
外国人墓地って一体何?観光地になっている理由や有名な墓地を紹介
日本で墓地といえば仏教の教えが反映されたお墓がたくさん並んでいるイメージが強いです。しかし、日本国内には特徴的な外国人墓地があるのはご存知でしょうか?それらの外国人墓地の中には観光地になっている所もあります。今回は、日本の外国人墓地について詳しく紹介します。
最終更新日: 2020年11月13日
外国人墓地について

日本国内によく見られるお墓や墓地のイメージといえばどのようなものでしょうか?
ほとんどの方が、四角い墓石に、その周りに卒塔婆などがあるような仏教式のお墓をイメージするのではないでしょうか?
そして、墓地についても近くにお寺があって、供養の際はそのお寺の住職のお世話になるといった風景の方が想像しやすいものです。
さて、日本国内の墓地やお墓のほとんどがこのような外見をしていますが、実は日本国内には非常に特徴的な墓地が存在します。
それが外国人墓地と呼ばれるものです。
果たして、この外国人墓地とはどのようなもので、そこに眠っている人はどのような方たちなのでしょうか?
今回「終活ねっと」では、そんな日本における外国人墓地について詳しく紹介していきます。
今回ご紹介する内容は以下の通りです。
外国人墓地とは一体どのようなものなのか?
国内の有名な外国人墓地の紹介
外国人墓地で起きている問題
外国人墓地について詳しく紹介するだけでなく、現在外国人墓地で起こっている問題などについても紹介していきます。
今回ご紹介する内容が少しでも皆さんのお力になれれば幸いです。
ぜひ最後までお読みください。
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外国人墓地って一体何?

ここではまず、外国人墓地が一体どのようなものなのか見ていきましょう。
主に外国人墓地の歴史を軸に紹介していきます。
日本の外国人墓地はどのように形成された?
日本の外国人墓地の歴史は幕末にまでさかのぼります。
1854年にアメリカ海軍提督のペリーが7隻の軍艦(黒船)を率いて日本に2度目の来航をした際、率いていた船の1隻で海兵1名が事故で亡くなったために、ペリーは当時の江戸幕府に海兵を埋葬する土地を要求しました。
この要求を受けて幕府は、当時の相模国横浜村(現在の横浜市南区)にあった増徳院の境内に埋葬のための敷地を用意したのが始まりでした。
その後、幕府が欧米各国と通商条約を結んだ際に横浜などの港を開き、そこに外国人居留地が設けられるとともにそこで亡くなった人々を埋葬するための墓地も開かれるようになっていきました。
これが国内各地にみられる外国人墓地の起こりで、有名なところでは横浜(最古のもので1861年に開設)や神戸(1867年)、函館(1870年)などに設けられています。
どういった人が埋葬されているのか
国内各地の外国人墓地に埋葬されたのはどのような方たちなのでしょうか?
実はその身元は多岐にわたります。
19世紀から20世紀にかけて各地の外国人居留地の守備にあたっていた外国軍人や当時国内に駐在した外交官、居留地を拠点にビジネスを展開していた貿易商人、キリスト教の布教に携わった宣教師、彼らとともに居留地に住んでいた家族などが眠っています。
また、その他にも日本が文明開化をする過程で活躍した外国人も多く埋葬されました。
いわば、近代日本を舞台に活躍した外国の人々が多く眠る場所と言えます。
観光地として近年人気が出ている
近年では、全国各地の外国人墓地が観光スポットとして人気を呼んでいます。
墓地なのになぜ人気が出るのかが不思議に思われるところですが、それは国内にある普通の墓地に比べると、さまざまな国々の様々な宗教に属す人々が眠っているためです。
観光としてお墓参りをする人のことを墓マイラーと呼んだりもしますね。
国や宗教が違えば、お墓の形やデザイン、墓碑銘までもが違ってきます。
さらに、普通の墓地には見られないようなお墓が建っているので、そこにある雰囲気も異国情緒なものです。
それが外国人墓地が観光地として人気を博す秘密となっています。
国内の有名な外国人墓地

外国人墓地は国内のいくつかの都市に点在していますが、それらの墓地はかつて外国人居留地があったり、日本国内で何らかの活動に従事するための舞台であった都市に作られています。
ここでは、全国各地にある有名な外国人墓地について詳しく紹介していきます。
横浜
近代日本の歴史上、最初に開港した横浜には4ヶ所の外国人墓地があります。
その中でも特に有名なのが中区山手にある横浜外国人墓地で、最初の埋葬が行われたのが1854年と国内にある外国人墓地としては最も古いものです。
ここには19世紀から20世紀に活躍した40ヶ国4400人以上の外国人が眠っている場所で、3月から12月の週末や祝日には一般に開放されています。
横浜にある他の外国人墓地としては、中区仲尾台にある根岸外国人墓地、中区大芝台にある中華義荘、そして保土ヶ谷区狩場町にある英連邦戦死者墓地があります。
特に中華義荘には日本で活躍した多くの華人や華僑が眠っています。
神戸
神戸の外国人墓地は、神戸市を一望できる再度山に設けられています。
ここには61ヶ国約2600人に及ぶ外国人が眠っており、その中には日本の文明開化に貢献した人々も含まれています。
遺族以外は基本的に立ち入り禁止ですが、4月から11月の間の第4日曜日に事前申し込みさえすれば無料で内部を散策することができます。
東京
明治時代以降日本の首都となった東京には、青山霊園の中の青山墓地や多磨霊園の外人区画などが外国人墓地として挙げられます。
特に青山墓地の方には、明治期日本の近代化に貢献した多くのお雇い外国人や研究者、宣教師などが多く眠っています。
函館
幕末に開港した港の1つである函館の外国人墓地は、函館山の北側の高台に設けられています。
その構成は、プロテスタント墓地・カソリック墓地・ロシア人墓地・中国人墓地の4つからなっており、いずれも外国領事をはじめとする函館の外国人居留地で活躍し、亡くなった人々が眠っています。

長崎
長崎は江戸時代の鎖国の時代から引き続いて、近代でもいち早く開港した港の1つです。
長崎にある外国人墓地は、大浦国際墓地と坂本国際墓地があります。
大浦国際墓地は、1861年にイギリスの要求にしたがって開設され、1888年まで使用されていました。
現在では12ヶ国208名の外国人(ほとんどが船員)が眠っていますが、風雨による浸食や老朽化が激しく誰のものかさえもわからないお墓も少なくありません。
坂本国際墓地の歴史は、江戸幕府が成立した17世紀前半にまでさかのぼりますが、本格的に使われだしたのは1888年以降です。
大浦国際墓地の空きスペースがなくなってきたため、大浦国際墓地に代わる外国人墓地として開設されました。
なお、坂本国際墓地の向かい側には新坂本国際墓地もあり、そこに眠っている人物の中には坂本竜馬と親交のあったトーマス・グラバー夫妻もいます。

那覇
沖縄の那覇にも外国人墓地は存在します。
それが泊外人墓地で、別名「ウランダー墓」とも呼ばれています。
沖縄は琉球と呼ばれていたころから中国や東南アジアなどの外国との交流が盛んで、この泊外人墓地にあるお墓の中には18世紀に建てられたものもあります。
また、ここの一角には1853年にペリーが沖縄に上陸したことを記念する碑も建っています。
外国人墓地で起こっている問題

国内各地にあって、中には観光名所としても人気のある外国人墓地ですが、実は問題がないわけではありません。
開設から長い年月が経っているため、埋葬された外国人の中にも無縁仏という扱いになっている人が少なくないのです。
無縁仏というのは、お墓の後を継ぐ縁故がいないために、お墓を管理・供養してくれる見込みのない埋葬者のことです。
無縁仏が増加すると、墓地の管理者としても運営費用の捻出がしづらくなるうえ、墓自体の修繕もできなくなって老朽化してしまいます。
しまいには、そこに誰が眠っていたかさえもわからないという所もあるのです。
このように外国人墓地では縁故者がいないために、無縁仏になるという問題が深刻化しています。
外国人墓地まとめ

いかがでしたでしょうか?
今回「終活ねっと」では、日本における外国人墓地について詳しく紹介してきました。
今回ご紹介した内容は以下の通りです。
外国人墓地とは、近代の日本で活躍した外国人が眠っている場所で、その歴史は幕末に開国した頃までさかのぼる。
また、最近では国や宗教によって異なるお墓の形やデザイン、墓碑銘を楽しむ方が増えてきており、観光スポットにもなってきている。国内各地の外国人墓地は多くの場合、幕末から明治にかけて外国人居留地のあった港湾都市に設けられている。
埋葬された人々も外国人居留地やそこを拠点に活躍した人が多い。現在、外国人墓地には無縁仏になるケースが多い。
放置すれば墓地の運営にもかかわるために非常に深刻である。
外国人墓地の中には観光スポットとして人気のあるところも多く、そこに漂う雰囲気も日本の普通の墓地では味わえない独特のものです。
もし、興味が沸いてきたら、休日にでも散策してみたらどうでしょうか。
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最後までお読みいただきありがとうございました。
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