料」「教育費無料」「充実した高齢者サービス」を受けられます。
それに対して、今後の日本はどうなっていくのでしょうか?

社会保障と税制改革

今後、高齢化率の上昇にともなって、増加していく高齢者関係給付費ですが、内閣は高齢者に対する保障を手厚くしていくのではなく、削減する意向を示しています。

政府は、今後3年間で、社会保障の伸びを1兆5000億円としており、それに伴って、高齢者の負担を増やすことで、対応していく方針のようです。
月額の医療費負担の上限を定める、高額療養費の見直しにおいては、「一定以上の収入のある70歳以上」が対象となるため、すべての高齢者に適応されるものではないものの、入院時の光熱費の見直しにおいては、すべての高齢者に影響が出ます。
2025年には第1次ベビーブームのときに生まれた、いわゆる「団塊の世代」が75歳以上に達します。
人口比率の最も高い、この世代が後期高齢者(75歳以上の高齢者)に達することで、社会保障に必要な費用は、まだまだ上昇することが予想でき、政府が今のまま、社会保障にかかる費用を削減しながら対応する方針を変えなければ、更なる高齢者負担は免れません。

健康寿命の伸びと日本企業からの需要

人々

冒頭から、老後の心配が増すようなことばかりが続きましたが、今後の日本においては、老後は蓄えを切り崩して生活するのではなく、積極的に収入を得ていく高齢者が増えていく可能性があります。
その鍵となるのが、シニア層の雇用に注目している企業と健康寿命の伸びです。

世界一の健康寿命をほこる日本

健康寿命とは、介護が必要だったり、日常生活に支障がでる病気にかかったりする期間を除き、自立して過ごせる期間をさしています。
日本は、健康寿命において世界一であり、定年退職後も活発に活動できる期間が長い国です。
高齢化率は年々増加していますが、寝たきりの人口が増えているのではなく、行動力のある高齢者が増えているというのが、日本の特徴と言えるでしょう。
医療の発達に伴い、寿命だけでなく、健康寿命も伸びている日本ですので、今後、活発に活動する高齢者を目にする機会が増えていくでしょう。

高齢者を求める企業

高齢化率の上昇にともない積極的にシニア層の採用を進めている企業が増えてきています。
その一つに、コンビニ大手のローソンがあげられます。
高齢化率の上昇とともに、少子化も進む日本においては、今後の労働人口を考えた際に、シニア層が働ける職場を作らなければ、スタッフが不足してしまう可能性が高まってきます。
そのため、ローソンでは高齢者でも働きやすい職場環境を作ることに力を入れているようです。
年齢に応じて仕事の指導方法を変えるなどのノウハウが指導書にまとめられ、各店舗のオーナー向けに配布され、着々と高齢者スタッフの獲得に乗り出しています。
さらに、年齢の高いスタッフほど長く在籍しているというデータも出ているようです。
せっかく、採用し教育しても、すぐにやめられてしまっては、安定したスタッフ状況を作ることができません。
そういった問題を解決できる可能性がある点においても、高齢者に関心をよせているのです。

そのほかにも、マクドナルドなどもシニア層を積極採用を行っています。
その背景には、外食業界における慢性的な人手不足問題が起きていることが挙げられるようです。
人手不足の打開策として、高齢者に注目している企業も少ないのです。
高齢化率の上昇を、メリットに変えようとする企業の動きが伺えます。

高齢化率の増加にともない意識も変化

冒頭で、定年退職後はゆったりとした生活を送るイメージが強いと書いたが、高齢者の定年退職後に対するイメージにも変化が起きているようです。

生きがいを重要視する日本の高齢者

働き続けたい理由のトップにあがるのが、「生きがい、やりがいを感じたい」となっています。
ターミナルケアの世界でQOL(生活の質)を重要視する動きが活発になってきていますが、定年後の人生においても、生活に質を維持するのに、仕事をやめてゆったりするよりも、仕事を続けて「生きがい」を感じていたい高齢者が増えているようです。

高齢化率の上昇による老後への不安

働き続けたい理由で、次に多いのが「収入を得たい」となってます。
やはり、高齢者負担の増加に伴い、十分な蓄えを確保できていない、もしくは蓄えに対する不安などから、収入を得たいという率直な意見も多いようです。

高齢者が元気に働く日本へ

人々

これまでに見てきたように、高齢者を取り巻く環境は大きく変化してきているようです。
高齢化率の増加に伴う、高齢者負担増というマイナスの面もありますが、企業が高齢者の就労を求めているというプラスの面もあります。
それに対して、「生きがいを感じたい」「収入を得たい」という高齢者側の働く意識も芽生えているようです。
企業が、高齢者の就労を求め、高齢者が働きたいという意思を示していますので、超高齢化社会に突入していく日本は、高齢者が新たな職場を「生きがい」として求めて活動していくのかもしれません。

シェアする

「日本・高齢化率」に関連する記事

  • 「2025年問題」ご存知ですか?到来する超高齢者社会の解決策は?のサムネイル画像

    「2025年問題」ご存知ですか?到来する超高齢者社会の解決策は?

     2025年問題とは、2025年までに団塊の世代が75歳以上に達する事で、5人に1人が75歳以上となる超高齢者社会が到来するという問題です。介護・医療費等の急増が予想される社会のなかで、私たちにはどのような対策がとれるのでしょうか?2025年問題を解説します。

  • 介護や年金など、高齢化社会が抱える問題と対策とは?のサムネイル画像

    介護や年金など、高齢化社会が抱える問題と対策とは?

    高齢化社会の問題はニュースなどでもよく見かけますが、日本の総人口に占める65歳以上の高齢者の割合は2016年には27%にも達したようです。ここでは、高齢化社会が抱える問題や対策を専門家ではない筆者の視点でまとめてみました。

  • 少子高齢化が社会や経済にもたらす影響とは?年金は大丈夫?のサムネイル画像

    少子高齢化が社会や経済にもたらす影響とは?年金は大丈夫?

    少子高齢化がもたらす影響は日本のみならず海外でも大きな課題となっており、その国の経済を大きく左右すると言われています。少子高齢化の影響については何度も問題提起されてはいますが、海外の状況、経済への影響を含めて、いま一度、おさらいをしてみましょう。

  • 今知っておきたい!今後の高齢者の雇用についてのサムネイル画像

    今知っておきたい!今後の高齢者の雇用について

    今の日本は少子高齢化という深刻な社会問題を抱えている状況です。少子高齢化では高齢者が多くなることから働く世代の人口が減少が懸念されています。現在対策として高齢者でも雇用する企業も増えてきています。そこで今回は、今知っておきたい高齢者の雇用についてご紹介します。

  • 少子高齢化の現状 日本の未来は暗い、明るい?のサムネイル画像

    少子高齢化の現状 日本の未来は暗い、明るい?

    少子高齢化がすごい勢いで進んでいます。現状は晩婚化が問題になり、結婚しても子どもを持たない人が増え、出生率は下がり続けています。国家規模の対策が急がれています。そんな待ったなしの少子高齢化の現状を見てみましょう。

  • 高齢者が学ぶ大学あります!~趣味から社会貢献へ~のサムネイル画像

    高齢者が学ぶ大学あります!~趣味から社会貢献へ~

    高齢者大学(老人大学・シルバーカレッジなどとも呼ばれます)といわれる学びの場があります。一般の大学でも高齢者を受け入れています。高齢者になったからこそ深まる理解、社会への還元欲求など、学びと実践をすぐに実現できるための場が提供されています。

  • 高齢化社会の原因、問題点とその対策法を探りますのサムネイル画像

    高齢化社会の原因、問題点とその対策法を探ります

    高齢化社会が問題視されています。しかし高齢化社会が実際どうのように問題で、またそれに伴いどのような対策がされているかしっかり知っている人は少ないのではないでしょうか?今回は高齢化社会の原因、問題、対策など高齢化社会について紹介していきます。

  • 「高齢者」の定義から少子高齢化問題を考えるのサムネイル画像

    「高齢者」の定義から少子高齢化問題を考える

    平均寿命の急激な延びと、出生率の低下による少子高齢化の問題が浮き彫りになってきています。少子高齢化は高齢者の定義が曖昧になっていることも実態を分かりにくくしている点ではないかと考えられています。今回はこの問題について高齢者の定義から考えてみようと思います。

  • 少子高齢化 その原因と政府の取り組み、対策のサムネイル画像

    少子高齢化 その原因と政府の取り組み、対策

    そもそも少子高齢化とは何が原因なのでしょうか。少子高齢化の原因と問題点、社会に与える影響を考えることで、より良い対策を立てることが可能になるでしょう。また少子高齢化の原因を突きとめることで、今まで見えてこなかったことが明らかになるかもしれません。

  • 少子化の問題点 いかに社会全体で子供を育てるかのサムネイル画像

    少子化の問題点 いかに社会全体で子供を育てるか

    少子化の問題点は、合計特殊出生率が2.0を割り込んでいること、出産する年頃の母数自体が少なくなっている事、少子化対策の費用があまりかけて貰えていないこと、少子化の問題点に即した社会保障制度がないことなどがあげられます。

この記事に関するキーワード

ランキング

事業主の方はこちらから

今後事業を大きく広げていくので、葬儀関連をはじめとする、あらゆる事業主の方の事前登録を受け付けております。

関連する記事

「日本・高齢化率」についてさらに知りたい方へ

「2025年問題」ご存知ですか?到来する超高齢者社会の解決策は?のサムネイル画像

「2025年問題」ご存知ですか?到来する超高齢者社会の解決策は?

介護や年金など、高齢化社会が抱える問題と対策とは?のサムネイル画像

介護や年金など、高齢化社会が抱える問題と対策とは?

少子高齢化が社会や経済にもたらす影響とは?年金は大丈夫?のサムネイル画像

少子高齢化が社会や経済にもたらす影響とは?年金は大丈夫?

今知っておきたい!今後の高齢者の雇用についてのサムネイル画像

今知っておきたい!今後の高齢者の雇用について

少子高齢化の現状 日本の未来は暗い、明るい?のサムネイル画像

少子高齢化の現状 日本の未来は暗い、明るい?

高齢者が学ぶ大学あります!~趣味から社会貢献へ~のサムネイル画像

高齢者が学ぶ大学あります!~趣味から社会貢献へ~

高齢化社会の原因、問題点とその対策法を探りますのサムネイル画像

高齢化社会の原因、問題点とその対策法を探ります

「高齢者」の定義から少子高齢化問題を考えるのサムネイル画像

「高齢者」の定義から少子高齢化問題を考える

少子高齢化 その原因と政府の取り組み、対策のサムネイル画像

少子高齢化 その原因と政府の取り組み、対策

少子化の問題点 いかに社会全体で子供を育てるかのサムネイル画像

少子化の問題点 いかに社会全体で子供を育てるか

人気のキーワードの記事一覧

キーワード記事一覧へのリンクです

ランキング

よく読まれている記事です

終活で使うエンディングノートって一体何?書き方や入手方法を紹介!のサムネイル画像

終活で使うエンディングノートって一体何?書き方や入手方法を紹介!

1
終活は20代でも始めるべき?20代から行う終活の意義・内容を解説のサムネイル画像

終活は20代でも始めるべき?20代から行う終活の意義・内容を解説

2
終活で今話題の墓友ってどんな友達?墓友を探す方法や注意点も紹介!のサムネイル画像

終活で今話題の墓友ってどんな友達?墓友を探す方法や注意点も紹介!

3
終活で最期に向けて準備をしよう!終活で行うべきことや注意点を解説のサムネイル画像

終活で最期に向けて準備をしよう!終活で行うべきことや注意点を解説

4
終活セミナーの内容、1日の流れや開催している団体を紹介しますのサムネイル画像

終活セミナーの内容、1日の流れや開催している団体を紹介します

5

関連する記事

「日本・高齢化率」についてさらに知りたい方へ

「2025年問題」ご存知ですか?到来する超高齢者社会の解決策は?のサムネイル画像

「2025年問題」ご存知ですか?到来する超高齢者社会の解決策は?

介護や年金など、高齢化社会が抱える問題と対策とは?のサムネイル画像

介護や年金など、高齢化社会が抱える問題と対策とは?

少子高齢化が社会や経済にもたらす影響とは?年金は大丈夫?のサムネイル画像

少子高齢化が社会や経済にもたらす影響とは?年金は大丈夫?

今知っておきたい!今後の高齢者の雇用についてのサムネイル画像

今知っておきたい!今後の高齢者の雇用について

少子高齢化の現状 日本の未来は暗い、明るい?のサムネイル画像

少子高齢化の現状 日本の未来は暗い、明るい?

このページの先頭へ

終活ねっと  Copyright© 株式会社 終活ねっと