墓地の解約について

お墓の建立後に、難しい手続きは必要ないと考えている人は多いでしょう。
しかし、時間が経ち、ご遺族のさまざまな事情からお墓を別の場所へ移すことを希望される場合もあります。
その時に必要な手続きとして、墓地の解約が挙げられます。
しかし、墓地の解約をやったことがない場合、どのような手順を踏めば良いのかよくわからないという人も多いのではないでしょうか。
そこで今回終活ねっとでは、墓地の解約手続きについて、
- 墓地を解約するやり方について
- 永代使用料は墓地の解約時に返してもらえるか
- 墓地を解約するために必要な費用
以上のことを中心に解説していきます。
墓地の解約に関連する事柄を詳細にご説明していますので、墓じまいをする際の参考にしてください。
ぜひ最後までご覧ください。
墓地の解約の手順

墓地の解約はどのような手順で行えば良いのでしょうか。
ここではまず、墓地の解約の手順についてご紹介します。
現在のお墓の中身を把握する
墓地の解約の手順として、まずは現在のお墓の中身を把握しておきましょう。
多くの場合、ご遺骨は1つのお墓に複数納められています。
後で書類に記入する際に、ご遺骨が何人分納骨されているかなどを知っておかなければならないので、事前に確認する必要があります。
他にも以下のポイントなどをチェックしておきます。
- それぞれ誰のご遺骨なのか
- サイズはどれくらいか
- 欠損はしていないか
- 納骨してからどれくらい経ったのか
- 火葬してあるかどうか
確認しておくポイントが多いので、事前にメモを用意し、故人ごとに必要な情報を書き留めておくと便利です。
ご家族で話し合う
次にやるべき行動として挙げられるのが、ご家族で話し合うことです。
もしもご家族の意見を聞かず、勝手に墓地の解約の手続きを進めてしまった場合、後でトラブルに発展する可能性があります。
そのため、墓地の解約をする前に、ご家族やご親戚と話し合いの場を設け、理解してもらう必要があります。
解約後のご遺骨をどうするかを決める
次にすることは、墓地を解約した後のご遺骨の供養方法について考えることです。
墓地を解約した後、ご遺骨をスムーズに供養するためには、あらかじめ供養方法について考えておく必要があります。
墓地の解約をする理由は人によって違うものの、「継承者がいない」「お墓参りに行くことができない」「予算が足りない」などが挙げられます。
そのため、墓地の解約理由に沿った供養方法を選ぶのが最適です。
供養方法は主に以下のものが挙げられます。
納骨堂
納骨堂とは、ご遺骨の入った骨壺を安置しておける建物の中にあるお墓のことです。納骨堂における参拝は基本的に建物の中で行うため、雨や強い風などを気にすることなく、お参りできて便利です。
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永代供養
永代供養とは、さまざまな事情からお墓の管理が難しくなった人に代わって、お寺や霊園がお墓の管理・供養をしてくれる供養方法です。永代供養は一定期間を過ぎれば、他人のご遺骨とともに合祀墓へ埋葬されてしまいますが、霊園によっては期間が過ぎる前に、更新の有無を確認するところも増えてきました。
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その他の供養方法
その他の供養方法は以下のようなものが挙げられます。
-
散骨
散骨とは、ご遺骨を粉状にして、自然の中へと撒く供養方法です。散骨の種類は海洋散骨や空中散骨があります。
近年では、ロケットにご遺骨を乗せて飛ばすタイプの散骨として、宇宙葬というものも出てきました。 -
手元供養
手元供養とは、ご遺骨を自宅で管理・供養する供養方法です。手元供養は自宅でお参りができるため、外出の手間が省けます。
墓地管理者に連絡する
次は今の墓地の管理者に連絡し、解約すること伝えましょう。
墓地の管理者に何も言わず、勝手にご遺骨を取り出すことはできません。
特に墓地がお寺だった場合、今までご遺骨を供養してきたお寺側としては、相談もなしにいきなり解約すると言われれば、不満が生まれる原因になります。
そのため、お寺に関して言えば連絡というより相談という形で、穏便に解約できるようにするのが良いでしょう。
そして、墓地の解約を了承されたら、埋葬証明書を発行してもらいます。
必要なら改葬許可申請する
そして、墓地を解約した後のご遺骨の供養方法によっては、改葬許可申請をする必要があります。
散骨や手元供養を選ぶなら、先述したように、お墓を用意する必要がないため、改葬許可申請をしなくても問題ありません。
ただ、散骨を代行会社に依頼する場合、会社によっては改葬許可証の提出を求められることもあるため、あらかじめ確認しておきましょう。
納骨堂や永代供養を選ぶなら、改葬許可証が必要となります。
改葬先と改葬元でそれぞれ発行してもらった受入証明書と埋葬証明書を揃え、市役所で改葬許可申請の手続きを行い、改葬許可証を発行してもらいます。
撤去依頼先を決める
最後にお墓を撤去する依頼先を決めましょう。
お墓を他の場所へ移すにしろ、処分するにしろ、当然ながら個人ではできないため石材店に依頼して工事をしてもらうのです。
自分で予算などを考慮しつつ、いくつかの石材店と比較して選ぶのが良いでしょう。
しかし、現在の墓地がお寺だった場合、指定石材店がいることもあります。
これは「指定石材店制度」といって、お寺や霊園などであらかじめ決められている、いくつかの石材店しか利用できないというものです。
そのため、お寺にこの制度があるなら、石材店の選択肢はかなり狭まります。
墓地を解約した時永代使用料は戻ってくる?

永代使用料は、たびたび永代供養料と混同されがちですが、意味はまったく違います。
永代使用料は墓地を契約した際に支払う費用のことで、契約が続く限り、その墓地を使用することができます。
しかし、墓地を解約した場合、その永代使用料が戻ってくることはありません。
お墓を短期間、もしくは1度も使わなかった、そもそもまだお墓を建てていないという場合でも同じく、永代使用料は返還されないということを覚えておいた方が良いでしょう。
契約した墓地はあくまでも管理者から借りている状態であり、永代使用料もいわば墓地のレンタル料のようなものです。
したがって、墓地を解約しても、返金はされません。
墓地解約にかかる費用

この項目では、墓地解約にかかる費用についてご紹介します。
ご遺骨の取り出し
お墓の撤去だけではなく、ご遺骨の取り出しも石材店にやってもらいます。
ご遺骨の取り出しにかかる費用は約5千円で、ご遺骨のお手入れを追加する場合は、約3万円ほどかかります。
骨壺に入っていたとはいえ長期間納骨されていたならお墓によっては、ご遺骨が少し溶けだしていたり、カビが生えていたりなど、酷い状態になっている場合もあるのです。
そのため、改葬先へ納骨する前にご遺骨の状態や供養方法に合わせたお手入れをする必要があります。
離檀料
離檀料とは、契約していた墓地がお寺だった場合、檀家を止めるために支払う費用のことです。
お寺によって離檀料を請求するところもありますが、しないところの方が多いです。
今までお世話になったお礼として支払うならば、費用は3万円~20万円程度になります。
お寺から何百万という高額な離檀料を請求されるケースも存在します。
しかし、離檀料に法的根拠はないため、無理をして支払う必要はありません。
撤去費用
お墓を撤去するためにかかる費用は、30万円前後です。
費用は石材店によって変わってきますが、お墓を建てている墓地が狭い、お墓が大きいなど、撤去の工事をする上でやりづらい条件が揃っているとその分だけ費用は高くなっていきます。
例えば、お墓を持ち上げるための重機を乗り入れるスペースがなければ、作業方法も変える必要があります。
この場合は、作業人数を増やさなければならないため、人件費がかかるということです。
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解約後の改葬による納骨費
改葬先で新しくお墓を購入する場合、費用はさまざまで50万円~300万円と幅広いです。
また、石材店にお墓への納骨を依頼する際にかかる費用は、2万円~5万円程度となります。
しかし、解約後に選んだ供養方法が散骨や手元供養の場合は、新しいお墓を用意する必要がないため、費用はかかりません。
墓地の解約についてまとめ

いかがでしょうか。
今回の終活ねっとでは、墓地の解約について、以下のことをご説明いたしました。
- 墓地の解約は、ご遺骨の数や状態を確認してご家族と話し合い、解約後の供養方法を決め、墓地の管理者と連絡を取り、埋葬証明書を発行してもらう
- 供養方法によっては、改葬許可申請をして石材店にお墓の撤去の依頼をする
- ご遺骨の取り出しにかかる費用は約5千円、お手入れは約3万円
- 離檀料は3万円から20万円だが、何百万という高額請求に応じる必要はない
- お墓の撤去費用は30万円前後、解約後の改葬でかかる納骨費用は、お墓の購入費が50万円から300万円
- 納骨を石材店に依頼する際の費用は2万円から5万円、散骨や手元供養の場合はお墓は必要ないため、納骨費はかからない
墓地の解約には、トラブルを避けるための話し合いや解約後の供養方法を決める必要があるとわかりました。
ご家族やご親戚との話し合いについては、今後もお付き合いを続けていく相手ですから遺恨が残らないよう、お互いが納得するまで続けましょう。
また、お寺の檀家になっていた場合、今までお墓を守ってくれていた住職の方に失礼のないようにしたいものです。
そのため、自分の中で墓地の解約をすることが決定事項だったとしても、やはり相談する体で話を持っていくことをおすすめします。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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