バイオリンでは出せない音色。ビオラの魅力

ビオラという楽器をご存知でしょうか。誰もが知っているバイオリンとチェロ。その間にいてバイオリンと同じような恰好で弾かれているのがビオラです。実は奥深い音色と役割を持ったこの楽器。アマチュアビオラ弾きがバイオリンとの違いとその魅力をご紹介いたします。

目次

  1. ビオラはバイオリンとどこが違うの?
  2. ビオラの音域と役割
  3. ビオラの歴史
  4. バイオリンじゃないビオラが主役の曲
  5. ビオラの演奏家(ビオリスト)
  6. ビオラにまつわる雑学あれこれ
  7. ビオラの魅力まとめ
  8. 終活の専門家に相談してみよう

ビオラはバイオリンとどこが違うの?

バイオリンとの違いは大きさ

簡単に言ってしまえばビオラはバイオリンのサイズ違いです。ただ、バイオリンは胴体の部分がほぼ350mmで統一されているのに対し、ビオラには決まった大きさがありません。
出回っているもので385mm~435mmまであり、奏者がそれぞれの体格や音色の好みに合わせて選択するのです。たったの10-20mm違うだけでも音色や音量、弾き方もだいぶ変わるので自分に合ったものとの出会いは非常に貴重です。

分数楽器と弓の違い

バイオリンには子供用として分数楽器(1/16~3/4)がありますが、ビオラにはありません。幼少からビオラをする子はいないので、プロの方はほぼバイオリンからの転向です(まれに大人からビオラで始められたプロの方もいらっしゃいます)。
弓はバイオリンが74cmでビオラは72cm、重さは60gと70gで見た目はあまり変わらないですが、互いに違う弓で弾くと音がつぶれたり鳴りきらなかったりします。

ビオラの音域と役割

ビオラの音域はバイオリンより5度低い

1度はド→レというピアノで言う白鍵の一つ隣の音のことです。バイオリンの弦はG(ソ)D(レ)A(ラ)E(ミ)で調弦されているのに対し、ビオラはその5度ずつ低いC(ド)G(ソ)D(レ)A(ラ)となります。
歌声でいうとソプラノとアルトの位置関係ですね。

ビオラの音色

ビオラは大きなバイオリン、小さなチェロと揶揄されることもありますが、音色はその二つとは全く違う独特の響きを持っています。バイオリンのような細くて輝かしい音ではなく、中音域の幅をゆっくりと鼻にかかったような渋い音色でじんわり響き渡っていく感じです。オーケストラでは目立ちませんが、これがソロになると全く違う力強さが出てきます。下記の演奏を一度聞いてみてください。

このビオラカルテットの音色はビオラがただ他の楽器の伴奏するだけで終わるものではない、素晴らしい楽器であることを教えてくれます。

オーケストラにおけるビオラの役割

旋律を引くことが多いバイオリン、チェロに対し、ビオラはひたすら「内声部」を担当します。
ビオラがなくても何の曲なのかはわかりますが、”何かが物足りない”という感じになってしまうのです。旋律に寄り添ったり立体感をもたせるような動きをして、曲に厚みと奥行きを感じさせる役割をします。演奏会ではバイオリンに目が奪われがちですが、一度ビオラの動きに注目してみると面白いかもしれません。

ビオラはここにいます!

では、オーケストラの配置ではどこにいるのでしょうか。
下に示したのはバイオリンが両端に来るドイツ式の一例ですが、ビオラ(viola)とチェロ(Cello)の逆配置も多くみられます。学校の教科書に掲載されている現代(アメリカ)式では第一バイオリン、第二バイオリン、ビオラ、チェロと大きいもの順で並びます。これは指揮者や楽団の好みや演奏曲によって変わってきます。

ビオラの歴史

16~18世紀の楽器で、今でも割と聞くことがある「ビオラ・ダ・ガンバ」(足つきビオラ)という古楽器がありますが、形は似ていてもこれが祖先ではありません。16世紀ごろ「ビオラ」というのは広義で「擦弦楽器の総称」でした。ですから「ビオラ・●●」という名前の楽器がたくさんあるのですが、その中で「ビオラ・ダ・ブラッチョ(腕のビオラ)」というものが現在のバイオリン、ビオラ、チェロの原形となっています。

バイオリンじゃないビオラが主役の曲

おすすめはこの曲

バイオリンの曲は無数にありますが、ビオラ曲は数えられるほどしかない上に、なかなか演奏されない=知られることがないというのが残念です。バイオリンとビオラの2重奏でもモーツアルトやベートベンで有名なものがありますが、なんといっても名曲の一つはモーツアルトの「バイオリンとビオラのための協奏交響曲」でしょう。

その他に生演奏でも聞く機会が高い曲は

・ブラームス「ビオラソナタ第1番ヘ短調」「ビオラソナタ第2番ホ長調」
・ショスタコーヴィチ「ビオラソナタ」
・テレマン「ビオラ協奏曲」
・ヨハン・クリスチャン・バッハ「ビオラ協奏曲」
・ブランデンブルク協奏曲第6番
・シューマン「おとぎの絵本」ビオラのための4つの小品

あたりでしょうか。ブラームスのビオラソナタはもともとクラリネット用でしたが、作曲家自身でビオラ用に編曲されたものです。チェロの曲をビオラで演奏することも多いです。この曲以外にもビオラの独奏などが演奏される際はぜひ、会場に足を運んで独特の「ビオラの音色」を堪能してください。

ビオラの演奏家(ビオリスト)

有名なバイオリニストはクラシックに興味があまりない方でも一人二人は思いつくと思いますが、「有名なビオリスト」は?と聞かれて答えられる方は街角にはほとんどいらっしゃらないでしょう。

既述しましたが、プロのビオリストのほとんどは元バイオリン弾きです。そしてどこかの時点でビオラに転向されるわけですが、その鞍替えの理由を調べるのも面白いかもしれません。中には「練習時間がバイオリンより少なくてすみそう」という理由だった方もいらっしゃるようです。

ビオラにまつわる雑学あれこれ

ビオラの記譜

ビオラの楽譜は下記のような「B」に似ているハ音(アルト)記号で書かれています。
読み方はピアノで使われるト音記号の1度上になるのですが、ビオラ弾きは初めにこの記号で書かれた音符を読むのに苦労します。

ビオラ冗句

1992年あたりで一気に広まったビオラ冗句。もともとビオラを自嘲的に皮肉った海外で出回っていたものが訳されて日本でも広まったようですが、最近は「今はそんなことないよね」という風に捉えられるようになった感もあります。上手なビオラ奏者が知られるようになり、楽器自体も多少人気がでてきたおかげでしょうか。気になる方は検索してみてください。筆者も最初は大笑いしたものです。

最近のビオラの話題

ビオラのソリストが増えてきたのも嬉しいことですが、なんとあの「みんなのうた」でもビオラの歌が作られています。槇原敬之さんの作詞作曲で、ビオラの特徴をうまく表現されているとてもいい歌です。

東京都響のビオラ奏者、須田祥子さんが「SDA48」というビオラアンサンブルグループを主宰され、ご活躍されています。

ビオラの魅力まとめ

オーケストラではなかなか目立たないビオラの魅力が少しでもわかっていただけたでしょうか。
演奏会ではバイオリンや管楽器が上手なのはすぐにわかりますが、周りに合わせる役割の大きいビオラがよく響いていて、ほどよく主張できているオーケストラはとても聞きごたえがあるはずです。
今度聴きに行かれる演奏会ではぜひ、ビオラにご注目ください!

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