京都五山の寺はどうして6つあるの?いい覚え方はある?

京都五山の寺はどうして6つあるの?いい覚え方はある?

京都のガイドブックを見ていると「五山第何位」と書かれていることがありますが、五山というと送り火を連想して混乱する人もいるようです。京都五山とはどういう寺を指すのか、どんな歴史があるのか知りたいと思いませんか?

最終更新日: 2020年02月28日

京都五山とは?

寺

五山というのは寺格制度の1つです。
インドの古い仏教施設を天竺五精舎(てんじくごしょうじゃ)といい、それを真似て南宋が自国の5つの寺院を選んで保護を与えました。
さらに、それを真似て作ったのが日本の五山制度です。
鎌倉時代の終わりに北条氏が選んだ五山もあったようですが、どの寺院を選んだのか現在には伝わっていません。
普通、五山というと室町幕府が選んだ五山をいい、後に京都五山と鎌倉五山の2つに分けられました。

五山は政治的に選ばれたもので、入っているから重要な寺、入っていないからつまらない寺と簡単にいえるものではありません。
そもそも、五山は室町幕府が帰依した臨済宗の寺院からのみ選ばれましたし、特に京都五山は政治的要因で順位の入れ替えが結構ありました。
しかし、五山に選ばれている寺は幕府の保護を受けて繁栄した歴史があり、貴重な文化財を持っていることは事実です。
この記事では、京都五山について紹介したいと思います。

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「終活ねっと」運営スタッフ

今回「終活ねっと」では、京都五山について以下の項目に沿って解説していきます。

  • 京都五山と五山送り火の違い
    京都五山である6つの寺を紹介
    京都五山の覚え方

お時間がない方も知りたい情報をピックアップしてお読みいただけます。

ぜひ最後まで目を通していただけると幸いです。

「京都五山」と「五山送り火」

ところで、「京都五山」と「五山送り火」を混同している人はいませんか?これは全く別物です。

仏壇

京都五山は室町幕府による寺の格付け制度、五山送り火はお盆の終わりに5つの山に文字や記号を象った火を灯し、お盆に迎えた祖先の霊を帰す儀式です。
五山送り火も仏教関連ではありますが、関わっている寺は別です。
ややこしいですが、間違えないでくださいね。

京都五山の寺6つ

それでは京都五山の寺を紹介します!
実は、五山を決め終えた後、幕府が威信をかけて造った寺を五山に組み込んだために「別格」を設けることになりました。
その結果、5つではなく6つの寺があります。
全て臨済宗の寺です。

別格:南禅寺

南禅寺は亀山法皇が無関普門禅師を迎えて始めた寺です。
五山が京都と鎌倉に分かれる前から五山の最上位に位置付けられていました。

その歴史に相応しく、広い境内を有し、建築物も大きく立派な造りです。
特に、石川五右衛門の「絶景かな、絶景かな」というセリフにもなっている三門が有名で、桜や紅葉の名所にもなっています。
少し変わったところで、境内にある明治の頃に造られた水路閣は古代ローマ風のレトロでおしゃれな雰囲気があります。
写真撮影におすすめです。
不思議と東山の景観に馴染んでいます。

第一位:天龍寺

京都五山第一位は天龍寺です。
京都五山の中では唯一の世界遺産で、風光明媚な嵐山にあります。
亀山、小倉山、嵐山などを借景にした壮大な曹源池庭園が有名です。
作庭者は数々の名庭を残した夢窓疎石で、初代住職も勤めました。
創建は足利尊氏によります。
南朝の吉野で崩御した後醍醐天皇を弔うのが目的でした。
造営資金を集めるため、幕府は天龍寺船を出して貿易を行ったことが有名です。

第二位:相国寺

相国寺は幕府が置かれた花の御所の隣に足利義満が建てた寺です。
この寺を五山に加えるために南禅寺を別格に格上げし、京都五山と鎌倉五山に分けたという歴史があります。
義満の死後に元に戻されますが、一時は天龍寺の上に格付けられていました。
室町時代には禅僧による五山文学が栄えます。
その中心地が相国寺でした。
文学とは異なりますが、相国寺が輩出した最も有名な僧に雪舟がいます。
山外塔頭に鹿苑寺(金閣)や慈照寺(銀閣)があります。
塔頭の方が有名かもしれませんね。

第三位:建仁寺

建仁寺は京都最古の禅寺で、源頼家の寄進により臨済宗の開祖栄西が開きました。
創建当初は情勢に合わせて天台、密教、禅の3つの宗派を取り入れた道場でしたが、宋僧・蘭渓道隆によって純粋な臨済宗の寺に改められました。

建仁寺の所有する文化財としては、俵屋宗達の風神雷神図が名高いです。
原本は京都国立博物館で保管されていて、建仁寺ではレプリカを見られます。
賑やかな祇園にあって落ち着きを感じられる場所です。

第四位:東福寺

京都五山第四位の東福寺は、古い禅宗の伽藍を残しているのが見所です。
京都の寺院は応仁の乱で伽藍を失い、現在の建物は江戸時代に再建されたものだという寺が多く、五山の寺も例外ではありません。
しかし、東福寺はそれより古いものを多く残しています。

東福寺は紅葉の名所としても親しまれています。
また、創建のエピソードとして、奈良の東大寺と興福寺から1字ずつ取って「東福寺」とした話も有名です。

第五位:万寿寺

残念ながら、万寿寺は非公開で拝観することはできません。
現在は東福寺の塔頭になっており、東福寺の参拝時にちらりと総門を見ることはできます。
日本に禅宗がもたらされる前からある寺で、元々は白河上皇が創建した天台宗の寺院だったのを臨済宗の寺に改めたものです。
衰退や移転、周辺寺院との合併などの歴史を経て、今は東福寺駅のすぐそばにあります。

京都五山の覚え方

京都五山を覚える方法には、「天(天龍寺)国(相国寺)のケン(建仁寺)ちゃんトウフ食(東福寺)ってマン(万寿寺)ゾク」というものがあります。
南禅寺が入っていませんが、南禅寺は別格ですからね。
別に覚えましょう。

京都五山のまとめ

いかがでしたか?
今に伝わる京都五山は、室町幕府が重きを置いた臨済宗の寺院です。
巡るために決めたわけでもないので、京都市内に点在し一度の旅行で回りきるのは難しいかもしれません。
気になった寺から1つずつ何回かに分けて行くことをおすすめします。

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