意外と知らない納骨堂と固定資産税の関係をわかりやすく解説します

意外と知らない納骨堂と固定資産税の関係をわかりやすく解説します

納骨堂は課税か非課税かご存知でしょうか。その中でも、納骨堂には固定資産税はかかるのでしょうか。そもそも固定資産税を支払った経験がない方は、納骨堂が課税対象なのかどうかピンとこないと思います。ここでは、納骨堂と固定資産税の関係と詳細を解説します。

最終更新日: 2020年02月23日

納骨堂には固定資産税がかかる?

お墓

皆さんのご家族のご遺骨はどちらに埋葬されていますか?
お墓でしょうか、それとも納骨堂でしょうか。

実は昨今、少子高齢化や継承者減少に伴い、お墓の数が減り納骨堂の利用が増えています。
さてこの納骨堂ですが、運営や保有をするのに税金がかかるのかどうかご存知でしょうか。

今回、「終活ねっと」では以下の内容を中心にして納骨堂と税金の関係性、特に固定資産税について解説します。

  • 固定資産税の非課税条件

  • 固定資産の非課税条件と宗教活動の関係

  • 納骨堂の保有や運営と宗教不問である際の関連性

  • 納骨堂に対する固定資産税の課税例

終活ねっと運営スタッフのサムネイル画像

「終活ねっと」運営スタッフ

人によっては馴染みがない納骨堂と税金の関係ですが、宗教上の問題と相まって実は様々な問題提起がなされています。

理解を深めるためにも、ぜひ最後までお読みください。

固定資産税が非課税になるのはどんなとき?

お墓

まず初めに、固定資産税とはどんな税金かご存知でしょうか。

固定資産税は、土地や建物(家屋)の所有者に課せられる税金で、地方税法に基づき各市町村から徴収されます。
ごく身近な例で言えば、自分で購入したあるいは親から遺産として引き継いだ一軒家に住んでいる方は、家・建物と、その土地に対して固定資産税がかかります。

一方寺院や礼拝堂、墓地などをもつ宗教法人の「活動」は、基本的に非課税ということをご存知でしょうか。
また、お布施などはお坊さんの収入とはみなされず、非課税となります。

では、お寺などの土地に対する固定資産税はどうなるのでしょうか。
これらも、宗教活動の一環(寺建物や参拝者向けの無料駐車場など)であれば非課税です。

しかし、寺院や境内の周辺に課税対象となりうるものがあれば、宗教関係者であってもその建物などには固定資産税が課税されます

それは宗教活動に関係ない固定資産、例えば僧侶やお坊さんの自宅や個人的な土地などがそれに当たります。

以下関連事項として、詳しくみていきます。

宗教活動のために保有している時

固定資産税が非課税になるのはどんな時か、端的に言えば、その固定資産が宗教活動のためにあるのかないのかで判断されます。
この判断は、実は法律で定められています

税については、「地方税法第348条第2項第3号」に「宗教法人が専らその本来の用に供する宗教法人法第三条に規定する境内建物及び境内地」には、固定資産に対し税を課することはできないとされています。

この宗教法人法第3条に規定された境内建物及び境内地ですが、同条第1項から第7項までで定められています。

例えば第1項では、「本殿、拝殿、本堂、会堂、僧堂、僧院、信者修行所、社務所、庫裏、教職舎、宗務庁、教務院、教団事務所その他宗教法人の前条に規定する目的のために供される建物及び工作物(附属の建物及び工作物を含む。
)」という風に、明らかに宗教的な建造物が固定資産税の非課税対象となります。

他にも、同条第1項で定められた建造物がある土地(第2項関連)、参道や宗教儀式を行うための土地(第3、4項関連)というように、宗教的に関わりがある土地も非課税対象です。

また、同条第5項「庭園、山林その他尊厳又は風致を保持するために用いられる土地」、第6項では「歴史、古記等によつて密接な縁故がある土地」という具体的な記載があり、環境的または歴史的に宗教に関連した土地も非課税として認められます。

宗教活動のための保有でない時

法律の面から、宗教活動に係る固定資産が非課税対象である点、お分かり頂けたでしょうか。

ここで宗教活動の一環に思えるけれど、実は宗教活動として認められない課税対象となる固定資産を紹介します。
前述しましたが、参拝客に対する無料駐車場(土地)は宗教法人法第3条により非課税となります。

では、これが有料駐車場ならばどうなるでしょうか。

地方税に関することなので各市町村で判断されることですが、寺院など宗教施設の近くであっても駐車場が有料ならば課税対象となります。

この課税の仕組みは、駐車場が参拝目的に限らない営利目的(商売)とみなされるため、「宗教法人が専ら(地方税法第3条)」宗教活動をしていないことになるからです。

納骨堂の運営が宗教活動であるかどうか

固定資産税の非課税対象と、宗教関連施設であっても一部課税になりうる点を説明したところで、納骨堂について説明します。

ご遺骨を納めておく納骨堂ですが、この建物及びその運営は墓地の運営同様に宗教活動として固定資産税が非課税となります。

一般的な例ですが、(昔からある)寺院でその宗教法人が運営しているごく普通の納骨堂は、宗教目的の建物ですので固定資産税は非課税とされています。

納骨堂が宗教不問の場合

お墓

ところで、宗教不問の納骨堂では固定資産税はどうなるのでしょうか。

昨今、無宗教や宗教宗派を問わない(宗旨宗派不問の)納骨堂が増えてきています。
この傾向は、時代の流れと共に、特に日本人の中には宗教を意識しない人が増えたことに起因するでしょう。

この宗旨宗派不問というものが意味することについて簡単に解説します。

宗旨宗派不問という言葉の意味には様々な議論がありますが、基本的には以下の3つのとらえ方をなされます。

  • 昔も未来もどんな宗教を信仰していてもいいという意味で、過去もこの先もキリスト教徒であってもイスラム教でも、もちろん仏教徒でも構わないということ

  • 「宗派不問」に言い換えられますが、浄土宗や曹洞宗など13宗派ある日本の在来仏教を信仰しているという意味

  • 納骨堂の宗派を信仰する、という意味で、納骨を機会に信仰宗派を決定するということ

納骨堂が宗教不問、宗旨宗派不問を謳っていても、どういった意味で「不問」なのかで納骨堂の固定資産税の課税非課税が変わってくる可能性があることを覚えておきましょう。

宗教活動に該当するのか?

さてここで、悩ましい問題提起をしたいと思います。

「どんな宗教の方でもお墓や納骨堂スペースを買える」施設は、宗教法人法第3条の境内建物及び境内地と言って良いのでしょうか。

また、宗教法人でない一般企業の誰に対しても納骨堂スペースを販売する行為は宗教活動と言えるのでしょうか。
昨今宗教不問で納骨堂を運営することが、宗教活動に該当するかどうかが問題となっています。

後に判決例を紹介しますが、当問題は以前宗教活動に非該当であるとの見解が示されています

非課税でない場合購入者に影響はあるのか?

仮に宗教不問の納骨堂で、運営元の都合により固定資産税が課税されている場合に納骨されている方に何らかの影響があるのでしょうか。
固定資産税がかかっている納骨堂なんだから何かしら影響があるはずだ、そう考えるのも自然かもしれません。

結論を申し上げれば、購入者・納骨者には基本的に影響はありません。

強いて影響を挙げるならば、供養料や管理料が割高になる可能性があるということです。

回りくどい言い方ですが、運営元が固定資産税分を確保するためにどこかしらで費用に上乗せしているかもしれないと考えることも出来ます。
但しこれは、納骨堂の立地条件やサービス、供養の仕方などによって全く異なります。

希望する納骨堂に固定資産税が課せられているかどうか確かめることは難しいと思いますが、様々な納骨堂を比較検討し、自分として影響があるのかないのか判断することをお勧めします。

実際に課税された例がある?

お金

昨今、納骨堂の運営が宗教活動として認められず固定資産税を課税された判決がありました。

現在首都圏では墓地や納骨堂の数が減り、その土地自体が少なくなっています。
そこで増えているのが土地スペースを取らない、建造物が「上」に延びていく「建物型納骨堂」や「ビル型納骨堂」です。

特にビル型納骨堂ですが、ご遺骨を納める仕組みがエレベーター式になっており、自動稼働でご遺骨を運び納めることが出来る納骨堂もあります。
実際に裁判が行われて判決が出たものがあったのですが、この裁判ではエレベーター式納骨堂スペースが固定資産税の課税対象であるとされました。

判決のポイントは、ビル型納骨堂の運営が宗教法人に販売委託された仏壇や仏具を販売する株式会社であり、納骨者の宗教宗派が不問であったことです。

宗教法人でない当該株式会社が販売活動している納骨堂は、「地方税法第348条第2項第3号」に「宗教法人が専らその本来の用に供する宗教法人法第三条に規定する境内建物及び境内地」に当たらないと判断されました。

言い換えれば、納骨堂の運営会社の販売活動先(顧客)が宗教や宗派が不問で行われているということは、地方税法で定めた宗教活動とは異なるため固定資産税が課せられることにもなりかねないということです。

納骨堂の固定資産税まとめ

お墓

いかがだったでしょうか。

今回、「終活ねっと」では固定資産税についての説明と、固定資産税・納骨堂の関連性について解説してきました。

  • 納骨堂は地方税法及び宗教法人法に則り、宗教的な「境内建物及び境内地」として、基本的に固定資産税非課税対象とされています

  • 納骨堂は税法上非課税ですが、宗教上の建物や土地などは「専ら」宗教活動に供すると認められない場合課税対象となります

  • 宗教法人が運営する納骨堂は宗派宗旨に限らず、宗教不問でも固定資産税非課税ですが、その運営が宗教活動として認められるか否か課税非課税が決まります

  • 建物型納骨堂が増える昨今、ビル型納骨堂の納骨スペースが固定資産税の課税対象とする判決が出ている

固定資産税は土地建物全てにかかる税金ですが、宗教活動に関連する施設は非課税対象であることがわかりました。
但し例外的に固定資産税がかかるケースが出てきたことを念頭に、納骨堂選びのお役にたてれば幸いです。
将来を見据え、知識として覚えておくと共に、様々な納骨堂を比較検討されることをお勧めします。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

お墓を建てたいけどどうすればいいかわからない方へ...

お墓をお探しの方は
「終活ねっと」で

終活ねっとでは、安心して終活を始めるために、お墓の値段(見積り)やアクセス・特徴を比較した情報をまとめております。資料請求や電話対応も無料で承っておりますので、是非ご利用ください。

関連する記事

こんな記事も読まれています

  • 費用以外にも目を向けて、コスパの良い納骨堂探しをしましょう!のサムネイル画像
    費用以外にも目を向けて、コスパの良い納骨堂探しをしましょう!

    少子化の影響からか、次にお墓を見てくれる人がいないなどの理由で納骨堂を選択している人が増えてきています。納骨堂は、お墓を建てるより安い費用ですませることができるので、費用面でも人気です。そこで今回は納骨堂を選ぶ時に重視してほしいポイントを紹介していきます。

  • 納骨堂に納骨する際の料金はどのくらい?費用の相場を詳しく紹介!のサムネイル画像
    納骨堂に納骨する際の料金はどのくらい?費用の相場を詳しく紹介!

    近年、永代供養という供養方法が注目を浴びています。特に納骨堂での永代供養は、お参りのしやすさと料金の安さ、そして個別で遺骨を管理してもらえることから大人気です。今回は、そんな納骨堂に納骨する際にかかる料金の相場を、納骨堂のタイプ別に詳しく紹介していきます。

  • 納骨堂の種類を解説!各種類の特徴やメリット・デメリットも!のサムネイル画像
    納骨堂の種類を解説!各種類の特徴やメリット・デメリットも!

    少子高齢化のなかで後継者の不安がなくなることから、永代供養型の納骨堂が急速に増えています。そこで今回は、納骨堂について運営元や形態などの種類別に整理して解説します。知っておくと安心の納骨堂選びに役立つ知識。納骨堂とその種類についてです。

  • 納骨堂の購入の際に絶対に知っておきたいポイントを解説します!のサムネイル画像
    納骨堂の購入の際に絶対に知っておきたいポイントを解説します!

    最近では、お墓を新たに建てるよりも納骨堂を購入する方が増えてきています。しかし納骨堂もいろいろあり、どれを選んだら良いか迷いますよね。そこで、納骨堂を購入する時に知っておきたいポイントを解説しますので、ぜひ、参考にしてくださいね。

  • 納骨堂の仕組みを徹底解説!納骨堂ってどんなところ?のサムネイル画像
    納骨堂の仕組みを徹底解説!納骨堂ってどんなところ?

    いつまでも近くに置いておきたい遺骨。 でも、いつかは納骨を考える時がきますよね。 ところで、納骨には、お墓だけでなく、納骨堂という選択肢もあることをご存知でしたか? ここでは納骨堂の仕組みについて解説してまいります。どんな仕組みになっているのか参考にされて下さいね。

  • 納骨堂にまつわるいろいろな税金のお話。納骨堂に税金はかかるのかのサムネイル画像
    納骨堂にまつわるいろいろな税金のお話。納骨堂に税金はかかるのか

    「お墓」と「納骨堂」ってどう違うの?支払う税金の種類に違いがあるの?相続は? 少子化や都市部集中化に伴い最近急増している「納骨堂」ですが、お墓と比べて税金上のメリットやデメリットについて考えてみました。

  • 公営の納骨堂の特徴は?他の納骨堂との違いを探ります!のサムネイル画像
    公営の納骨堂の特徴は?他の納骨堂との違いを探ります!

    お墓を建てるのには費用がかかるため、近年では、納骨堂や散骨で供養する方が増えてきています。今回は、その中でも公営の納骨堂での供養を考えている方のために、どんな特徴があるのかをご紹介します。公営と他の納骨堂との違いも含めて見ていきましょう。

  • 納骨堂を利用する際の費用相場は?様々な納骨堂の利用法別に解説!のサムネイル画像
    納骨堂を利用する際の費用相場は?様々な納骨堂の利用法別に解説!

    皆さんは、納骨堂を利用する場合の費用相場についてご存知でしょうか。納骨堂は、利用方法によってかかる費用も相場もかわります。今回は、納骨堂の様々な利用方法を具体的に挙げながら、必要な費用とその相場について解説します。

  • お寺の納骨堂について費用や特徴などを解説しますのサムネイル画像
    お寺の納骨堂について費用や特徴などを解説します

    終活では、お墓のことについて考えている方も多くいらっしゃいます。 それは費用であったり、納骨場所であったり様々ですが、お墓にも色々な形態があり、お寺の納骨堂もそのひとつです。 お寺の納骨堂の費用は?特徴は?など知っておいた方が良いことがここにあります。

  • お寺の納骨堂にかかる費用について相場や内訳を詳しく解説!のサムネイル画像
    お寺の納骨堂にかかる費用について相場や内訳を詳しく解説!

    都市部を中心にお墓を建てずに、お寺などが運営する納骨堂を利用する人が増えているようです。屋内なので管理がしやすく墓石がない分費用が安いと思われますが、実際の費用や相場がどうなのでしょうか?お寺などが運営する納骨堂にかかる費用などを詳しく学んでいきましょう。

よく読まれている記事一覧

  • お墓や墓石の値段相場はいくらなの?費用の内訳や購入のコツもご紹介のサムネイル画像 1
    お墓や墓石の値段相場はいくらなの?費用の内訳や購入のコツもご紹介

    墓地・霊園でお墓の購入をする際に一番気になる費用。墓石や土地代など、一体何にいくらかかるのかでしょうか?今回「終活ねっと」では、お墓の費用相場や値段の内訳・購入のコツまで、お墓の費用に関する疑問点を全て解説します。ぜひ最後までご覧ください。

  • 樹木葬の費用相場はいくらなの?内訳や料金を左右する要因を解説!のサムネイル画像 2
    樹木葬の費用相場はいくらなの?内訳や料金を左右する要因を解説!

    近年、自然葬の一種である樹木葬を供養方法として選ぶ方が増えてきています。皆さんは、樹木葬を行う際にかかる費用がどのくらいかご存知ですか?今回は、樹木葬にかかる費用相場がどれくらいなのか、料金の内訳や形態による違いとともに詳しく紹介していきます。

  • 永代供養の費用相場はいくら?内訳や料金が安いと言われる理由を解説のサムネイル画像 3
    永代供養の費用相場はいくら?内訳や料金が安いと言われる理由を解説

    近年永代供養という言葉を耳にする機会が増えてきました。永代供養という言葉は知っていても、費用はいくらかかるのか?お墓との違いがわからないという方も多いと思います。今回はそんな永代供養にかかる費用の相場はいくらなのかを内訳や料金が上下する要因とともに解説します。

  • 納骨堂に納骨する際の料金はどのくらい?費用の相場を詳しく紹介!のサムネイル画像 4
    納骨堂に納骨する際の料金はどのくらい?費用の相場を詳しく紹介!

    近年、永代供養という供養方法が注目を浴びています。特に納骨堂での永代供養は、お参りのしやすさと料金の安さ、そして個別で遺骨を管理してもらえることから大人気です。今回は、そんな納骨堂に納骨する際にかかる料金の相場を、納骨堂のタイプ別に詳しく紹介していきます。

  • 墓じまいの費用相場はいくらなの?|作業・流れ・抑える・方法のサムネイル画像 5
    墓じまいの費用相場はいくらなの?|作業・流れ・抑える・方法

    近年、様々な理由から墓じまいという選択をする人が増えています。墓じまいをするためにはどのような手続きが必要で、一体平均どれくらいの費用がかかるのでしょうか?今回「終活ねっと」では墓じまいをするために必要な費用について、手続きの方法や納骨先の探し方とともに解説。

  • 東京都で人気の墓地霊園ランキング12選!お墓の値段相場・資料請求のサムネイル画像 6
    東京都で人気の墓地霊園ランキング12選!お墓の値段相場・資料請求

    東京都で人気の霊園・墓地・お墓(墓石タイプ)をランキング形式で紹介しています。「終活ねっと」では、東京都にある墓地・霊園を料金・口コミ・アクセスなどで比較して探すことができます。見学予約・資料請求も可能です。お墓の値段相場や東京都のお墓事情も解説しています。お墓を購入・建てる際に参考にしてください。

この記事に関するキーワード

カテゴリーから記事を探す

人気のキーワードの記事一覧

関連する記事

よく読まれている記事一覧

関連する記事