
お墓の外柵の意味は?印象をガラッと変えるデザイン・修理法について
お墓の「外柵」にはどのような意味があるのか、考えたことはありませんか?外柵には見栄え以外にも重要な役割があります。この記事では、お墓の外柵の役割についてやデザイン、外柵が壊れた際の修理方法について解説していきます。
最終更新日: 2020年02月23日
お墓の外柵の必要性とは?

お墓を購入するきっかけは人によってそれぞれ違います。
「ご家族やご友人が亡くなってしまった。
」
「自分が入る予定のお墓を今のうちに建てておこう」
など、人や状況によって様々な理由があることでしょう。
ところで皆さんはお墓を購入する際、どの点を重視してお墓を建てようと考えていますか。
お墓を建てる場所、お墓のデザイン、お墓に彫る文字、お墓の素材など、こだわろうと思えば出来ることは沢山あります。
しかし、お墓を購入しようと考える際に、外柵の必要性について考えてる人は意外と少ないのではないでしょうか。
外柵にもきちんとした役割があり、お墓を建てる上で欠かせない要素の1つとなっています。
「そもそも外柵というものがまず分からない」
「外柵の素材はどういったものが一般的なのか」
など、外柵について全く知らない方がほとんどではないでしょうか?
そこで今回「終活ねっと」では、お墓の外柵について、以下の項目に沿って解説していきます。
外柵とは何か
外柵が必要な理由
外柵に使われる材料
外柵の形
外柵のみ修理をする事は出来るのか

「終活ねっと」運営スタッフ
そもそも外柵とは何なのかから、外柵のリフォーム方法についても詳しく解説していきます。
ぜひ、最後までご覧下さい。
そもそも外柵とは

お墓の話で外柵と聞くと、あまり聞きなじみのない言葉にどんなものかピンとこない方もいらっしゃるのではないでしょうか。
この項目では、外柵の意味、そして納骨棺との関係についてご説明いたします。
境界石とも言われる
外柵とは、墓地や霊園に建てた墓石をぐるりと囲んでいる低い壁のことを指しています。
別名として境界石とも言われており、両隣のお墓との境目に立っていることからその名がついたそうです。
カロート(納骨棺)との関係
カロートとは、ご遺骨を入れておく納骨棺を指しています。
外柵とカロートとの一体型は、お墓の面積が小さい場合によく見られます。
カロートの場所は一般的に、墓石の下や外柵部分がそのまま使われるなどがあります。
お墓における外柵の役割とは?

外柵についてあまり考えたことがない方は、外柵の役割も想像がしづらいのではないでしょうか?
お墓に外柵を設置する理由は、
お墓の土台をつくること
お墓の区画を決めること
あの世とこの世との境界をつくること
この3つが主な役割となっています。
外柵の持つ役割それぞれについて詳しくご説明したいと思います。
お墓の土台をつくる
外柵の主な役目の1つとして、お墓の土台部分を補強する役割があります。
お墓は、墓地・霊園の管理者やお墓参りに来る人により定期的な手入れをされますが、外に建てられることが基本となっているため、常に雨や風などにさらされています。
そうした雨風は、地崩れや地面の陥没などを引き起こすことがあります。
土台がしっかりしているお墓は、こうした地崩れや地面の陥没が起こりづらくなっています。
外柵はその土台を補強し、お墓への悪影響を減らす役割を担っているのです。
ご遺骨を守る役目も持つ
現在、お墓に納められているご遺骨のほとんどは、お墓の地下にあるカロートに納骨されています。
そのためお墓の土台がしっかりしていなければ、地割れや大雨が原因で、カロート内への水漏れによるご遺骨へのカビの発生などが起こり、お墓のカロート内に保存されているご遺骨もダメージを受ける可能性があるのです。
外柵が土台を補強することで、ご遺骨を守る役目を果たしているとも言えるでしょう。
お墓の区画を決める
2つめの役割は、霊園や墓地にあるお墓の区画を決めることです。
お墓は上に見えている墓石部分だけでなく、地下にご遺骨を納めるカロートがある場合が多く、地上で見えている墓石よりも実際には広いスペースがそのお墓の区画であるなどします。
外柵がない状態だと、どこまでがお墓なのか一見して判断できないのです。
そのため、霊園や墓地によっては外柵をつくる義務を課しているところもあります。
霊園や墓地が区画をはっきりさせたい目的は、2つあげられます。
自分のお墓であることをはっきりさせる
他のお墓とはっきり分けている境界線があると、自分たちのお墓という感覚を持つ事ができるのではないでしょうか?
区画がはっきりしていることで、お墓参りの際にも落ち着いて参拝がしてもらうことができます。
近隣墓との問題を減らす
外柵がないとトラブルが起きやすくなりなるというのはご存知でしょうか?
もし、外柵がないと以下のようなトラブルが起きてしまうことが考えられます。
お墓参りをした際に持ってきたお供えものを開封するなどして出たゴミが、風によって隣のお墓に転がっていき迷惑をかけてしまう。または、ゴミをわざとよそのお墓へ捨てていく人が増える。
どこまでが自分たちのお墓の区画内なのかが分からず、隣のお墓の区画内にうっかりはいってしまい、怒られてしまう。
隣のお墓の側に生えている植物が、お墓まで伸びてきて邪魔なので注意をした所、区画がはっきりしていないことを理由に、自分たちの区画に生えている植物ではないから注意されても困ると言われる。
このように区画がはっきりしていないと、責任の所在があいまいになりやすく、トラブルのもととなります。
更に、外柵がないことでお墓への責任感が低くなり、心ない人がゴミを無造作に捨てていくといった行為も増えやすくなるそうです。
あの世と現世を区切る結界となる
外柵の役割の3つめは、あの世と現世を区切る結界をつくることです。
自分たちのお墓の区画をはっきりと区切ることにより、あの世と現世を分ける結界になると認識している人たちもいます。
これは結界を築くことで、その場所を特別なものとする宗教的な意味合いを含んでいます。
けがれがなく清らかな浄土の世界とけがれがある俗世を切り離し、故人が安らかにくつろげるようにするという意味もあるそうです。
外柵の価格を決める要因

外柵の費用を決める要因とは何でしょうか?
ほとんどが墓石と外柵を一緒に建て、施工費も含まれているため、外柵の価格だけを一概にいうことは言えません。
しかし、外柵の価格を決める要因は、墓石を建てる際と同じく、石の素材とデザイン、大きさや広さとなっています。
外柵の素材

お墓を購入する際に困ることの1つが、墓石の石材は何を選べば良いのかというものです。
そしてそれは外柵にも同じことが言えます。
この項目では、外柵に用いられる石材についてご説明したいと思います。
一般的に用いられる御影石
現在は御影石が外柵によく使われている素材です。
御影石はマグマがゆっくり冷えて固まったものとされています。
耐久性が高く半永久的に使えますので、今はほとんどの外柵がこの素材だそうです。
御影石にもいくつか種類があり、その中から外柵におすすめの石材を2種類ご紹介します。
白く美しい稲田石
稲田石は茨城県産の石で、約6千万年前に生まれたとされている、黒雲母花崗岩です。
色が白い為、「白い貴婦人」とも言われているそうです。
見た目が綺麗なため、外柵だけではなく墓石にもよく使われています。
外柵にぴったりな高太石
高太石は福島県産の石で、深い青系色をしています。
硬くて、水を吸いにくいことから外柵や建築などに使われています。
外柵は高級なものに使われることが多いものの、その綺麗な色から人気の高い石です。
あまり使われなくなったブロック石・大谷石
外柵の素材として、昔はコンクリートブロック石や大谷石がよく使われていました。
今でも値段の安い外柵にはコンクリートブロック石や大谷石が用いられることがあります。
しかし、大谷石は柔らかい石のため加工はしやすいですが、その分だけ劣化が早く崩れやすいです。
コンクリートブロック石も加工しやすいですが、やはり御影石と比較すると劣化の速度は早く、修理が必要となる時期も早く訪れます。
先述した通り、外柵にはお墓の土台を補強する役目もあります。
ブロック石や大谷石を用いると安価にすみますが、お墓へのダメージを考慮すると避けた方が無難だと言えるでしょう。
「終活ねっと」では、他にもお墓について解説した記事を多数掲載しております。
墓石に使わる石材の種類についてより知りたい方は、以下の記事をご覧ください。
外柵のデザイン

外柵にもデザインの種類があることはご存知でしょうか。
外柵のデザインによってお墓の雰囲気を変えることも可能です。
この項目では、外柵のデザインを大きく関東型と関西型に分けてご紹介いたします。
関東型
関東型と大きくカテゴライズされる外柵のデザインは、お墓の入口の左右に門柱等のデザインがあり豪華な印象となっているものが多いです。
階段が作られることも多く、外柵によってお墓の雰囲気を一気に変えることができます。
関東型の外柵には以下のようなものがあります。
角型通羽目
角型通階段
丸型植木鉢付通階段
丸型通階段
関東型玉垣
関東型巻石
関西型
関西型とカテゴライズされる外柵のデザインは、関東型に比べシンプルな形のものが多いです。
関西型の外柵には以下のようなものがあります。
地上型巻石
OA型巻石
ナナメ型巻石
バリアフリー型巻石
和型玉垣
前庭式型巻石
デザイン巻石
外柵だけの修理やリフォームは可能か

お墓を建ててしまった後は、これで一安心だと思っていませんか?
基本的に外柵は丈夫に出来ていますが、様々な要因により、見るからにボロボロになってしまうことも少なくありません。
もし、外柵の不備が目立ってきた場合には修理やリフォームをしましょう。
この項目では、修理やリフォームが必要となる原因と、修理にかかる費用の相場をご説明いたします。
外柵の修理やリフォームが必要となる原因
修理が必要となる原因は、「何らかの理由により外柵が壊れてしまった」以外にもあります。
それは時間をかけて自然と外柵が劣化していったというものです。
一体、なぜ劣化してしまうのでしょうか。
石の種類よる劣化
外柵に使われる石の種類によっては、劣化が進みやすいものもあります。
先述したように昔はコンクリートブロックや大谷石が素材として使われることが多くありました。
しかし、コンクリートブロックや大谷石は劣化しやすい素材の為、修理が度々必要となったのです。
それ以外にも、中国産の石材などものによっては劣化しやすい石もあります。
外柵を作る際には石材の種類にも着目するようにしましょう。
お墓の構造が原因
お墓の構造が外柵の劣化をはやめる原因となる場合もあります。
例えば、砕石を納骨堂の左右区画に詰めるやり方では、湿気が生まれやすく、シミや錆びなどが出て、徐々に外柵にも悪影響を与えて劣化へとつながります。
また、外柵のデザインに角があるものなどではそこから削れたり、欠けたりすることもあります。
外柵を作る際には、構造やデザインにより耐久性に差がでることも知っておき、石材店によく確認しましょう。
外柵修理の費用相場は?
結論から申し上げますと、外柵だけを後から修理することは可能です。
しかし、地盤や墓石まで不安定だった場合は、全てを一旦取り除いて工事をする必要があります。
外柵の劣化の具合によっても、金額は大きく変わります。
そのため、一概に修理費用を述べることはできませんが、破損の程度が軽ければ数万円程度、ひどければ数十万円かかることは覚悟しておいた方が良いでしょう。
詳しい費用については石材店に確認し、見積もりを出してもらうのが確実です。
「終活ねっと」の以下の記事ではお墓の修理についてより詳しく解説しています。
お墓の外柵について まとめ

いかがでしたか?
今回「終活ねっと」では、外柵の意味や役割、デザインや素材、修理についてなどをご説明いたしました。
外柵は境界石とも呼ばれており、墓石を囲む壁のことを指す
外柵と納骨棺の一体型はお墓の面積が小さい場合に多い
外柵の役割は、土台の補強、お墓の区画をはっきりさせるため、あの世とこの世の境目をつくる役目などとされている。
区画をはっきりさせる理由は、他のお墓と区別する、トラブルを減らす、あの世とこの世を分ける為の結界などがある
外柵の素材について、昔はコンクリートブロック石や大谷石が使われていたが劣化しやすい事を理由に、現在は耐久性の高い御影石が使用されている。
外柵のデザインの種類は豊富にあり、大きく関東型と関西型に分けられます。
外柵だけで修理やリフォームは可能である。修理の費用はお墓の広さや素材の量によっていくらでも変わる為、見積もりは必須となる。
修理の理由が劣化の場合、原因は劣化しやすい素材を使用していた、お墓の構造が湿気の生まれやすい環境を作り、劣化しやすくなっていた、などが考えられる
以上のことをお伝えしました。
外柵はお墓を守るために必要ということがわかりましたね。
しかし、墓地や霊園によっては外柵の設置を義務づけているところもあれば、規則で禁止している所もあります。
更に、費用がかかる事などを理由に素材やデザインを気にするよりも、最初から外柵を作らない人も増えてきました。
ですが、この記事でご説明した通り外柵には大切な役割があります。
外柵を作ることで、ぜひ故人の大切なお墓をより良いものとしましょう。
「終活ねっと」では、他にもお墓について詳しく解説した記事を多数掲載しております。
ぜひ、以下の記事もあわせてお読みください。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
お墓をお探しの方は
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