
栄西が開いた臨済宗とはどんな宗派?お経の内容は?
臨済宗は曹洞宗と並ぶ禅宗です。また曹洞宗を開いた道元は臨済宗の開祖である栄西の弟子として建仁て寺で修行しました。その臨済宗ではどういったお経を読むのでしょう。臨済宗で読むお経について調べて見ました。
最終更新日: 2020年02月28日
栄西が開いた臨済宗は禅宗である
臨済宗は栄西が中国(当時は宋と呼ばれた)に渡り、臨済宗の黃龍派に師事し善を学び、日本の持ち込んだ禅宗の宗派です。
曹洞宗を開いた道元が、栄西の建てた建仁寺で修行を行います。
すなわち栄西は道元の師匠に当たる僧で、日本における禅宗の開祖そのものです。

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今回「終活ねっと」では、臨済宗のお経について以下の点を中心にして解説していきます。
- 栄西とは?
- 臨済宗で唱えられる枕経とは?
- 臨済宗の法要で唱えられる般若心経とは?
- 引導法語とは?
臨済宗のお経に関するあらゆる情報を詳しくまとめています。
ぜひ最後までご覧ください。
栄西は、他宗派からは認められていない
禅宗は師から弟子への血脈を大事にします。
栄西に禅宗を相伝した師は、中国の臨済宗黃龍派でありました。
当時の宋では臨済宗が黄龍派と楊岐派に別れます。
栄西の後に、宋に渡った僧は楊岐派に学びました。
その為、血脈の違う各本山は栄西には敬意を払いませんでした。
栄西は同じ禅宗だけでなく他でも不人気
栄西は悪評が多いお坊さんで、立身出世にしか興味が持てない男でした。
後鳥羽上皇から、伝灯大法師や法印という位を賜ったにもかかわらず、更に厚かましく太師号を賜りたいと願うのですが、この大師号は死んだ後に与えられるものであるとして拒絶されます。
臨済宗で唱える枕経というお経
臨済宗で唱えるお経は色々ありますが、人が亡くなった場合に枕経、通夜、葬式とそれぞれ読むお経が異なります。
例えば枕経で読むお経は、観音経または世尊偈、大悲咒を読むとされていますが、はっきりとこれを読みなさいという決まりはありません。
臨済宗で読まれるお経は観音経
観音経とは法華経の二十五番の「妙法蓮華経観世音菩薩品第二十五」の事で、世尊偈というお経は、その観音経の後半部分のことです。
この観音経も世尊偈のいずれとも、観世音菩薩の功徳について書かれたお経で、本来は日蓮宗などの法華経の中にあるお経です。
臨済宗の枕経では回向は普回向を読む
普回向とは、回向文の一種で、「このお経は〇〇さんの〇〇の為にお読みしました。
」というお経を読む目的を表現した文章です。
唱え方には漢文を読み下したものと、お経のように漢字を上から読み下したものの2種類あります。
なお枕経とは人が亡くなった最初に受けるお経です。
臨済宗では南無阿弥陀仏は唱えない
臨済宗は禅宗であるため、浄土宗や浄土真宗のように阿弥陀様を称える南無阿弥陀仏の念仏は唱えません。
浄土宗の、ご本尊は阿弥陀如来ですが、臨済宗や僧洞宗などの禅宗のご本尊は釈迦如来、つまりお釈迦様で、その禅宗を開かれたのは有名な達摩大師です。
臨済宗では法要で般若心経を唱える
臨済宗では回帰法要の時には、般若心経というお経が用いられます。
このお経は有名で正式には「摩訶般若波羅蜜多心経」といい、僅かな文字で宇宙の理を表しているとされているお経です。
この他に本尊回向、大悲咒、観音経世尊偈、白隠禅師座禅和讃なども読まれます。
臨済宗のお通夜で読まれるお経
臨済宗の通夜に読むお経としては、遺教経、父母恩思経、宗門安心章,諸和讃を唱え法話などを開くことになっています。
遺教経とは釈尊が入滅の時に行った弟子への説法です。
父母恩思経とは、尊い父母の恩への感謝の念について説かれたお経です。
この他御詠歌が読まれます。
お通夜に持参する香典の金額はいくら程度がご存知でしょうか?こちらの記事ではお通夜の香典の金額相場だけでなく、包み方や渡し方のマナーなどについて詳しく解説をしています。
是非ご覧ください。
臨済宗のお葬式では引導法語を送る
臨済宗の葬儀のメインは、導師が亡くなった故人の為にオリジナルの教え引導法語にあります。
引導とは本来生きている衆生を仏道に導き事を意味しますが、葬儀では亡くなった人を仏の道に導く法語として用いられます。
この法語のあとに喝を入れるのが禅宗の葬式のやり方です。
臨済宗の引導と法話
臨済宗の葬儀のメインは、導師が亡くなった個人の為に、オリジナルの引導法語にあります
。
引導とは本来生きている衆生を仏道に導き事を意味しますが、葬儀では亡くなった人を仏の道に導く法語として用いられます。
時代劇で使う「引導を渡す」というセリフもここから来てます。
引導を渡したあとに唱えるお経
臨済宗では引導を渡したあと、遺族が焼香している間に唱えるお経として、観音経と大悲咒が読まれます。
また、火葬などでの収骨の際にも舎利礼文というお経が読まれます。
この舎利礼文は「お釈迦様の尊いお骨を礼拝すると功徳がある」ということを伝えるお経なのです。
臨済宗の仏壇の祭り方
仏壇とは、その名の通り「仏の壇」です、従って仏壇のメインはお位牌ではなく、お釈迦様または宗派のご本尊と、お経なのです。
仏壇はご本尊とお経巻を祭るために設けられたものです。
臨済宗のご本尊は、釈迦牟尼仏で、脇侍として達摩大師と観世音菩薩をお祭りします。
臨済宗のお経に関するまとめ
いかがでしたでしょうか?
今回「終活ねっと」では、僧洞宗と並び称される臨済宗とその臨済宗で読まれるお経について解説しました。
開祖の栄西というお坊さんは、日本での禅宗の魁でもあった方でした。
栄西に関する本を読んでいてわかったことですが、かなりの理論家だったお坊さんです。