
お墓参りにお布施は必要?お布施の相場やマナーについて解説!
年に何度か出かけるお墓参りの際にいろいろ考えることはありますが、その中でもお布施のことを考えるという方も多いでしょう。たしかにどのくらい包めばよいのかや、どのようにして渡せばよいのかは考えずにはいられないことです。今回は、お墓参りのお布施について見ていきます。
最終更新日: 2020年12月17日
お墓参りのお布施について

皆さんが毎年何度か出かけるお墓参りですが、お墓参りのたびに考えなければいけないことはいくつかあります。
ご親族やご友人のどなたに参列してもらうかや、法要をどうするかなどいろいろとありますが、その中でも避けられないものの1つがお布施の問題です。
お布施と聞くと、葬儀や法事、法要などの際にお経をあげてくれたお坊さんにお礼として手渡すお金というイメージがあると思います。
しかし、本来はお経をあげてくれたことや戒名をつけてくれたことへの対価という意味ではなく、あくまでもお坊さんや仏様への感謝の気持ちという意味があります。
そのため、お布施はできれば気持ちよくお渡ししたいところですが、そうするにしてもお布施の費用の相場や渡し方などを前もって知っておいた方が、より気持ちよく手渡す心の準備にもなるでしょう。
そこで今回は、お墓参りの際のお布施に関していろいろと見ていきましょう。
この記事では以下のポイントを軸に内容を進めていきます。
お墓参りにお布施は必要なのか?
お布施の費用の相場はどのくらいなのか?
お布施をお渡しする際のマナーとはどのようなものなのか?
お墓参りに出かける際に守るべきマナーとは?
終活の中でお墓やそれにまつわるお金関係のことを検討する際の材料にぜひともお役立てください。

「終活ねっと」運営スタッフ
お葬式だと、業者が見積もりを出してくれますが、お布施はそうもいきませんよね。
迷いがちなお布施について、「終活ねっと」が解説します。
ぜひ最後までお読みください。
お墓参りにお布施は必要?

はじめに、そもそもお墓参りの際にお布施を用意しておく必要があるのかどうかという問題は、皆さんも気になっていることではないでしょうか?
そこで、ここではお墓参りにお布施が必要かどうかについてを見ていきましょう。
お坊さんを招く場合
お墓参りではお坊さんを招く場合もあれば、その必要がない場合もあります。
お坊さんを招く場合とは、具体的にはお墓の開眼供養・閉眼供養や納骨供養といった、必ずお墓の前で行われる法要が挙げられます。
このほかにも、年忌供養やお盆、お彼岸などでお墓の前でお経をあげてもらう際にもお布施は必要です。
ちなみに、お坊さんを遠方から招く場合には、お布施とは別に交通費の意味合いとしての御車代、さらにお墓参りの後の会食に参加しない場合の御膳料も手渡します。
お坊さんを招かない場合
お墓参りの際にお坊さんを招かない場合は、基本的にお布施を用意する必要はありません。
ただし、お正月やお彼岸の際に、お墓参りに出かけたついでに日頃お坊さんにご挨拶したり、お世話になっている感謝の気持ちを伝えたりする場合はお布施が必要となってきます。
ただし、これは地域やお寺との関係性や、ご家族の考え方、地域の慣習次第によるところも大きいですので、お布施関係で特別なルールがある場合はそれに従うとよいです。
お寺での合同の法要に参加する場合
お盆やお彼岸、故人の命日などにお墓参りに出かけた際にお寺で催される合同の法要に参加するという方もいるのではないでしょうか?
この場合は、お布施を手渡す必要が出てきます。
やはり、法要を開催し、そこで故人のためにお経をあげてもらった感謝の気持ちを示すためにもお布施は必要です。
なお、永代供養における納骨法要の際にもお布施は必要です。
なぜならば、永代供養墓は他の故人の方との共同墓としての意味があるためで、そこに納骨される際に行われる法要は、いわば合同法要ということになるためです。
永代供養のお墓参りでもお布施は必要?
それでは、永代供養のお参りをする場合はお布施は必要となってくるのでしょうか?
結論を言えば、こちらはお布施は利用される方々の任意によるものといえます。
そもそも、永代供養に必要な費用である永代供養料は、永代供養を利用する際のいわば初期費用としてお支払いしますが、お布施もその中に含まれている場合もあるためです。
また、先ほども見たように永代供養料以外でお布施を払うべき時が明らかなのは納骨法要ぐらいだからです。
このため、それ以外では必ずしもお布施を払う必要はないといえるでしょう。
ただ、日ごろお世話になっていることへの感謝の気持ちを表したいのであれば、お礼のついでにお布施を手渡してくるということも可能です。
「終活ねっと」ではお墓参りに関する様々な情報を紹介しています。
お墓参りのあれこれについて詳しく知りたい方はこちらをご覧ください。
お布施の費用の相場

お墓参りの際にお布施が必要かどうかをケース別に見てきました。
基本的にお坊さんがその場にいるときは手渡す必要があるといえます。
それでは、一般的なお布施の費用の相場とはいったいどのくらいなのでしょうか?
ここではそれについて見ていきましょう。
お布施に関する費用
ここではまず、お布施そのもので必要となる費用の相場について見ていきましょう。
お寺や自宅などで個別に法要をする場合
故人の年忌法要やお盆、お彼岸などで個別に法要を営む際にお坊さんにお経をあげてもらう場合のお布施ですが、実は執り行う法要の種類によってその費用の額は異なってきます。
まず、年1回の故人の祥月命日の法要(基本的に故人が亡くなった日に最も近い土日に行われる)の場合は5000円から1万円、故人が亡くなって49日目や丸1年に行われる四十九日法要や一周忌法要の場合は3万円から5万円、三回忌法要以降の年忌法要の場合は1万円から5万円が相場です。
ちなみに、初盆や新盆の場合は親戚の方も招いて盛大に執り行われることもあって、3万円から5万円ほどが相場となります。
このほか、お彼岸の際に自宅で法要を行う場合も3万円から5万円が相場です。
お寺での合同の法要に参加する場合
お盆やお彼岸の際にお寺で行われる合同の法要に参加するという方も多いでしょう。
ここでは、その際に必要なお布施の額の相場について見ていきます。
お盆の場合であれば5000円から2万円、お彼岸であれば3000円から1万円というのが一般的な相場です。
開眼供養や閉眼供養、納骨法要の場合
お墓を建てた後に行われる開眼供養や、お墓じまいの際に行われる閉眼供養、納骨の際に行われる納骨法要の場合はそれぞれ3万円から5万円がお布施の一般的な相場です。
ちなみにお布施は手渡す時は、法要前後の時間に余裕があるときにまとめて手渡すとよいでしょう。
お布施以外に必要な費用
お坊さんに手渡すお布施以外にも、場合によって手渡す必要のある費用があります。
ここでは、お布施以外に必要な費用について見ていきましょう。
御車代
御車代とは、お坊さんに遠方から来ていただいた場合や、ご自宅に来ていただいた場合に手渡す、いわば交通費のことです。
お車代の費用の相場は、5000円から1万円ほどが一般的とされています。
御膳料(御斎料)
御膳料(御斎<おとき>料)とは、法要のあとに行われる会食にお坊さんが参加できない場合に、お食事の代わりに手渡す費用を指します。
御前料の費用の相場は、こちらも御車代の場合と同じように5000円から1万円ほどが一般的とされています。
御膳料の相場についてさらに詳しく知りたい方は、こちらの記事もご覧ください。
お布施をお渡しするときのマナー

お布施をお坊さんに手渡す際には、そのお金を裸のまま手渡すことはマナーに反するとされています。
お布施は袋や封筒に包んで手渡すこととなりますが、お布施をお渡しするときのマナーとはどのようなものなのでしょうか?
お布施を包む袋・封筒はどんなものが良い?
まず、お布施を包む袋や封筒には、どのようなものを選べばよいかについて見ていきましょう。
正式にはお布施は奉書紙に包んでお渡しするのが古くからのしきたりとされていますが、現代ではコンビニや文具店で扱っているような普通の封筒(印字済みのものも含む)に入れて手渡してもかまいません。
ちなみに、袋が二重になっている状態の封筒は使わないようにしましょう。
これは、「不幸が重なること」につながるためです。
ちなみに、不祝儀袋にお布施を包むという場合は、黒白や黄白の色の水引を使います。
お布施の正しい書き方は?
お布施を包んだ封筒にご自分で表書きを入れる場合にも、お布施の正しい書き方を知っておく必要があります。
表書きの文言としては、上半分が「お布施」や「御布施」、「御経料」、「御礼」、「御回向料」といったように記します。
下半分には、法要の施主の姓名や「○○家」を書き記します。
なお、この際普通の黒い墨を使うという点に注意です。
間違っても、葬儀の際のお布施に使われる薄墨は使わないようにしましょう。
お布施をお渡しするタイミングは?
お布施をお渡しするタイミングは個別で法要を行う場合と、合同で法要を行う場合とでは少し異なります。
個別で法要を行う場合は、法要が始まる少し前の段階で余裕があるときにお坊さんに個別にご挨拶した際に手渡します。
もし、法要の前に余裕がなければ、法要が終わる際のご挨拶の際に手渡すということでも構いません。
このとき、お盆に乗せて手渡すか、袱紗(ふくさ)と呼ばれる包みに包んで手渡すという方法がとられます。
なお、手で直接手渡すのはマナーに反しますので避けましょう。
合同で法要を行う場合は、受付で係の方に手渡します。
お墓参りのマナー

お墓参りや法要の際のお布施について見てきたついでに、お墓参りをする際のマナーにどのようなものがあるのかについても見ていきましょう。
服装
服装については、喪服が基本です。
男性であれば黒色の上下のスーツ、女性であれば黒色のスカートやワンピースを着用しましょう。
また、スーツ以外では、派手さがない私服でも差し支えはありません。
派手さのある華美な服装は、故人への弔意を示すためにも、また周りに配慮するためにも避けるようにします。
持ち物
持ち物としては、お墓にお供えするお線香やろうそく、お花、お供え物(故人が愛用していたお菓子や飲み物など)、お花を供える際に長さを整える花ばさみ、お墓周りを掃除するための掃除用具などが挙げられます。
また、お線香やろうそくに火をつけるためのライターも忘れずに持っていきましょう。
お参りする時期・時間帯
基本的にお墓参りをする日や時間帯は、墓地や霊園の開園時間内であればほとんど大丈夫ですが、場合によっては配慮する必要があることもあります。
ここでは、お参りする時期・時間帯について見ていきましょう。
時期
お墓参りに出かける時期ですが、ここではお正月やお彼岸について見てみましょう。
お正月(正月三ヶ日)の場合は、たしかに帰省などもあって家族一同がそろっているため、お墓参りに行こうという気にもなります。
それでは、年明け前の年末に行ってはいけないのかというと、そういうわけでもなく、むしろ1年の感謝と報告を兼ねて行くというのもありです。
お彼岸の場合については、それぞれ春分の日と秋分の日を真ん中にした1週間がお墓参りの時期とされています。
中日となる春分の日と秋分の日が最も混雑しますので、その日を避けて彼岸明けと呼ばれるお彼岸の最終日に出かけるという方もいます。
時間帯
お墓参りの時間ですが、基本的には墓地や霊園の開園時間内であればいつでも大丈夫です。
ただし、あまりにも閉園時間ぎりぎりのお参りは管理している方の迷惑にもなりますので、午前中や午後の早い時間帯(遅くとも午後3時まで)がおすすめです。
ちなみに、墓地や霊園によっては時期によって開園時間帯が異なることもあったり、年末年始だけいつもと開園時間帯が違うという場合もありますので、参拝の前には事前に墓地や霊園の情報を確認しておきましょう。
お供え
お供えの際にも守るべきマナーがあります。
まず、お供えしたお菓子などはお帰りの際には必ず持ち帰るようにしましょう。
放置するとカラスなどが食べ散らかして、周りの方や管理者の方にも多大な迷惑をかけるためです。
もし、持ち帰るのが大変な場合は、その場で食べ分けるという方法もあります。
お墓参りのお布施についてまとめ

お墓参りの際のお布施についていろいろと見てきましたが、いかがでしたか?
今回の内容をまとめますと、以下のようになります。
お墓参りの際のお布施は、お坊さんを招いたり、お寺での合同の法要に参加したりする場合は必要となる。ちなみに、お坊さんを招かない場合や永代供養の場合は基本として必要ない。
お布施に関する費用は、お寺や自宅で個別に法要を行う場合は、法要の種類にもよるが、ひっくるめると5000円から5万円の範囲で必要となる。合同の法要の場合はお盆で5000円から2万円、お彼岸で3000円から1万円必要となる。開眼供養や納骨供養のように墓前で行う場合は1万円から5万円となる。このほかにも、場合によって御車代や御膳料が必要となることもある。
御布施を手渡す際のマナーは白色もしくは印字済みの封筒に包んで、黒い墨で表書きなどをし、法要前後の余裕あるタイミングでお盆に載せた状態か、袱紗に包んだ状態でお坊さんに手渡す。
お墓参りのマナーとして、服装は華美さのない喪服を着用し、お供えするための花やお菓子、お線香などのお供え物、お墓周りを清掃するための掃除用具を持参する。お参りする時期や時間帯についても注意し、お供え物は必ず持ち帰る。
お墓参りの際のお布施も決して安い費用ではないことから、もしできれば終活に取り組むうえでご自分のお墓の在り方について考える際に、余裕があれば一緒にお布施がどのくらいかかるかについても考えてみるというのもありでしょう。
あまりご家族に負担をかけたくないということであれば、永代供養や自然葬などのお布施が発生しない方法を考えてみるのも選択肢の1つです。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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