
お盆にはどんな服装をすればいいの?初盆の際の服装についてもご解説
夏休みに実家に帰省してお盆を過ごすという方も多いと思います。お墓参りに行ったり仏壇に手をあわせたり、普段はなかなか機会のないご先祖様の供養を行うお盆ですが、服装について考えたことはありますか?今回はお盆にふさわしい服装や持ち物について詳しく解説します。
最終更新日: 2019年08月25日
お盆にはどんな服装をしていく?

お盆の時期を利用して田舎に帰省する方も多いと思います。
その際、お墓参りをする場合など、どんな服装をしたらよいか迷った経験をお持ちの方も多いのではないでしょうか。
葬儀や法事と同じように、故人を尊び偲ぶ機会です。
失礼のないよう服装にも気を配りたいですよね。
お盆のときの服装では、どんなことに気をつけたらよいでしょうか。
今回「終活ねっと」では、お盆の服装について状況別に詳しく解説していきます。
お盆とは?(初盆とお盆の違いなど)
初盆(新盆)のときの服装(迎える側/招かれた側)
通常のお盆のときの服装
お盆の際の持ち物とは?
お盆はご先祖様を供養する大切な行事です。
ご親戚が集まる機会にもなりますので失礼のない服装を心がけたいですよね。
どうぞ最後までお付き合いください。
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2019年のお盆・お盆休みについて知りたい方は下記の記事をご覧ください。
お盆についての詳しい知識やマナーはこちらをご覧ください。
お盆とは?

お盆とは、祖先の霊を祀る日本独自の夏の行事の総称です。
仏教と、日本に昔から伝わる祖霊信仰が合わさったものと考えられています。
古くは旧暦(太陰太陽暦)の7月15日の前後に行われていました。
現在では、現代の暦の8月15日の前後の期間に行われます。
ただ地域やお寺によっては、7月15日前後に行うところもあるようです。
仏教行事の「盂蘭盆会(うらぼんえ)」を省略して「盆」と呼ぶようになったと言われています。
盆とは私たちがよく知るあのお盆と同義で、お供えを置く入れ物を意味するものから来ているのだそうです。
お盆には「ご先祖様があの世から帰ってきて、家族と過ごし、再びあの世に戻っていく期間」という意味があります。
家族はご先祖の霊をお迎えする準備を整え、感謝の気持ちを込めて供養を行います。
初盆とお盆の違いとは?
初盆(はつぼん)とは、四十九日が過ぎて初めて迎えるお盆のことです。
地域やお寺によっては新盆(にいぼん)と呼ぶこともあります。
一般的には、四十九日より先にお盆が来る場合は、翌年のお盆を初盆と呼びます。
初盆は故人が仏様になって初めての里帰りということになります。
お盆は毎年行うものですが、初盆では飾りつけなどを施して盛大に行うことが多いです。
家族や親族だけでなく、故人とお付き合いのあった知人友人、職場の方々などにもお集まりいただく地域もあるようです。
沖縄のお盆は特別?
沖縄のお盆は旧暦で行われるため、お盆期間は毎年異なります。
期間は他県と同様に3日間で、盆入りを「ウンケー」、中日を「ナカヌヒー」、3日目を「ウークイ」と呼びます。
2017年は9月3日~5日、2018年は8月23日~25日となります。
沖縄では旧暦で行われる行事があるため、旧暦が書きこまれたカレンダーが広く使われているのだそうです。
沖縄ではご先祖様を大切にする文化がより強く根付いています。
「正月には帰ってこなくても盆には帰ってこい」と言われるほど、お盆は大切な年中行事なのです。
家族が集まり賑やかに過ごすため、スーパーが一斉に品不足を起こすほどどの家庭でも食料品の買い出しを行います。
お盆時期は各地でエイサーといった伝統芸能も見られ、大変な賑わいを見せます。
初盆(新盆)のときの服装

では次に、初盆のときの服装について詳しく解説します。
お盆は地域やお寺によって習慣が異なるものなので、服装についても地域差が出ます。
ご親族などで取り決めがあるようなら、家の習慣に従うようにしてください。
ここからは一般的な例として、初盆に望ましい服装について解説していきます。
迎える側
迎える側、つまりご遺族側の方々の服装は、喪服が基本となります。
僧侶を家に招いて仏壇でお経をあげていただく場合や、寺院や霊園で執り行う場合は特に、喪服の逆用が望ましいとされています。
お招きする方々より軽い服装にならないよう、喪服を身に着けるのがマナーです。
親族だけで初盆を行う際は、正式な喪服ではなく略喪服を着用することもあります。
ただ、大変暑い時期に行われるものなので、近年では年々、体温調節のしやすい略式の服装で行うご家庭が増えているようです。
高齢の参列者が多い場合は特に、全体的に簡略化した服装で行うことが多いです。
基本的には、参列者の方々よりきちんとした服装を心がけるものです。
迎える側がかしこまった服装だと、参列者に気を使わせてしまう可能性もありますが、参列者よりくだけた服装では失礼に当たります。
夏用の喪服を基本にして、脱ぎ着がしやすい服装にするのがよいでしょう。
男性の服装
男性は黒礼服が基本です。
暑い時期ですが、読経や法要の最中は上着を着用するようにします。
靴下や靴も黒がよいでしょう。
白シャツを着用する
Yシャツはノーマルカラーのもので、白シャツが望ましいです。
地域によっては半袖でも問題ないところもありますが、一般的には長そでが正式な礼服とされています。
黒のネクタイを使用する
ネクタイは葬祭用の黒ネクタイを使用します。
親族のみで略式で行う場合は、ダークグレーや濃紺の無地のネクタイでもよいでしょう。
女性の服装
女性の場合も、正式な喪服が基本となります。
黒のワンピースかアンサンブルで、肌の露出の少ないものを着用します。
気候を鑑みて、半袖やノースリーブのワンピースに上着が付いたものがおすすめです。
靴はヒールの低い黒色のパンプスがよいでしょう。
ストッキングは何色がいいの?
ストッキングは黒いもので、肌が透けて見える薄手のものを選びます。
肌色のストッキングより、黒のほうが正式な喪服には望ましいです。
妊婦の場合はどうする?
妊婦さんの服装については、寛容な地域も多いです。
喪服ではなく、黒い服ならよいというお宅も多いようです。
ご家族に相談してみるのが一番でしょう。
望ましい服装としては、ゆったりした長めの丈の黒のワンピースなどがおすすめです。
マタニティ用の黒色のパンツの上に、黒色の薄手のカーディガンや上着を羽織るのでもよいでしょう。
無理に喪服を用意する必要はありません。
体調を第一に考えて、黒色の服を組み合わせて出席すれば問題ないでしょう。
子供の服装
学校や幼稚園に制服がある場合は、制服を着せて出席させましょう。
普段通学時に着用している制服であれば、赤いリボンやネクタイなどがついているものでも、無理に外す必要はありません。
運動靴より革靴のほうが望ましいですが、なければ運動靴でもよいでしょう。
白や黒など無地の地味な色合いの靴が望ましいです。
制服がない場合は?
学校や幼稚園に制服がない場合は、制服に準じた服装を心がけてください。
子供たち用にわざわざ喪服を用意する必要はありません。
男の子であれば白いシャツに黒や紺のズボンを履かせればよいです。
女の子の場合は、黒や紺など濃い色の無地のワンピースか、白いシャツに黒っぽいスカートの組み合わせがよいでしょう。
赤ちゃんはどうする?
通常であれば、乳幼児は初盆に出席させないほうがよいでしょう。
周囲の人たちに気を使わせてしまいますし、赤ちゃんの体調も心配です。
しかし、故人との関係から、赤ちゃんを出席させなければならない場合もあるでしょう。
赤ちゃんの服装については、地味な色合いの飾りの少ないものであれば、普段着ているベビー服で問題ありません。
リボンやレースのついていない、なるべく簡素なものを選びましょう。
着慣れないものを着せると、赤ちゃんがぐずってしまうかもしれません。
動きやすく着慣れた素材のものがいちばんです。
招かれた側
次に、初盆に招かれた場合の服装についてです。
初盆に招かれたら、まず案内状を確認しましょう。
「平服で」と記されている場合は、喪服に準じた略喪服を着用します。
故人との関係が、友人や知人、職場の同僚などであれば、それほどかしこまらず略喪服でよいでしょう。
ご遺族よりかしこまった服装だと、返って失礼にあたります。
ご友人同士で出席されるなら、事前に相談して、皆さんで服装を揃えるのがおすすめです。
そのほうがご遺族に気を使わせずに済みます。
故人との関係が、ご親戚など血縁にあたる場合は、ご遺族と同じように喪服をお召しになるのが望ましいです。
こちらも、ご遺族と事前に相談しておくとよいでしょう。
最近は「暑さの中参列いただく方に気を使わせたくないので、自分たちも含めて平服で行いたい」という意向を示されるご遺族も多いです。
男性の服装
一般的には、黒い喪服を着用します。
ブラックフォーマルと呼ばれている一般的なもので問題ありません。
平服(略喪服)と言われた場合は、黒やダークグレーなど濃い色のスーツがよいでしょう。
Yシャツは白の長そでで、ボタンダウンなどは避けてノーマルカラーのものを選びます。
ネクタイは黒か濃い色の無地のものを着用するようにしましょう。
女性の服装
女性も黒喪服が基本となります。
夏用のワンピースやアンサンブルなど、上着がセットになっているものを着用し、肌の露出は極力控えます。
平服(略喪服)で出席する場合は、地味で控えめな服装を心がけます。
無地のワンピースや、黒やダークグレーのスカートとブラウスの組み合わせが望ましいです。
ブラウスはフリルやリボンのない無地のものを選びましょう。
子供の服装
学校や幼稚園の制服がある場合は、制服で出席させるのが無難です。
大人たちが正装をしているのに自分たちだけ普段着では、子供たちに肩身の狭い思いをさせてしまう可能性もあります。
学校の制服は儀式や行事用の正装に値します。
親戚が大勢集まる初盆なら、子供たちも制服で出席するほうが落ち着くはずです。
学校に制服がない場合は、無地のズボンやワンピースなど地味な服装をさせます。
通常のお盆のときの服装

通常のお盆のときの服装は、一般的には普段着でよいとされています。
地域によって違いがありますが、初盆の服装に比べると、それほどかしこまらなくてもよいようです。
とはいえ、故人・ご先祖様の供養の場であることに変わりありません。
派手な服装や部屋着などは避けるべきです。
基本的には、地味な色合いの控えめな服装を心がけます。
状況別に細かく見ていきましょう。
お墓参りをするとき
お墓参りの服装には、特に決まりはありません。
ただ、寺院や霊園に赴く場合は、それなりにきちんとした格好をする必要があります。
お盆の時期なら、他にもお参りに来ている人が大勢いるでしょうし、そうした方々とすれ違っても恥ずかしくない服装を心がけるべきです。
喪服である必要はありませんが、そうなると返って戸惑ってしまう方も多いでしょう。
どんな服装がよいか、例を挙げて解説します。
男性の服装
スーツ着用がよいでしょう。
普段お仕事で着ているビジネススーツで、濃い色の控えめなものを着用しましょう。
Yシャツは白い無地のものがよいです。
ネクタイは無地か地味な柄のものを選びます。
靴下は黒など濃い色のビジネスソックスが望ましいです。
女性の服装
白いブラウスにグレーや紺のスカートといった控えめな組み合わせが望ましいです。
地味な色合いであれば、パンツスーツでも問題ありません。
アクセサリーは付けないほうが無難です。
付ける場合は、パールなど控えめなものがよいでしょう。
子どもの服装
制服を持参することができるようであれば、制服着用がよいでしょう。
大きなお寺や霊園へ行く場合、制服姿の方が子供たちも安心するはずです。
ただ、無理に制服を着せる必要はありません。
赤や黄色など派手な色の服は避け、控えめな色合いの服を着用させましょう。
義実家に訪問するとき
ご主人や奥様のご実家で、お盆の法要やお墓参りに行く場合の服装、悩んだ経験をお持ちの方も多いはずです。
自分の生家や地元ではないので、勝手がわからないのもひとつの要因です。
本来なら、どんな服装で行くべきか先方に訊ねるのが望ましいです。
ひとりだけ喪服では浮いてしまいます。
服装など細かいことは聞き辛いという方も多いと思いますが、ご夫婦で話し合って、ご家族・ご親族と服装を揃えるようにしましょう。
以下は一般的な服装の例です。
参考にしてください。
旦那の服装
僧侶を招いて読経をしたり、お墓参りをする予定があるなら、やはりスーツがよいです。
控えめな色合いの夏用のスーツを着用しましょう。
お盆の帰省の場合は荷物になってしまいますが、スーツが一着あれば安心です。
あわせて、白いYシャツと地味な色合いのネクタイ、濃い色の靴下もひとそろい持っていきましょう。
嫁の服装
濃い色の無地のスカートとブラウスの組み合わせがおすすめです。
無地のワンピースに夏用の薄手のカーディガンもよいでしょう。
ストッキングはベージュ系でもよいですが、薄手の黒色を一足持っておくと安心です。
ご主人のご実家のお盆だと、配膳や掃除など手伝いが必要な場合もあります。
白い無地のエプロンも用意しておきましょう。
お盆の際の持ち物とは?

お盆の服装について詳しく知ることができましたね。
次に、お盆の持ち物について簡単にまとめておきます。
服装とあわせて参考にしていただければ幸いです。
初盆の場合
まず必要となるのが香典です。
親族であっても仏事用ののし袋に包んで持参しましょう。
表書きは「御仏前」「御香典」「御供物料」とします。
金額は5千円~1万円を目安に、地域や家の慣習に見合った額を包みましょう。
次に仏壇に供える品物を用意します。
日持ちのするお菓子や果物などがおすすめです。
3千円程度の品物を選ぶとよいでしょう。
さらにお墓参り用に、仏花を持参します。
金額は1千円前後を目安に考えます。
線香とロウソク、マッチなど着火用の道具も忘れずに用意しましょう。
お盆の場合
初盆の後の通常のお盆では、香典は包まず、お供えとして品物を持参する地域が多いようです。
金額は2千円~3千円ほどを目安にします。
やはり日持ちする菓子や果物、お酒など、仏壇にお供えできるものが喜ばれます。
お墓参りに行く場合は、仏花・線香・ロウソク・マッチと共に、お墓の掃除道具も持っていきましょう。
墓地や霊園によっては、掃除道具の貸し出しをしているところもありますが、大抵は個々に持参するよう但し書きがあるはずです。
たわしやスポンジ、ぞうきん、軍手などがあると役立ちます。
ゴミ袋も持参し、取った雑草などもできるだけ持ち帰るようにしましょう。
お盆の服装に関するまとめ

いかがでしたでしょうか。
今回「終活ねっと」では、お盆の服装について解説いたしました。
お盆はご先祖様の霊をお迎えし供養する行事。きちんとした服装が望ましい。
初盆は喪服が基本。平服でも黒を基調とした服装を心がけること。
初盆以外のお盆でも、喪服に準じた地味で控えめな服装を心がけること。
初盆とは四十九日が過ぎて初めてのお盆のこと。盛大に行う地域が多い。
お盆の服装は、地域や家によって習慣が異なる。できれば事前の打ち合わせを。
法事・法要と同じく、お盆やお墓参りの服装も戸惑うことが多いですね。
ちぐはぐな服装で出席して気まずい思いをしないよう、気をつけたいものです。
最後までお読みいただきありがとうございました。