竹取物語(かぐや姫)のあらすじをできるだけ原文に添って

「竹取物語」のあらすじです。作られたのはおおよそ9世紀末から10世紀初頭にかけてとされ、作者不明、現存する最古の物語とされています。書籍や映像などで何度も取り上げられてきたこの「竹取物語」を今回はできるだけ原文に添った形でそのあらすじをご紹介したいと思います。

目次

  1. 竹取物語について
  2. 竹取物語あらすじ~前半
  3. 竹取物語あらすじ~中盤・その一
  4. 竹取物語あらすじ~中盤・その二
  5. 竹取物語あらすじ~後半・最終章
  6. 竹取物語(かぐや姫)のあらすじのまとめ

竹取物語について

竹取物語

「今は昔、竹取の翁といふ者ありけり。…」という書き出しから始まる「竹取物語」は、「かぐや姫」というタイトルで小さな子供からお年寄りまで広く知られています。
作られたのはおおよそ平安時代前期とされ、作者は未詳、現存する最古の物語とされています。
紫式部の「源氏物語」に於いても「物語の出で来はじめの祖」と記され、「源氏物語」をはじめとする後世の多くの物語文学に大きな影響を与えたとされています。
物語の素となっているのは伝説や説話などの民間伝承と考えられますが、求婚者の名前に実在した人物名が使われていたり、貴族の暮らしぶりなどが描かれていることなどから、当時の貴族社会を風刺した風刺物語とも言えます。
今まで繰り返し書籍や映像で何度も取り上げられてきたこの「竹取物語」を、今回はできるだけ現文に沿った形でそのあらすじをご紹介したいと思います。

竹取物語あらすじ~前半

竹取物語

かぐや姫の生い立ち

かぐや姫の誕生

昔、竹を取って籠などの竹細工を作ることを職業としている竹取の翁(おきな)という者がいました。ある時、翁がいつものように竹を切っていると、その竹の中に光る竹が一本あるのを見つけます。
翁が不思議に思ってその光る竹に近づいてみると、竹の筒の中が光っていて中に小さなかわいらしい子供が座っていました。
翁は自分が毎日取っている竹の中にいたのだから、自分と縁がある子供に違いないと思い家に連れて帰り、妻の媼(おうな)と共に育てることにします。
その子供を見つけて以来、竹取の翁が竹を切ると中に黄金が入った竹を見つけることが重なり、翁はだんだんと裕福になっていきました。

かぐや姫の成長

子供は育てていくうちにどんどんと成長し、三か月ほどで十二・三歳くらいの大きさになったので裳着(もぎ)や髪上げなどの成人の儀礼を行い、帳の中から出すこともせず、大切に育てました。
その子供は世にまたとないような美しさであったので、家の中は光が満ち溢れ、翁は気分がすぐれない時も苦しい時もその子を見れば気分が良くなり、腹立たしいことがあっても気がまぎれました。

なよ竹のかぐや姫

翁は黄金が入った竹を見つけることが長く続き、いつのまにか大変な金持ちになりました。
子供はすっかり大人に成長したので、翁は御室戸斎部(みむろといんべ)の秋田を招き、名前をつけさせることにしました。秋田はその子を「なよ竹のかぐや姫」と名付けました。
翁は命名のお祝いに多くの男たちを呼んで、三日間の盛大な祝宴を開きました。やがて多くの男達がかぐや姫の噂を聞きつけ、身分に関わらず皆このかぐや姫を妻にしたいと望むようになります。

竹取物語あらすじ~中盤・その一

竹取物語

五人の貴公子と五つの難題

五人の貴公子からの求婚

多くの男たちが、かぐや姫を一目見ようと夜昼なく姫の家の周りをうろうろするようになります。そのうちにあきらめて来なくなった者もいましたが、中には最後まであきらめず熱心に通い続けた男たちもいました。
通い続けたのは、石作(いしつくり)の皇子、車持(くらもち)の皇子、右大臣阿倍御主人(あべのみうし)、大納言大伴御幸(おおとものみゆき)、中納言石上麻呂足(いそのかみのまろたり)の五人の貴公子たちでした。
彼らはなんとか一目かぐや姫に会いたいと何度も翁を説得しようとしますが、「自分が産んだ子ではないので思い通りにはいかないのです。」と言って断られ続けます。
それから月日が経っていきますが、貴公子たちはあきらめようとはしないので、とうとう翁も折れて「自分も高齢になってきて、姫の将来のことが心配です。熱心に通ってきてくださっている五人の方たちの中から一人選んで結婚してはどうですか。」とかぐや姫に結婚を勧めます。
しかし、結婚をしたくないかぐや姫は、相手の愛情の深さを確かめた上でなくては結婚はできないと言い、結婚の条件として五人の貴公子たちにそれぞれ難題を課すように翁に頼みます。

五つの難題

五人の貴公子たちに与えられた課題は、かぐや姫が見たいを思っている物を持ってくることでした。
石作の皇子には仏の御石の鉢を、車持の皇子には蓬莱(ほうらい)の玉の枝を、右大臣阿倍御主人には火鼠の皮衣を、大納言大伴御幸には龍の頸の玉を、中納言石上麻呂足には燕の子安貝(こやすがい)を。いずれも誰も見たことがなく存在するかさえも分からない宝物でした。
五人の貴公子たちはあまりの難題にがっかりして帰っていきます。しかし、やはりかぐや姫をあきらめきれない五人は、それぞれに課題とされた物を用意するべく知恵を絞り、大金を投じ、命をかけて贈り物を用意しようとします。

石作の皇子と仏の御石の鉢

石作の皇子は三年後に、大和の国の山寺にあった煤けた鉢を蓬莱から持ってきた仏の御石の鉢と偽り、姫のもとに持っていきます。しかしすぐに見破られてしまい姫に冷たくあしらわれて去って行きます。
この時に鉢を捨てて、しつこく言い寄ったことから「恥(鉢との掛詞)捨てる」と言われるようになります。

車持の皇子と蓬莱の玉の枝

車持の皇子は、蓬莱の玉の枝を工匠に作らせ姫に贈ります。姫は見事な細工に騙されそうになりますが、枝を作った工匠が謝礼を翁のところにもらいに来たため偽物だとわかり、枝を突き返され結婚を断られます。これを恥て皇子は深い山に姿を隠します。
このことから玉の枝と魂離る(魂が抜けたようになる)を掛けて「たまさかる」と言われるようになります。

右大臣阿倍御主人と火鼠の皮衣

右大臣阿倍御主人は、大金を投じ火鼠の皮衣を天竺から取り寄せ姫に贈りますが、真偽を疑ったかぐや姫に衣を燃やすように言われます。右大臣が言葉通りに火をつけてみたところ衣は燃え尽きてしまい、姫を妻にという望も尽きてしまいます。
このことから無駄になってしまうことを「阿倍なし」に掛けて「あへなし」と言われるようになります。

大納言大伴御幸と龍の頸の玉

大納言大伴御幸は龍の頸の玉を家来に取りに行かせますが、家来たちは従ったふりをして取りに行きません。業を煮やした大納言自らが海に漕ぎ出し玉を取りに行こうとしますが、途中で嵐に合います。船頭に嵐が龍のせいだと言われた大納言は計画の中止を龍に誓います。
すると嵐はおさまり、なんとか播磨の浜に流れ着くことができました。大納言は命からがら家に帰りつきますが、あまりにひどい目にあったため、かぐや姫をあきらめます。
この時に大納言は目を患い両目の上にスモモのような腫物がができ、それを見た人が「あな食べ難い」と言ったことから「あな堪え難=割に合わない」と言われるようになります。

中納言石上麻呂足と燕の子安貝

中納言石上麻呂足は、燕の子安貝を得るために家来にツバメの巣から子安貝を採らせる策を講じますが、なかなかうまくいきません。埒が明かないことにイライラした中納言は、自ら籠に乗り子安貝を採ろうとしますが誤って籠から落ち大怪我をしてしまいます。
これを聞いたかぐや姫は中納言の事を気の毒に思い歌を送りました。歌を受け取った中納言は姫に返歌をしたのち息を引き取ります。
中納言が落ちた時に手にしていたものが貝ではなく燕の糞であったことから、巣に貝は無い「かひなし=甲斐なし」と言われるようになります。また、かぐや姫が中納言を気の毒に思ったことから「甲斐あり」とも言われるようになります。

竹取物語あらすじ~中盤・その二

竹取物語

帝からの求婚

かぐや姫の美しさと五人の貴公子を拒絶した噂は、とうとう帝のもとにも届きます。
帝は使いの者をかぐや姫のもとに遣わし、姫を見てくるように命じますが姫は頑なに会おうとせず、困り果てた使いの者は帝にその旨を訴えます。
帝は竹取の翁を呼んでかぐや姫に宮仕えをするように申し渡しますが、かぐや姫はこれにも「従うくらいなら死にます。」と言って拒絶しました。
そこで帝は狩を口実に翁の家に行幸することにしました。かぐや姫を見た帝は姫を連れて帰ろうとしますが、突然かぐや姫は影のようになってしまいます。帝はかぐや姫をただ人ではないと理解し、連れて帰ることをあきらめます。
その後、帝はかぐや姫と文を取り交わすことで心を通わせるようになりました。

竹取物語あらすじ~後半・最終章

竹取物語

かぐや姫の嘆き

それから三年ほど経ったある年の春ごろから、かぐや姫は月を見ては物思いにふけるようになります。その悲しげな様子に翁をはじめまわりに仕える人々は心配しますが理由はわかりませんでした。
やがて八月十五日近くのころになると、かぐや姫はひどく嘆き悲しむようになります。
心配した翁と媼が尋ねると、かぐや姫は自分は本当は月の都の人間であり今月の十五日には迎えが来るので月へと帰らなければならないこと、今は慣れ親しんだこの国を去ることが辛く、翁たちとの別れを思うと嘆き悲しまずにはいられなかったことを話します。
このことを聞いた帝は、翁の家に二千の武装した兵を差し向け警護に当たらせます。
かぐや姫はどれほどの備えをしても月からの迎えを妨げることはできないと言い、両親との別れに涙します。翁はかぐや姫を媼と共に塗籠に入れしっかりと鍵をかけその前に座ります。

かぐや姫の昇天

そうこうしているうちに夜も更け、夜中の十二時頃、あたりが急に真昼以上に明るくなり空から雲に乗って月からの使者が降りてきました。
翁や兵たちは、かぐや姫を連れて行かせまいとして戦おうとしますが、身体に力が入らず戦意も失い為す術がありません。とうとう塗籠も開けられてしまい、かぐや姫も媼の手を離れて出てきてしまいます。
あまりに嘆き悲しむ翁たちを見て、かぐや姫は両親に着物と手紙を、帝には手紙に不死の薬を添えて形見として渡しました。
そうして、天の羽衣を着せられたかぐや姫は今までの事をすべて忘れてしまい、月からの使者と共に天に帰って行きました。

富士の山(不死の山)の煙

かぐや姫を失った翁と媼は悲しみのあまり病の床に就いてしまいます。また、かぐや姫から手紙と不死の薬を贈られた帝も悲しみ、天に一番近いと言われる駿河の山の頂上にてその手紙と薬を燃やすようにと命じました。
その時にたくさんの兵士を引き連れて山に登ったことからそれ以降、その山を士(兵士)が富む山と不死(不死の薬)を掛けて「富士の山」と呼ぶようになり、不死の薬を焼いた煙は今だ雲の上まで立ち上っていると言い伝えられています。

竹取物語(かぐや姫)のあらすじのまとめ

竹取物語

以上ができるだけ現文に添った「竹取物語」のあらすじになります。今も新たな解釈や演出によって表現されることが多い作品なので、皆さんがそれぞれご存知の「竹取物語」や「かぐや姫の物語」とは若干あらすじが違うところがあるかもしれません。
しかしながら、約千年に渡ってほぼ現文通りに伝えられているということは、多くの人々に好まれる内容であったことと、完成度の高い魅力的な作品であったからだと言えるのではないでしょうか。
一部の原文は、中学や高校の古典の授業などでも必ずと言ってよいほど教材として使われています。比較的わかりやすい内容の為、挑戦しやすいと思いますのでチャレンジしてみてください。

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