墓石の掃除について

お墓参りに行ったとき、お墓が綺麗に手入れされていると気持ちがいいですよね。
でも実際、お墓の掃除はどのように行ったらいいのでしょうか?
気を付けなければいけないことはあるでしょうか?
いざ掃除をしていても自分の掃除の仕方は正しいのかと不安になったり、さらに普段あまりお墓の掃除を行わない方は何から手を付けたらよいのか困ってしまいますよね。
今回終活ねっとでは、お墓を掃除する際に気になる以下の疑問について解説していきたいと思います。
- 掃除には何を持っていけばいいの?
- 掃除はどのような手順で行えばいいの?
- 掃除する際に注意することはあるの?
- 自分で掃除できないときはどうしたらいいの?
この記事で準備から掃除の仕方まで丁寧に順を追って書いていきますので、最後まで読んで参考にしてみてください。
お墓・墓石の掃除の持ち物

お墓の掃除をする際には、主にお墓周辺のお手入れ、墓石のお手入れを行います。
まずは、お墓・墓石の掃除の持ち物を紹介します。
お墓や墓石のお手入れに使用する以下の道具を一つまとめておき、いつでも持っていけるようにしておくと、掃除に行くときもスムーズに出かけられて便利ですよ。
お墓周辺のお手入れ
お墓周辺のお手入れでは、主に地面に生えている雑草や風などで飛んできた葉やゴミを取り除いたり、成長した木があれば剪定し綺麗にします。
以下の道具があれば一通りのお手入れには困らないでしょう。
- 軍手 or ゴム手袋
- ほうき & ちりとり
- 鎌
- シャベル & ざる
- 剪定用はさみ
墓石のお手入れ
墓石のお手入れでは、雨風に吹きつけられたり、時の経過などで、汚れが付いてしまった墓石を綺麗に磨きます。
以下の道具を揃えれば充分綺麗にすることができるでしょう。
洗剤は専用のもの、たわしは柔らかい素材のものを用意しましょう。
- スポンジ
- 洗剤
- たわし
- 歯ブラシ
- 雑巾
- バケツ
- ゴミ袋
お墓掃除の方法

では、実際にお墓の掃除の方法を順を追って書いていきたいと思います。
前にお墓を訪れてからしばらく経っていれば、お墓の周りには雑草が生えており、墓石には汚れが付着しているでしょう。
皆が気持ちよく手を合わせられるよう、ご先祖様が気持ちよく眠れるよう定期的に次のお手入れをしていきましょう。
また、お墓掃除で出たゴミはゴミ袋に入れ、必ず持ち帰りましょう。
お墓周りの雑草処理
お墓参りの雑草処理について解説していきます。
まず、お墓周りの雑草やゴミ拾いから行っていきます。
すでに前回のお墓掃除から時間が経っており、雑草が多く生えてしまっている場合は鎌であらかた長いものを取り除いたあと地道に手で抜いていきます。
しかし、土が乾いてしまっていると抜く際に根っこから抜くことが出来ず、根本的な処理にはなりません。
手で雑草を抜く際は、雨が降った後など地面が柔らかくなっていると抜きやすいでしょう。
また、敷地内の木が成長しているときは剪定バサミで綺麗に剪定しておくと見栄えがよくなります。
中には雑草が生えすぎており手で抜くのが大変であったり、遠方にお墓があるため度々来るのは困難な人は除草剤をまくことも少なくはないようです。
しかし、人によってはご先祖様のお墓に除草剤を撒くことに抵抗のある方もいらっしゃるので、お墓を管理している家族・親戚に確認を取った方がよいでしょう。
雑草を処理した後は、次回の雑草処理を軽減する策を取るのがおすすめです。
様々な方法がありますが、防草シート、防草土(固くなる土)、砂利を引いたりする方法が一般的なようです。
また、お墓周りの清掃の際に同時に砂利が敷いてあれば、そちらもザル入れて水洗いすればより丁寧な清掃になります。
墓石を水洗いする
お墓周りの掃除が終わったら、次に墓石のお手入れとして墓石を水洗いをします。
墓石はデリケートなものなので、洗い方を間違えると綺麗にするつもりが逆に反対に傷つけてしまうことがあります。
基本的には、墓石には水とスポンジを使用して、水洗いを行いましょう。
水洗いをする際はスポンジに水を含ませ墓石を上から下に向かって洗います。
最後に水を上からかけていきましょう。
大体の汚れは水洗いで落とすことができます。
墓石にお酒をかけて掃除を行うという方法をされている所もあるようですが、お酒はシミの原因になりますので、行わない方がよいでしょう。
お墓の文字の部分は他の場所よりも粗くなっているので、柔らかいたわしか歯ブラシを使用するとスポンジの劣化を防ぐことができます。
たわしを使用する際は強く擦ると墓石を傷つけかねませんので、優しく擦りましょう。
墓石を洗剤で洗う
水洗いで落とせなかった汚れには洗剤を使用します。
墓石用洗剤が販売されておりますので、そちらを使用し、上から下に向かって洗いましょう。
洗剤の使用方法の説明をきちんと読み、すすぎ残しがないよう使用してください。
すすぎ残しは墓石を劣化させることもあるのできちんと流しましょう。
重曹を用いて洗う方法もありますが、使用する際に擦りすぎると傷がついてしまいますので注意してください。
洗剤を使用する際は、通常の台所用洗剤やハイターなどを使用するのは厳禁です。
お墓においてある小物類を洗う
墓石を綺麗にしたら、次にお墓にある花筒、線香皿など、お墓においてある小物類の掃除を行っていきます。
花筒は供えられている花を取り除き、底まで綺麗にしていきます。
通常のスポンジだと底まで手が届きにくく掃除がしにくいです。
その際、先端にスポンジの付いた棒のようなものが売っているのでそういったものを使用するとよいでしょう。
掃除が終わったら忘れずに中に新しい水を入れ、新しい花を供えましょう。
線香皿は、水洗いを行い、灰やゴミなどを取り除きます。
水洗いした後は水気を拭き取り乾燥させてから使用しなければ、湿気で線香が使用できないため気を付けましょう。
そのため、すぐにお参りする際には水洗いはしなくても大丈夫でしょう。
お墓においてある小物類も基本的には傷をつけると劣化が早くなるので、水洗いとスポンジを基本として洗っていきましょう。
墓石の水をふき取る
墓石、小物の水洗いが終わりましたら、暮石の水分を雑巾などで拭き取りましょう。
墓石の角や隅、文字の部分は拭き残しやすいので丁寧に拭き取りましょう。
自然乾燥を行ったり、水分を綺麗に拭き取っておかないと、墓石の水垢やコケの発生の原因になり、次回の掃除の際に手こずりますので、注意してください。
また、水を拭き取った後にワックスをかけると、一定期間水分や汚れをはじいてくれたり掃除の手間が軽減されます。
しかし、使用方法を間違えるとワックスをかける前より汚れてしまうこともあるようなので説明書をきちんと読んで使用しましょう。
墓石掃除の注意点

墓石掃除の仕方は前述の通り、水洗いを中心に行います。
しかし、単に水洗いをするだけでなく、次の墓石掃除の注意点に考慮しながら墓石の掃除を行うことで、綺麗に墓石を保つことができます。
墓石には様々なトラブルが起き、水垢、コケなどの自然発生するものや墓石を擦る際にできる傷、洗剤によるシミなど人為的なものがあり、対策や注意をしていなければ墓石の寿命を縮めることになります。
墓石は決して安いものではありません。
そして、長い間使用していくものです。
きちんとした対策・注意を行って、大事に管理していきましょう。
水垢の対策
水垢は墓石に水分が付いておりそこに空気中の埃やゴミなどが付着することにより発生します。
水垢を発生させないためにまず重要なのは、墓石に水分が付着したままにしないことが大事です。
特に晴れた日の後は空気中に埃、ゴミが多く飛んでいるので気を付けましょう。
水垢が発生してしまった際は、水洗いでの拭き取りやたわしを使用しても綺麗になりません。
中でも、たわしを使用してゴシゴシと削ると傷が出来るため逆効果です。
墓石の専用洗剤を使用したり、スクレーバーと呼ばれるヘラ形状のもので削りとると綺麗になるようです。
しかし、スクレーバーを使用するのは難易度が高く下手をしたら墓石を傷つけることもあるようなので、こちらを使用するのはプロの方に頼んだ方が良いようです。
コケの対策
コケも水垢同様、水分が付着している墓石に発生しやすくなっております。
特に、近くに森林がある場合や温かい気温、湿気などがあるとさらに発生しやすいようです。
環境については変えることは難しいと思いますので、こちらも水分を残さないことが大切です。
コケが発生してしまった場合は、水洗いで歯ブラシなどで優しく擦ることで、薄く付着しているコケは綺麗になるそうです。
また、コケ駆除用の洗剤が販売されていたりしますので、そちらを使用したり、水垢と同様にスクレーバーを用いることもあります。
たわしや硬いブラシなどは避ける
墓石の掃除中、たわしや硬いブラシを避けることにも注意しましょう。
そもそも、微細な傷には掃除する際に充分に掃除の手が行き届きにくいため、水垢やコケが発生しやすいです。
その微細な傷は墓石をたわしや硬いブラシなどで擦って掃除するために出来ます。
頑固な汚れに対してはついついたわしなどで擦りたくなりますが、使用するならできるだけ柔らかいたわしや歯ブラシを使用して地道に汚れを取っていきましょう。
洗剤は中性洗剤や専用の洗剤を使用する
墓石を掃除する際、頑固な汚れには洗剤を使用するのが効果的ですが、家庭などで使用する台所用洗剤やハイター(塩素・酸系)などを使用するのは辞めましょう。
これらは使用した直後は綺麗になったかのように見えますが、時間が経つと墓石にシミとなって表れ、かえって汚れて見える原因になります。
墓石の掃除に洗剤を使う場合は、中性洗剤や専用の洗剤を使用しましょう。
しかし、墓石の専用洗剤を使用する場合も、墓石の石の素材によってはシミになることもあり、使用前には墓石の目立たない所で一度少量試してみるのが推奨されているようです。
また中には、希釈が必要なものなど原液で使えばシミの原因になるなど、使用方法が洗剤ごとにありますので、使用前には商品の使用方法欄をきちんと確認しましょう。
墓石掃除代行

「お墓がすごく遠方にあり、頻繁に参ることができない」、「高齢でありなかなかお墓参りに行くのがしんどくなってきた」、など様々な理由でお墓に参れないけど、清掃をしないとご先祖様に申し訳ないと思われる方もたくさんいらっしゃると思います。
そんな方におすすめなのは墓石の掃除を代行してくれる墓石掃除代行業者です。
清掃方法などは業者により様々でオプションサービスを行っていたり多種多様に対応できるようになっているので、自分の用途にあった業者を探してみてください。
お墓の清掃
お墓の清掃代行サービスを頼む際は、清掃のみとお墓参り+清掃の大きく2種類に分かれます。
清掃に長く時間が取れないけど、お墓参りは空いている時間に行かれる方は清掃のみのコースを使用するのが良いでしょう。
また、後者は「遠方の方でお盆などの節目にも訪れるのが難しい」という方に向いています。
代行サービスでは掃除前、掃除後の写真と取って見せていただけたり、またオプションを使用すればお墓の簡単な割れの修繕なども行う業者もあるようです。
費用の相場は、清掃のみが5千円~1万円、お墓参り+清掃では1万5千円~3万円と幅広く、さらにオプションなどを付けたり年間契約を行ったりすれば費用は10万円を超えることもあるようです。
お墓の高圧洗浄
水垢やコケなどがひどく自分で清掃が困難であった場合には、高圧洗浄を行うと綺麗になる場合もあります。
しかし、自分で高圧洗浄を行うと均等に綺麗にできずまばらになったり、墓石の弱くなっている部分が欠けたり、破損することもあるようです。
そういう時には高圧洗浄や高温のスチームなど専用の機材を使用して丁寧に清掃してくれる清掃業者もあります。
しかし、墓石を機材を用いて清掃してもらう場合基本料金の倍かかることもあるようなので、きちんと料金体系を確認しましょう。
墓石の掃除まとめ

いかがでしたか?
今回は墓石の掃除方法について解説させていただきました。
その結果、以下のようなことが分かりました。
- お墓掃除に必要なものは事前に用意しておく(リストは本文を参照)
- お墓掃除は周辺を綺麗にし、基本的には水洗いで行う
- お墓掃除時には傷やシミをつけないものを使用する
- お墓掃除に頻繁に行けないときは代行サービスも検討する
お墓・墓石を掃除する際は、気にして使用しないといけないものがあったり、手間がかかることもあります。
しかし、お墓はご先祖様が眠られている場所ですので、できれば1年に数回でも気持ちを込めて磨くことが大事です。
あまりにも掃除をしていないと、隣や周りのお墓と見た目に差が表れてしまい、申し訳なくなる方もいらっしゃるでしょう。
どうしても自分で行けないときには代行サービスを利用して気持ちの良いお墓にしておきましょう。
この記事を読んで再度自分の家のお墓は今どうような状態か思い出してみてはいかがでしょうか?
終活ねっとでは、「お墓の掃除」以外にも、「葬儀・お墓・相続・仏壇」など終活に関する記事を多数掲載していますので、他の記事も参考にしてみてはいかがでしょうか。
最後までお付き合いいただきありがとうございました。
お墓を建てたいけどどうすればいいかわからない方へ...

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