源氏物語の冒頭、知っていますか?現代語訳とともに紹介します

源氏物語の冒頭は古典の授業で覚えさせられた、という記憶はありませんか?あまりにも有名な源氏物語は古典学習に欠かせない教材ですが、暗記しただけで意味を知らないという方も多いと思います。今回は源氏物語について冒頭文を含めてご紹介します。

目次

  1. 源氏物語の概要
  2. 源氏物語とは
  3. 源氏物語の冒頭
  4. 源氏物語にもっとふれる
  5. おわりに

源氏物語の概要

源氏物語は800首にも及ぶ和歌を含む典型的な王朝物語です。また、現代の小説に比べても大変長い、長編小説です。

成立年代

源氏物語の成立年代は、平安時代中期で、1008年に文献として公に出版されたといわれています。1000年前に成立した作品ですが、今もその魅力は色あせず、数々の謎も残されたままです。

源氏物語の作者

源氏物語は紫式部の代表作です。紫式部は源氏物語のほかに、紫式部日記を遺しました。また紫式部は歌人としても名高く、彼女の歌は小倉百人一首にも収録されています。

構成

源氏物語は非常に長い物語です。桐壺と呼ばれる冒頭の帖(じょう)に始まり、夢浮橋という帖で終わります。構成に関しては様々な解釈がありますが、桐壺から夢浮橋までの全54帖構成とする声が一般的です。橋姫から夢浮橋までの最後の十帖は宇治十条と呼ばれます。

源氏物語とは

源氏物語は複雑な人間関係を描いた作品です。源氏の死後も描かれ、主人公が薫と匂宮に変わりますが、複雑な恋物語であることには変わりありません。

登場人物

源氏物語は登場人物の多さも目を見張るものがあります。源氏物語には500名ほどの登場人が出てきます。その中でも主要な人物を紹介します。

光源氏

源氏物語の主人公です。数々の女性と浮名を流しますが繊細な男性でもあります。

桐壺の更衣

光源氏の母親です。冒頭文中に登場する女性です。身分が低いにもかかわらず帝から寵愛を受けていたためほかの女性たちからねたまれていました。源氏が3歳の時に死去し、彼女の死が源氏の女性遍歴に大きな影響を及ぼします。

藤壺の更衣

源氏の母、桐壺の更衣に瓜二つの女性で、桐壺の更衣の死後、帝に迎えられ、源氏の義母の立場になります。しかし源氏と関係を持ち、のちに冷泉院を生みます。

葵上

源氏の初めての正妻です。姉さん女房で夫婦円満ではありませんでしたが夕霧が誕生したことにより夫婦仲が改善します。しかし、この二人の関係に嫉妬した六条の御息所の生霊に呪われ死んでしまう悲劇の人です。

六条の御息所

源氏と関係があった女性の一人です。嫉妬心が強く、数々の女性の前に生霊、亡霊として現れました。生前は、生霊となって人を呪っている、という自覚も持っていました。

源氏物語の冒頭

あまりにも有名な源氏物語の冒頭文。皆さんも一度は耳にしたことや、冒頭暗唱をしたことがあるのではないでしょうか?ここで、改めて源氏物語の冒頭文をご紹介します。

冒頭文

いづれの御時(おおんとき)にか、女御(にょうご)更衣(こうい)あまた侍ひ給ひけるなかに、いとやむごとなき際(きわ)にはあらぬが、すぐれてときめき給うありけり。はじめより我はと思ひあがり給へる御方がた、めざましきものにおとしめ嫉み給ふ。同じほど、それより下﨟(げろう)の更衣たちは、まして安からず、朝夕の宮仕へにつけても、人の心をのみ動かし、恨みを負ふ積もりにやありけむ、いと篤しくなりゆき、もの心細げに里がちなるを、 いよいよあかずあはれなるものに思ほして、人のそしりをもえはばからせ給はず、世のためしにもなりぬべき御もてなしなり。

冒頭文の現代語訳

どの帝の時代であっただろうか、女御、更衣が数多くお仕え申し上げなさっていた中に、たいして高貴な身分ではないけれど、特段の寵愛を受けていらっしゃる方がいた。はじめから、自分こそが、と思っていた方々は、忌々しい人だと妬んでいらっしゃる。同じ身分やそれ以下の人は尚更心穏やかではない。朝夕の宮仕えでも、ほかの人の心を騒がせているばかりで、それが重なったせいなのだろうか、たいそう病弱になってしまい、心細そうに里帰りをすることが多くなると、帝はますますかわいそうにお思いになって、人が非難するのもはばかりなさらず、ほかに例を見ないほどのご寵愛であった。
今回紹介した冒頭文現代語訳はほんの一例ですが、作品鑑賞の足掛かりにしてくださいね。

冒頭文が古典教材に使われる理由

源氏物語の冒頭を中学・高校時代に古典の授業で覚えさせられた、という方は多いと思います。では、なぜ源氏物語の冒頭文は教材として長いこと使われているのでしょうか?それは、源氏物語の冒頭文には古典の知識として必要な情報が多く含まれているからです。その例として以下のようなものが挙げられます。

女御・更衣

女御・更衣は平安時代の女性の身分です。身分を表す単語は古典作品を読み解くのに必要な古典の知識の一つです。

敬語表現

古典作品には欠かせないのが、敬語表現です。日本語は敬語表現に富んだ言語だ、と評されますが、これは平安時代から脈々と受け継いだ言語の特徴だといえるでしょう。日本の古典には尊敬語と謙譲語が多用されているため、時に誰が誰に対して話しているのかが分かりにくくなることがあります。古典の基本的な敬語表現を学ぶのに源氏物語の冒頭は利用されることがあります。

源氏物語にもっとふれる

源氏物語はその有名さ故、数々の現代語訳が存在します。また最近では、漫画「あさきゆめみし」や映画「源氏物語 千年の謎」などをのように漫画化、映画化もされています。難解な古典作品が理解しやすい形に昇華されています。源氏物語を知るのによいきっかけとなるでしょう。また、京都には源氏物語に特化した「宇治市源氏物語ミュージアム」博物館などもあるので、ぜひ様々な場面で源氏物語に触れてみてください。

おわりに

いかがでしたか?源氏物語は人間社会に普遍的な愛、血縁、複雑な人間関係を鮮やかに描き出した作品です。そのため、1000年の月日が流れた今でも、この物語は新鮮さをもって語り継がれます。古典作品ですが、決して古いと感じさせないところがこの作品の魅力であり、紫式部の鋭い視点といえるでしょう。今回は冒頭文だけの紹介でしたが、ぜひ冒頭だけにとどまらず、作品全体を楽しんでくださいね。

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