お墓参りのお経について

多くの方にとっては、毎年夏のお盆や春・秋のお彼岸の時期になるとお墓参りに出かけるというのが年中行事となっています。
そのお墓参りの際に必ずやることといえば、お墓の掃除や、花や故人の好きだったものを供えること、そしてお坊さんの手でお経をあげることが挙げられます。
このうち、お経をあげてもらうことはお墓参りにおいて最も不可欠なひと時といえるのではないでしょうか。
お坊さんがお経を唱える中で、参列した方たちが皆手を合わせて静かに亡くなった方のご成仏やご冥福を祈るのですから。
さて、このお経をあげるという行為についてですが、当日は普通にお経を唱える中で手を合わせるだけでよいように見えます。
しかし、はたしてお経をあげることについて注意すべきことはないのでしょうか。
そこで今回は、お墓参りでお経をあげる際に守るべき注意点について見ていきましょう。
終活の一環でお墓の管理について考えておられる方はぜひともご参考にしてください。
なお、この記事ではお墓参りのお経について以下のポイントを軸に話を進めていきます。
- お墓参りでは必ずお経をあげる必要があるのか?
- お坊さんにお経をあげてもらう際の注意点とは?
- 自分でお経をあげる場合の注意点とは?
お墓参りに行く際やお坊さんにお経を挙げてもらう際にはこの記事を参考にしてください。
ぜひ最後までお読みください。
お墓参りではお経をあげる必要があるの?

お墓参りに行くたびにお坊さんにお経をあげてもらうというのはごく常識と思われているようなことですが、そもそもなぜお経をあげる必要はあるのでしょうか?
一般的には、お墓に眠っているご先祖様のご成仏やご冥福のためであるとされています。
しかし、実はお経をあげるのはそれだけでなく、むしろ私たちのためでもあるといえます。
お経に書かれていることの多くは今この時を生きている私たちがどのようにすれば幸せになれるかということについてです。
そういう意味ではお経とは今を生きる私たちに向けたものであり、お墓参りでお経をあげてもらうということは私たちが仏の教えに向き合う時間を持つことを意味します。
さて、お墓参りの時は必ずお経をあげなければいけないのかといえば、そのようなことはありません。
お経は今も触れたようにあくまでも生きている私たちのためにありますので、不要と考えたのであれば別にあげなくてもよいのです。
大切なのはご先祖様をしのび、ご先祖様を敬う気持ちです。
お坊さんにお経をあげてもらう場合の注意点

お墓参りの際にお経をあげることについては、ほとんどの方がお坊さんに依頼して読経してもらうという方法を取るでしょう。
そこでここではお坊さんにお経をあげてもらう際の注意点について見ていきましょう。
お坊さんに事前に依頼する
お坊さんにお墓参りの際のお経をあげてもらうには、まずお坊さんに事前に依頼することが重要です。
逆に言えば、お墓参りの当日にいきなり駆け込みでお坊さんに依頼することは難しいことです。
というのは、お坊さんの方も他の方の法事などでの読経の依頼に応じて動いていることが多いためです。
いわば、事前に受けた読経の依頼に合わせて動いていることが多いので、いきなり依頼を受けても非常に困るということとなります。
そのような事態を避けるためにも、お墓参りでお坊さんにお経を依頼する際には時間に余裕を持って事前に予約することが大切です。
お布施料が必要になる場合もある
お坊さんにお経を依頼するとなれば、その際に手渡すお布施料が必要となる場合もあります。
もともと「お布施」そのものが、「読経に対する謝礼」である以上、お坊さんに依頼するのであれば用意しておくべきといえるでしょう。
さて、お墓参りの際のお経に対するお布施料の相場ですが、お墓参りのパターンによりまちまちです。
初盆やお彼岸の際に個別で依頼する場合は3万円から5万円、毎年のお盆のお墓参りやお彼岸の際の合同法要の場合であれば5000円から1万円というのが基本的な相場です。
なお、お坊さんに遠方から来ていただく場合はこれに加えて、交通費となるお車代が必要となります。
お車代の相場は5000円から1万円です。
自分でお経をあげる場合の注意点

お経とはお坊さんにあげてもらうもの、というのがもはや常識と化していますが、実はお坊さん抜きでもお経をあげることもできます。
ここでは、自分でお墓参りの際にお経をあげる際の注意点を見ていきましょう。
宗旨・宗派にあったお経をあげる
自分でお経をあげる際にはまず、亡くなった方の宗旨・宗派について知り、その人の宗旨・宗派に合ったお経をあげることが大切です。
というのは、宗旨や宗派によって挙げるお経も異なりますし、またさまざまな作法があるためです。
例えば、浄土宗や浄土真宗であれば無量寿経や阿弥陀経、真言宗であれば般若心経や大日経といった具合です。
ただし、お経のプロであるお坊さんが唱えるのならまだしも、お経に対して素人である私たちがいきなり自分で唱えるとなるとそれなりに大変です。
場合によっては読み方の分からない字が含まれていて、そこで止まってしまえばせっかくのお墓参りの雰囲気が台無しになります。
そのため、もしご自分で唱えるのであれば、日ごろから心の修練も兼ねてお経を読んでおくことが大切といえるでしょう。
また、事前にご家族やご親族の間でも、お坊さんに依頼しないでご自分でお経をあげることについて相談しておくのが望ましいです。
人によっては、お坊さんでもないのにお経を唱えるのはおかしいという考え方を持っていることもありますので、そういう方に理解してもらうことも重要といえます。
事前に管理者に連絡をする
もし、ご自分でお経をあげるということであれば、墓地や霊園の管理者にも事前に連絡することが大切です。
広大な墓地や霊園の敷地ではいつ何時ほかにも法要が行われるかもわかりません。
そんな中でお経を唱えるとなると、別のお墓の法要への参列者が間違って紛れ込むというようなことも起こりかねません。
そのようなことにならないように、管理者の方に事前に一言伝えておくことが望ましいといえるでしょう。
お墓参りのお経についてまとめ

今回終活ねっとでは、お墓参りのお経についていろいろと見てきましたが、いかがでしたか。
今回の内容をまとめますと、以下のようになります。
- お墓参りの際にお経をあげるのは単にご先祖様のご成仏やご冥福を祈るためであるだけでなく、今を生きる私たちがどのようにすれば幸せに生きるために仏様の教えと向き合うためでもある。
- お坊さんにお経をあげてもらう場合の注意点としては、まず時間的に余裕を持って事前に依頼しておくことが挙げられる。というのは、お坊さんの方も日々法事などお経をあげる予定が詰まっているためで、逆に言えば当日いきなりに依頼することは非常に難しい。また、お経をあげてもらう際にはお布施料を用意が必要な場合もあり、その際の相場はお墓参りの時期やパターンによって異なってくる。
- お坊さん抜きでご自分でお経をあげる場合は、まず亡くなった方の宗旨・宗派に合わせたお経をあげることが大切である。そのため、日ごろから宗旨・宗派に合ったお経についてよく読んでおくこと、そしてご自分でお経をあげる場合は事前にご家族やご親族と相談しておくことが不可欠である。
お墓参りでお経をあげるという光景は墓地や霊園ではよく見られるものですが、その分注意点もあるので終活の一環でお墓をどのように管理していくかについて検討されている方はあらかじめ知っておくとよいでしょう。
さらに、お経をあげることについて毎度お坊さんに依頼することに負担を覚える場合は、事前にお経を日常的に唱えて覚えるようにするとよいでしょう。
もちろん、ご家族やご親族にはあらかじめ話しておくことも大切です。
最後までお付き合いいただきありがとうございました。
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