
法華経は正しくは「妙法蓮華経」というお経です。
法華経といえば「日蓮」と頭に浮かぶほど、法華経といえば「日蓮」を思い浮かべる方もいるかもしれませんが、法華経すなわち「妙法蓮華経」はお釈迦様が説かれたお経です。南無妙法蓮華経のお題目は、日蓮宗の日蓮によって知られるようになり、日蓮宗で唱えられているお経です。
目次
最終更新日: 2020年01月27日
法華経は釈迦が入寂前に説かれた教え
法華経は、お釈迦様が出家されてのち、菩提樹の元で大勢の弟子たちの前で説かれた教えで、初期の大乗仏教経典の一つです。
現在、漢訳で伝わっている法華経は3つありますが、その中でも鳩摩羅什訳の経典が最も優れた翻訳であるとされています。

「終活ねっと」運営スタッフ
今回「終活ねっと」では、法華経のお経について以下の点を中心にして解説していきます。
- 法華経とは?
- 法華経の物語
- 法華経を広めた日蓮について
- 観世音菩薩について
法華経のお経について詳しくまとめています。
ぜひ最後までご覧ください。
一切衆生を救うために釈迦は出家した
一国の王子として生まれながら、王妃や子供を捨てて出家します。
そして40年という永い年月、修行をして悟りを開かれました。
これが仏陀・すなわち覚醒し者です。
この40年間の修行の旅の間に説かれた言葉をお釈迦様の亡くなったあとに、言い伝え、やがて教えとして広まっていったのが仏教なのです。
天台宗では、法華経が最高のお経
そしてお釈迦様がなくなる寸前に、説いた教えこそが真実の教え・最高の教えとして伝わるところの「法華経」なのです。
このお経は、天台宗などの宗派では、法華経を最高の教えとしています。
法華経の本当の名前は「妙法蓮華経」
法華経といえば「日蓮」と頭に浮かぶほど、法華経は日蓮聖人で有名で、法華経を作ったお坊さんが日蓮と勘違いしている人は多いのではないでしょうか。
日蓮は法華経の精神にこそ真実があり、国を救う教えはこれしかないと考え、法華経の布教に生涯をかけました。
法華経というお経は、壮大な物語

「妙法蓮華経」は、大河ドラマのような、凄いドラマが展開されます。
このお経の中には、お釈迦様のお弟子さんの19人の「如来」や観音様で代表される「菩薩」がたくさん出てきます。
お経に描かれた世界は、過去世界から、悠久の未来についてのお話が描かれています。
お経の中に弟子が質問する場面がたくさん
弟子達を代表して、質問を行うのは十大弟子達で、お釈迦様が亡くなったあと、この教えの保ち方や広め方、また修行の仕方などを質問します。
対してお釈迦様は、数多くの奇跡を見せながら教えを説いていきます。
その場面には過去の、現在の、未来無数の仏たちが登場して来ます。
「法華経」を日本で最初に講じた聖徳太子
1巻から28巻まである法華経を、日本で初めに講じたのが聖徳太子です。
聖徳太子が講じたという記録は日本書紀の中に残っています。
それ以来、法華経は仏教の重要な経典とされ、また鎮護国家の観点から、日本に縁の深いお経とされています。
法華経は、日蓮聖人が広めた事で有名
法華経で有名なお坊さんに「日蓮」というお坊さんがいます。
法華宗として日本全国に広めたのは、この日蓮なのです。
日蓮宗という宗派を、日蓮が鎌倉時代に起こしたのが始まりです。
もちろん、法華経は天台宗でも、最高の経典とされています。
仏教には、多くの宗派とお経が存在
仏教には華厳宗を始めとする奈良仏教や、親鸞の浄土真宗、道元の曹洞衆、空海の真言宗や最澄の天台宗など数多くの宗派があります。
また近代には、法華経を信仰の中心と据える新興宗教各派がありますが、全てお釈迦様が唱えた教えです。
法華経の中の観音経はどの宗派も用いる
仏教であるお釈迦様の教えを、庶民の中に広めようとして、その時代時代の有名な高僧たちが、修行して各宗派を起こしました。
不思議なことに、各宗派とも主なお経や、教えは違っていますが、「観音経」即ち『妙法蓮華経観世音菩薩品第二十五』は、どの宗派も用いています。
法華経の中「方便」を用いて教えを説く件がある
妙法蓮華経の巻1の中に、「方便品第二」というお経があります。
このお経の中では、お釈迦様が弟子たちを悟りの世界に導くため、方便を用いて教えを行う件が描かれています。
現在、よく使われる「嘘も方便」は、このことから用いられているように思われます。
法華経の世界は、まさに凄いドラマの展開
妙法蓮華経というお経は、大河ドラマのような、凄いドラマが展開されます。
このお経の中には,お釈迦様のお弟子さんの19人の如来や観音様で代表される菩薩がたくさん出てきます。
お経に描かれた世界は、過去世界から、悠久の未来についてのお話が描かれています。
観世音菩薩はその名を称すれば救いに現れる
なぜなら観音様は、どんな時代にも、どんな場所にも、どんな生き物に対しても救いを求めて観音菩薩の名を唱える事で救いに現れると書かれています。
観音薩の仏像は、日本全国各地にあり、有名な観音様が、東京浅草の浅草観音です。
法華経の世界を実際に証明した日蓮
国を救う為に法華経を持って政を行うよう何度も進言しますが聞き入れられず、逆に罪人として捕えられます。
そして刑場の竜の口で首を斬られる寸前、海上より一筋の光が走り、日蓮の首に振り下ろされかけた刀を直撃したため、処刑は中止となりました。
日蓮の受難は、次の経文と全く同じ
『妙法蓮華経観世音菩薩品第二十五』には、次のように書かれています。
「或いは王難の苦に遭うて、刑(つみ)せらるるに臨んで命終わらんと欲せんに、彼の観音の力を念ぜば、刀(つるぎ)段々に壊(お)れなん」
この下りは日蓮の体験と全く同じであったのです。
法華経は3部がひとつのお経である
中国の天台宗の開祖である智顗(ちぎ)によれば、法華経は「妙法蓮華経」だけではなく、開の「無量義経」と結の「仏説観普賢菩薩行法経」の2つを合わせた3部で一体とされています。
現在でも法華経を重要な経典とする宗派では、「妙法蓮華経并開結」として詠まれています。
法華経というお経についてのまとめ
いかがでしたか。
今回「終活ねっと」では、法華経というお経について説明しました。
「妙法蓮華経」はお釈迦様が説かれた仏教の中でも、最高の教えであるとされています。
この教えは難しすぎて、また出会うことも更に難しいとされていますが、機会があれば是非一読されることをおすすめします。