デザイン工房出身者による、喪中はがきのデザインについて

喪中はがきや寒中見舞いは、親しい方を亡くした家族が贈る、現代社会に息づくマナーです。しかしキチンとした喪中はがきを作り上げるのは案外難しいものです。ここでは喪中はがきの全体設計(デザイン)についてご説明・ご紹介します。

目次

  1. はじめに−できるだけ無料で喪中葉書を
  2. 喪中はがきにおけるデザインの定義
  3. 喪中はがきのデザインの手順
  4. まとめ−結局デザイン工房などにお任せ?

はじめに−できるだけ無料で喪中葉書を

親しい方を亡くした家族が年末に贈る「喪中はがき」。年賀状の代わりとしか認識していない方も中にはいらっしゃいますが、これらは現代社会でも息づくエチケットとして、大切に受け継がれて来ています。

しかし多くの方は、はがきの絵柄、文面、宛名の漢字の正誤、最新の住所の調査などばかりに、目をとらわれていませんか?

本日は喪中はがきの全体設計、つまりデザインについてお話しします。

喪中はがきにおけるデザインの定義

喪中はがきを作ることは、ちょっと昔ではハウツー本に首っ引きで取り組まなければならないものでしたが、今ではインターネットで調べれば文例はいくらでも出てきますし、絵柄も様々なものが選べますので、喪中はがきの難易度はずいぶん下がったと感じます。

しかしずいぶん下がったとは言っても、喪中はがきは相変わらずの高い難易度を誇っています。その理由は、はがきの書式・作法・マナーにのっとって書く、格式高さにあります。

昔は一般常識だったはがきにおける書式・作法・マナーは、現代では特殊技能と捉えられかねません。しかも不幸にまつわる文書だけに、ユニークさや茶目っ気・外し技は不謹慎となりかねませんし、紙面のバランスによっては死者を悼む気持ちも伝わりません。

つまり喪中はがきにおけるデザインとは、こう表現できます。

1.諸マナーにのっとった上で、
2.読みやすい文字を、
3.伝えるべき内容で、
4.はがき紙面に配置する、
5.これら全体の設計のこと。

縦書きのはがき書式や作法はある程度決まっていますので、ここでご紹介した通りにすれば、大体うまくいくと思います。

思いますという煮え切らない表現なのは、これらノウハウが「現場で叩き込まれた」ものだからです。ですので、厳密には間違った解釈をしているかもしれません。その場合はご容赦ください。

喪中はがきのデザインの手順

以下は便宜上、ワープロソフトなどでの制作を前提として説明していますが、手書きで作る場合でも共通です。

1.書式・作法・マナーを頭に入れましょう

守るべきこと、守った方が良いことは、以下に挙げられます。

1.必ず和文縦書きで記入することとし、横書きは避ける。英文の場合は今回の対象外。
2.できるだけ漢字は楷書体を使用することとし、書き間違い、崩し文字、略字は避ける。
3.立場的に宛先を最上位、差出人を最下位として、謙譲の姿勢を表現する。
4.より格式高い手紙とするためには、句読点は使わず、改行して記述する。
5.さらに格式高くするためには、墨汁または筆ペンでの薄墨仕上げとし、ボールペンは避ける。

それぞれの詳しい説明は、ここでは割愛いたしますので、以下のリンクやインターネット検索結果、参考文献などにあたられると良いでしょう。

2.文字サイズを決めましょう

老眼鏡や虫眼鏡なしでも読める文字というものは、ありがたいものです。その一方で、限られたはがきのサイズでは小さい文字の方が文章を詰め込めます。それら双方のバランスから、丁度いい文字サイズはおのずと一定の大きさに収束します。

以下の条件に見合う文字サイズを探すことが、まず最初の仕事となります。

1.裏面の差出人住所に使うため、最も小さく記入できる文字サイズを探し出す。
2.裏面の見出しに使うため、最も大きく記入できる文字サイズを探し出す。
3.上記の文字サイズから、だいたい中間程度のサイズを割り出す。
4.上記文字サイズのそれぞれ中間を割り出して、全部で5段階の文字サイズを割り出す。
5.表面の差出人に使う文字サイズは、特に大きくする

ここではサンプルとして、以下の文字サイズをご提案します。

1.文字サイズ特大:表面宛名用 33pt(ポイント)=約12ミリ角
2.文字サイズ最大:裏面見出し用 17pt(ポイント)=約6ミリ角
3.文字サイズ大:裏面差出人用 15pt(ポイント)=約5ミリ角
4.文字サイズ中:今回使いません 12pt(ポイント)=約4ミリ角
5.文字サイズ小:表面住所用 10pt(ポイント)=約3.5ミリ角
6.文字サイズ最小:裏面住所用 9pt(ポイント)=約3ミリ角

実際に不要紙に書いたりプリントアウトしたりなどして、文字の大きさのバランスをいつでも参照できるように手元に置くと、ここからの作業が捗ります。

3.文章を決めましょう

上記2.で決めた文字サイズで、はがきの紙面サイズにちょうど収まるように、書く内容を考えます。

1.表面/郵便番号 …… 文字サイズ最大 (7文字)
2.表面/宛先の住所1(都道府県から番地まで) …… 文字サイズ最大 (20文字程度)
3.表面/宛先の住所2(マンション名など) …… 文字サイズ大 (20文字程度)
4.表面/宛先の名前 …… 文字サイズ特大 (様を含んで最大8文字程度)
5.表面/差出人の住所 …… 文字サイズ小 (20文字程度×最大2行)
6.表面/差出人の名前 …… 文字サイズ大 (最大7文字程度)
7.裏面/本文前の見出し …… 文字サイズ最大 (最大20文字程度)
8.裏面/本文 …… 文字サイズ中 (最大30文字程度×最大7行程度)
9.裏面/差出人の住所 …… 文字サイズ最小 (20文字程度×最大2行)
10.裏面/差出人の名前 …… 文字サイズ大 (最大7文字程度)

これらを不要紙などに実際にプリントアウトまたは試し書きしてみることをお勧めします。

4.はがき紙面への配置を決めましょう

もし3.で不要紙に書いた試し書きがあるのでしたら、それをハサミで切り取るなどして、以下に掲げる注意点をもとに、実際にはがきに配置してみてください。

1.表面/宛名

文字サイズは、郵便番号欄からはがき下端(または他の要素)までの間に、11ないし12文字がギリギリ入る最大サイズに調整します。上側に1文字ぶん、下側に2文字ぶんの空きスペースを含めているので、本当にギリギリにしてしまっても構いません。

そのうち8ないし9文字に、様を含めた宛名をバランス良く配置します。文字間の調整は、ソフトによってはカーニングやトラッキングという項目名になっていたりしますので、ご注意ください。

縦位置は、1文字ぶん下げた位置から、上詰めとします。
横位置は、はがきのちょうど中央に配置します。

2.表面/宛先住所

都道府県から番地までを文字サイズ最大とし、マンション名など付加情報を文字サイズ大として、文字サイズを若干変えます。

縦位置は、宛先の上端から1文字分上から、2行をまとめて下詰めとします。
横位置は、宛先の名前右端とはがき右端の、ちょうど3分の1と3分の2の位置にそれぞれ配置します。

3.表面/差出人住所と氏名

住所は文字サイズ小、氏名は文字サイズ大とします。それぞれ行間は文字サイズ小の1文字ぶん程度空けましょう。

これらは一つのブロックとして扱います。

縦位置は、差出人郵便番号欄から文字サイズ小の1文字ぶん離して、下詰めとします。
横位置は、ブロック全体が差出人郵便番号欄の中央に来るように配置します。

4.裏面/見出しと本文

見出しは文字サイズ最大、本文は文字サイズ小とし、文字間を1/4から1/5ほど空けて、字面にゆとりを持たせます。こうすることで、公的文書のようなギチギチに詰まった印象をやわらげ、たおやかな雰囲気となります。

改行幅と文字間を調整して、見出しと本文のブロックがはがき紙面の半分を覆う程度にすると良いと思います。多いと窮屈に、少ないとみすぼらしい印象となります。

縦位置は、はがきの上端から12ミリ(はがき縦寸法148ミリ÷12=約12ミリ)から、上詰めとします。
横位置は、はがきの右端から8ミリ(はがき横寸法100ミリ÷12=約8ミリ)に配置します。

5.裏面/差出人住所と氏名

住所は本文より一回り小さい文字サイズ、氏名は見出しより一回り小さい文字サイズが適当でしょう。

縦位置は、はがきの下端から12ミリ(はがき縦寸法148ミリ÷12=約12ミリ)から、下詰めとします。
横位置は、はがきの左端から8ミリ(はがき横寸法100ミリ÷12=約8ミリ)に配置します。

5.納得行くまで繰り返しましょう

自ら喪中はがきのデザインをするメリットといえば、何度でも納得がいくまでやり直せるということに尽きます。

6.最後に、喪中はがきの現物にしましょう

デザインが全て完成したなら、おめでとうございます、喪中はがき作成の第一段階がやっと終了です。

このあと、手書きであれば量産、ワープロであればプリントアウト、印刷所に頼むのであれば入稿作業が待っています。このくだりについてはあえて詳しく解説しなくても、ご理解いただけていると思います。

その後、宛先の記入と、送付先のチェック、郵便局への発送作業までやり遂げれば、晴れて終了となります。お疲れさまです。

まとめ−結局デザイン工房などにお任せ?

人々

喪中はがきに限りませんが、このようにデザインは面倒かつ重要です。特にお仕着せの文章を使わなくて済む場合、むしろ考える余地はとても広くなりますので、個人が最初から最後まで全部手がけるのは、正直に言って荷が重いと思います。

もちろんプロにお任せすれば、ここまでの作業を全部やってくれます。デザインだけなら1,000円程度から、宛名印字と発送代行まで含めてもせいぜい1万円程度まで、これに官製はがき代と印刷代をプラスといったところでしょうか。

つまりその場合の心配事は、冒頭にお書きした「はがきの絵柄、文面、宛名の漢字の正誤、最新の住所の調査」にまとまってしまいます。

ただし、やり遂げたあとの達成感はプライスレスですので、是非とも挑戦なさってみてください。

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