曹洞宗総本山永平寺の修行僧の食事と作法に学ぶ

曹洞宗総本山永平寺の修行僧の食事と作法に学ぶ

曹洞宗総本山永平寺の修行の厳しさ、永平寺粥と呼ばれる粥を食べる修行僧の無言の食事風景は、テレビなどでもお馴染みになっています。世俗を離れた謹厳な永平寺の食事と作法を通して、そこに生きる精神性を見ていきます。

最終更新日: 2020年01月26日

永平寺の一日の食事

曹洞宗の総本山にある永平寺の修行僧の食事を見ると、昔の武士の「一汁一菜」のように、非常に質素なものです。

朝食(小食) お粥・ゴマ塩・漬物
昼食(中食) 麦飯・味噌汁・漬物・おかず一品
夕食(薬石) 麦飯・味噌汁・漬物・おかず二品

おかずの数や飯・汁の内容は、日によって多少変わることもありますが、基本的には、つつましい内容です。

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終活ねっと運営スタッフ

今回「終活ねっと」では永平寺での食事について、以下の項目を中心に解説していきます。

  • 永平寺で使われる食材
  • 永平寺での食事作法
  • 永平寺の食事に見える精神性

お時間のない方やお急ぎの方でも興味のある項目をピックアップして読むことができます。

ぜひとも最後までお読みください。

食事の栄養価

あまりにも質素な食事だけに、栄養が十分に取れているのか気になりますよね。
専門家が食事の内容を調査した結果、一般的な20代の男性に必要な栄養素の必要摂取量と比較しますと、カロリーやタンパク質、ビタミンB2は不足するものの、それ以外はほぼ必要量を満たしているようです。

栄養価の比重は炭水化物70%、脂質20%、タンパク質10%で、コレステロールをほとんど含まない理想的な食事だということです。

あくまでも過度に栄養価を削ったりして無理をしたりしない自然流が、禅の精神です。

永平寺で使われる食材

永平寺では旬の食材を活かした食事が基本です。
香りや風味がよく、栄養面が最も優れた時期で手ごろな値段で購入できる、というのも旬の食材のいいところですよね。

自然との調和が、仏法の基本にありますので、四季の菜を活かした献立となります。
人間も自然の一部であり、旬の恵みを美味しくいただくことによって、体や心も育まれていくということです。

基本は永平寺粥

仏教と粥

本来仏教では1日1食が食事の基本でした。
その1食とは、現在の昼食(中食)です。

しかし、これだけでは、当然のことながらお腹もすきますので、空腹感を和らげるために軽い食事として粥を食べるようになりました。

バリエーション豊かな粥

お寺でお粥というと、白粥を思い浮かべますが、実はお粥には野菜を煮込んだ瓔珞粥、小豆の小豆粥、五穀の五穀粥、お茶を使った茶粥など、さまざまな種類があります。
最近では、さつまいもの芋粥やトウモロコシのコーン粥な度もあります。

永平寺ばかりではなく多くの寺院でバリエーションが豊かになっています。

永平寺の食事作法

食事への心構え

食事の前には「いただきます」と言いますが、これと同じように、すべての人の皿が揃ったところで唱える「五観の偈」という偈文(げぶん)というものがあります。
これは、食事を頂く際の心構えを表したです。
食事への感謝の念と、食事も修行の一部であることが表されています。

食前、食後の作法

一つ一つの動きを詳細に説明することは難しいので、簡単に説明しますと、
1.袱紗(ふくさ)に包まれた応量器を受け取ります。
2.袱紗を解いて食器を並べます。
3.食事の係りの僧が配膳するのを待ち、終わったところで「五観の偈」を唱えます。
4.食べ終わったら、刷という道具を使って、一番大きい器に注がれたお茶で食器を洗います。
  大きい器から中、小の器へと、順番に洗います。
5.きれいな布巾で応量器の水分をふき取り、重ね、袱紗で包みます。
6.「ごちそうさま」に相当する偈文を唱え、食事終了です。

食事の際の注意

食事の際に決められていることが3つあります。

1.私語は禁止。
2.音を立てない。
3.他の人よりも早く食べても、遅く食べてもいけない。

漬物などを食べるときも音を立ててはいけないということですから、自然とゆっくり噛むことになります。
気を使って大変そうに思えますが、このような作法が、食材の命への感謝、食材を作ってくれた農家の方への感謝、食事を作ってくれた僧への感謝の念を強く抱くようになるといいます。

永平寺の食事に見える精神性

永平寺の修行僧の食事の根底には開祖道元禅師の教えがあり、炊事や調理、食べることまですべてが修行なのです。

現代では失われつつある、食に対する感謝の気持ち、自然の恵みを大切にする謙虚な態度を学ぶことができます。

また、現代の過食になりがちな私たちの生活とは違い、無駄のない献立は健康を維持し、厳しい修行を続けるために工夫され、さらに食への感謝の念を高め、精神的な修行にもなっています。

まとめ

いかがでしたでしょうか?
今回「終活ねっと」では永平寺での食事について、以下の項目を中心に解説してきました。

  • 永平寺の食事は質素なものではあるが、きちんと必要な栄養価を摂れるものものとなっている。

  • 永平寺の修行僧にとっては、食べることのみでなく、炊事や調理など、食事に関するすべてが修行である。

  • 永平寺では「五観の偈」を食事を行う前に唱える。

過食の時代にあって、日本人が忘れかけているのが食の大切さです。

最近では、多くの外国の方が禅宗の寺院で体験修行をされているようです。
食の大切さもありますが、精神面での修行に強い関心を持っての体験のようです。

日本の素晴らしい文化ですから、時間があれば、体験されてみてはいかがでしょうか。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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よかったらご覧ください。

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