お盆の迎え方・送り方を曹洞宗/真言宗/日蓮宗など宗派別に解説!

古来から日本にある習慣としてのお盆ですが、迎え方や送り方の細かいしきたりについて知らない方は多いのではないのでしょうか。準備するものや宗派によっての違いなどお盆の迎え方をこちらではご紹介します。マナーやしきたりを押さえてお盆を迎えましょう。

目次

  1. お盆の迎え方について
  2. お盆とは
  3. お盆の迎え方
  4. 宗派ごとのお盆の迎え方
  5. お盆の送り方
  6. お盆の迎え方のまとめ

お盆の迎え方について

仏壇

お盆の習慣は日本全体に浸透しており、会社や学校も休みに入り、この時期にお墓参りや実家に帰省する方も多いと思います。
また、スーパーやデパートでもお盆飾り用の商品が陳列され始め、お盆の準備を各家庭で行っていくこととなります。

しかし、お盆の準備をするとなると、いつ準備したら良いのか、どのようなものを準備すれば良いのかわからなくなりませんか?

そこで今回の記事ではお盆の迎え方について

  • お盆の期間はいつなの?
  • お盆を迎えるにはどんな準備が必要?
  • お盆の間はどのような事を行えば良い?
  • 宗派によってお盆の準備に違いはある?
  • お盆の送り方はどうすれば良い?

など、お盆で準備するものや行う儀礼などお盆の迎え方についてご紹介します。
この記事を参考にお盆の迎え方を押さえた上で、しっかりと準備をしてお盆を迎えたいものですね。
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お盆とは

仏壇

お盆とは本来「盂蘭盆経」という仏教の言葉から派生した言葉で、ご先祖様や故人の精霊を祀る行事やその期間のことを指します。
あの世に行った魂が年に一度だけ、仏壇を通して家に帰り家族と一緒に過ごした後、再びあの世に帰っていきます。

なので、お盆の期間に故人やご先祖様をまつり供養するのです。

お盆の期間

お盆は一般的には8月13日〜16日とされています。
会社などでもこの期間が休みになることが多いです。

ただし、地域によっては7月15日前後をお盆とするところもあります
これは元々旧暦の7月15日がお盆とされており、新暦に移る際に8月になった地域と7月になった地域があるからです。
また、8月20日をお盆としている地域もあります。

このように、旧暦新暦や地域の事情(農業や漁業などの産業の忙しい時期を避けている地域もある)によってお盆の日程は変わるので、その地域の慣習に合わせましょう。

なぜ先祖供養をお盆にするの?

なぜ、先祖供養をお盆の時期にするかというと、「盂蘭盆会」という言葉が出てきた浄土宗の「盂蘭盆経」にその由来が書かれています。

昔、お釈迦様の十大弟子に目連様という方がおりました。
あるとき、目連様が自分の力である神通力を使って亡くなった母親のことを見てみると、母親は餓鬼の世界に落ちて、苦しみに喘いでいたそうです。
そこで、目連様がお釈迦様に相談するとお釈迦様は「90日間の雨季の修行を終えた僧たちが7月15日に集まる その僧たちにご馳走をして心から供養しなさい」と言ったので、その通りにすると目連様の母親は餓鬼の苦しみから救われました。

そこでお釈迦様は「同じように7月15日に色々な飲食を持って仏や僧や大勢の人たちに供養すれば、多くのご先祖が苦しみから救われ今生きている人も幸福を得ることができよう」とおっしゃったのです。

これが現在のお盆の始まりとされています。

だから、旧暦の7月15日がお盆とされ、このお盆の時期に色々な飲食を持って供養することで、ご先祖様が苦しみから救われるようにするのです。

お盆の迎え方

仏壇

お盆の迎え方として、まずご先祖様をあの世からお迎えする準備をしなければなりません。
ご先祖様はあの世から帰ってくるので、その道中の手助けとなるものや、帰ってきているお盆の最中にお休みになるところの準備、おもてなしの準備をするのです。

8月13日には盆入りと言って、ご先祖様の精霊が家に帰ってくるので、その前に準備をしなければなりません。
なので、盆棚や盆提灯の飾り付け、お墓の掃除など、お出迎えする場所や飾り付けの準備は13日までに行っておきます。

そして、13日にお墓参りをして、ご先祖様をお迎えしに行きます。
その後、13日の夕方にご先祖様の魂が帰ってくるので、盆提灯に火や明かりを入れ、迎え火を焚き、疲れを癒していただくお迎え団子を供えます。

それでは具体的にそれぞれどんなことをしたら良いかを見ていきましょう。

お盆の仏壇飾り(盆棚)を作る

盆棚は別名「精霊棚」と呼ばれ、お盆の期間中、ご先祖様や故人の魂が家に帰ってきている間くつろいでいただく場所となります。
供養膳と言われるお膳やお供え物などおもてなしもこの盆棚を通して行われます。

盆棚は12日の夜から13日にかけて作ります。
ただし、初盆(故人が亡くなって初めての盆)の場合、もっと早くから作り始めるのが一般的です。

盆棚は仏壇とは別にマコモという植物のゴザを敷いた祭壇を作ります。
四隅や前面に青竹を立て、飾り縄を締め結界を作ることで安心して寛いでいただく場所を作ります。
そこに位牌や蝋燭立て、打ち鳴らしなどの仏具を移し生花を飾ります。
また、お供え物として供養膳や水の子(お米とさいの目に切ったなす・きゅうりを水に浸したもの)・閼伽水(綺麗なお水)、故人の好物や季節の果物をお供えして故人のおもてなしをします。

最後に、きゅうりの馬とナスの牛(魂が移動するための乗り物)を用意して完成です。

正式なものを用意できないときは仏壇の前に机を置いて盆飾りをしたり、仏壇に装飾とお供えをするだけでも良いとされています。

お墓を掃除する

お盆を迎える13日の前には、自宅の仏壇やお墓を掃除して綺麗な状態で迎えましょう
ただし、お墓が遠方にあったり、忙しくてなかなかお墓に行けない場合は、13日に行うお墓参りの時に一緒に行っても良いです。

お墓の掃除としては厳密にやり方が決まっているわけではありません。
一例として
1、周りのゴミを拾う
2、周りに生えている雑草を抜き、木が生えている場合は伸びた枝を切る
3、墓石の上から水をかける
4、スポンジなどでそっと優しく洗ってあげる
※この時、彫ってある文字などが汚れている場合、ブラシも使いながら綺麗にしてあげると良いでしょう。
5、仕上げにもう一度上から水で流す

といった順序で行うと良いでしょう。

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盆提灯を飾る

盆提灯とは盆入りの時にご先祖様や故人の精霊が迷わずに家に帰ってこられるように灯すものです。
8月13日の前に(8月初旬くらいから)盆提灯を飾り、実際に明かりを灯すのは13日の夕方から16日までのお盆の時期となります。
(ただし、ずっと灯さず13日の夕方と16日の夕方のみでも良い)

また、盆提灯は故人の冥福を祈るために親戚などが贈り物としてお供えするものでもあります。
なので盆提灯を飾るときは、贈られたものも一緒に飾るのが原則です。
ただし、家が狭いなどの事情によって飾れない場合は一対飾ることで良しとされています。

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迎え火を焚く

迎え火とは13日の夕方に帰ってくるご先祖様の精霊が迷わずに帰ってくるために焚く火となります。
家の玄関や門口で焙烙というお皿の上でオガラに火をつけ焚きます。

地域によってはお墓でお迎え用の提灯に明かりを灯して、一緒に帰ってくることで導くといった方法もあります。
また、現代では実際に火を焚くのが難しい場所(マンションや住宅街)もあるので、その場合は盆提灯に明かりを灯すことで代用します。

お迎え団子を供える

お盆の入り(13日)にご先祖様や故人の精霊をお迎えするために供えるのが「お迎え団子」となります。
あの世から帰ってくるご先祖様に食べていただくものなので、長旅の疲れを癒せるように甘いお団子としてタレやアンコの団子をお供えします。

個数は厳密には決まっているわけではありませんが、団子を6個以上、積み上げて用意する場合はちょうど20個になるように用意すると良いと言われています。

また、13日の夕方に帰ってきたご先祖様に食べていただくものなので、13日の夕方までに用意しましょう。
ただし、ご先祖様は少し早く帰ってくる場合もありますので、もう少し早く13日の日中に用意するのが良いです。

宗派ごとのお盆の迎え方

仏壇

お盆の迎え方には地域によっても違いがありますが、宗派によっても違いがあります。
準備物や行う儀礼の違いが細かな違いからそもそもの考え方の違いによる大きな違いまで様々あります。
自分の家庭の宗派を理解した上で、それぞれのお盆の迎え方を押さえて供養しましょう。
ただし、宗派を超えて地域にも慣習があります。
その場合、地域の慣習にならう方が一般的です。

曹洞宗

曹洞宗のお盆の迎え方は上記にあるような一般的な習慣にならうことが多いです。
盆棚も作りますし、迎え火も焚き、ご先祖様をお迎えします。

お盆の期間中は棚経(菩提寺の僧侶が家庭に訪問し、読経すること)を行いますので、僧侶と一緒に故人を供養しましょう。

盆棚の作り方は他の宗派をほぼ同じですが、水の子と閼伽水は明記されているほど重要なものと考えられているので、必ず準備しましょう。

真言宗

真言宗のお盆の迎え方も一般的なお盆の迎え方にならうことが多いです。
曹洞宗と同じように盆棚を作り、迎え火を焚き、ご先祖様をお迎えします。

棚経も行いますので、お盆には僧侶と一緒に故人を供養しましょう。

真言宗では提灯が重要な意味を持っています。
ご先祖様が迷わないようにという灯火の意味だけではなく、故人が迷いの世界において道を照らすための灯火としての意味が込められているので、必ず準備するようにしましょう。
また、盆棚に提灯を模したホオズキを飾ることが多いのも真言宗の特徴の一つです。

浄土宗

浄土宗のお盆の迎え方も一般的なお盆の迎え方にならうことが多いです。
曹洞宗や真言宗を同じように盆棚を作り、迎え火を焚き、ご先祖様をお迎えします。

棚経も行いますので、お盆には僧侶と一緒に故人を供養しましょう。

浄土宗では盆花に特徴があります。
生花を花瓶に生けるのではなく、枝豆・ガマの穂・ホオズキなどを盆棚に逆さに吊るすように生けるのです。

日蓮宗

日蓮宗のお盆の迎え方も一般的なお盆の迎え方にならうことが多いです。
上記の他の宗派と同じように盆棚を作り、迎え火を焚き、ご先祖様をお迎えします。

棚経も行いますので、僧侶と一緒に故人を供養しましょう。
日蓮宗の特徴としては、読経の際に唱える念仏にあります。
他の宗派では「南無阿弥陀仏」と唱えますが、「南無妙法蓮華経」と唱えます

浄土真宗

浄土真宗は他の宗派とは大きく違いがあります。
まず考え方として浄土真宗は他の宗派とは違い、亡くなった方は霊になることはありません。
よく極楽浄土と言われる浄土の世界に生まれ変わるのです。

なので、精霊をお迎えする儀礼や準備は全く必要ありません
盆棚も作りませんし、迎え火を焚いてご先祖様を迎える必要はありません。

浄土真宗のお盆は別の名で「歓喜会」とも言います。
命の尊さを再確認し、人として生まれたことに感謝する日なのです。
なので、先祖を供養するというよりは先祖に感謝する日となります。

仏壇に特別な飾り付けはしません。
一般的な法事に使うものを用意して、先祖に感謝の気持ちを持ってお参りするのみです。
棚経もしてもらう必要はありません。

ただし、日本のお盆は宗教的な意味合いもあれば地域の昔からの慣習によって行われるものもあります。
盆提灯やお供え物など、地域の慣習にそって行われるものがあれば厳密に禁じているわけではないので、行っても良いとされています。

お盆の送り方

葬儀

13日にお盆入りをして14日、15日に先祖を迎えて一緒に過ごしたあとは、お盆明けの16日の夕方にご先祖様をお送りします。

ここではお盆の送り方をご紹介します。
なお、地域によっては15日の夕方に送ることもあるので、その場合は地域の慣習にならって行いましょう。

送り火を焚く

送り火とは16日の夕方に精霊があの世に帰るに当たって、安全に帰れるようにと火を焚くことです。
送り火の焚き方は迎え火と同様に、玄関や門口で焙烙というお皿の上でオガラに火をつけ焚きます。

精霊流し

精霊流しとは主に長崎県(佐賀県と熊本県の一部でも行われる)で行われる送り火の一種です。
中でも、長崎市で行われる精霊流しはお祭りともなっており全国的に有名です。

精霊船と言われる豪華な船を初盆を迎えた家族が市内を引いて周り、最後に川に流して弔いを行います。
実際の精霊流しでは爆竹がなったり、歓声が上がったりと賑やかな雰囲気の中で行われます。

また、全国的には灯籠流しをするのが一般的です。
こちらは賑やかな雰囲気ではなく、お盆が明けた後に送り火として灯篭を川に静かに流していきます。
この灯籠流しを精霊流しと呼ぶこともあります。

どちらも精霊をあの世へ送るという意味に違いはなく、地域によって慣習が違うのです。

お盆の迎え方のまとめ

仏壇

お盆の迎え方について、準備や送り方も含め解説してきました。
今回の記事では

  • お盆は8月13日〜16日(地域によっては7月だったり、8月20日前後)に行う
  • お盆の前には盆棚、盆提灯、お墓の掃除、お供え団子を用意する
  • お盆入りにはお墓参りと迎え火を行い、お盆の期間中には棚経をしてもらう
  • 浄土宗、曹洞宗、日蓮宗には細かな違いがあれど大きな違いはない。ただし浄土真宗は考え方も大きく違うので準備には気をつける
  • お盆明けには送り火や精霊流し、灯籠流しを行い魂をあの世へ送る

といったことをご紹介しました。

宗派によっても違いがありますし、地域によっても慣習が違います。
その違いを押さえながら準備、儀礼を行うことも大事ですが、他の終活と同じように一番大事なのはお盆の時期にご先祖様や故人を想い偲ぶ気持ちです。

どの宗派にしても故人をおもてなししたり感謝の気持ちを表すことに変わりはありません。
現在では、家の広さや家族の事情など全てをきっちりとできない場合もあると思います。
そのような時でも故人に想いを馳せながら、自分たちのできる限りのことをしてお盆を迎えることが大事になります。

この記事を参考にきちんと準備をした上で、お盆を迎えましょう。

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