仏壇の素材にはどんな種類があるの?|ランク・本尊・黒檀・宗派

仏壇の素材にはどんな種類があるの?|ランク・本尊・黒檀・宗派

仏壇には、伝統的なものから現代的なデザインのものまでいろいろなタイプがあることはみなさんご存知だと思います。ですが、仏壇の素材にも種類があることをご存知ですか?材質によって価格が多く変わることもあります。そこで今回は、仏壇の素材の種類について解説します。

最終更新日: 2020年02月29日

仏壇の素材にはどんな種類があるの?

仏壇

現代の住宅事情などで仏壇を置くことが難しい場合も、心の中に仏壇を置いて生活することが大事です。

ただ近年、住宅事情に合わせた様々なタイプの仏壇が販売されるようになってきました。
伝統的なタイプのものから斬新なデザインのものまで、あるいは大きなサイズのものからミニ仏壇まで幅広い選択肢の中から選べるようになっています。
仏壇を比較的気軽に購入できるようになってきているのです。

そこで今回「終活ねっと」では、仏壇の材質にはどんな種類があるのか説明していきます。

  • 仏壇にはどんな種類があるの?

  • 仏壇にはそれぞれどんな素材が使われているの?

  • 仏壇の価格やランクの違いはどうやって決まるの?

  • 仏壇にお祀りするご本尊や掛け軸にも違いはあるの?

以上の点を中心に解説していきます。
仏壇購入の際の参考にして頂ける内容となっているので、ぜひ最後までご覧ください。

仏壇の種類について

仏壇

江戸時代に、キリスト教への警戒から取られた寺請制度(檀家制度)が始まりとされる仏壇。
仏壇には、長い歴史を持つ伝統的なものから、扉を閉じると一見仏壇とは思えないような現代的なものまで実に様々なタイプがあります。

それらを大きく分けると、金仏壇・唐木仏壇・モダン仏壇の3種類に分類できます。
それぞれの素材など特徴について見てみましょう。

金仏壇

金仏壇とは日本の伝統的な仏壇のタイプのうちの一つで、別名塗り仏壇とも呼ばれます。
全体が黒い漆塗りになっていて、仏壇内部には金箔や金粉が貼り付けられています

金仏壇は宗派の本山の寺院本堂を模したミニチュアバージョンといえます。
金閣寺・銀閣寺のうちの金閣寺に例える見方もあります。
また、その豪華さと威厳から、浄土の世界を表しているとも言われます。

主に浄土真宗で取り入れられていますが、それ以外の宗派でも金仏壇をお祀りしている家が多い地域があります。
江戸時代から続く金仏壇の名産地で、経済産業大臣による伝統工芸品の指定を受けた15の地域があります。

金仏壇の伝統的な工程には木地・漆塗り・金箔押し・蒔絵・彫刻・錺金具(かぎりかなぐ)などがあります。
そしてそれぞれの工程を専門の職人が担当します。

日本の伝統工芸の高い技術が生かされた仏壇です。
ただ、最近ではベトナムや中国など外国から輸入された金仏壇も多数登場しています。

唐木仏壇

紫檀(したん)・黒檀(こくたん)・鉄刀木(たがやさん)といった東南アジアなどが原産の銘木が中国(唐)を経てに日本に入ってきていたことから、それらを唐木と呼んできました。
唐木仏壇は唐木を使って作られた仏壇を言います。

浄土真宗では金仏壇が基本ですが、それ以外の宗派で多く見られるのが唐木仏壇です。
金仏壇ではありませんが、仏壇の中の正面の板に金箔が張られていることもあります。

木目の美しさを最大限に生かした、重厚感のある仕上げが大きな特徴です。
金仏壇と比べると豪華さよりもシンプルさ・簡素さが感じられます。
金閣寺・銀閣寺のうちの銀閣寺に例える見方もあります。
日本独特の美的感覚である「わび」「さび」の精神が込められていると言っても良いでしょう。

ただ、唐木と呼ばれる銘木は入手困難になっており、唐木だけで作られた仏壇は少なく、値段もかなり高価になります。
多くは、中心材を一般的な木材にして表面材を唐木にする工法で作られている場合が多いです。
また、杉・檜などの日本産銘木を使って作られるものも増えています。

日本国内では、唐木仏壇の産地として、徳島・静岡・大阪・東京など有名な所が数か所ありますが、中国やインドネシアなど外国産の唐木仏壇も増えてきています

モダン仏壇

モダン仏壇は洋風のリビングルームやダイニングルームなどにもマッチするデザインに仕上げられた仏壇です。
扉を占めると仏壇に見えないようなデザインのものも多く、家具調仏壇あるいはインテリア仏壇・都市型仏壇などと呼ばれることもあります。

サイズも、床置きタイプの大きなものから、棚置きタイプや壁掛け型のミニサイズのものまでいろいろあります。
構造は伝統的な仏壇と同じで、中心材を表面材で覆った工法で作られているものが多いです。
中にはガラスを組み合わせたものや、金属で作られたものもあります。

なお、「終活ねっと」では以下のページで、神道には仏壇に当たるものがあるのか、祖霊舎とはどういうものかということについて解説しています。
ぜひご覧ください。

それぞれどんな素材なの?

仏壇

それぞれの仏壇に使われる素材の特徴などについて見ていきます。

金仏壇の場合

中心的な素材(白木)としては、杉やヒノキなど古くから建築材や家具材として使われてきた日本産の木材が使われています。
その上に日本の伝統技法である漆塗りの技術によって黒い漆が全体に塗られています
そして仏壇の内面にはこれも日本の伝統的工芸の技術によって金箔や金粉が施されています

金仏壇の主役は漆と金箔・金粉ということになります。
漆塗りは日本が誇る、高い芸術性の工芸です。
漆塗りの回数つまり漆の厚さが仏壇の価格に大きく影響してきます。

さらに金箔の質も大事です。
金箔などの場合、金の含有率を~号色などで表します。
金仏壇に使われる金箔は一般的には一号色から四号色のものです。

高価な金仏壇には一号色かもっと高いランクの五毛色のもの、安価な金仏壇や外国から輸入された金仏壇は四号色のものがよく使われています。
金箔ではなく金粉を使っていればさらに高級品ということになります。

唐木仏壇の場合

唐木仏壇の素材としては三大唐木の他、世界や日本産の銘木が使われます。

紫檀・黒檀・鉄刀木の三大唐木

唐木仏壇に使われる唐木の中でも、特に三大唐木と言われる、紫檀・黒檀・鉄刀木について確認してみます。

  • 紫檀

    周辺部分(辺材)は白っぽく、中心部分(心材)は紫がかった赤黒色。心材の材質は固く緻密で中には水に沈むものもあるほどです。乾燥には少し弱いですが、腐りにくく高い耐久性を持っています。

  • 黒檀

    色合いは黒っぽく、心材は紫檀と同じように水に沈むほど固く緻密な材質をしています。本黒檀、縞黒檀、青黒檀、斑入黒檀などの種類があり、中でも青黒檀が最高級で幻の銘木と言われています。

  • 鉄刀木

    タガヤサン杢と言われる独特の美しい濃褐色の木目があり、紫檀・黒檀を超える重厚さが特色です。鉄の刀という名前の通り、非常に硬質で耐久性は高い反面、乾燥後の反りや、製材後の変色の可能性があるため、漂白など加工で手間がかかるようです。

その他にも、白檀や花梨などの唐木と言われる銘木がありますが、いずれも入手が困難なものばかりで高価な素材となっています。
唐木仏壇の表面素材は、漆塗りの金仏壇と違って、常に空気に触れるものですので、より耐久性の強いこれらの銘木が使われます。

その他の世界の銘木

世界の銘木には、世界三大銘木と呼ばれるウォールナット・チーク・マホガニーがあります。
特徴は以下の通りです。

  • ウォールナット

    乾燥などによる狂いが少ないため加工がしやすく、軽い材質の割には強固で粘りも強いということで、ヨーロッパでは古くから家具材として使われてきた木材です。

  • チーク

    硬質で耐久性が高く、虫害に強く、十分に乾燥させれば狂いが生じにくいため加工がしやすい木材です。

  • マホガニー

    硬質で耐久性も高く、その割には軽くて加工のしやすい木材です。
    高級家具や高級楽器などによく使われています。

これらの世界の銘木も、伝統的な唐木が入手困難になった現在では、仏壇用の木材として輸入されています。
しかしこれらの銘木もやはり、自然保護のため伐採が禁止されているものもあり、入手が困難で高価な素材となってきています。

国産の銘木

日本産の銘木としては以下のものなどがあります。

  • 檜(ひのき)

  • 欅(けやき)

  • 桐(きり)

  • 栓(せん)

  • 楠(くす)

  • タモ

  • 黒柿(くろがき)

  • 槐(えんじゅ)

国産の銘木は、手に入りやすいものも多く、仏壇用の素材として重用されています。

モダン仏壇の場合

モダン仏壇で使われる素材としては以下のものが挙げられます。

  • ウォールナット

  • ブナ

  • メープル

  • マホガニー

  • ナラ

  • タモ

格調の高さというより、リビングルームなど洋風の部屋の雰囲気やデザインに合うような材質であったり、部屋の中の家具と調和がとれるような材質のものが使われています。
さらにこれらの木材と組み合わせてガラスを使ったり、金属が使われることもあります。

仏壇の価格・ランクを決めるものは何?

仏壇

例えば棚置き型のかなり小さな仏壇だと10,000円前後で販売されているものもありますが、基本的には数万円程度のものが多いようです。
中には数十万円のものもあります。
大きい仏壇となると、数万円程度のものから100万円前後のものまであり、場合によっては数百万~数千万円のものもあり得るなど、かなり幅広い価格帯になっています。
仏壇の価格やランクはどんな風に決まるものなのでしょうか

下の記事では仏具の正しい並べ方について紹介していますので、よろしければこちらもお読みください。

材木の加工方法によって左右する

材木の加工に割いた時間や技術によって仏壇の価格やランクは大きく違ってくるようです。
日本が誇る高いレベルの伝統工芸技術がより多く施されている仏壇は、高価なものになります。

逆に海外製の仏壇や、伝統技術があまり使われていない仏壇は、安価で販売されているようです。
また、木目などが美しい高級素材でありながら、乾燥に弱くてそりが生じやすく、加工に時間と技術を要するものもあります。
それらを多く使った仏壇は、外観はすばらしいのですが、その分高価になります。

素材で左右する

銘木と呼ばれる木はもともと高価で、それらをふんだんに使った仏壇は高級仏壇とされていました。
さらに最近では、原産地の様々な事情により伐採が禁止されていたり制限されていたりして、簡単には手に入らない素材が数多くあります。

その様な高級素材を多くの部分に使った仏壇は、かなり高価になることが予想されます。
逆に入手しやすい低価格な素材を多用して、価格を低く抑えている仏壇もあります。

その他の服飾品

仏壇の装飾品として、蒔絵や彫刻、錺金具(かざりかなぐ)などが施されます。
熟練職人が持つ高いレベルの伝統技術の粋を集めて、複雑な工程を経て作られた高品質のものであれば、当然極めて高価な仏壇となります。

仏壇の本尊や掛け軸にも違いはあるの?

仏壇

ご本尊と左右の脇侍の組み合わせは宗派によって違いがあります。
ご本尊を仏像にするか、それともご本尊も脇侍も掛け軸にするかは特に決まりはありません。

仏像の場合、材質は松・檜・柘植(柘植)・楠などが輸入材としては白檀が使われていますが、白檀は入手困難なこともあり、利用が減ってきているようです。
高価な彫刻品に対して、安価な鋳造品も販売されています。

掛け軸の場合はスタンドタイプと一般的な掛け軸タイプなどがあり、スタンドタイプの方が高価になっています。

下の記事では仏壇に置く小物について紹介していますので、よろしければこちらもお読みください。

仏壇の素材にはどんな種類があるのかまとめ

仏壇

今回「終活ねっと」では、仏壇の材質にはどんな種類があるのか説明してきました。

  • 仏壇には、大きく分けると金仏壇・唐木仏壇・モダン仏壇の3種類がある。

  • 金仏壇の場合、白木には一般的な建築材が使われていて、表面に漆塗りや金箔が施されている。

  • 唐木仏壇は木目や色合いを生かすため唐木など高級木材が使われることが多い。

  • モダン仏壇は、洋室などとの調和を重視した素材が使われている。

  • 仏壇の価格やランクは加工方法や素材、服飾品などで決まる。

  • ご本尊や掛け軸にも素材やタイプなどに違いがある。

以上のようなことについて見てきました。

仏壇購入を考える際の参考にしていただければ幸いです。

最後までお付き合いいただきありがとうございました。

関連する記事

こんな記事も読まれています

よく読まれている記事一覧

この記事に関するキーワード

カテゴリーから記事を探す

人気のキーワードの記事一覧

関連する記事

よく読まれている記事一覧

関連する記事