
納骨堂の利用に必要な料金の内訳と相場をわかりやすく解説
都心では土地の価格が高く、お墓を立てるには多くの費用が掛かります。そこで比較的お金のかからない納骨堂が人気ですが、利用するにはどれほどの料金が掛かるのでしょうか。今回は納骨堂の料金相場について、タイプや要因よりご説明をいたします。
最終更新日: 2018年11月04日
納骨堂の料金について

近年都会に人口が集中し、都心にお墓を求めたいと思う人が多くなりました。
日本の伝統的なお墓は敷地の上に墓石を建て、その下に家族の遺骨を納めます。
しかし都心の土地は高く、墓石を建てるような墓づくりをすると、大変な費用がかかることになります。
そこで近年多く利用されるようになってきたのが納骨堂で、お墓を作る方式と比べると費用は比較的少なくて済みます。
今回は納骨堂を利用したときに、料金はどのくらいかかるのか解説いたしますのでご参考にしてください。
これからご説明する主な内容は下記のとおりです。
納骨堂を利用する場合に知っておくべき基本的な事柄
納骨堂ではどのように遺骨の管理をしてくれるの?
納骨堂を利用する場合に料金はどのぐらいかかるの?
納骨堂のタイプによる利用料金について
家族の一員でもあるペットの納骨堂の注意点と利用料金について
納骨堂の利用前に知っておくべき基本事項

納骨堂を利用したいと思った時に費用を調べると、安い料金で済むものから高額な料金のものまで料金はさまざまです。
料金体系は一時的に保管してもらうのか、永代供養をしてもらうのかなどによっても異なってきます。
またお墓との違いや法要がきちんとなされるのかなどもチェックしたい項目です。
以下で利用する前に知っておきたい基本事項について詳しく見ていきたいと思います。
一時的に遺骨を保管してもらう場合について
納骨堂はもともとはお墓が見つけられない人や事情があり、すぐに納骨できない人などのための一時保管が目的でした。
しかし近年は墓が遠方にあるので行けない・都心に住んでいるので住宅に近い場所でお参りをしたい・墓を建てる費用がない・核家族であるなどの理由で長期間にわたって納骨堂で保管してもらうことも多くなりました。
納骨堂には一時的に遺骨を保管する期限付きのタイプと、無期限に使用できるものがあります。
納骨堂の料金は使用期間のほかに遺骨の数や納め方・供養の方法・納骨堂のある地域などによって変わってきます。
一般的な目安として1人50万円ほどで、家族になると150万円ほどかかります。
他に年間の管理料が5千円から2万円ほど必要になってきます。
納骨堂の料金には、永代使用料・開眼法要料・納骨費用などが含まれますが、戒名や位牌などが入る場合があります。
従来のお墓との違い
納骨堂は一般的に埋葬料金が安く済むと言われます。
それでは納骨堂に遺骨を納めた場合と墓石を建て埋葬する場合とでは,どれほど違うものなのでしょうか。
納骨堂は従来からあるお墓と同じく、土地を購入するものではありません。
ですが納骨堂は、お墓と違って必要な土地の大きさが少なくて済むので費用を安く抑えることができます。
また伝統的な石のお墓を立てる場合には、お墓の永代使用料と墓石代がかかります。
墓の大きさや墓石の種類・場所にもよりますが、200万円程度が普通と言われます。
これに年間の管理費が5千円から1万5千円程度毎年掛かってくることになります。
ですから多くの場合墓石を必要としない納骨堂を利用したほうが、お墓を立てるよりも経済的ということが言えます。
また納骨堂は料金面以外でも立地が良く交通が便利・室内にあるので冷暖房設備が整っている・掃除をする必要がない・宗派を問わない・お墓の承継をしないで良いなどのメリットがあります。
しかし納骨堂の場合には一定期間の後に、他人の遺骨と合祀される場合がほとんどです。
最近は永代使用権のある納骨堂もありますので、合祀が嫌な人は一考の価値があるでしょう。
なお納骨堂と従来のお墓の違いを下記に表します。
納骨堂 | 従来のお墓 | |
納骨場所 | 屋内が多い | 屋外が多い |
価 格 | 20万円~150万円 | 100万円以上 |
墓の管理 | 必要ないことが多い | 必要 |
宗 派 | 問わない | 寺院墓地では檀家となる |
承 継 | 承継しないことが多い | 承継する |
また、お墓や納骨堂などの費用相場をもっと詳しく知りたい方は、こちらの記事も併せてご覧ください。
法要がきちんとしているかどうかの確認
以上お話してきたように一般的に墓石のあるお墓と比べて、納骨堂の利用料金が安いことは間違いのないところです。
しかし費用面だけでなく、故人の尊厳という意味から、法要がきちんとなされるかという確認をする必要があります。
納骨堂を持つお寺では、月に1回の合同法要や年忌法要を行うのが普通です。
また個別の法要を望む人は、それが可能かどうか、費用はどの程度かかるか調べておく必要もあるでしょう。
寺院以外の納骨堂でも、一般的には毎年法要が行われます。
三十三回忌などの一定期間が過ぎれば合祀されることになり、それ以降は永代にわたって合同で供養されることになります。
安いことが特徴の納骨堂ですが、従来の墓と同等レベルの法要が行われるかどうか、きちんと調べておくことも必要なことでしょう。
納骨堂の料金相場・要因について

納骨堂の料金はいったいどのように決まっているのでしょうか?
ここでは料金の違いとなる要因から、料金の相場まで詳しく解説します。
料金の違いとなる要因
今まで述べてきたように納骨堂は、墓石を建てる従来型のお墓と比べ料金は一般的に安くすることができます。
しかし料金の幅があり安い場合には10万円程度、高いものになると150万円程度になり平均では50万円~100万円程度が相場となります。
それではなぜこのような料金の差ができてくるのでしょうか?
納骨堂の料金の違いは、まず立地条件や納骨堂の種類・寺院の格式・管理者の行うサービス等により変わってきます。
納骨堂の費用は永代使用料および管理費から成っています。
永代使用料
永代使用料は永代にわたって納骨堂を使用する権利です。
立地条件や骨壺の数などにより料金は異なってきます。
管理費
管理費は一括払いをすることもできますが、一般的には毎年発生する費用です。
管理費用は契約の際に数体分の遺骨埋葬料を一括で支払う場合と、遺骨が増えるたびに追加費用が掛かる場合があります。
毎年支払う場合には初期費用を低く抑えることができますが、毎年5千~2万円ほどの費用を支払わなければなりません。
一括支払いの場合には一般的な永代供養墓と同じく一定期間が過ぎれば、合祀されることとなります。
その意味では一括払いは、あとに残された人に迷惑をかけない終活と言えるでしょう。
納骨堂のタイプ
納骨堂にはどのようなタイプがあるのでしょうか。
ここでは、安置方法の種類と納骨堂に入れる人数による分類をして、そこからそれぞれの費用の違いを見ていきたいと思います。
安置の種類
納骨堂は公営か民営か寺院かによっても料金が違ってきますが、遺骨を安置するタイプによっても異なります。
ロッカー式
ロッカー式とはロッカーのような納骨室に個別に遺骨を納めるタイプの納骨堂です。
費用は1人約10万円~20万円ほどで費用を安く抑えることができます。
仏壇式
仏壇式は下段に遺骨を納め、上段に仏壇を配置した作りで故人の写真や遺品なども収めることができる納骨堂です。
スペースも広くなりますので2人以上の遺骨を収納でき、料金も高くなりなります。
費用は大体1人30万円程度ですが、1人では埋葬はしない場合もあり、2人で80万円・4人で100万円が目安となります。
墓石式
墓石式の納骨堂では霊園のお墓のように屋内に墓石を建てますので、個別にお線香や花を供えることができます。
安置するスペースも広く、作りもどっしりとしていますので、費用は高くなり一体100万円ほどかかります。
入ることができる人数の種類
主に一人で入る用の納骨堂と、家族で入ることができる納骨堂があります。
一人用の納骨堂
一人用の納骨堂は、主に独身であった人が利用するロッカータイプが主流で、平均すると20万円ほどが相場です。
一人用の場合には生前に契約をしなければならず、一定期間を過ぎれば他人と一緒に合祀されることになります。
永代使用料と管理費を一括で支払うこととなりますが、きちんとした管理をしてもらうにはそれ相当の料金が必要です。
家族用の納骨堂
家族用の納骨堂には夫婦で入る二人用から10名程度まで入れる家族用があります。
納骨堂によって遺骨の収納可能数は変わってきますので、将来何名の遺骨を収める必要があるか考慮する必要があります。
家族用の納骨堂には仏壇式のものと墓石タイプが一般的です。
永代使用料は大まかにいうと100万~150万円ほどですが、家族の人数が増えれば当然料金は上がってきます。
他に管理費が年に1万円程度かかりますが、永代使用料に含まれる場合もあります。
公営の納骨堂の場合
納骨堂には公営納骨堂および民営納骨堂・寺院が運営母体となる納骨堂があり、料金も変わってきます。
公営納骨堂は都道府県や市町村などの自治体が運営をするもので、宗教は不問であることが一般的です。
費用は民間と比べると安く、平均で30万円程度です。
しかしその地域に住んでいることなど申込み条件細目にわたっている場合が多く、競争率も高くなっています。
民営納骨堂は民間業者が販売し、宗教法人や財団法人・社団法人などが運営をするもので、宗教や住んでいる地域を問わず誰でも利用できる特徴があります。
寺院納骨堂は寺院が運営するもので、宗派は問わない場合もありますがお寺の宗派により供養されます。
いつ合祀するのかによっても料金が変わる
納骨堂では一定期間個別に遺骨を収蔵し、その後に合祀することになります。
永代使用料は17回忌で合祀するかあるいは33回忌で合祀するかなど、遺骨を安置する期間によっても料金が異なってきます。
初めから合祀する場合には5~10万円ほどの料金ですが、33回忌で合祀にすれば納骨堂の種類にもよりますが50万円ほどかかることになります。
期間を定めないで納骨堂を承継していく場合では、全体でかかる料金は200万円~300万円ほどにのぼり経済的な負担が大きくなります。
機械化されているかどうかの違い
最近の納骨堂の中には機械式のものもあり、カードを機械に通し、タッチパネルで操作することにより骨壷を手元に自動に呼び出すことができます。
機械式納骨堂は一般的に広くきれいで、外観や設備が充実し、休憩室でゆったりとくつろぐこともできます。
また参拝するスペースはいくつもありますので、お彼岸などのお参りで待つこともありません。
このタイプの納骨堂は近年都心部で多く建設され費用も比較的高く、一つの納骨室で平均で70万円ほどかかります。
個人の参拝室があるものでは200万円ほどするものもあり、さらに高級なグレードの納骨堂もあります。
これからますます増えてくることが予想されるタイプの納骨堂と言えるでしょう。
納骨堂にかかる料金について詳しく知りたい方は、こちらの記事も併せてご覧ください。
ペット納骨堂の料金相場

ペットの納骨堂を利用する際にかかる料金についても、合わせてみていきましょう。
ペット用の納骨堂を利用する際の注意点
最後にペットの納骨堂を利用するときに気を付けておきたい注意点を解説いたします。
家族の一員であり心を癒してくれた大切なペットが亡くなると、心に空洞ができたように寂しく、手厚く供養をしたくなると思います。
人の埋葬については法律に基づき誰でも納骨堂を開業することができるというわけではありませんが、ペットの場合には明確な法律・審査基準がありません。
従ってペットの納骨堂は比較的参入がしやすく、小さな業者が多くトラブルを引き起こす場合もあります。
それゆえペット納骨堂を利用する場合には、事業主に信頼がおけるか否かきちんと確認して依頼したいものです。
ペット用納骨堂の料金相場
ペットの納骨堂は、豪華なものから手ごろな価格のものまで色々あります。
利用料金は年間で5千円~1万円程度で、1年後に更新するか否かという形式をとっている場合が多いです。
数年後には合祀されるのが一般的です。
納骨堂の料金まとめ

いかがでしたか?
今回は納骨堂を利用するにあたっての料金や相場についてご説明しました。
記述した内容は次の通りです。
納骨堂には一時的に遺骨を預かるタイプと無期限に利用できるものがあること
納骨堂を利用するには永代使用料と管理費用が必要であること
従来の墓との違いは基本的には墓石代が不必要であり、比較的安いこと
屋内にあり管理も不必要な反面、多くの場合一定期間が過ぎると合祀されること
利用料が安い納骨堂では、法要がきちんとなされるか確認すべであること
納骨堂はタイプにより、豪華なものから安いものまでさまざまであること
あらかじめ一人で利用するか、将来家族で入るのか考慮しておくこと
以上ご説明してきたように、納骨堂は都心に住む人にとっては、利用しやすい埋葬スタイルと言えます。
しかしメリットのある反面デメリットもありますので、利用にあたってはご自分のライフスタイルをよく考えてお決めください。
「終活ねっと」では「納骨堂の料金」以外にも、納骨堂に関する様々な記事をご紹介しています。
ぜひそちらもご覧ください。
納骨堂について詳しく知りたいあなたへ...

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