
葬儀代は確定申告できる?相続税の控除対象や準確定申告の方法も解説
身内の方が亡くなったとき、葬儀費用や相続にまつわる問題は非常に重くのしかかってきます。しかし、実は相続税の確定申告の際に葬儀代を申告できるというのはご存知でしょうか?今回は葬儀代の確定申告の方法を、相続税の控除や所得税の準確定申告とともに見ていきます。
最終更新日: 2020年03月04日
葬儀代の申告について

故人が亡くなったときは葬儀を挙げることで個人を見送りますが、必要な費用は残念ながら高いことが多いです。
そのうえ、故人に一定額以上の遺産がある場合は相続税を納める義務まで発生してきます。
大切な身内の方が亡くなって気持ちも落ち着かないのに、お金の問題まで発生するともう不安だらけに感じる方も多いのではないでしょうか?
しかし、実は葬儀代が確定申告できるとしたら多くの方が助かるでしょう。
もしその方法があるとすれば知りたいという方も多いのではないでしょうか?
そこで今回「終活ねっと」では、高くかかりがちな葬儀代の確定申告について見ていきます。
あわせて、相続税の確定申告や所得税の準確定申告についても見ていきましょう。
一般的な葬儀代の相場はいくらくらい?
葬儀代は確定申告することができるのか?
相続税の控除対象には何がある?
相続税はどのようにして申告するのか?
所得税の準確定申告はどうやって行えばいいのか?
葬儀代のことで不安になっている方や、葬儀代と税金の関係についてもっと知りたいという方にとって有益な情報が満載ですので、ぜひとも最後まで読んでいただければ幸いです。
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葬儀・お葬式についてわからないことがある方は、お気軽にご相談ください。
葬儀にかかる費用についてわからないことがある方は、「葬儀費用の相場はいくら?内訳や料金を安くする方法、注意点まで解説」をご覧ください。
一般的な葬儀代の相場

「葬儀代は高い」とよくいわれますが、そもそも葬儀代はいったいいくらくらいが一般的な相場なのでしょうか?
葬儀の形態(一般葬や家族葬など)によって葬儀代は異なりますが、全体的に見ますと30万円から200万円が相場とされています。
ただし、普通にイメージされる葬儀を行う場合は100万円から200万円ほどは必要といって良いでしょう。
葬儀費用については、下記のリンクの記事でなるべく安くするコツも含めて詳しく記されていますので、ぜひともご活用ください。
葬儀代は確定申告できる?

一般的な葬儀代の相場について見てきましたが、やはり高いと感じた方も多いでしょう。
そのうえ、相続する遺産の額が大きい場合は相続税も発生します。
しかし、葬儀代は確定申告の際に申告対象とすることが可能です。
「確定申告」と聞くと、多くの方が春先に行う所得税の確定申告をイメージしますが、ここでは相続税の確定申告のことを指します(相続税の確定申告は、相続が発生してから10か月以内)。
確定申告には控除と呼ばれる、税金を課す対象に入れなくても良い項目があり、葬儀代は相続税の確定申告の際には控除の対象にすることが可能です。
控除対象として申告できるということは、実際に納めなければいけない相続税の金額を安くできることを意味します。
先ほども見たように、葬儀代の相場は高い傾向にあるため、相続税の申告の際に葬儀代を控除対象として申し出ることは金額からして極めてメリットが大きいです。
だからこそ、相続税をなるべく節税したいということであれば、ぜひとも葬儀代を申告しましょう。
相続税の控除対象

相続税の確定申告の際に葬儀代を控除対象として申し出ることができます。
しかし、葬儀代のすべての項目を控除の対象にするということは残念ながらできません。
ここでは、葬儀代の中でも相続税の確定申告の際に控除の対象にすることができるものをご紹介します。
相続税の控除対象になる葬儀代
葬儀代のうち相続税の確定申告の際に控除対象にすることができるのは、以下の各項目です。
通夜・葬儀にかかった費用
僧侶にお渡ししたお布施の金額
火葬や埋葬にかかった費用
通夜振る舞いや葬儀後の会食にかかった費用
ご遺体やご遺骨の運搬費用
葬儀社の方などスタッフへの心づけのお金
ご遺体を捜索するための必要経費
医師による死亡診断書発行手数料
参列者への会葬御礼の引き出物にかかった費用
言い換えれば、葬儀を挙げるために必要な費用や埋葬のための費用など葬儀を行ううえで軸となる項目を控除対象として申請できます。
相続税の控除対象にならない葬儀代
逆に相続税の申告の際に控除対象とならない葬儀代の項目にはどのようなものがあるのでしょうか?
以下に示すのが、控除対象とならない項目です。
香典返しにかかった費用
墓地やお墓のためにかかった費用
葬儀後の法要(初七日法要や四十九日法要)の費用
ご遺体の解剖にかかった費用
特に注意すべき点が、同じ参列者にお渡しする引き出物でも会葬御礼(香典に関係なくお渡しするもの)は控除対象となりますが、香典返し(香典を持参した方のみ)は対象外という点です。
引き出物ということで混同しやすいですが、税金の計算の際には両者の違いは重要となりますので、しっかりと理解しておきましょう。
下の記事では相続税の控除対象となる葬儀費用について紹介していますので、よろしければこちらもお読みください。
相続税の申告

葬儀代で控除対象になる項目とならない項目についてご理解いただいたところで、ここでは実際に相続税の確定申告を行う方法について詳しく見ていきましょう。
遺産の課税価格の計算
相続税に限らず所得税の確定申告などでもいえることですが、税金の対象となる金額(課税価格)の計算を行う作業が最も重要です。
相続税の確定申告の場合は、以下のような段取りで税金の計算を行います。
各相続人の課税価格の計算
相続税の計算で欠かせないのが、相続人の人数と法定相続分の把握です。
相続人が1人の場合であればまだ計算しやすいのですが、複数人いる場合は法律で決められた配分比率があるため、この分も含めて計算するという点を注意しましょう。
ちなみに、相続遺産には財産だけではなく借金などの負債も含まれるという点も重要です。
負債については遺産総額から差し引きましょう。
さらに後で触れる基礎控除額や各種控除額も差し引いたうえで、残った金額を相続人ごとに分配する流れです。
各相続人が相続すべき金額が算出できたところで、それぞれに発生する税金を計算していきます。
基礎控除額を差し引く
相続税の申告の際に非常に重要なのが基礎控除額です。
基礎控除額は所得税や住民税でも見られる、どのような人に関係なく税金の対象から差し引かれる金額のことを指します。
なお、相続税の場合は3000万円+(600万円×相続人の数)という金額です。
もし、全体的な遺産総額から基礎控除額を差し引いた時にマイナスになるようであれば、相続税は発生することはありません。
課税遺産総額が残った場合
もし基礎控除額を差し引いた結果、プラスの金額になる場合は相続税の課税対象となる可能性があります。
実は基礎控除以外にも先ほども見たような葬儀費用などの各種控除の対象となる金額も差し引き、砂雌雄的な課税総額が決まる仕組みです。
このため、基礎控除を差し引いて課税遺産総額が残っても税金をなるべく安くすることはできますので、安心して良いでしょう。
相続税申告書の作成
最終的な課税遺産総額を算出できたら、相続人ごとで分配したうえで申告書を作成します。
申告書を作成する方法は、大きく分けてご自身で作成するやり方と、税理士に依頼するやり方とがありますが、ご自身でやることのできる自信がない場合は税理士に依頼した方が良いでしょう。
税理士に依頼することに気が進まない場合はご自身で作成することになりますが、わからなくなった場合は税務署の職員のアドバイスを受けながら作る方法がおすすめです。
申告書が完成したら、最寄りの税務署に提出します。
なお、提出や納税の期間は相続が発生してから10ヶ月以内となっており、この期間を過ぎて提出・納税すると無申告加算税や延滞税などが発生しますので注意しましょう。
「終活ねっと」には相続に関する無料ご相談窓口があります。
提携している相続診断士やファイナンシャルプランナーが遺言や生前対策など相続全般に関するご相談を伺います。
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相続税についても、もちろんご相談いただけます。
ご相談は初回無料ですので、些細な疑問でも下記のリンクからお気軽にご相談ください。
準確定申告の方法

故人が何らかの事業を運営していたという場合は、相続税だけではなく所得税についても申告する必要があります。
ここでは、故人の所得税を確定申告する準確定申告について見ておきましょう。
準確定申告とは
毎年春先に行う確定申告についてはご存知の方も多いでしょう。
しかし、準確定申告というのは聞いたことさえない方も多いのではないでしょうか?
準確定申告とは故人が事業を持っていた場合や給与所得が非常に大きかった場合に、故人に代わって相続人が行う確定申告のことです。
なお、相続人が福数人いる場合は、全員が連名で行う必要があります。
申告の期間
準確定申告の申告期間は一般的な確定申告とは異なり、相続が発生してから4ヶ月以内と定められています。
相続税の申告期間よりも期限が早く設定されているため、早めの準備が必要です。
なお、期限を過ぎてから申告すると無申告加算税などが発生するため、期限内にきちんと申告しましょう。
申告に必要な書類
準確定申告で必要な書類は、基本的に一般的な確定申告とほとんど変わりません。
確定申告書や源泉徴収票、控除証明書が基本的ですが、相続人が複数の場合は確定申告付表に全員分の署名と捺印をしたものも必要です。
葬儀代の申告についてまとめ

今回「終活ねっと」では、葬儀代が確定申告できるかどうかについてを、相続税の申告方法や所得税の準確定申告とともに見てきました。
内容をまとめますと、以下に挙げるポイントの通りです。
葬儀代は葬儀の形態にもよるが30万円から200万円が一般的な相場である。
葬儀代は確定申告できるが、所得税ではなく相続税の確定申告に対してである。
言い換えれば、申告することで相続税にお税額を安くすることができるということになる。葬儀代で相続税の控除対象になる項目として、通夜・葬儀の費用やお布施代、会葬御礼の費用、火葬・埋葬の費用、会食にかかった費用などが挙げられる。
一方、控除対象にならない項目は、香典返しやお墓関係の費用などである。相続税の確定申告の流れは、全体的な遺産の価格を計算して基礎控除などを差し引き、課税遺産総額を割り出す。
そして、各相続人ごとに分配したうえで、それぞれの税額を決めて申告書を作成する。
なお、申告や納税の期限は相続発生から10ヶ月以内である。故人が事業を持っていたという場合は、所得税の準確定申告を相続発生の4ヶ月以内に行う。
必要書類は普通の確定申告の場合とほぼ同じだが、相続人が複数いる場合は確定申告付表に全員分の署名と押捺が必要となる。
葬儀代は非常に高額ですが、相続税の確定申告で控除対象として申し出ることで、相続税の金額を安く抑えることができます。
相続税の負担をなるべく軽くしたい場合に役立ちますので、ぜひとも仕組みややり方を覚えておくようにしましょう。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
下の記事では税金控除の対象になる葬儀代の内訳について紹介していますので、よろしければこちらもお読みください。
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