「源氏物語」から紐解く、平安時代の恋愛事情とは

平安時代の長編小説「源氏物語」は、主人公・光源氏と数多くの女性の恋愛が綴られています。そんな「源氏物語」から、平安時代の恋愛事情を紐解いてみたいと思います。

目次

  1. 「源氏物語」から探る平安時代の恋愛事情
  2. 主人公・光源氏とは
  3. 和歌で始まり、和歌で終わる平安時代の恋愛
  4. 平安時代の結婚
  5. 平安時代を舞台にした恋愛アニメ・漫画
  6. 平安時代の恋愛事情のまとめ

「源氏物語」から探る平安時代の恋愛事情

困った人々

「源氏物語」は、平安時代中期・一条天皇の中宮・藤原彰子(ふじわらのしょうし)に仕え、作家・歌人として名高い紫式部によって書かれたとされています。

「源氏物語」の主なテーマは「もののあはれ」、つまり、沁沁とした趣、哀れみ、悲しみ、無常といった感情が近いと考えられているようです。それは、平安時代の高貴な女性たちの、恋愛をはじめとした生活事情・感情を反映しているのではないでしょうか。

主人公・光源氏とは

光源氏は、時の天皇・桐壺帝と、身分が高くないながらも桐壺帝の寵愛を受けた桐壺更衣の子です。しかし、母・桐壺更衣は光源氏の幼少時に亡くなってしまいます。悲しんだ桐壺帝は、桐壺更衣と瓜二つという藤壺宮(後の中宮)を入内させます。

そして、光源氏は父帝の妻である藤壺宮に恋をします。二人は惹かれ合いながらも、帝の妻である藤壺宮と正式に結ばれることはありません。(子・冷泉帝ができますが、桐壺帝の子とされます)

そこから、光源氏の数多の恋愛遍歴が始まります。

和歌で始まり、和歌で終わる平安時代の恋愛

平安時代の貴族は、気になる女性や、素敵な女性がいるという噂を聞くと、和歌を送り、その返歌によって、相手の教養や心映えを推し量っていたようです。

光源氏も、優れた教養の持ち主である恋人たちと、和歌のやり取りで親交を深めていました。「源氏物語」では、約800首もの和歌が詠まれています。

平安時代の結婚

一夫多妻制

平安時代の貴族は、一夫多妻制でした。
しかし、正妻は一人です。正妻は、好き嫌いではなく女性の身分・家柄や教養などが重視され、政治的な意味合いが強かったようです。

光源氏も、多くの恋人がいましたが、正妻となったのは格式の高い家柄の女性でした。しかし、正妻だからと言って幸せであったとは言えないようです。

光源氏・最初の正妻「葵の上」

葵の上は、父は左大臣、母は桐壺帝の妹で、光源氏の従妹にあたる高い身分の女性です。
春宮妃になることを所望されて育てられたため、年が若く、臣下となった光源氏との結婚は本望ではありませんでした。

結婚から10年、子ども(後の夕霧)の妊娠・出産を経てようやく光源氏と打ち解けます。しかし葵の上は、出産した矢先に、六条御息所の生霊に恨み殺されてしまいます。

光源氏・晩年の正妻「女三宮」

女三宮は、朱雀院の第三皇女というとても身分の高い女性です。藤壺宮の姪にあたります。
しかし、父・朱雀院の出家、母が早くに亡くなっているという、後見のない境遇を心配した朱雀院が、光源氏との縁談をまとめ、光源氏の二番目の正妻となりました。

光源氏は、藤壺宮の面影を探して女三宮との結婚を了承したものの、女三宮は幼く頼りない女性で、失望してしまいます。年齢的にも、夫ではなく、保護者のような関係でした。

そんな折、女三宮に思いを寄せていた内大臣の子・柏木が、強引に女三宮にせまり、女三宮は妊娠、柏木の子・薫を出産します。この事が光源氏にばれて、柏木は精神を病み亡くなり、女三宮は出家してしまいます。光源氏は、悔しくもこの事で成長した女三宮の出家を惜しく思いますが、最後まで女三宮に光源氏への思いはありませんでした。

光源氏の正式な正妻になれなかった・紫の上

紫の上は、父は兵部卿宮という藤壺宮の兄、母は按察使大納言の娘です。藤壺宮の姪にあたります。高い身分の女性ですが、母が早くに亡くなり、また兵部卿宮の正妻の権力が強く、父の庇護をあまり受けられず、北山にて祖母に育てられていました。

そのような状況で、療養のために北山を訪れた光源氏と紫の上が出会います。光源氏は、藤壺宮に似た紫の上に好意を持ち、祖母が亡くなった後は手元で育て、やがて夫婦となります。紫の上は、教養、容姿、心映えなど、すべてにおいて最高の女性と称されます。

光源氏に最も愛されたと思われる紫の上ですが、頼りになる後見がおらず、周囲から正妻格として扱われながらも正式な結婚をしておらず、子どもに恵まれなかったことから、愛し・愛されながらも、不安や苦しみも抱えていました。

通い婚

平安時代の結婚は、通い婚(妻問婚)といい、夫婦で同居ではなく、男性が、女性の家へ通うというシステムでした。

一夫多妻のうえ、夫が訪ねて来るのを待つ通い婚で、光源氏の恋人たちの気持ちも様々のようです。

六条御息所

六条御息所は、先の東宮妃という高い身分で、美しく、教養の深い人物です。
東宮の死後、光源氏と恋人関係になりますが、とても嫉妬深く、生霊となって光源氏の妻や恋人を苦しめます。

その高いプライドや嫉妬深さから、光源氏の六条御息所への愛は冷めていきます。六条の御息所は先の東宮との娘(後の秋好中宮)が斎宮となるための伊勢への下向に帯同して、都と光源氏から離れる決意をします。

六条御息所は、自身の死後もなお怨霊となり、光源氏の恋人を苦しめました。

花散里

花散里は、光源氏の父・桐壺帝の妻・麗景殿女御の妹です。容姿は特別に優れていませんが、優しく穏やかな性格で、夕霧(光源氏と葵の上)の母代わりを務めるなど、長く光源氏から信頼されている女性です。

他にも多数の恋人がいる光源氏を恨んだりせず、控えめな存在であったからこそ、長く良好な関係を築けたのではないかと思います。

平安時代を舞台にした恋愛アニメ・漫画

アニメ

源氏物語千年紀 Genji

紫式部「源氏物語」を原作としたオリジナルストーリーのアニメです。

超訳百人一首 うた恋い。

漫画家・杉田圭さんの漫画短編集のアニメ化作品です。
百人一首の、おもに恋愛の歌を題材に、コメディ要素のある親しみやすい作品とのことです。

漫画

あさきゆめみし

漫画家・大和和紀さんによる、紫式部「源氏物語」漫画化作品です。
この作品から、「源氏物語」を学んだ方は多いのではないでしょうか。

なんて素敵にジャパネスク

小説家・氷室冴子さんの作品の漫画化作品です。
恋愛要素あり、コメディ要素ありの親しみやすいタッチで、平安時代の宮廷・貴族社会の様子がよくわかるのではないでしょうか。

平安時代の恋愛事情のまとめ

人々

いかがでしたか?
現在とは大きく異なる平安時代の恋愛事情をご紹介しました。「源氏物語」の登場人物を見ても、身分が高ければ幸せ!というわけではないのですね。

平安時代の文化を知るためには、恋愛事情を理解することも大切ですね。

「平安時代・恋愛」に関連する記事

「平安時代・恋愛」についてさらに知りたい方へ

この記事に関するキーワード

ランキング

よく読まれている記事です

シェアする

関連する記事

「平安時代・恋愛」についてさらに知りたい方へ

こんなに深い話だったの?和歌を切り口に源氏物語の世界にひたろう!のサムネイル画像

こんなに深い話だったの?和歌を切り口に源氏物語の世界にひたろう!

源氏物語に登場する物の怪。第九帖『葵』のあらすじのサムネイル画像

源氏物語に登場する物の怪。第九帖『葵』のあらすじ

源氏物語の冒頭、知っていますか?現代語訳とともに紹介しますのサムネイル画像

源氏物語の冒頭、知っていますか?現代語訳とともに紹介します

一夫多妻が当たり前!?平安時代の結婚とは!?のサムネイル画像

一夫多妻が当たり前!?平安時代の結婚とは!?

平安時代の女性はどんな生活をしていた?お風呂には入らない?!のサムネイル画像

平安時代の女性はどんな生活をしていた?お風呂には入らない?!

平安時代の文化「国風文化」の特徴と魅力をご紹介しますのサムネイル画像

平安時代の文化「国風文化」の特徴と魅力をご紹介します

優雅な貴族社会とはかけ離れていた!平安時代の庶民の暮らしをご紹介のサムネイル画像

優雅な貴族社会とはかけ離れていた!平安時代の庶民の暮らしをご紹介

海外で人気な宮型霊柩車って?背景や海外での反応についてご紹介のサムネイル画像

海外で人気な宮型霊柩車って?背景や海外での反応についてご紹介

高齢者が恋愛成就するための心得とタブーな態度のサムネイル画像

高齢者が恋愛成就するための心得とタブーな態度

紫式部の百人一首をご紹介!源氏物語だけじゃない、和歌の才能!のサムネイル画像

紫式部の百人一首をご紹介!源氏物語だけじゃない、和歌の才能!

人気のキーワードの記事一覧

キーワード記事一覧へのリンクです

ランキング

よく読まれている記事です

盛り塩の「効果」とその「処分方法」は?「交換時期」も教えますのサムネイル画像

盛り塩の「効果」とその「処分方法」は?「交換時期」も教えます

1
水引アクセサリーの簡単な作り方!和服にも合う結び方を紹介!のサムネイル画像

水引アクセサリーの簡単な作り方!和服にも合う結び方を紹介!

2
礼服のポケットのふたとポケットチーフについて紹介します。のサムネイル画像

礼服のポケットのふたとポケットチーフについて紹介します。

3
お参りとお詣りの意味の違い~神社は?お寺は?のサムネイル画像

お参りとお詣りの意味の違い~神社は?お寺は?

4

関連する記事

「平安時代・恋愛」についてさらに知りたい方へ

こんなに深い話だったの?和歌を切り口に源氏物語の世界にひたろう!のサムネイル画像

こんなに深い話だったの?和歌を切り口に源氏物語の世界にひたろう!

源氏物語に登場する物の怪。第九帖『葵』のあらすじのサムネイル画像

源氏物語に登場する物の怪。第九帖『葵』のあらすじ

源氏物語の冒頭、知っていますか?現代語訳とともに紹介しますのサムネイル画像

源氏物語の冒頭、知っていますか?現代語訳とともに紹介します

一夫多妻が当たり前!?平安時代の結婚とは!?のサムネイル画像

一夫多妻が当たり前!?平安時代の結婚とは!?

平安時代の女性はどんな生活をしていた?お風呂には入らない?!のサムネイル画像

平安時代の女性はどんな生活をしていた?お風呂には入らない?!

このページの先頭へ

終活ねっと 〜マガジン〜  Copyright© 株式会社 終活ねっと