
無縁仏になるとお墓・遺骨はどうなる?無縁仏を防ぐための方法は?
日本の仏教ではお墓を継ぐ人がいないお墓は、一般には無縁仏になってしまうとされています。 では、そもそも無縁仏とはどんなものなのでしょうか?実際に無縁仏になったらどうなるのか、お墓や遺骨はどうなってしまうのか解説します。
最終更新日: 2019年12月15日
無縁仏はどうなるのかについて
日本の仏教ではお墓を継ぐ人がいないお墓は、一般には無縁仏になってしまうとされています。
では、そもそも無縁仏とはどんなものなのでしょうか?
実際に無縁仏になったらどうなるのか、お墓や遺骨はどうなってしまうのか解説します。
無縁仏とは何か?
無縁仏の供養方法
無縁仏になるのを避ける方法
以上のポイントを中心に解説して参ります。
今回の記事が、皆様の終活の一助となれたら幸いです。
そもそも無縁仏とは何か

そもそも、無縁仏とはどのような状態のことを言うのでしょうか?
基本的には、故人とこの世に残された縁者との繋がり、つまり弔ってくれる親族や縁者がいなくなった仏様のことを指します。
年配者が無縁仏になることを忌み嫌うのは、日本独特の死生観から来るものです。
しかし実は、無縁仏になることを忌み嫌う年配者もその先の親から大変だと代々伝え聞かされているだけで、何故大変でどうなるのかは具体的には良く知らないのではないでしょうか?
では、なぜ無縁仏になることを忌み嫌うのか、まずは昔の日本人が持つ死生観をもとに解説いたします。
人は死ぬとどうなるの?
無縁仏を説明する前に、仏教では人は死ぬとどうなると考えられているのかをお話しします。
仏教における日本の死後の世界観は、平安時代中期の天台宗の僧侶である源信が記した『往生要集』の影響が強く現れています。
人は死ぬと、七日間あの世に向けて歩き続け、三途の川を渡ります。
七日目で、広泰王と呼ばれる裁判官に生前の善悪を審理されます。
そして、七日ごとに違う裁判官に審理されることになります。
三十五日目には閻魔大王から、生前の善悪の多寡によって天国に行くのか地獄に行くのかの裁きを受けます。
四十九日目には最終的な審議が下され、善行が多ければ無事に天国に行くことが出来ます。
しかし悪行が多ければ、この時点で残念ながら地獄に落とされてしまうのです。
善悪の判断は、あくまで閻魔大王が判断することです。
世間から見て生前どんなに善行を多く行っているように見えたとしても、地獄に落とされてしまうこともあるのです。
もちろんこの世に生きている私たちには、あの世にいる故人の行き先が閻魔大王によってどうなるのかは知る由もありません。
地獄に落ちてしまった故人を救う追善供養
地獄に落ちてしまったらどうなるのでしょうか?
救いの道がないのでしょうか?
実は救いの道があるのです。
地獄に落ちた者は、救済処置としてその後も何度か追加の裁判が行われます。
その裁判の期日というのが、実は私たちが法要として行っている追善供養なのです。
この世に生きている人が故人に対し追善供養をしてくれるということは、生前に縁がある人に対し故人が善行を施しているからです。
供養は、その思いを追加の裁判を執り行う仏様に伝え、許しを請い願うことになるのです。
思いが届けば、地獄に落ちてしまった者も、その時々の裁判で天国に行くことができます。
ただし、やはりあの世のことですので、故人が何回忌の忌日で天国へ行くことを許されるのかは私たちには分かりません。
追善供養の期日に天国に行けなければ、次の期日まで再び地獄で苦しまなければならないのです。
裁判は三十三回忌まで行われ、そこでも救われない大悪人は五十回忌でようやく天国に行くことが許されるのです。
無縁仏になると長い間天国に行けなくなる
では、追善供養をしてくれる縁者がこの世にいなくなるとどうなるのでしょうか?
無縁仏となってしまうと、五十回忌まで天国に行けず、地獄で苦しみを味わい続けることになってしまいます。
そのため、お墓を引き継ぐ者がいないとご先祖様が困り、大変なことになるということなのです。
最低でも三十三回忌まで、縁者が追善供養をし続けなければならない理由はこのためなのです。
無縁仏として扱われるのはどんな時?
では現在、現実問題で無縁仏として扱われるのは、一体どんな時なのでしょうか?
現代の無縁仏とは、お墓を継ぐ代の者が絶えてしまい、管理できなくなったお墓や、そのお墓に祀られた魂のことを言います。
まず第一に、お墓を建てず、遺体の引き取り手が無くなった故人が無縁仏として扱われます。
第二に、お墓を継ぐ者が絶えてしまった場合も、そのお墓が無縁仏となります。
第三に、お墓を継ぐ者がいたとしても墓参りなどの管理がされず、そのまま放置されてしまうと無縁仏となります。
第四に、古いお墓でもはや所有者が分からなくなってしまったお墓も無縁仏となります。
第五に、墓地に支払うお墓の管理料が滞納されて一定期間が過ぎると無縁仏として扱われます。
つまり、故人と何かしらの縁を持つ者によって管理がなされなくなった時点で無縁仏となるのです。
墓埋法では、墓地を管理する者が無縁仏となった墓を確認した場合、官報とその無縁仏となった墓の近くに処理する旨を告示し、一年以内にその墓の管理者が現れなけば墓地の管理者はその無縁墓を自由に処分できるようになっています。
無縁仏と永代供養との違い
家を継ぐ者が絶えてしまって、永代供養を選んだ人たちは、無縁仏になるとはいえません。
無縁仏とは、供養をしてくれる縁者がいなくなった仏のことです。
永代供養では、縁者の代わりに施設を管理する寺院が故人の供養を定期的に行ってくれます。
故人が成仏し、天国に行くことが出来る三十三回忌まで追善供養を行ってくれるので、無縁仏とは言えないのです。
三十三回忌まで終われば天国に行けるので、この世の者と縁が切れたとしても、ご先祖様は成仏できるのです。

終活ねっと運営スタッフ
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ここまで、無縁仏とは何か、無縁仏と永代供養との違いなどについて解説してきました。
次は、自分の住んでいる地域で、永代供養ができる霊園があるかどうかを探してみましょう。
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無縁仏はどのように供養されるのか

では、無縁仏になってしまったお墓や遺骨はどうなるのか具体的に説明いたします。
無縁仏の供養方法
まず、無縁仏となってしまったお墓は、墓地の管理者によって処分されます。
寺院や民営霊園の場合、墓石から遺骨を取り出し、墓石は石材業者に依頼して廃棄処分されます。
取り出した遺骨は、寺院や霊園が管理する無縁仏を合祀するための供養塔に移され、他の遺骨と一緒に埋葬されます。
その後は、墓地を管理する寺院の僧侶が、他の無縁仏と一緒に供養してくれます。
しかし、自治体が管理する公営霊園の場合、残骨処理といって単なる廃棄処分扱いになってしまう場合もあります。
無縁仏に入った遺骨を再び取り出せるのか
無縁仏として合祀されてしまった後に、縁者が現れて遺骨を戻してもらいたいと願い出た場合、遺骨を取り戻すことはできるのでしょうか?
供養塔に埋葬する際に、遺骨は骨壺から取り出されます。
そして、供養塔に埋葬するスペースを確保するため細かく砕かれ、他の無縁仏の骨と一緒に混ぜるような形で埋葬されます。
基本的には土に還す行為なので、縁者の骨だけを取り出すことはもはや不可能となってしまいます。
無縁仏になるのを避けるために

では無縁仏になるのを避けるためにはどうすればいいのでしょうか?
お墓の名義人・管理者を確認する
お墓が荒れていると、墓地の管理者に無縁仏と判断されてしまうこともあります。
縁者の墓地で墓参りがされている様子がなく、荒れている場合には関係者に連絡を入れましょう。
誰がそのお墓を継ぐ名義人となっているか、あるいは誰が代理で管理をしているのかを確認してあげた方が良いでしょう。
お墓に名義人・管理者がいるかどうか、しっかり確認しましょう。
管理費をきちんと支払う
管理料を支払わないとどうなるのでしょうか?
お墓のある墓地に管理料を一定期間払っていないと、墓地の管理者にそのお墓を継ぐ者がいなくなったと判断され、無縁仏として扱われてしまいます。
墓埋法でも管理料の支払いが滞った場合には、墓地の所有者によって墓地の区画の使用権を取り消すことができるとされています。
そのため、毎年きちんと支払いがなされているかどうか確認しなければなりません。
定期的にお墓参りに行く
お墓参りに行かないとお墓はどうなるでしょう?
雑草が生え、墓石は汚れ苔むし、無縁墓のように見えてしまいます。
定期的にお墓参りに行けば、墓掃除をしたり供物をお供えしたりしますよね。
誰かがこの墓を管理しているかということがひと目で見て分かります。
お墓参りのあれこれについて詳しく知りたい方はこちらをご覧ください。
供養方法を考える
無縁仏とは引き継ぐ者がいなくなったお墓のことも指します。
そのため、お墓を持たない葬送を選べば、無縁仏となることを避けることが出来ます。
ではどうすればよいのでしょうか?
まず、先にも述べましたが永代供養があります。
お墓の代わりに納骨堂のある施設に遺骨を納め、縁者の代わりに施設を管理する寺院の僧侶が貴方が天国へ行けるまで供養を続けてくれます。
また、お墓を持たない埋葬として散骨があります。
どんなに長く続く家系であっても、何かしらの理由で代が途絶えれば無縁仏になってしまいます。
自分の代で墓じまいをし、散骨をすることでお墓が無縁仏となることを避けることが出来ます。
人が亡くなればいつかは土に還るわけです。
散骨で大自然をお墓にすると考えれば、決して悪い気がしないのではないでしょうか。

終活ねっと運営スタッフ
無縁仏にしないためには、永代供養や散骨にするのがおすすめです。
お墓の管理に悩まれている方は、一度検討されてみてはいかがでしょうか。
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無縁仏はどうなるのかまとめ

以上で無縁仏とはどういうもので、無縁仏になるとどうなるのかを説明させていただきました。
長くなりましたので、以下に要点をまとめておきます。
無縁仏とは本来この世に故人と縁のある者がいなくなり、故人のために供養をしてくれなくなった仏のことを言います。昔の宗教観では供養がなされないと個人は長い間地獄で苦しむことになります。
現代の無縁仏とは引き取りの手のいない遺体や、引き継ぐ者がいなくなったお墓のことを指します。
引き継ぎ手のいなくなったお墓は墓埋法により墓地の管理者が一定の手順を踏んで処理することが出来ます。埋葬されていた遺骨は供養塔などで他の無縁仏と一緒に合祀されます。
無縁仏になるのを避けるには定期的にお墓を管理しなければなりません。また自分の代でお墓を継ぐ者が絶えてしまう場合には、永代供養や散骨など別な葬送を検討し、死後お墓が無縁仏となることを避けなければなりません。
いかがでしたでしょうか?
無縁仏とはどういうものなか、また無縁仏がどうなるかなど少しでも理解いただけたなら幸いです。
「終活ねっと」では、他にもお墓や法事に関する様々な記事を掲載しています。
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最後までお読みいただき、ありがとうございました。
永代供養について詳しく知りたいあなたへ...

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