お墓の解体費用について

突然ですが、あなたの先祖のお墓には跡継ぎがいますか?
近年では少子高齢化が進み、自らで終活を行うことが一般化してきました。
その流れを汲んで、名前を継いで土地やお墓を守る家制度は衰退する一方です。
そこで、既存のお墓をたたんで永代供養をしたり、居住地の近くへとお墓を移転する人が増えています。
しかし、大切なご遺骨の入ったお墓を無責任に放置することはモラルに反しますね。
とはいえ、ご遺骨が入り魂が宿っていると言われているお墓をしまうためには、いくつもの手順と費用が発生するのです。
自分が元気なうちに終活の一部としてしっかりと調べ、お墓の将来について相談しておきましょう。
人生で墓じまいを何度も経験するという方はあまりいませんから
- お墓を解体したい場合にはどうしたらいいの?
- お墓の解体にはいくらぐらいかかるの?
- 解体以外に墓じまいにかかる費用ってあるの?
などお墓の解体費用について様々な疑問があるかと思います。
そこで、今回はお墓を解体するときの手順や相場をわかりやすく解説すると共に困った時の対処法について説明します。
また、実際に墓じまいを検討されている方は、終活ねっとの墓じまい代行サービスをぜひご利用ください。
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終活ねっとではお墓に関する様々な記事を紹介しています。
以下の記事ではお墓の建立~相続までお墓のあらゆる内容についてご紹介しています。
お墓の費用について詳しく知りたい方は以下の記事をご覧ください。
お墓や墓石の費用相場はいくらなの?値段の内訳や購入のコツもご紹介
墓地・霊園でお墓の購入をする際に一番気になる費用。墓石や土地代など、一体何にいくらかかるのかでしょうか?今回終活ねっとでは、お墓の費用相場や値段の内訳・購入のコツまで、お墓の費用に関する疑問点を全て解説します。ぜひ最後までご覧ください。
お墓を解体するにはどうしたらいい?

では実際に墓じまいをしたい場合、お墓の解体はどうしたらいいでしょうか?
お墓はそれぞれの地域や形態によって扱いの異なるデリケートなものです。
しかし、一般的に墓じまいをする際には大きく分けて6つのステップが必要となります。
- 家族と相談する
- お墓の管理者に届出る
- 閉眼供養を行う
- 離檀する
- お墓の解体工事をする
- 墓地を移転する
それでは順番にお墓の解体の流れについて確認していきましょう。
①解体する前に家族に相談
お墓を解体したい、移転したいと思ったらまず何よりも解体する前に家族に相談しましょう。
「何を当たり前のことを!」とお思いかもしれませんね。
しかし、意外とこの最初のステップでトラブルが起こることも多いのです。
自らのエンディングを決める終活とは違い、お墓の解体は全親族に関係のある問題です。
大切な両親や祖父母など身内が眠るお墓を勝手に移動されては気持ち良くありませんよね。
自分の配偶者や子どもはもちろん、家を継いでいない兄弟たちや義兄弟たちにも話を通し、みんなが納得した上で次のステップへと進みましょう。
②管理者に解体する旨を届出る
家族、親族としっかりと意見を一致させたら、お墓の管理者に解体する旨を申請します。
自治体や管理者によりそれぞれ手続き方法が異なりますので、必要な書類を過不足なく入手しましょう。
新しいお墓へ引越しをする場合、現在お墓のある市町村で改葬許可申請書をもらったり、新しいお墓から納骨許可書をもらったりなど書類上の煩雑な手続きが必要です。
一方、同一墓地内の永代供養墓地などに移動する場合には新旧の管理者が同一のため、手続きが楽になります。
また、散骨や自宅供養を選択された場合、自治体によってかなり対応が異なります。
改葬理由として散骨を認めない自治体もありますので、しっかりと確認を行いましょう。
③閉眼供養を行う
お墓を解体するための書類上の準備が整ったら、閉眼供養を行います。
お墓には故人の魂が宿っているとされていますから、僧侶などにその魂を抜いてもらい(閉眼)、お墓をただの「もの」にしましょう。
閉眼供養の際にご遺骨をお墓から取り出す場合が多いので、自らの手で取りだすことが出来るのか、業者に依頼してご遺骨を取り出してもらうのかしっかりと確認しておくことも必要です。
④離檀をする
元々のお墓がお寺にある場合には、「檀家」と言ってお寺の会員のようなものになっている場合がほとんどです。
檀家のお墓を解体し、土地をお寺にお返しする場合には離檀する必要があります。
長年お世話になっていたお寺なのですから、住職に理解して頂いた上で離檀の手続きを取りましょう。
⑤お墓の解体にかかる工事
閉眼供養と離檀が済んだら、墓石を撤去し土地を更地にしてから管理主へお返しします。
お墓によってどのような状態でお返しするのかが違いますから、工事に入る前にお墓の管理者にお墓の解体にかかる工事について確認を取りましょう。
また、撤去作業を行う工事業者が決まっている場合もありますのでその点も忘れずにご確認下さいね。
⑥墓地を移転する
閉眼供養や離檀などの手続きが済んだら、墓地を移転しましょう。
今度は新しいお墓の方に対しての事務手続きや開眼供養などの法要が必要となりますので、慌てることのないよう古いお墓の解体と同時にしっかりと準備をしておくと良いですよ。
解体費用ってどのくらいかかるの?

お墓の購入にまとまったお金が必要になるのと同様、お墓を解体する際にもまとまったお金が必要となります。
ではいったい解体費用ってどれくらいかかるのでしょうか?
手続きを進めてしまってからお金が不足してしまったということのないよう、また管理者や業者と金銭トラブルが起きないようしっかりとお墓の解体にかかる費用を学んでおくと良いですね。
では順番に見ていきましょう。
お墓の面積によって価格は変わる
一般的に、お墓の解体にかかる費用は1㎡あたりで10万円~15万円程度が相場であると言われており、お墓の面積によって価格は変わります。
そして、お墓が広ければ広いほど労力も時間もかかり、解体の際にでる処分品の量も多くなりますので、費用がかさむ傾向もあります。
しかしお墓の広さだけでなく、墓石の大きさや種類、またお墓の作りなど様々な状況によっても変わってきます。
状況によっては、倍以上の費用がかかることも少なくありませんよ。
費用の内訳は?
では、お墓の解体にかかる費用の内訳には具体的にどのようなものがあるのでしょうか。
実際には、解体費としてまとめて作業をお願いする業者へと支払うことが一般的です。
しかし、事前にしっかりと内容を知っておくことで、高額な見積もりが出てもきちんと判断することができますよ。
では、お墓の解体の際に支払う費用の具体的な内訳を見てみましょう。
石碑や外柵の解体と整地
まず解体費用のメインとなるのは、墓石やお墓の外柵を解体・整地するための費用です。
この費用は実際に現地調査をして見積もりを取ってもらう必要があり、一概に相場を提示することが大変難しい部分でもあります。
しかし、何点か費用が高額になりうるポイントがありますので、見積もりを取る前にお墓のセルフチェックをしてみましょう。
お墓と機材との距離
一昔前はお墓の解体を人の手で行う場合もありましたが、昨今では移動式クレーンなどの重機を使用することが一般的です。
そこでまず、解体に必要なトラックやクレーンなどの重機を置く場所がどこにあるか確認しましょう。
区画整理された公園墓地の場合には各々のお墓の前に一定の幅の道が作られていますので、お墓の近くまでトラックを近づけることが出来、クレーンも小さなもので済みます。
一方、道幅が狭く近くまで重機が入れない場合にはアームの長いクレーンを準備する必要が生じますので、その分費用がかさみますね。
更に山の中腹にあるような昔からのお墓の場合には、重機自体が入れないこともあるでしょう。
そのようなお墓の解体は、人力で行うこととなりますからかなりの費用がかかると思ってくださいね。
お墓の場所が平地か斜面か
お墓が平地にあるのか斜面にあるのかによってもかかる費用が大きく変わります。
大変重い墓石を移動することとなるため、平地での作業に比べて作業工程も労力もかかる斜面での作業に対しては費用もかかることが多いようです。
墓石の形状
近年では故人の趣味や意向を優先した個性的なお墓も見かけるようになりましたね。
珍しいお墓やパーツをいくつも組み合わせたようなお墓を解体する場合には、一般的なお墓よりも作業工程が増える可能性もあります。
よほど煩雑な墓石でない限り当てはまりませんが、特殊な形状をしている場合やかなり古いタイプの墓石の場合には見積もりの際に墓石の形状について確認したほうが安心ですね。
外柵・付属品の有無
木や灯篭などの付属品がある場合には、メインとなる墓石の撤去に加えて作業が必要となります。
また、外柵はパーツごとに分解して撤去することが一般的となりますが、あまりに立派な外柵の場合には分解に時間と人を費やす必要が出て来るかもしれませんね。
このように墓石以外にも撤去を必要とするものがある場合には費用がかさんでしまう可能性がありますよ。
外柵や付属品の有無には十分注意しましょう。
解体ゴミの処理
解体された墓石や付属品は石であるため、普通のごみ処理場ではなく産業廃棄物処理場で解体ゴミの処分をしてもらう必要があります。
石の処理費用は1tで3千円~5千円程度であると言われていますが、建物などの解体から出るコンクリートと違って石を取り扱う業者は少なく、更に墓石という性質上からも引き取ってくれる業者はかなり限られてしまいます。
個人での持ち込みはかなり難しいため、お墓の解体は個人で行おうとせず、専門業者に頼むのが良いでしょう。
追加料金がかかる場合もある?
お墓の立地や形状によっては、作業をしてみないと判らない部分が出てくることもあります。
しかし、専門家は現地調査をした時点で大体把握が出来ます。
よって、見積もりの際に以下のことを専門家側と話し合っておきましょう。
- 追加料金が発生しそうな作業はあるか
- 実作業をしてみて判断する場合には、それも含めた見積もりを前もってもらえるか
- 急に費用を伴う追加作業が発生した場合の連絡の有無はどうするのか
お墓の解体は高額な費用がかかるものですから、追加トラブルがかかる場合もあるため、のちに金銭トラブルとならないよう見積もり書などをしっかりと過不足なく把握した上で契約を行うよう心がけましょう。
墓じまいにかかる費用は解体だけじゃない!

墓じまいにかかる費用は解体だけでなく、墓石を撤去して更地にする業者に支払う費用以外にもたくさんあります。
合わせるとかなり高額になる場合もありますから、こちらも忘れずにお墓の解体費用の一部として準備して下さいね。
閉眼供養のための費用
僧侶などにお墓から魂を抜いてもらい遺骨を取り出す閉眼供養は法要の一種です。
よって執り行っていただく僧侶などへのお布施が必要です。
相場は地域によりだいぶ幅がありますが、1万円~10万円が一般的です。
離檀料
檀家であったお墓を解体する際にはお礼の意味を込めてお寺に離檀料を渡すことが一般的です。
それぞれのお寺や地域によって違いますが、相場は法事1回分程度の10万円~20万円と言われています。
法外な離檀料を要求されるなどのトラブルも多いようですが、あくまでも支払う側の「気もち」であり、支払いの義務はありません。
新しい供養先での費用
解体したお墓に眠っていた遺骨を新しいお墓に納骨する場合には、新しい供養先での費用が必要となります。
新しい供養先での費用の相場は、通常の法事と同様に10万円~20万円程度です。
外部に代行してもらう場合の費用
解体するお墓が遠方で行けない場合や忙しくて時間が取れない場合などは、すべての作業を代行業者に依頼する方法もあります。
また、煩雑な書類関係のみを専門である行政書士に依頼することも可能です。
依頼する範囲にもよりますが、その費用は10万円~30万円程度が相場となります。
費用について困ったら石材店に相談を

お墓の解体・改葬費用に関しては、かなり地域や管理者によってばらつきがあります。
したがって、色々な資料を集めても素人ではお墓の解体の費用については判断しずらいことも多いでしょう。
そのような際には石材店に相談して、現地調査や見積もりを依頼してみましょう。
石材店はお墓の新規建墓だけでなく解体なども取り扱っています。
お墓の作り手である石材店ならさまざまなノウハウで的確な判断をしてもらえますよ。
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- 墓じまいに必要な行政手続き
- ご遺骨改葬先の手配
- 墓じまい後の「海洋散骨」「粉骨」「洗骨」も可能(別途料金必要)
お墓の解体費用についてのまとめ

いかがでしたか?
今回はお墓を解体する際の手順やその費用について説明しました。
その結果
- お墓を解体する際には家族や管理者としっかりと相談し時間に余裕を持って進めること
- お墓が大きければ大きいほど費用が高額になること
- お墓の立地や環境によってかなり費用が変わるので見積もりをしっかりと取ること
- 解体したゴミの処分にも費用がかかること
- 追加費用が発生したらどうするのか事前に打ち合わせておくこと
- 業者による解体以外にも50万円前後の費用がかかる可能性があること
- 困った時には石材店に相談すると良いこと
以上のことがわかりました。
お墓を解体するには労力も多額の費用もかかります。
そして人生に何度も経験することでないため、わからないことも多く戸惑ってしまうことが多々あるでしょう。
しかし、家族としっかりと話し合って専門家の意見を聞き、順番に事を進めていくことで大切なお墓を今よりももっと安心できる状態へと変えることが出来ます。
ぜひ大切なお墓の将来のために、一歩を踏み出してみましょう。
今回終活ねっとでは、「お墓の解体にかかる費用」について解説しましたが、他にも終活に関する記事を多数掲載していますので参考にして見てはいかがでしょうか。
最後までお読みいただきありがとうございました。
お墓を建てたいけどどうすればいいかわからない方へ...

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