
世界のさまざまなお墓について調査しました!
海外のお墓と聞いて、頭の中に思い浮かべるのは、欧米の映画などで見られる芝生に広がる十字架だったり、プレートが置かれたお墓でしょうか?世界には我々の想像もつかないようなお墓が数多く存在しています。そんな世界のお墓についてご紹介します。
最終更新日: 2020年02月10日
世界の様々なお墓について

日本人とってお墓といえば、石で建てられたグレーや黒っぽい色の四角いものがいちばん馴染みがあるお墓かと思います。
しかし、世界中には私たちが驚くような、大きさも形もさまざまなお墓がたくさんあることをご存知でしょうか?
「終活ねっと」では今回そんな世界のお墓に目を向けて、
世界遺産のお墓
アジアやヨーロッパなど、世界各地のお墓
世界一といわれるお墓
世界のさまざまな埋葬方法
などについて解説します。
日本ではまず目にすることのない、世界の多種多様なお墓を一緒に見ていきましょう。
世界遺産に登録されているお墓

お墓や墓地で世界遺産に登録されているものは、世界中に数多く存在します。
中でも世界的に有名な3つのお墓をご紹介します。
ピラミッド(エジプト)
世界で最も有名なお墓が、エジプトのピラミッドではないでしょうか?
世界遺産に登録されている正式名称は「メンフィスとその墓地遺跡 ギザからダハシュールまでのピラミッド地帯」といいます。
古代都市遺跡メンフィスと、ナイル川の西に位置する墓地遺跡群であり、その距離は南北約30kmにわたります。
多くがエジプト第3王朝~第6王朝期に造られたものです。
ギザには、エジプト第4王朝の3人の王、クフ王、カフラー王、メンカウラー王のピラミッドがあり、これらは3大ピラミッドと呼ばれています。
誰もが知るスフィンクスとピラミッドのある風景は、カフラー王のものです。
世界中の人々が訪れるエジプト最大の観光名所です。
カスビのブガンダ歴代国王の墓(ウガンダ)
東アフリカ、ウガンダ共和国の首都カンパラから、北西約3㎞のカスビの丘にあるブガンダ歴代国王の墓。
13~20世紀に繁栄したブガンダ王国のムテサ1世によって、1882年に建てられた宮殿が、彼の死後そのままお墓となりました。
木材やわら、葦、泥、しっくいなどで造られており、ここには19世紀後半以降のブガンダ王国の王様4人が眠っています。
始皇帝陵・兵馬俑(中国)
中国陝西省西安にある秦の初代皇帝・始皇帝によって造られた陵墓と、その周辺の兵馬俑坑(へいばようこう) は、1974年に近隣の住民が井戸を掘っていた際にたまたま発掘されました。
中国史上初の皇帝となった始皇帝は、約40年の年月をかけてこのお墓を造ったといわれています。
外から見ると小高い山のようになっていますが、地下30mには、南北に145m、東西に170mもの地下宮殿が広がっています。
死者を埋葬する際に副葬品として一緒に埋葬される人型の像を「俑」といいます。
この始皇帝のお墓には、あたり一面に囲むようにして、兵士や馬をかたどった兵馬俑坑が広がっており、その面積は2万平方メートルもあります。
また数にして、馬およそ600体、兵士約8000体、戦車約100台もあり、すべてが東を向いて置かれています。
兵士俑は約180cmと等身大に作られており、驚くべきことにひとつひとつ服装や髪型、表情までもが異なっています。
服装や武器などは非常に精巧につくられており、その当時の様子がうかがえる大変貴重なものとされています。
アジアのお墓

日本と同じアジアの国々といっても、お墓事情はかなり異なるようです。
アジア各国のお墓について見ていきましょう。
韓国のお墓
伝統的な韓国のお墓は、土が丸く盛られた土饅頭型です。
儒教を重んじる韓国では、「人は死ぬと肉体は土に還り、魂は空へと飛んでいく」「死んだ人の体を焼くことは、二度死ぬことになる」という考えがあるため、土葬が基本となっています。
先祖代々、同じ土地に埋葬するのが良いとされ、一族全員のお墓のために山1つを購入することもあるそうです。
しかし近年、都市への人口流入や少子化、また深刻な土地不足や維持管理の負担が大きいという理由によって、火葬が推奨され始めました。
特に都市部では火葬率が急上昇しており、遺骨はロッカー式の納骨堂に納めるのが一般的になりつつあるそうです。
中国のお墓
中国のお墓も日本と同じように墓石を置くタイプですが、亀の甲羅のような形がよく見られます。
長寿やめでたいことの象徴から、お墓によく使われるデザインのようです。
埋葬方法は火葬、土葬ともに行われていますが、土葬の場合も10年後には火葬して埋葬しなければならないと法で定められています。
世界の中でも広大な国土を持つ中国ですが、実は山地が多く、農耕地として利用できる面積は1割にも満たないそうです。
耕地面積を確保しなければならない上、世界で一番人口が多く、墓地不足は近年非常に深刻な状況となっています。
また、中国では日本のように先祖代々同じお墓に入るのではなく、一つのお墓には個人または夫婦でしか入りません。
さらに、夫婦でも一緒に入れるのは初婚の相手のみとなっており、このような背景もお墓不足の原因の一因と考えられています。
墓地の値段も年々高騰しており、一部では家を買うよりも高いと言われているようです。
近年では土地を節約するために、海洋葬や樹木葬、壁葬といった埋葬方法を国が推進しています。
台湾のお墓
台湾のお墓の中でも特徴的なのが、山の斜面に色とりどりの家が建っているかのように見えるお墓です。
「お墓は死者の家」という考えから、このように大きなお墓になったといわれています。
土葬も火葬も行われていますが、土地不足などから土葬は減少傾向にあるそうです。
台湾のお墓参りは、4月5日の清明節に行われます。
お墓やお墓のまわりをきれいにし、家族が来ましたという印に地面に紙のお金と石を置きます。
そして、ご先祖様たちがあの世でお金を使えるようにと、紙のお金を火で燃やします。
また、ゆで玉子を食べ、その殻を地面に撒きます。
鳥が卵から生まれるように、「祖先がいたから自分たちが生まれることができた」という感謝の思いを込めているそうです。
インドのお墓
ヒンドゥー教徒の多いインドでは、お墓を持たない人がほとんどだそうです。
ヒンドゥー教では、火葬がとても重要な儀式とされています。
「亡くなった人の魂は火によって解放され、煙と共に神の元へと昇る」と考えられているためです。
そして遺骨は、聖なるガンジス川へと流されます。
これによって罪は洗い流され、輪廻の苦しみを繰り返さずに悟りの境地へと達することができると考えられており、人々はガンジス川に葬られ、ガンジス川と一体になることを望んでいるそうです。
また、「肉体が滅びても魂は滅びず、別の生き物として生きることを繰り返す」という輪廻転生の生死観からも、お墓は必要ないと考えられています。
ヨーロッパのお墓

日本ではお彼岸やお盆など、お墓参りの時ぐらいしか訪れることのないお墓ですが、ヨーロッパの国々では、散歩や憩いの場として、人々の生活のすぐそばにある場所でもあります。
それでは、ヨーロッパのお墓について見ていきましょう。
フランス
国民のほとんどがカトリック教徒であるフランスでは、土葬が基本とされています。
「死者は復活して天国へ行く」というキリスト教の教えがあるため、亡くなった人の体を焼くことは大変なタブーとされているからです。
大きな地下型のお墓には棚が備えられており、複数人が同じお墓に入れるようになっています。
なお、近年では土地不足や経済的な理由から、火葬を行う人も増えてきているそうですが、故人の遺言書や親族の承諾書が必要となっています。
フランスでは火葬は1963年まで禁止されており、1989年には5%ほどしか火葬をする人はいませんでした。
しかし、経済的な理由や無宗教の人が増えたこと、またエコという観点から火葬率は徐々に上昇し、2030年には約半数が火葬になると予想されています。
火葬された遺骨は火葬用の小さな墓地に埋葬することもできますが、多くの人は自宅に持ち帰り、リビングの暖炉の上などに飾ります。
そのため、色や形などさまざまなデザイン性の高い骨壺が数多くあるそうです。
また、パリには世界的な画家や作家、詩人、作曲家などのお墓がある墓地が数多く存在しており、それらの墓地は観光客に人気のスポットにもなっています。
イギリス
同じキリスト教でも、カトリックに比べると自由なプロテスタントに属する人の多いイギリス。
移民も多く、イスラム教やヒンドゥー教、仏教などさまざまな宗教が混在しているため、お墓や埋葬方法もさまざまです。
イギリスでは一族のお墓ではなく、個人や夫婦のお墓が一般的で、教会の墓地や公営の墓地、分譲の霊園などに建てます。
土葬も見られますが、現在は火葬が一般的になってきており、1960年頃には3割ほどだった火葬率が、近年は8割近くにまで上がっています。
イギリスの火葬では遺骨を残すことはなく完全に燃焼させて灰にし、遺灰はお墓に埋葬する場合もありますが、墓地の価格高騰や死後の自由を理由に、好きだった場所にまいてもらうことを希望する人が多くなっているようです。
ガーデニングが盛んなお国柄もあり、遺灰を撒いた場所や土葬の墓地には木々や花々が植えられ、美しい公園墓地を形成しています。
スペイン
土葬が基本のスペインには、2種類のお墓があります。
ひとつは昔ながらの地面に穴を掘って埋葬するお墓です。
家族で入れるように10m近くの深さのお墓もあり、亡くなった順に棺を積み重ねていくようになっています。
もうひとつは、地上に造られた大きな壁のお墓です。
壁には1つずつ穴が開けられており、その中に棺を納めて蓋をするというもので、まるでマンションやカプセルホテルのように見えます。
家族で横一列や縦一列を買い取ることもあるそうです。
土地に余裕のない都市部では、地上にどんどん積み上げていけるこちらのタイプのお墓が多く見られます。
スウェーデン
スウェーデンの郊外には、森の墓地と呼ばれる国内最大規模の公営墓地があります。
2人の建築家による設計で、20世紀以降の建築作品で初めて世界遺産に登録されました。
緩やかな丘陵地と森が広がる広大な敷地内には、礼拝堂や火葬場が景観に溶け込むように建てられており、葬儀の参列者が、他の葬儀の人と顔を合わせることのないように配慮された設計になっています。
国土の60%が森林というスウェーデンの人々に根付いているのは、人は亡くなると森に還るという生死観です。
この墓地は、そんなスウェーデンの人々にとって精神的故郷を感じさせられる場所となっています。
その他の地域のお墓

アジアやヨーロッパ以外の国でも、日本人からすると一風変わったように感じるお墓や、お墓参りの習慣が見られます。
グアマテラ
ポップでカラフルなお墓が並ぶのは中米のグアテマラです。
形もさまざまで、棺型から家のようなもの、タンスのようなものまであります。
グアテマラでは11月1日を「聖人の日」、2日を「死者の日」と呼び、日本のお盆のように先祖や亡くなった友人など故人を偲ぶ日となっています。
家族や親しい友人とお墓に出かけ、まるでピクニックのようにご飯を食べたり、露店が出たり、音楽に合わせて踊ったりと、陽気に過ごすのがグアテマラ流です。
そして墓地で凧あげをします。
小さいものから10m近い大きなものまで、カラフルな凧が墓地の空を彩ります。
凧はこの世とあの世をつなぐものとされており、故人へのメッセージを凧に乗せて高くあげる、凧の日ひもを通じて故人と会話ができる、故人が凧に乗って降りてくるとされています。
ペルー
規則正しく並んだ光景が、まるでマンションやカプセルホテルのように見えるのが、ペルーの都心型のお墓です。
ヨーロッパの箇所で紹介したスペインのお墓と同じ設計です。
ペルーは1542年~1824年までスペインの植民地にされており、亡くなった人は教会や修道院の墓地や地下墓地に埋葬されていました。
しかし増え続ける人口による土地不足のため、1808年、国はアメリカ大陸初の公共墓地を造ることになります。
墓地には、ペルーの歴代大統領や高名な人々が眠る立派な霊廟や墓碑が見られる一方、一般市民用はカプセルホテルのように並んだシンプルで機能的なお墓です。
ペルーでもグアテマラと同様に、11月の1、2日が家族総出のお墓参りの日になっています。
都市型のカプセルホテル型のお墓には各棟ごとに管理人がおり、管理人に頼んでお墓の掃除をしてもらうそうですが、田舎の方にあるお墓の場合は、家族で出向いてお墓をきれいにし、花飾りや大きな人型のパンを供えます。
そして墓地でランチを取ったり、バンドを呼んで故人の好きだった曲を演奏してもらったり、宴会が始まることもあります。
墓地の周りでは日本のお祭りのように、食べ物やお菓子、おもちゃの屋台が出て、みんなにぎやかに楽しそうに墓地で過ごします。
様々な世界一のお墓

様々な点において世界一というお墓をご紹介します。
世界一大きいお墓
日本にも世界一のお墓があります。
大阪府堺市にある大仙陵古墳です。
実際に誰のお墓なのかは明らかにされていませんが、管理をしている宮内庁により仁徳天皇のものとされています。
世界一高いお墓がクフ王のピラミッドなら、世界一大きいお墓がこの仁徳天皇陵。
古墳の最大長は840メートル、最大幅は654メートル、濠を含めた面積は46万平方メートルにも及びます。
築造されたのは5世紀前半~5世紀中頃とされており、前方後円墳型で、当時の技術では完成までに15年以上はかかったであろうと考えられています。
世界一綺麗なお墓
世界一綺麗なお墓と言ったら、多くの人がタージ・マハルと答えるのではないでしょうか。
インド北部アグラにあり、インド・イスラーム文化を代表する建築物タージ・マハルは、その美しさとたたずまいからまるで宮殿のように見えますが、1654年にムガル帝国のシャー・ジャハーン第5代皇帝が、先立った王妃ムムターズ・マハルのために22年という歳月をかけて建てた墓廟です。
当時は一夫多妻制が当たり前でしたが、シャー・ジャハーン皇帝はムムターズ・マハルだけを生涯愛しました。
そんな愛する王妃への思いを込めて建てられたタージ・マハルは、総大理石の完璧なシンメトリーに設計されており、細かいところにまで精巧な装飾がなされています。
また、翡翠や水晶をはじめ、世界各地から取り寄せられたサファイア、ラピスラズリ、トルコ石、サンゴ、真珠貝などの宝石や宝玉がいたるところに使われています。
その莫大な費用は明らかにされていませんが、タージ・マハールの建設のために国が傾いたとも言われているそうです。
どんな角度から見ても壮麗で、世界で最も美しい建築物と言われているタージ・マハルは、世界中から年間400万人の観光客が訪れる一大スポットとなっています。
世界一陽気なお墓
北部ルーマニア、マラムレシュ地方にあるサプンツァ村は、世界一陽気な墓で有名です。
1935年、木彫り職人のパトラシュ氏が始めた墓碑には、亡くなった人の生前の死因や職業、趣味、好きだったものなどが青を基調としたカラフルな色でユニークに描かれ、細かい装飾がされています。
大切な人を失った悲しみが癒えるようにと、明るく陽気な墓標を作り始めたそうです。
本人のことを知らなくても墓碑を見れば、その人柄やどんな人生を送ってきたかがよく分かり、不思議と親近感がわいてきます。
これが話題となり、小さな村に年間3万人もの人が訪れる観光名所となりました。
世界の変わった埋葬

亡くなった人を送る方法は、各地の文化や宗教、また自然環境などによって多種多様です。
ここでは、世界でもちょっと変わった珍しい埋葬・葬送方法についてご紹介します。
ジャズ葬
ジャズの生まれた地、アメリカのニューオーリンズではジャズ葬という葬送方法を行います。
お葬式の際に音楽を奏でることは珍しくありませんが、ジャズ葬ではトランペットをはじめ、ドラムやバイオリン、クラリネット、トロンボーンなどのバンドによる盛大な演奏が葬儀を彩ります。
教会から墓地へ向かう時には厳粛な悲しみの曲を、埋葬され帰る時には一変して陽気でにぎやかな曲を奏でながら、人々は列をなして踊り進みます。
ジャズは黒人によって生み出された音楽のひとつです。
黒人はかつて辛く厳しい奴隷生活を課されていました。
また、ニューオーリンズという土地は湿地帯にあり、天然痘や黄熱病、赤痢、コレラといった伝染病によって多数の死者を出してきました。
生きることは苦しく、そして今日いる家族や友人と明日も一緒にいられるかは分からない、そんな環境にいる人々にとって、死は辛く悲しい生活からの解放と考えられていました。
ジャズ葬は、死によって苦しみから解放された祝福、天国へ旅立つことの喜びが込められているのです。
鳥葬
平均高度が3000m以上という高原地帯のチベット。
火葬するには樹木が乏しく、また土葬するにも岩場や凍土が多いという厳しい自然環境にあるため、チベットでは現代も鳥葬という葬送方法が行われています。
鳥葬は亡くなってから数日後に行われます。
僧侶に先導された葬列は荒野の鳥葬場へと進み、お経によって魂が解き放たれた肉体が天葬師によって分解されます。
そして神聖な鳥ハゲタカについばまれることで、死者を弔います。
魂のなくなった肉体を他の生物に施し、鳥と共に空に舞い上がって天に送るため、天葬とも呼ばれています。
風葬
亡くなった人の体を野ざらしにして、朽ち果て風化するのを待つ葬送方法を風葬といいます。
風葬は東南アジアやオーストラリア、北米など多くの地域で行われています。
平安時代には日本でも行われており、火葬の手間や費用がかからない風葬が庶民には一般的でした。
京都の化野や鳥部野、蓮台野は三大風葬地と呼ばれていたそうです。
また、沖縄や奄美大島など南の離島では、大正の頃まで風葬の習慣が残っていました。
これら離島には火葬の施設がなかったことや、土地が限られていたのも風葬が行われていた一因であると考えられています。
風葬で有名なのが、インドネシアのバリ島中部にあるトゥルニャン村です。
ここでは現在も風葬が行われ続けています。
住民は亡くなると、動物よけの竹を組んだ中にそのまま安置され、風化するのを待ちます。
風化してあらかた骨になると、頭蓋骨以外の骨は埋葬されたり、無造作に脇の方へと置かれ、頭蓋骨は墓地の周りにズラリと並べられます。
火葬式
インドネシアのバリ島では、ヒンドゥー教徒にとって大変重要な火葬式という儀式が行われています。
火葬式は公開式で非常に盛大に行われ、その費用も大きなものでは数千万円もかかると言われています。
立派な火葬式を行うことが親孝行の印とされており、王族や有力者、聖職者などの火葬式では観光客が訪れるほど盛大なものになるそうです。
一方、庶民はそんなお金をすぐには用意できないため、村で合同で行うこともあります。
遺体を一旦埋葬し、お金の用意ができてから掘り起こして火葬式を行うということも珍しくないそうです。
火葬式では自宅や葬儀場から火葬場まで、ガムランなどバリの楽器の演奏と共にパレードが行われます。
遺体の入ったバデといわれる塔が乗せられた神輿と、プトゥラガンという張り子の棺を乗せた2つの神輿を担ぎます。
プトゥラガンの形はカーストによって定められており、王は竜、貴族は黒い牛、僧侶は白い牛、スードラは獅子や半象などが基本とされています。
たくさんの男性によって棺を乗せた神輿が担がれ、時には激しく揺すぶったりグルグルと回ったりしながら墓地へと向かいますが、その様子は、さながらお祭りのようにも見えるそうです。
墓地の火葬堂で遺体はバデからプトゥラガンに移され、そして火を放たれます。
ヒンドゥーでは亡くなった人の魂は炎と共に空へと上り、よりよい世界で生まれ変わると考えられているため、遺族の顔に悲しみはあまり見られることはありません。
ファマディハナ
マダガスカル島で行われている伝統的な死者の儀式を、ファマディハナ(死者発掘の祭り)といいます。
お葬式ではなく改葬式であり、数年に一度、祖先の遺体をお墓から出して、バンドの演奏に合わせて遺体と共に踊るという風習です。
ランバメナと呼ばれる布に撒かれた先祖の遺体を、何人もの人たちが肩に担いでお墓の周りを踊り歩き、新しいランバメナを巻いて再びお墓に戻します。
ファマディハナは一族や友人など大勢の人が集まって3日間にわたって開催されます。
1、2日目はお墓のそばの広場で歌や踊りが披露され、3日目にファマディハナが行われます。
人々はお酒を飲み、音楽と共ににぎやかに踊って過ごします。
世界のお墓についてまとめ

いかがでしたでしょうか?
今回は、世界のさまざまなお墓についてご紹介しました。
ピラミッドや始皇帝陵など世界遺産に登録されているお墓
アジアやヨーロッパなど、それぞれの国のお墓とお墓参りなどの風習
さまざまな“世界一”のお墓
世界の変わった埋葬方法
など、世界中のお墓について知ることができました。
日本人には馴染みのない、驚くようなお墓や風習がありましたね。
一方で、土地不足や葬送方法の変化など、これからのお墓について、日本と似たような問題が他の国でもあるということが分かりました。
また、お墓の形や埋葬方法、宗教、供養の仕方などが異なっても、死者を悼む気持ちは世界中どこでも同じだと思います。
今回ご紹介した世界のさまざまなお墓に、これから旅行などで行かれる方もいるかもしれません。
そんな時に参考になればと思います。
最後までお付き合いいただきまして、ありがとうございました。
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