現在から古代まで~歴史をさかのぼってみる中国のお墓と事情

人が亡くなると埋葬される場所がお墓ですが、今回は日本ではなく歴史の先輩である中国のお墓事情に焦点を当てました。世界一の人口を擁する現在の中国のお墓事情と、古代中国の英雄二人に関するお墓事情に迫ってみたのでご覧ください!

目次

  1. 4000年の歴史!中国のお墓事情
  2. 中国のお墓のデザイン
  3. 考古学における歴史的発見の兵馬俑
  4. 三国時代の英雄 曹操のお墓
  5. 今も昔も様々な中国のお墓事情

4000年の歴史!中国のお墓事情

お墓

古来中国では、天葬・水葬・火葬・土葬の四つの埋葬法が用いられてきました。
その中でも一般的に土葬が主流でしたが、1950年代になると毛沢東が火葬の導入を提唱し、国策で土葬から火葬へと推進し始めます。理由は資源と農耕地の確保というもので、様々なスローガンを元に宣伝工作が行われたとされています。

21世紀に入り中国で土地が高騰すると、北京や上海ではなんとお墓がマンションより高くなる墓地バブルが起き始めました。
そして現在、都市部では土地不足のため土葬は一部の金持ちしか出来ず、一般人は火葬しお墓を立てる以外選択肢が無いとされています。
ちなみに中国の法律では、土葬した場合でも10年後には火葬し墓に埋葬しなければなりません。

そのため政府は、芝生葬・花葬・樹木葬・壁葬・などの埋葬方法を勧めていると言われています。

中国のお墓のデザイン

地域や霊園などのお墓の規模によって違いがありますが、中国のお墓の形の特徴として、亀の甲羅のようなデザインのお墓が多いようです。
これは日本でも「鶴は千年、亀は万年」と言われているように長寿の意味合いがあるからです。
また、お墓の入口にはシーサーを魔除けのために置くという独特な特徴があります。

沖縄でも見られる亀甲墓(きっこうばか)

沖縄のお墓にも亀の様な形の亀甲墓があります。
中国南部の唐墓から伝わったと考えられており、17世紀後半から亀甲墓が沖縄で造られるようになりました。

沖縄では死者を風葬にする習慣があり、亀甲墓は風葬するためのお墓なのです。
遺体を風化させ、1年から数年後に親族が遺体を取り出して「洗骨」を行い、遺骨を「蔵骨器」に納めて安置します。

現在では火葬が普及し、核家族化による大規模な墓の需要が減ったこともあり、亀甲墓のサイズは小型化しています。

考古学における歴史的発見の兵馬俑

兵馬俑

中国で有名なお墓といえば、世界八大奇跡といわれる歴史的大発見の兵馬俑です。

1974年、西安の東北・臨潼県の農民が井戸を掘っていて偶然見つけた陶器の破片が発見のきっかけで、1号坑、2号坑、3号坑と3つの俑坑が発掘されました。

その規模は2万平方メートルを超え、なんと総計8000点の陶製の兵馬が見つかっています。
この兵馬は一つとして同じ容姿のものはおらず、実在した軍団の兵士を1体ずつ陶製の像に写したと考えられる兵馬が、服のしわや髪の毛といった細部まで入念に作りこまれているだけでなく、本物の武器を持って発見されたのです。

この兵馬俑は、秦の始皇帝が造らせたもので、死後の始皇帝自らを守るため地下に配置させていたものなのです。

「20世紀最大の発見」といわれたお墓

中国の始皇帝が造らせたものとして「万里の長城」という大規模なものがありますが、お墓である兵馬俑も大規模なもので、2000年以上誰にも見つからず地下に存在していたことから、発見当時は「20世紀最大の発見」と世界中が驚きました。

中華統一を果たした秦の始皇帝が36年もの歳月をかけて造営し、70万人もの動員数をかけました。
この殉死者の代わりに埋葬した8000体の兵馬俑たちは、死後も始皇帝を守るため敵国のある東を向いて目を光らせていたのです。

また、司馬遷の記した「史記」には、地下に巨大宮殿が築かれたと書かれていて、今現在でもその全貌は明らかになっておらず、考古学的な発掘調査が進行中です。

不老不死を求め水銀をも飲んだ始皇帝の事情

中国を統一し敵無しとなった始皇帝ですが、晩年不老不死の仙薬を求め、仙人になろうとしていました。当時、仙人は天界と人界を自在に行き来し、永遠に生きられると信じられていました。
そのためあらゆる薬を試し、毒薬である水銀をも飲んで死んだという伝承があります。

始皇帝は不老不死を願いつつ、もし自分に死が訪れた場合には霊魂だけは永遠に存在させ、皇帝としていつまでも君臨し続けたいという始皇帝の事情があったのでしょう。

三国時代の英雄 曹操のお墓

2009年中国河南省安陽県で「魏武王」の文字が刻まれた石板が発見され、墓から60歳前後とみられる男性の遺骨が見つかり、それが中国・後漢時代に登場する有名な曹操の墓であることがわかりました。

墓の総面積は740平方メートルで、前後に2つの大きな墓室と4つの副室があり、金や銀の器、鉄剣、水晶珠などの副葬品が発見され、曹操の遺骨のほかに2人の女性の遺骨も見つかりました。

英雄のお墓も盗掘され荒らされた状態で発見

曹操のお墓は、1号墓と2号墓が発見されたのですが、内部は荒らされていて一部の副葬品が盗まれたとされ、墓内には7つの盗掘穴があることから、墓室に侵入した盗賊団は少なくとも7組にのぼるといわれています。

また曹操のものだと考えられる遺骨が出土したのですが、本来の場所から動かされていて、頭蓋骨の面がえぐり取られ状態が悪く、現代の技術でもその容貌を復元することは難しいようです。

荒らされてしまった理由として考えられるのが

〇盗掘者が墓の中に金品や財宝がないことに腹を立ててお墓の物品を破壊したため

〇三国志演義などで曹操の悪者としてのイメージが民衆に定着してしまったためお墓が荒らされた

という可能性が考えられます。

豪華な副葬品を拒んだ曹操の事情と思惑

陳寿の記した中国の歴史書 「正史 三国志」には曹操は生前「遺体を包むには平服を以てし、金玉珍宝をおさむることなかれ」と質素に葬るように命じていました。

大規模なお墓を造らせた秦の始皇帝とは真逆の命令ですが、理由としては

〇曹操が儒教に対して強い反発を抱いていたため薄葬令を命じた

〇三国時代は戦乱が長年続き、経済・民衆が衰えたため、豪華なことはせず国を立て直そうとした

といった、政治家・統治者としての曹操の思惑と事情があったのでしょう。

今も昔も様々な中国のお墓事情

お墓

お墓に葬られた死後もなお、皇帝として君臨したかった始皇帝・贏政(えいせい)。
三国の戦乱を勝ち抜いた覇者であっても、国のことを考え薄葬令を命じた曹操。
その時代の英雄によって、お墓事情は様々です。
現在、中国では土地不足で簡単に土葬して墓地を増やすことが出来ないという事情がありますが、火葬であってもせめてお墓を建てて供養をしたい、という先祖を敬う気持ちは万国共通であり、大切にしていきたいですね。

お墓を建てたいけどどうすればいいかわからない方へ...

お墓をお探しの方は「終活ねっと」で

終活ねっとでは、安心して終活を始めるために、お墓 の値段(見積り)やアクセス・特徴を比較した情報をまとめております。資料請求や電話対応も無料で承っておりますので、是非ご利用ください。

「中国・墓」に関連する記事

「中国・墓」についてさらに知りたい方へ

  • 世界のさまざまなお墓について調査しました!のサムネイル画像

    世界のさまざまなお墓について調査しました!

    海外のお墓と聞いて、頭の中に思い浮かべるのは、欧米の映画などで見られる芝生に広がる十字架だったり、プレートが置かれたお墓でしょうか?世界には我々の想像もつかないようなお墓が数多く存在しています。そんな世界のお墓についてご紹介します。

  • 近年のお墓事情はどうなっているの?最新情報をお伝えします!のサムネイル画像

    近年のお墓事情はどうなっているの?最新情報をお伝えします!

    お墓に対する考え方は日々変化しています。少子高齢化や核家族化など、その理由は様々です。近年のお墓事情はどのようになっているのでしょうか?昔と変わったことや海外のお墓事情まで、お墓についてを詳しく解説していきます。

  • 沖縄のお墓はなぜ大きいの?知っておきたい現代事情も説明します!のサムネイル画像

    沖縄のお墓はなぜ大きいの?知っておきたい現代事情も説明します!

    初めて沖縄を訪れた人は、沖縄のお墓が大きいことに驚かされることでしょう。沖縄は歴史や風土に育まれた独特の文化があり、そこにお墓の大きい理由もあります。今回はお墓の大きい理由と現代のお墓事情を中心に解説いたします。

  • お墓の歴史について知りたくないですか?ディープな世界をご案内のサムネイル画像

    お墓の歴史について知りたくないですか?ディープな世界をご案内

    お墓の歴史について考えた事はありますか?お墓参りにはしょっちゅう行くという方も、たまにしか行っていないという方も、お墓の歴史を知ればお墓参りにもっといきたくなるかもしれません。今回は、お墓の歴史についてご説明いたします。

  • 沖縄のお墓の形についてその種類や特徴、現在のお墓事情まで全て解説のサムネイル画像

    沖縄のお墓の形についてその種類や特徴、現在のお墓事情まで全て解説

    日本列島の中でも比較的南に位置する沖縄は、お墓の形や特徴も非常に独特です。その外見を見るだけでも非常にエキゾチックで、国内にいながらも外国に旅行に行くような気持ちになります。このような沖縄のお墓の形は歴史的にどう変化し、現在どうなっているのでしょうか?

  • お墓に込められている意味を時代ごとにご紹介しますのサムネイル画像

    お墓に込められている意味を時代ごとにご紹介します

    なぜお墓を作るのかといった意味について考えたことはありますか?時代ごとにお墓に込められた意味は異なります。今回はお墓を作る意味はもちろん、各宗派のお参りについて、墓石の種類ごとに込められた意味なども解説するのでぜひご覧ください。

  • 日本のお墓文化について様々な儀礼と歴史についてまとめました!のサムネイル画像

    日本のお墓文化について様々な儀礼と歴史についてまとめました!

    私たちがいつかは必ず眠る終の棲家であるお墓は、日本でもかなり古い時代から設けられてきたとともに、お墓にまつわる独自の文化が形成されてきました。今回は、日本独自のお墓文化にまつわる儀礼や歴史を見ていくことで、日本のお墓文化のあり方やその変遷について見ていきます。

  • お墓を作る意味やお墓の歴史などを知っていますかのサムネイル画像

    お墓を作る意味やお墓の歴史などを知っていますか

    現代の日本では人が亡くなると、火葬を行い遺骨をお墓に納めることが一般的な風習となっています。ここではお墓の歴史や作る意味、宗教ごとで異なるお墓の意味合いなどの知っておきたい情報をまとめてご紹介していきます。

  • お墓を作らない?変化しつつあるお墓のあり方のサムネイル画像

    お墓を作らない?変化しつつあるお墓のあり方

    お墓を作らないのは一般的ではないと思われている方も多くいらっしゃいます。しかし実は今、お墓を作らない人たちが増えています。これは現代の様々な問題によってお墓のあり方自体が変わってきていることを表しています。この記事では現代のお墓の在り方について見ていきます。

  • お墓を種類ごとに徹底比較!様々なお墓の違いをご紹介します!のサムネイル画像

    お墓を種類ごとに徹底比較!様々なお墓の違いをご紹介します!

    昔はお墓と言うと先祖代々のお墓や家族のお墓がメインでしたが、最近は多種多様なお墓や納骨の方法があり、どのようなお墓にしたら良いのか悩んでしまいます。今回はお墓を種類ごとに徹底比較します。わかりやすく比較しましたのでぜひ参考にしてください。

この記事に関するキーワード

ランキング

よく読まれている記事です

  • お墓や墓石の費用相場はいくらなの?値段の内訳や購入のコツもご紹介のサムネイル画像

    お墓や墓石の費用相場はいくらなの?値段の内訳や購入のコツもご紹介

    墓地・霊園でお墓の購入をする際に一番気になる費用。墓石や土地代など、一体何にいくらかかるのかでしょうか?今回終活ねっとでは、お墓の費用相場や値段の内訳・購入のコツまで、お墓の費用に関する疑問点を全て解説します。ぜひ最後までご覧ください。

    1
  • 樹木葬の費用相場はいくらなの?内訳や料金を左右する要因を解説のサムネイル画像

    樹木葬の費用相場はいくらなの?内訳や料金を左右する要因を解説

    近年自然葬の一種である樹木葬を供養方法として選ぶ人が増えてきています。樹木葬をするためにかかる費用はどれくらいかかるのでしょうか?この記事では樹木葬にかかる費用相場がどれくらいなのか、料金の内訳や形態による違いとともに解説していきます。

    2
  • 永代供養の費用相場はいくら?内訳や料金が安く抑えられる理由を解説のサムネイル画像

    永代供養の費用相場はいくら?内訳や料金が安く抑えられる理由を解説

    近年永代供養という言葉を耳にする機会が増えてきました。永代供養という言葉は知っていても、費用はいくらかかるのか?お墓との違いがわからないという方も多いと思います。今回はそんな永代供養にかかる費用の相場はいくらなのかを内訳や料金が上下する要因とともに解説します。

    3
  • 納骨堂に納骨する時の料金の相場はいくら?のサムネイル画像

    納骨堂に納骨する時の料金の相場はいくら?

    お盆やお彼岸にお墓ではなく、納骨堂へお参りに行く人が増えています。 納骨堂はお墓と違って、お参りに行きやすく管理も楽です。 お墓を建てるよりも安い料金と聞いたけど、実際料金はどれくらいかかるのか。 また、管理費などはどうなっているのでしょうか。

    4
  • 墓じまいの費用相場はいくらなの?改葬の方法や納骨先の探し方も紹介のサムネイル画像

    墓じまいの費用相場はいくらなの?改葬の方法や納骨先の探し方も紹介

    近年、様々な理由から墓じまいという選択をする人が増えています。墓じまいをするためにはどのような手続きが必要で、一体平均どれくらいの費用がかかるのでしょうか?今回終活ねっとでは墓じまいをするために必要な費用について、手続きの方法や納骨先の探し方とともに解説。

    5
  • 東京都で人気の墓地霊園ランキング13選!お墓の値段相場・資料請求のサムネイル画像

    東京都で人気の墓地霊園ランキング13選!お墓の値段相場・資料請求

    東京都で人気の霊園・墓地・お墓をランキング形式で紹介しています。終活ねっとでは、東京都にある墓地・霊園を料金・口コミ・アクセスなどで比較して探すことができます。見学予約・資料請求も可能です。お墓の値段相場や東京都のお墓事情も解説しています。お墓を購入・建てる際に参考にしてください。

    6

シェアする

関連する記事

「中国・墓」についてさらに知りたい方へ

世界のさまざまなお墓について調査しました!のサムネイル画像

世界のさまざまなお墓について調査しました!

近年のお墓事情はどうなっているの?最新情報をお伝えします!のサムネイル画像

近年のお墓事情はどうなっているの?最新情報をお伝えします!

沖縄のお墓はなぜ大きいの?知っておきたい現代事情も説明します!のサムネイル画像

沖縄のお墓はなぜ大きいの?知っておきたい現代事情も説明します!

お墓の歴史について知りたくないですか?ディープな世界をご案内のサムネイル画像

お墓の歴史について知りたくないですか?ディープな世界をご案内

沖縄のお墓の形についてその種類や特徴、現在のお墓事情まで全て解説のサムネイル画像

沖縄のお墓の形についてその種類や特徴、現在のお墓事情まで全て解説

お墓に込められている意味を時代ごとにご紹介しますのサムネイル画像

お墓に込められている意味を時代ごとにご紹介します

日本のお墓文化について様々な儀礼と歴史についてまとめました!のサムネイル画像

日本のお墓文化について様々な儀礼と歴史についてまとめました!

お墓を作る意味やお墓の歴史などを知っていますかのサムネイル画像

お墓を作る意味やお墓の歴史などを知っていますか

お墓を作らない?変化しつつあるお墓のあり方のサムネイル画像

お墓を作らない?変化しつつあるお墓のあり方

お墓を種類ごとに徹底比較!様々なお墓の違いをご紹介します!のサムネイル画像

お墓を種類ごとに徹底比較!様々なお墓の違いをご紹介します!

人気のキーワードの記事一覧

キーワード記事一覧へのリンクです

ランキング

よく読まれている記事です

お墓や墓石の費用相場はいくらなの?値段の内訳や購入のコツもご紹介のサムネイル画像

お墓や墓石の費用相場はいくらなの?値段の内訳や購入のコツもご紹介

1
樹木葬の費用相場はいくらなの?内訳や料金を左右する要因を解説のサムネイル画像

樹木葬の費用相場はいくらなの?内訳や料金を左右する要因を解説

2
永代供養の費用相場はいくら?内訳や料金が安く抑えられる理由を解説のサムネイル画像

永代供養の費用相場はいくら?内訳や料金が安く抑えられる理由を解説

3
納骨堂に納骨する時の料金の相場はいくら?のサムネイル画像

納骨堂に納骨する時の料金の相場はいくら?

4
墓じまいの費用相場はいくらなの?改葬の方法や納骨先の探し方も紹介のサムネイル画像

墓じまいの費用相場はいくらなの?改葬の方法や納骨先の探し方も紹介

5
東京都で人気の墓地霊園ランキング13選!お墓の値段相場・資料請求のサムネイル画像

東京都で人気の墓地霊園ランキング13選!お墓の値段相場・資料請求

6

関連する記事

「中国・墓」についてさらに知りたい方へ

世界のさまざまなお墓について調査しました!のサムネイル画像

世界のさまざまなお墓について調査しました!

近年のお墓事情はどうなっているの?最新情報をお伝えします!のサムネイル画像

近年のお墓事情はどうなっているの?最新情報をお伝えします!

沖縄のお墓はなぜ大きいの?知っておきたい現代事情も説明します!のサムネイル画像

沖縄のお墓はなぜ大きいの?知っておきたい現代事情も説明します!

お墓の歴史について知りたくないですか?ディープな世界をご案内のサムネイル画像

お墓の歴史について知りたくないですか?ディープな世界をご案内

沖縄のお墓の形についてその種類や特徴、現在のお墓事情まで全て解説のサムネイル画像

沖縄のお墓の形についてその種類や特徴、現在のお墓事情まで全て解説

このページの先頭へ

終活ねっと 〜マガジン〜  Copyright© 株式会社 終活ねっと