散骨って法律的に大丈夫なの?法律問題を分かりやすく解説!

お墓を持たずに遺骨を自然へ返す、散骨という御供養を最近よく耳にするようになりました。しかし、この鎖骨という方法は法律的にはどのように解釈されるのでしょうか?散骨についての法律問題について一緒に考えてみましょう。

目次

  1. 散骨に関する法律について
  2. 散骨は法律的に違反していないのか
  3. 散骨をする際に気を付けるべきこと
  4. 散骨にも種類がある
  5. ハワイで海洋散骨をしたい場合
  6. ペットの遺骨を散骨したい場合
  7. 散骨に関する法律まとめ

散骨に関する法律について

海

自分が亡くなったら、遺骨は海に返して欲しい。
このような考え方が浸透し始め、近年散骨という選択を取る人が増えてきました。

散骨とは故人の遺骨をパウダー状の粉になるまで細かく粉骨にし、海や山などに撒いて自然へ還す御供養の事を言います。
お墓を持たず、納骨堂の手配も気にせず、故人またはご遺族の意思に基づいて行われるこの御供養は、多くの人達の心を掴み、最近では散骨をコーディネートする業者も現れ始めました。

しかし、本来ご遺骨とは故人のご遺体のことであり、遺骨を撒いて自然へ還すという方法は、法律的にはどのように解釈されているのか、気になる方もいらっしゃるのではないでしょうか。

今回は、この散骨に関する法律問題について、

  • 法律的に問題はないのか
  • 散骨する場合はどのようにすればいいのか
  • 散骨の種類とそのやり方

ということを中心にして、散骨についてお話ししていきたいと思います。

散骨は法律的に違反していないのか

散骨

これまで故人のご遺骨の多くは、墓地・納骨堂といった、いわゆる「法律に基づき決められた場所」に収められてきました。
散骨は、大自然の中へ粉となった遺灰を撒いて御供養するという点で、自然葬と分類されます。

では、この自然葬についての法律はどのようになっているのでしょうか?
散骨も含めた、自然葬と埋葬に関しての法律をみてみましょう。

散骨・自然葬を禁止する法律はない

自然葬とは、ご遺体やご遺骨を海や山に送り出すことで、大自然の循環の中に回帰するという考えに基づいて行われる供養のことです。
自然葬は遥か昔から日本では行われていたものでもあり、自然へ帰依するという考えは、仏道が広く広まる日本ではごく当たり前に捉える人々も多く存在します。

現在、より自然へ回帰するという姿を認識しやすいことから、自然葬とは散骨・樹木葬といった特別な供養のことを指すと思われがちなのですが、「ご遺体、ご遺骨が自然へ吸収されて新しい命へ変化する」という意味では、ご遺体やご遺骨を直接土へ埋葬する土葬も自然葬であると考えることも出来ます。

この自然葬なのですが、実は自然葬に関する法律は存在しません
自然葬を禁止する法律は勿論ですが、そもそも自然葬に関する法律はないのです。
自然葬が法的に問題にされる時、それは、自然葬が行われる場所に問題がある時なのです。

埋葬に関する法律は存在する

自然葬を行うことは問題ないのですが、ご遺体・ご遺骨を埋葬するという行為には法律による規制がかかります
その法律が、「墓地、埋葬に関する法律」(以下墓埋法と記載)です。

この墓埋法の第二章、第四条に、「埋葬又は焼骨の埋蔵は、墓地以外の区域に、これを行なってはならない」とあります。
つまり、最初からご遺骨を埋葬してもいいと許可をされている場所以外で、ご遺体やご遺骨を埋葬する行為は法的には認められないということなのです。
この法律に従わずに好きな場所にご遺体やご遺骨を埋葬してしまうと、刑法190条に抵触し、「死体遺棄罪」もしくは「死体損壊罪」となります。

自然葬に関する直接的な法律がないので誤解しやすく分かりにくいのですが、簡単に言うと、

  • 自然葬はやってもいいです。
  • しかし好き勝手に遺体や遺骨を埋葬しないでください。
  • どうしてもやりたい場合は、埋葬が許可された場所でお願いします。
  • もしもこの決まりを守らなかったら逮捕されます。

という流れになるのです。

では自然葬の中でも、地中に埋葬せず海や山へ遺灰を撒いて御供養をする散骨という行為は、法律的にはどうなるのでしょうか。

現在散骨は法律違反ではない

散骨については、現時点では法律違反にはなりません
しかし、この法的解釈は「ご遺体・ご遺骨を土に埋める行為ではないので、墓埋法に基づいた規制はかけられない」という大変微妙な根拠によるものです。

現在行われている散骨は、一見ご遺骨とわからないほど細かいパウダー状に粉骨し、その粉を可能な限り人間の生活区域から離れた場所で撒くという他の人々に不快感を与えないよう徹底してモラルに配慮した形です。

このような人としての思いやりとそれを理解する心が続くことで、散骨という御供養が一般的にも法律的にも認められていくかも知れません。

散骨をする際に気を付けるべきこと

散骨にて御供養をする際、どのような点に気をつけて行わなければならないのでしょうか?
気をつけなければならないその理由とは一体なんなのでしょうか?
散骨に関する様々な注意点と、その理由をみてみましょう。

遺骨を粉骨をする必要がある

遺骨を粉骨せずに散骨してしまうとどうなるのでしょうか?

仮に遺骨をそのままの状態で散骨した場合、最悪の場合死体遺棄罪に問われる可能性があります。
なので、散骨をする場合には必ず粉骨を事前に行っておくようにしましょう。

迷惑がかからない場所で行う

故人が望む場所に散骨をしたい、と考えるご遺族もいらっしゃいますが、例え一見わからない程の粉骨であったとしても、どこにでも撒いていいわけではありません

故人を偲ぶ大切な御供養で他者に迷惑を掛けないよう、あらかじめ撒いてはいけな場所を知っておくことがとても大切です。

では、どのような場所に撒いてはいけないのでしょうか?

川・湖に散骨してはいけない

河川や湖は、人々の生活に密接に関係してきます。
人間の生活用水の水源として利用されている他、漁場としての利用、時にはその河川や湖そのものが観光資源となり人々の生活を支えていることもあります。

このように人々の生活区域から離れた場所であっても、人々の生活の資源として直接関わってきている場所ですので、川や湖では散骨しないようにしましょう。

他人の私有地で散骨してはいけない

昔からある山だからとか、子供の頃から遊んでいた場所だからといってご遺灰を勝手に撒くことは絶対にしてはいけません。
住宅地や農地はもちろんのこと、山林といった場所に至るまで登記簿で調べると必ずその所有者は存在します。
そして所有者がいる以上、それは私有地となるのです。

この山林はうちの私有地だから大丈夫だと思っても、よくよく登記簿を見てみると複雑に土地の区画が分かれていて、散骨した場所は実は他人の私有地だったということもあり得ます。

散骨供養の場所を決める際は、そこが他人の私有地ではないことをよく確かめましょう

許可が必要になる場合も

私有地ならば許可を取らなくても散骨供養が出来る、基本的な考えはそれで良いのですが、実は私有地であっても許可を取らなければ散骨出来ない場合もあります

法律的には問題無いけれども、それだけが判断基準ではないというケースをみてみましょう。

近隣の住人に許可を求めなければならない

散骨をする予定の私有地の周りに近隣住人の方々がいる場合、その人達の合意を得なければいけません。

散骨という御供養は、人によって受け止め方は様々です。
中には、例え粉骨されていたとしても拒否反応を示す方もいらっしゃいます。
そして人ぞれぞれの考えや思想は、決して否定や強制をされるものではありません。

近隣の方に黙って散骨し、それが後で問題となったケースもございますので、私有地であっても近隣の方の合意を得てから行うようにしましょう。

市町村に許可を求めなければならない

散骨を行う予定の私有地がある市町村で、もしかしたら散骨を禁止する条例を設けているかも知れない場合があります。
法律上は問題がないのなら良いのではと思われるかも知れませんが、条例は裁判においても立派に指示されるのです。

散骨に関する条例のほとんどは商用散骨、いわゆる散骨を行う業者が、散骨する為の場所を確保する為には必ず地域住人の合意を得ること、合意を得たとしてもその場所が環境保全の面から不適切な場合は許可を出さないことなどを挙げており、事実上散骨を許可しない内容となっています。

では商用ではなく個人ならばよいのかというと、実はそうではありません。
個人という単語が書かれていないだけで、散骨そのものを認めているわけではないとする場所もあれば、現在全面的に散骨を禁止にする方向で話し合いをしているなど、各市町村によって様々な意見があります。

更には、市町村においてははっきりと「個人であっても市町村内での散骨を認めない」とする条例を明確に打ち出しているところもあるのです。

なんとも細かくややこしい話ではあるのですが、国の定める法律の下に県の条例、県の条例の下には各市町村の条例や区の条例とどこまでも辿って確認する必要性が出てきます。
もちろん、全ての都道府県市町村に散骨に関しての条例があるわけではありませんが、散骨供養を考えるのをよい機会に、一度お住まいの市町村で訪ねてみるのも良いかも知れません。

散骨にも種類がある

山

いざ散骨を行う時、迷うのはその方法と場所ですよね。
散骨、とひとくくりにされているけれど、実際にはどのような種類があり、そしてそれはどのようにして行われているものなのでしょうか。

ここでは、散骨の種類とその方法について、詳しくご説明していこうと思います。

海へ散骨

海にご遺灰を散骨することを、海洋散骨と言います。
海洋散骨をする場合、いくつかの決まりごとがあります。

  • 海水浴場などの観光地は避ける。
  • 沿岸沿いで、漁業や養殖を行なっている場所は避ける。
  • 例え上記の二つに当てはまらなくても、人がよく訪れる場所では行わない。

この決まり事には理由があります。
観光地や漁業などを生業としている人達が多い地域で散骨が多く行われてしまうと、例えそれが自然に配慮した御供養であったとしても、その地域に対しての悪いイメージを持つ人たちが現れ、風評被害となって、観光客が減ったり海産物の売り上げが落ちるなどの被害が出る可能性があるのです。
最悪、それにより被害を被ったとして、その地域に海洋散骨した人達が訴えられる可能性も出てきます。

ですので、現在では海洋散骨を行う場合は、漁場や海水浴場などのある沿岸部から遠く離れた海上にて行われるのが一般的となっています。

気持ちよく故人を御供養する為にも、海洋散骨をお考えの際にはまずそれをコーディネートしてくれる業者に相談をして、どこの海でどのように御供養したいか、希望に合うプランはあるかなどを話し合ってみましょう。

宇宙へ散骨

ご遺灰をカプセルなどに詰めて宇宙空間へ打ち上げ、故人に宇宙から見守って頂くという散骨の方法を、宇宙葬と言います。

その方法は様々なのですが、一番多いのはロケットによる打ち上げです。
ご遺灰のカプセルは宇宙空間に出たあと、地球の周りを数ヶ月から数年掛けて周り続け、最後に大気圏に突入し燃え尽きます。

中には、宇宙空間でご遺灰のカプセルが地球を周回している間、スマートフォン用の専用アプリにてご遺灰の周回位置を確認出来る、というサービスを行なっているところもあります。

大変ロマン溢れる宇宙葬ですが、生前から予約をする人達がいる程認知をされてきておりますので、もしかしたら選択肢として当たり前となる時代が、すぐそこまできているのかも知れませんね。

山へ散骨

登山が趣味で、自分が亡くなったら山で散骨供養して欲しいと思う方もいらっしゃるのではないでしょうか。
登山家の間では、亡くなったら登山仲間を散骨供養する為に山に登ることを「弔い登山」とも言うそうです。

他の散骨供養同様、山に埋めたり墓標をたてるなどの行為をしなければ、これも法律に触れることはありません。
しかし、実行するにあたりいくつかの注意点があります。

  • 散骨供養を行う予定の山の所有者を必ず調べること。
  • 山にある水源地域や山小屋などの建物や施設の周辺は避けること。
  • 天然記念物や生態系に影響のある場所には撒かないこと。
  • 力量的に目的の山に登るのは無理だと思う場合は、慣れている人に頼むこと。

どの散骨供養にも言えることなのですが、特に山での生態系は一度崩れてしまうと元に戻りにくいものです。
山への敬意と節度を持って御供養を行なって下さい。

また、登山というのは慣れていない人には非常に厳しい場合も多く、無理をして登ることで怪我をするなどの哀しい結果になることもあります。
御供養の際にはまず所有者を確認し許可をとった上で、どのような山なのかを調べてみましょう。

どうしてもご自分では無理と判断されたりどなたかに止められた場合は、他の登山をなさる方にお願いするようにしましょう。

ハワイで海洋散骨をしたい場合

昔から、ハワイは日本人にとって憧れの地ですよね。
最近では、その神秘的な風習やパワースポットなどで、一層の注目を集めております。
そんなハワイでの海洋散骨をご希望された場合、どのような点に注意するべきなのでしょうか?

ハワイでも散骨に関する法律がある

ハワイでは土葬や散骨といった自然葬が昔からごく当たり前に行われており、昔からの慣習でもあります。
このため、ハワイ州の州法では散骨はおおらかに受け止められており、散骨自体が規制されることはありません。

しかし、海洋散骨をする場合には州法ではなく、連邦水質汚染防止法という法律に注意をしなければなりません。

この法律により、散骨は海岸から約五キロ以上離れた沖合で、海を汚さないように遺灰を撒かなくてはなりません。
その際もし献花をする場合であっても、ビニールや紐といった海を汚すようなものは全て外し、分解されやすい花びらの部分だけをご遺灰と共に撒くようにします。

そして海洋散骨を行なった場合は、原則として行なった日から30日以内にアメリカ合衆国環境保護庁にその報告をしなければなりません。

費用はどれくらいかかるのか

ハワイでの海洋散骨をする場合、その値段はどのように行うかによって様々に変わってきます。
まず、下記の点について明確にしてみましょう。

  • 現地に実際に行くかのか、ご遺灰をお任せするのか。
  • 現地に行く場合、何人で参加する予定か。
  • 船の規模はどのくらいにするのか。
  • オプションサービスをつけるかどうか。
  • 手続き等は、自分で行うのか頼むのか。

以上の点を踏まえて、まずはハワイでの海洋散骨についてコーディネートをしている業者に相談をしてみましょう。
その際日本円でも構わないので、どの位の予算を想定しているかを伝えてみて下さい。

海洋散骨についてだけでいうなら、おおよそ1〜7人で小・中型船一台チャーター、神父様やハワイの儀式に乗っ取ったフラダンスをつけたりなどして、20万円前後からあるようです。
これはあくまで目安の値段で、実際はその時の為替相場や頼む業者によって価格は変動しますので、参考程度に留めておきましょう。

また、このお値段には渡航費は含まれておりません
こちらも、価格は渡航する時期や人数によって変動いたしますので、その点を踏まえて計画をなさって下さい。

今ではニーズに応えて沢山の業者がコーディネートを行なっておりますので、ご遺族でしっかりご意見をまとめられた上でご相談してみて下さい。

ペットの遺骨を散骨したい場合

ペットも大切な家族として大切に御供養したい、そう考える方々も沢山いらっしゃいます。
ペットを埋葬する為の墓地や、ご遺骨を納める納骨堂も沢山あるのですが、ペットのご遺骨を散骨にて御供養したいと願うご遺族も多くいらっしゃいます。

ペットの散骨について、その法律的判断や御供養の仕方をみてみましょう。

法律による規制はない

ペットの散骨についての法律規制はありません
しかし、ペットのご遺体についての法律的解釈は存在します。

ペットを含めた動物のご遺体は、実は法律上はすべて「廃棄物」として扱われます
大切な家族と認識しているご遺族にとっては少々腹立たしい解釈ではありますが、そのような判断をされている以上、ペットのご遺体の御供養にあたっては、「廃棄物処理法」を念頭に置いて行わなければなりません。

また、例えペットが人間のご遺骨よりも小さくお骨が少なかったとしても、必ず粉骨してから行うことも忘れてはいけません。
他の方々から苦情が出ないよう、モラルをもって行うことが大事です。

迷惑がかからないような場所

人間の時と違い、ペットの散骨はもう少し自由度があります。
基本的な部分はあまり変わりませんが、例をいくつか挙げてみますので、もしペットの散骨についてお考えの時がございましたら参考になさってみて下さい。

  • 粉骨を自宅の庭にまく
  • お気に入りだった場所に少量ずつ撒いていく。
  • プランターの土に混ぜて植物を植える。

散骨に関する法律まとめ

散骨

散骨とそれに関わる法律について、いかがでしたでしょうか?
今回の記事では、

  • 散骨は現在法律では問題がない。
  • 散骨をする場合は、周囲の方々への配慮とモラルが必要。
  • 様々な散骨に関する方法とその内容をについて。

ということを重点的にご説明させて頂きました。

法律と聞くとどうしても身構えてしまいがちになりますが、一つ一つの解釈をよく考えてみると、御供養というのは、それを行うご遺族だけではなくその周囲の方々のご理解とお心遣いがあってこそ成り立っているのだと感じます。

難しい面もございますが、法律的な視点からも散骨という方法の在り方についてご理解を深めて頂き、それが故人にとって、そしてご遺族にとっても暖かな御供養へ繋がることとなりますよう願っております。

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