水子供養のためのお墓について

家族を持っている方にとっては子供が誕生するということは大きな喜びであり楽しみであるといえるでしょう。
しかし、不幸なことに何らかの事情で、その生まれてくるはずの子供が亡くなってしまうということになる場合、もしくはやむを得ない事情でその子を中絶する場合もあります。
その時の悲しみは非常に深く、また無事に生むことができなかったということに対する罪悪感を感じるという方は非常に多いです。
そんな生まれてくるはずだったのに亡くなってしまったお子さん(水子)はどのように供養すればいいのでしょうか。
そこで今回終活ねっとでは、水子供養のためのお墓について
- 水子供養でお墓を建てるべきか否か
- 水子のご遺骨をお墓に納骨するまでの期間はどのくらいなのか?
- 水子供養をするために建てるお墓の墓石について
- 水子供養のために建てるお墓の値段の相場について
以上の点を中心にご紹介していきます。
ぜひ最後までお読みください。
水子供養でお墓を建てるべきか否か

生まれる前に亡くなった赤ちゃん(水子)のことを考えると、せめてきちんと供養してあげたいという気持ちがあるという方も多いでしょう。
水子供養でお墓は建てるべきなのでしょうか。
ここではまず、水子供養にまつわる現状や、水子供養の具体的な方法としての地蔵尊の建立とお墓を建てるということについて触れていきます。
水子を供養しないことも多い現状
まず、水子供養にまつわる現状から考えていきましょう。
先に書きますと、水子をきちんと供養することは少ない傾向にあります。
この傾向は特に、10代や20代で妊娠した経験のある女性に多いとされています。
というのは、妊娠が明らかになった際に中絶せざるを得ない場合も少なくなく、加えて流産をした場合にそのことを恥ずかしいと思うことから、あまり水子供養について相談したくないと考える方も多いためです。
しかし、せっかくできた赤ちゃんであるにもかかわらず、流産したり中絶せざるを得ない状況になったりすることはやはり非常に悲しいことです。
一方亡くなってしまった赤ちゃんの霊にとっても、生まれてくることができなかっただけでなく、そのことで一緒になるはずだったご家族が落ち込んでいる姿は忍びなく感じるでしょう。
そのため、亡くなった赤ちゃんの来世での幸せを願うためにも、また何よりご自身の悲しい気持ちを整理するためにも、水子はきちんと供養した方がいいといえるでしょう。
一般的には地蔵尊を建てる
それでは、より具体的な水子供養の方法として、どのような方法が挙げられるのでしょうか?
一般的には、いわゆるお地蔵さんである、地蔵尊の像を建てることによって供養を行う場合が多いです。
そして、水子を供養するために建てたということから、「水子地蔵」と呼ばれています。
水子地蔵は水子供養を行っているお寺の境内に建てられることが多いです。
そして、供養そのものは年に1度などというように定期的にやってもらうことができます。
水子に対して葬儀を行う代わりに地蔵尊を建てるのは、水子の霊が極楽浄土に向かう際に地蔵尊が案内役として導くためとされています。
水子のためにお墓を建ててもいい
また、もちろん水子のためにお墓を建てるという選択肢もあります。
このような場合も、やはり水子供養を取り扱っているお墓に相談したうえでお墓を建てるという方法がとられます。
個別にお墓を建てる場合は、地蔵尊の像、もしくは霊標を建てるという方法があり、地蔵尊を建てる場合であれば、その前にお供え物をお供えできるスペースも設けられます。
また、霊標の場合は「○○家水子之霊位」というような表記で彫刻がなされます。
ほかにも、水子専用の合祀墓に合祀するという方法もありますが、こちらの場合は一度納骨されると後からご遺骨を取り出すことは基本的にできません。
水子をお墓へ納骨するまでの期間について

ここまで、水子をお墓に納骨することをみてきましたが、水子のことに限らずお墓を建てるということは一朝一夕にできることではありません。
そこでここでは、お墓に水子のご遺骨を納骨するまでの期間はどのくらいが一般的なのか、そして期限や納骨するタイミングとしていつ頃がよいのかについて見ていきましょう。
お墓への納骨に期限はあるのか
まず、水子のご遺骨をお墓に納骨するまでの期間に期限はあるのかどうかについて見ていきましょう。
この点については、特にこの時期までに納骨しなければいけないという決まりはありません。
言い換えれば、そのご家庭の事情に合わせて納骨するということとなります。
このため、納骨されるタイミングが四十九日明けという場合もあれば、数年後、もしくは数十年後という場合もあります。
もちろん、かなり後になっても特に問題はありませんので、ご安心ください。
ただ、実際のところは、この後の項目でご紹介するように、早めに気持ちの整理をつけるためにも水子の四十九日が明けた段階や、あるいはもっと早く1ヶ月半程度で納骨するというご家庭が多い傾向にあります。
気持ちをひと段落させるため早く納骨する
水子をお墓に納骨する期限に決まりがないとはいえ、流産や中絶などで生まれてくるはずだった赤ちゃんを失った悲しみから立ち直りたいという方も少なくないでしょう。
そのため、そのような悲しみや罪悪感に満ちた気持ちに一区切りつけるためにも、早い段階で水子のご遺骨をお墓に納骨し供養をするのも一つの方法です。
具体的には、水子の四十九日明け、もしくは亡くなってから1ヶ月半ほどがよいでしょう。
亡くなった水子の方も、ご家族の方がいつまでも悲しみにうちひしがれている状態では、せっかく極楽浄土で生まれ変わっても気持ちがあまりよくないでしょう。
その点から見ても、悲しい気持ちから立ち直る方法として、早い段階で水子のご遺骨の納骨は有効です。
しばらくの間家で一緒に過ごす
最近選択する方が増えている選択肢として、早い段階で水子のご遺骨を納骨するのではなく、ある程度の期間、ご自宅で一緒に過ごした後で納骨するという方法が挙げられます。
自宅で一緒に過ごすことには、生まれてくるはずであった赤ちゃんを失った悲しみや罪悪感を落ち着かせ、なおかつ今後どのように水子のことに向き合っていくのかをゆっくりと考えるという目的があります。
同時に気が済むまで生まれてくるはずだった我が子に想いを巡らせる時間を持つことで、その後の人生に向かって新たに踏み出せるようにするという方法でもあります。
もちろん、納骨の期限は特に決まっていないため、水子のご遺骨と一緒に家で過ごす時間はいくらでも持つことは可能です。
ちなみに、ご家庭で一緒に過ごすための道具として、専用のミニ骨壷も販売されていますので、もしよろしければチェックしてみてください。
水子供養するための墓石について

それでは、水子供養をするための墓石として、具体的にどのようなものが挙げられるのでしょうか?
ここでは、水子のためのお墓を建てる際の決まりごとや、どのような墓石がおすすめなのかについて見ていきます。
今現在、水子のためにお墓を建てることを考えている方、もしくは終活の中で長く水子のことで何もしてくることができなかった方などはぜひとも参考にしていただければ幸いです。
墓石を建てる際のルール
墓石を建てる際のルールなどはあるのでしょうか。
実は水子供養のために墓石を建てるにしても、決まりごとがないわけではありません。
水子のためのお墓を建てる際のルールを知ることで、いざという時に困らないようにしておくことも大切です。
3ヶ月未満の水子は祀らない
まず、納骨できる水子のご遺骨の中でも、3ヶ月未満(13週目未満)の状態で亡くなった場合は祀らないという決まりがあります。
というのは、胎児は妊娠3ヶ月ほどにならないと性別の判断がつかないためです。
加えて、その頃になってようやく体の輪郭がはっきりするようになるということも挙げられます。
それに合わせて、仏教の宗派の中には魂の宿る存在として妊娠4ヶ月以降ときめているところもあります。
戒名を付けるかどうか
水子のご遺骨をお墓に納める場合、戒名をつけるかどうかという問題もあります。
実は水子に戒名をつけるかどうかは、地域や各宗派によってさまざまですので、戒名の件は日頃から付き合いのあるお寺の方に相談するのが無難です。
ただ、赤ちゃんの霊は清らかでけがれがないものとみなされているため、戒名をつける必要がないという場合が多いです。
本来、戒名とは生前もしくは死後に煩悩を取り除き、仏様の弟子として歩むことへの誓いのためにつけられる名前であることから、元から清らかな赤ちゃんには必要がない存在です。
だからこそ、戒名をつけてもらえなくても、それは決して落ち込むべきではないことといえます。
もちろん、戒名をつけてもらえるということになる場合もありますので、その際にはありがたくいただいておきましょう。
どのような墓石を選べばいいのか
水子供養ではどのような場石を選べばいいのでしょうか。
基本的に水子供養の際に選べるお墓には、水子の魂を極楽浄土に導く存在である水子地蔵の像が不可欠です。
ただ、最近では本来の地蔵像に柔和さを伴った親しみやすい顔を持ったものが作られる場合も増えてきていますので、ご自身のお考えによってはそちらを選ぶということもできます。
水子供養のお墓の値段相場

いくら水子のためにお墓を建てるといっても、やはりお金の問題は考えないわけにはいきません。
そこで最後に、水子供養のお墓の値段の相場について見ていきましょう。
水子のお墓自体の費用は、建立の際にお世話になる寺院によっても異なるため、その費用はさまざまですが、5万円〜30万円ほどが相場とされています。
もちろん、お墓を建てる前の段階のさまざまな供養を行ってもらうと、より費用が必要となってきますので、全体的には数万円〜数十万円ほどが必要であるとお考えください。
水子供養のためのお墓についてまとめ

今回終活ねっとでは水子供養のためのお墓についてご紹介してきましたがいかがでしたでしょうか。
この記事の内容をまとめると以下になります。
- 水子供養については、水子を供養しないという選択肢を取る方も少なくないが、生まれてくるはずだった赤ちゃんを失った悲しい気持ちを整理するためにも、なるべく水子は供養した方がよいといえる。そして、そのための具体的な方法として地蔵尊(水子地蔵)やお墓を建てるという方法が挙げられる。
- 水子をお墓に納骨するまでの期間については、特に決まりはない。供養を行うご家庭の事情によって四十九日明けといった比較的早い段階もあれば、数十年後とかなり後になる場合もある。ただ、もしなるべく早く悲しい気持ちに整理をつけたいということであれば、早い段階で納骨するとよい。一方で、しばらくの間水子のご遺骨と一緒にご自宅で過ごすという方も増えてきている。
- 水子供養のためのお墓については、まず妊娠3か月未満の水子は性別の判断がつかないことや体の輪郭が形成されていないこと、さらに妊娠4ヶ月以降でなければ魂を持った存在とみなされないことからお墓に祀られることはない。戒名についても、赤ちゃんの魂はけがれのない存在とみなされているため、あまりつけられることはない。墓石については、基本的に地蔵尊の像を伴ったものとなるが、最近では柔和さを伴った顔立ちのものなども増えてきている。
- 水子供養のお墓の値段の相場は、水子供養をとり行う各寺院によりさまざまだが、おおよそ5万円〜30万円ほどが一般的である。このほかにもお墓を建てる前の段階で必要な供養にも費用がかかるため、数万円〜数十万円は必要と考えておいた方がよい。
この記事が何かしらの事情でお子様をなくした方のお役に立てれば幸いです。
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最後までお読みいただきありがとうございました。
お墓を建てたいけどどうすればいいかわからない方へ...

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