日本の人口ピラミッドはほんとうに危ない状態なの?

日本の人口ピラミッドはほんとうに危ない状態なの?

日本の人口の少子高齢化は世界でも先端といわれています。ほんとうに日本の人口は世界と比較してそんなに危機的な状況なのでしょうか?時間(歴史)と空間(地域)から眺めてみれば、その実体がわかるかもしれません。

最終更新日: 2020年08月26日

歴史で見る人口の推移

日本の人口は少子高齢化、つまり少子化と高齢化が進んでいると言われています。
歴史的な流れからその移り変わりを見てみます。

昭和25年と50年あたりをピークに人口の増加率の低下が続いています。

日本の人口は、統計局の人口推計によると平成29年1月現在で1億2686万人、前年比で17万人の減少です。
2005年に戦後初の減少となったあとは、横這い、2011年からはまた減っているという状態です。
これまでも増加率の低下は続いていましたが、総人口が減少に転じたのは2005年以降ということになります。

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今回、「終活ねっと」では以下の項目を中心に解説します。

  • 人口の推移
  • 人口ピラミッドの比較
  • 日本の人口分布
  • 地域ごとの貧困率・合計特殊出生率

日本の人口ピラミッドに関して詳しく解説しました。
ぜひ最後までお読みください。

超長期人口の推移

では、過去、日本列島はどのくらいの人口だったのでしょうか?

縄文時代から弥生時代までは2~59万人でした。
人口増加率が上がったのは、縄文から弥生時代に移る時と関ケ原の後と明治維新の後です。
弥生時代には大陸から渡来人が大挙したといわれています。
関ケ原の後は戦乱の時代が終わって世の中が安定したこと、次には産業革命によって生産性が格段に上がったことにより急激な増加になっています。

また、超長期の視点でみると二度の世界大戦でも人口の減少は見られず、逆に増えていっています。
戦争によって人口が減少しなかったというのは驚きですが、細かく見てみると戦時中には一旦減りましたが、その後急激に上昇して減少分を超えています。

人口の増加は経済力や国力の増加につながる一方、相応のインフラの整備が遅れる、経済政策が追いつかない、などの問題が起こる可能性が高く、それにより格差の拡大や社会不安を招くこともあります。

人口の増減は、政治システムの安定や産業革命の他に、気候変動や、弥生時代に大陸から渡来人が多く渡ってきたなどの大きな移動や、衛生設備の発達などさまざまな要因が絡んできますし、起きてくる問題も単純ではありません。

近代以降の推移

増加率で見ますと、第1次大戦の時に人口の増加率はガクンと落ちました。
総人口そのものは増えています。
同じように第2次大戦の時にも増加率はまずガクンと落ちました。
総人口もわずかに減りました。

しかし、戦後の引き揚げにより増加率は急激に跳ね上がり、総人口も再び増えました。
現在の人口ピラミッドのいびつな形は多くはこの時の人口増加の影響があるのではないかと言われています。

沖縄返還のときは沖縄の人口が加算されたことにより増加率は上がりました。

また近代以降は科学の発達により衛生設備その他のインフラが整備されたり、医療技術の進歩などで平均寿命が伸びたことも総人口の増加に影響しています。

しかし、明治以降からの推移で見ても日本の総人口は増え続けてきたあと、たしかに伸びは止まり、今後の減少率が危惧されてはいますが、実際の総人口はまだそれほど減っているようには感じません。
では次に、年齢別人口の推移を見てみます。

年齢別人口推移

総人口は平成20年くらいから減少に転じているのですが、年齢別割合で0~14才の子どもの数は昭和25年からも減り続けています。
15~64歳の生産年齢人口は平成に入ってからなだらかに減少しています。

特に国が危機感を募らせているのが、65歳以上の人口割合の増加カーブが上がってきたことと、総人口に対して25%以上に達してきたことです。

将来の労働人口の減少に対して高齢者が増えることにより、現在の賦課方式の年金システムや社会保険制度の基盤が危うくなってくると言われています。
社会保障制度の問題だけでなく、若年層が減り続ければ、将来予測される出生率も低下し続けることになり人口減少に歯止めがかからないことも予想されてきます。

日本の人口ピラミッドと世界の比較

では、そのような人口問題は日本だけの問題なのでしょうか。
次は、日本の人口と世界の人口を比較しながら、現在の日本の置かれている状態を見ていきます。

日本の人口ピラミッド

昭和22年から24年の第1次ベビーブームの人口増加は、戦後の引き揚げにより人口が増えたことと、平和になって出産が進んだこと、また医療の進歩などにより乳幼児の死亡率が低下したことなどが重なり、一気に人口が増えたことを示しています。

この20~30年後の間で第2次ベビーブームが訪れています。
しかしその後の出生率は下がり続け、40代をピークに若年層の人口は減り続けています。

ここで、なぜ出生率は低下し続けたのか?という疑問が浮かんできます。
なぜ、若い人たちは子どもを産まなくなったのか?
現在の日本が直面している大きな課題です。

同時に、日本の人口の大きな特徴として若年層が減り続ける一方、高齢層は増え続けているという現象があげられます。
それがつぼ型の人口ピラミッドの形となっています。

これは世界も同じなのでしょうか?

世界の人口ピラミッド

日本の人口ピラミッドと比較して、世界はどうなのでしょうか?
2015年(平成27年)時の世界の人口ピラミッドはほぼきれいな三角形です。
高齢者は少なく生産年齢人口が多く、乳幼児の数も多くなっています。

2016年時で世界の総人口は約73億人となっています。
1位は中国で13億、2位はインド12億、3位アメリカ3億と続き、日本はロシア1億4千万の次の10位で約1億2千万となっています。
以下は世界の人口ランキングです。
(下の緑色のボタンをクリック)

これを見ると少子化が叫ばれていますが、日本は世界で10番目に人口が多い国となっています。

下のリンクは世界の国々の面積ランキングです。
日本はスウェーデンやイラクよりも狭い約37万k㎡で61位となっています。
ドイツの約35万k㎡よりは広いですが、ドイツの人口は16位で約8億2千万です。
(面積のランキングを見るには下の緑色のボタンをクリック)

この2つのランキングから見ると、日本の総人口は決して少ないわけではないことがわかります。

国土の面積からは、世界に比較して人口過密の傾向にあるとも言えます。
しかし、下の地図から、日本の国土面積は約38万k㎡としても、領海を含めれば+43万k㎡となり倍以上になります。
山海の珍味といわれるように海からもたらされる食料資源なども考えて面積に含めれば、約81万k㎡となります。

※参考までに

日本の国土面積 約38万k㎡
日本の領海(含:内水) 約43万k㎡
接続水域 約32万k㎡
排他的経済水域(含:接続水域) 約405万k㎡
延長大陸棚※ 約18万k㎡
領海(含:内水)+排他的経済水域(含:接続水域) 約447万k㎡
領海(含:内水)+排他的経済水域(含:接続水域)+延長大陸棚※ 約465万k㎡

さらに日本の国土は山林が多く、四季の変化に富み、土地生産性は決して低くないといえます。
起伏に富むことから大規模農業に向かないと言われていますが、米など食糧生産の技術は年々上がり、減反政策が取られ続けています。
人口過密かどうかの判断は単純にはできないように思われます。

世界各国との比較

では、世界各国の人口ピラミッドはどうなっているのでしょうか。

主な国との比較になります。
一番上が日本、2番目が中国、以下インド、インドネシア、オーストラリア、アメリカ、ドイツ、フランス、ギリシャ、南アフリカ、ブラジルの順となっています。
また、左端が2010年時、横に2020年予想、2030年予想と並びます。

さまざまな形の人口ピラミッドがあるのがわかります。

おおざっぱに見てヨーロッパなど先進諸国は日本に似た形、新興諸国は理想的な三角形に近い形といえます。
平均して世界の人口ピラミッドはほぼ三角形となっています。
日本と同じような人口ピラミッドは先進諸国に見られることから、先進諸国は日本と共通した問題を抱えていることがわかります。
少子高齢化は日本だけの問題ではなく、ある程度経済が発達した国に見られる現象ということになります。
しかし65歳以上の人口は日本が世界一となっています。

人口の増加率には大きな人口移動や社会の安定、産業革命などの科学技術の発展による医療の発達や経済の発展などが影響を与えてきました。
現在の日本の人口に対する影響を見ることはできるのでしょうか。

地図で見る日本の人口分布

経済規模をみるなら、日本は世界3位と言われています。
中でも、東京は世界一の巨大都市であり、東京、名古屋、大阪を結ぶラインは、都市としては世界一の経済規模となっている模様です。

人口分布図を見ても、その地域の人口密度が非常に高いのがわかります。
世界一の経済規模を持つ地域の人口集約度はやはり非常に高く、多くの労働人口を集約しています。
一方、高い山脈地帯を除いても、その他の地域の人口密度は高くありません。

地図で見る地域の違い

15~64才の労働人口は大都市圏に集約され、65歳以上の層は地方に分散されている状態です。
都市圏の高齢者の問題もありますが、やはりその割合は地方に多いのが実情のようです。

現在の日本では、大都市圏に生産年齢層が極端に集約される一方、地方からはその年齢層の流出が進み、高齢化に拍車がかかっている、という現象が見られます。

貧困率

おおざっぱに言って中央から遠ざかるほど貧しくなっているといえます。
地方の過疎化の現れ、地方人口が大都市圏に流入することにより、地方の人口が少なくなり、経済活性が低下して貧困率が高くなっているとも言えます。

合計特殊出生率

合計特殊出生率とは一人の女性が一生に産む子どもの平均数のことで、理論上2以上なら人口が増え、以下なら減るとされています。
そして下の地図で青い色が強くなるほど、出生率が下がって子どもの数が減り、赤色が強くなるほど上がって子どもの数が増えます。
関東以北では出生率が低い傾向があり、関西から沖縄では出生率が高めな傾向にあります。
また、大都市圏は出生率は低めになっています。

今後の人口予測

日本の人口は、大都市圏に生産年齢人口が集約され、地方で過疎化が進むと同時に都市部よりも高齢化も進んでいる現状が見えてきました。
このような現状から今後の人口はどのように予測されているのでしょうか?

実は予想より減っていなかったようです。
その原因として、まず予想より出生率が上回ったことがあげられます。
日本は2005年から2015年に向けて下げ止まっている傾向がみられます。
また長期の合計特殊出生率は諸外国でも大きく下がっています。

日本の少子高齢化は世界一かもしれませんが、特に日本だけの特殊な問題というわけでもなく経済が発達した国々は同じような問題を抱えているともいえるのではないでしょうか。

また、政策として在留外国人数が増えたことも影響しているようです。
2008年から2011年にかけて一旦減少傾向にありましたが、再び上昇に転じています。
超長期の人口推移を見ても弥生時代に渡来人が多く渡ってきたことにより大きく人口は増加しました。
海外からの人口流入は今後も影響を与えていくと思われます。

まとめ

日本の人口は、長い歴史の流れの中で急激な上昇のあとピークを迎えました。
今後は減少が予想されますが、出生率が下がって生産年齢人口が減り、それ以外の従属人口、特に高齢層が増えることが大きな問題となっています。
その傾向は日本が世界一ですが、特に先進諸国で同じような傾向にあり、日本だけの特殊な問題ではありません。

日本は世界3位の経済規模を持ちますが、その経済活動と労働人口は大都市圏に集約され、都市と地方の格差が大きな問題となっています。
都市圏よりも地方の高齢率、貧困率は高く、大都市の出生率が低い傾向があります。

人口減少の原因は多々あると思われますが、地方を魅力あるものとして再生していくことが、日本全体を格差の少ない、住みやすい国へと変えていくきっかけになるのかもしれません。

また直近では、想定より出生率がわずかながら増加していたり、在留外国人が増加していたりして総人口の減少が予想を下回っています。

しかしながら、日本の総人口は世界10位で決して少なくはありません。
さらに日本の国土面積は世界61位と決して広くはありません。
総人口が増えるのはいいことなのでしょうか?

さらに環太平洋地帯で地震や台風などの災害もあります。
しかし、そのために変化に富む景観や温泉などの環境に恵まれ、土地生産性も高く、山海の珍味にも恵まれ、魅力ある国土と言えます。

広い領海を十分に活用できれば、現在の総人口を吸収する生産力は持っているのではないでしょうか。
この自然の魅力を十二分に生かし、多様な価値観をもって、異なる価値観を持つ人どうしでも互いに助け合える国を作っていけば、人口問題は自ずと解決していくのではないでしょうか?

対して世界の人口は増え続けています。
でも新興諸国の経済発展が進み、先進諸国が多様な価値観と相互扶助の理念を持ち続けて努力していくなら、同じように解決の糸口も見えてくるのではと期待しています。

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