天台宗で大切にされているお経について調べてみました。

天台宗で大切にされているお経について調べてみました。

平安時代、遣唐使船で海を渡り、当時の唐に新しいお経を求めて渡った最澄、その最澄が唐から持ち帰った天台宗のお経にはどのようなお経があるのでしょう。今回「終活ねっと」では天台宗で唱えられるお経について徹底解説していきます!

最終更新日: 2020年01月26日

天台宗で読まれるお経の代表的なもの

比叡山延暦寺

天台宗でよく読まれているお経といえば、妙法蓮華経です。
このお経は聖徳太子が奈良時代に日本に最初に持ち込み、講義を行ったという記録が残っているお経です。
それを天台宗の開祖・最澄が、現代の世にもっとも必要なお経であると確信し、天台教に学ぶようになりました。

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今回「終活ねっと」では、以下の項目を中心に、天台宗で読まれているお経について解説していきます

  • 天台宗でよく読まれている妙法蓮華経とは?
  • 最澄が日本に持ち込んだ密教のお経について
  • 有名な「般若心経」のお経
  • 南無阿弥陀仏も唱えられているの?

お時間がない方やお急ぎの方でも、興味のある部分をピックアップして読むことができます。

ぜひ最後までお読みください。

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妙法蓮華経について

妙法蓮華経(略して「法華経」)は1巻から8巻までなるお経で、全部で28番まであります。
妙法蓮華経という単語は、「蓮の華のお経」を意味します。

このお経はお釈迦さまが入寂される前に最後に説いたお経であるとされていて、日本に伝わっているのは鳩摩羅什が訳したものです。

天台宗では法華経を、お経の第一義とした

天台宗の開祖である最澄は、当時の堕落した奈良南都の仏教に失望を感じ、比叡山にこもります。
そこでの思索の結果、聖徳太子の仏教の伝統を継ぐ意思を固め、それには妙法蓮華経を第一義にするしかないと決断します。

そして妙法蓮華経を求めて、当時の中国である唐の国に渡ります。

妙法蓮華経の意味は、泥の中に咲く蓮の華の教え

妙法蓮華経の意味は、汚い泥の中からも美しい華を咲かせることができる、そんな素晴らしい教えであるという意味です。

妙法蓮華経にはあらゆる仏教を統一しようという目的と共に、全ての人を平等に救おうという精神が込められています。

実は最澄は密教のお経も持ち込んでいた

最澄は、唐では妙法蓮華経のみならず、密教も学びんでいたので、唐から帰朝した際にその教えを日本に持ち込んでいました。

これがのちに天台宗比叡山延暦寺の「遮那業」と呼ばれる密教系の学流となります。
これは「大毘盧遮那経」を経典とする密教学で、空海の建てた「東密」に対して、「天台密」(いわゆる「台密」)と呼ばれる教えです。

最澄は止観業と遮那業の二つの学問を教えた

唐より二つの経典を持ちかえった最澄は、比叡山において止観業の専攻者には、毎日、法華経・金光明経・仁王経という護国の経典と読む事とし、遮那業の専攻者には毎日、遮那経・孔雀経・仏頂経等の護国の真言を研究させました。

天台宗の延暦寺には戒壇が無かった

比叡山で密教の遮那業と顕経の止観業を打ち立てることとした最澄ですが、当時は東大寺にしか戒壇がなかったので、比叡山には戒壇がありませんでした。
ですので、いくら勉強してもお坊さんの資格を得る事が出来ませんでした。

その結果、弟子たちが次々と南都仏教に出奔してしまいます。

最澄は延暦寺で戒壇建立を念願します

当時は奈良の東大寺にしか無かった戒壇建立のため、最澄は幾度も朝廷に願い出ますが、奈良南都各宗に阻まれ、戒壇建立の許可を得ることが出来ませんでした。

延暦寺に戒壇建立が許されたのは最澄の死後の事でした。

大阿闍梨は比叡山で千日回峰行を行う

千日回峰行とは、天台宗の回峰行の1つで、比叡山の峰々を縫うように回って礼拝することを千日回峰行と呼びます。
妙法蓮華経の常不軽菩薩の精神を具現化したもので、山川草木全てに仏性を見出して礼拝する行です。
この行をやり遂げた者には阿闍梨の称号を受けられます。

天台宗で般若心経というお経も読まれる

天台宗には、正月の三が日の朝に行われる「大般若会」という行事があります。
この大般若会とは、600巻にも及ぶ「大般若波羅密多経」を転読して国家の安寧と家内安全・災害防止等を祈祷する行事です。

この大般若波羅密多経の一部が「般若心経」と言われるお経です。

般若心経は262文字で宇宙の真理を表現

般若心経というお経には、僅か262文字で小宇宙を表現しています。
このお経の意味は難解ですが、結論としては「存在の意味を見抜きなさい」と言っています。

般若心経は天台宗のみならず、さまざまな宗派で用いられています。

天台宗は南無阿弥陀仏も唱えていた

最澄が唐から持ち帰った法華経と密教以外にも、天台宗においては浄土教の影響により南無阿弥陀仏の念仏も唱えられていました。

常行三昧という念仏を唱える行がある

天台宗比叡山延暦寺には、常行三昧という念仏を唱えながら本尊である阿弥陀仏の周りを回り続けるという行が有ります。
堂内の横木につかまって休んだり、天井からの麻縄に掴まって休む事は出来ますが、横になって休む事は出来ないのが特徴の行です。

天台宗で読まれるお経:まとめ

いかがでしたでしょうか。
今回は平安時代の空海と並び称される最澄が開いた天台宗で唱えられるお経に着いて、以下の事柄を中心に解説していきました。

  • 天台宗でよく読まれるのは妙法蓮華経である。

  • 天台宗では、般若心経もよく唱えられている。

  • 天台宗では南無阿弥陀仏も唱えられることがある。

空海の真言宗に比べて天台宗では色んなお経が読まれているのですね。
特に南無阿弥陀仏を唱えていたのは驚きです。

最後までお読みいただきありがとうございます。

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