
火葬だけを行う葬儀とは?火葬式の流れやメリット、費用をご紹介
近年葬儀をなるべく簡素にしたいと望む人は増えています。火葬だけを行う葬儀というのがありますが、一体それはどんな葬儀なのでしょうか?今回は火葬だけの葬儀について詳しく解説し、葬儀の流れやメリット、費用についても紹介します。
目次
最終更新日: 2020年02月09日
火葬だけを行う葬儀について

葬儀は遺族にとっては様々な面で負担がかかります。
最近では葬儀を小規模に行うケースも増えてきました。
告別式をしない火葬だけの葬儀を行う方法もあるのですが、それは一体どんな葬儀なのでしょうか?
今回「終活ねっと」では、火葬だけを行う葬儀について解説します。
火葬式(直葬)とはどんな葬儀形式なのか
火葬式(直葬)の一連の流れ
火葬式(直葬)にすることによるメリット・デメリット
火葬式(直葬)の注意点について
一般的な葬儀と比較しての火葬式(直葬)にかかる費用
どんな人が火葬だけの葬儀に向いているのか
以上の内容を中心に説明します。
葬儀をなるべく簡素にしたいと考える方には、火葬だけの葬儀の特徴や注意点を詳しく解説しますので、ぜひ最後までお読みください。
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葬儀にかかる費用についてわからないことがある方は、「葬儀費用の相場はいくら?内訳や料金を安くする方法、注意点まで解説」をご覧ください。
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告別式をしない火葬だけの葬儀とは?

火葬だけの葬儀は何と呼ばれ、他の葬儀形式とどこが違うのでしょうか?
まずは基本的なことから解説します。
火葬式(直葬)と呼ばれる
通夜や告別式のようなお葬式は行わず、火葬だけを行う葬儀形式のことを、火葬式または直葬といいます。
火葬式はごく限られた身内や親しい人のみで行われ、葬儀のスタイルとしては最もシンプルなものです。
火葬の前に僧侶を招き、お経を読んでいただくこともありますが、宗教的な儀式のほとんどが省略され、会葬者への接待もありません。
時間的にも作業的にも、大きく簡略化された葬儀といえます。
火葬式を行う人の割合
お葬式全体に占める火葬式の件数の割合は約16%となっています。
地方よりも都市部の方が火葬式を行う割合は高くなります。
都市部は核家族世帯、単身世帯の増加により、地域とのつながりが薄い傾向にあります。
その結果従来の葬儀の形式にこだわる必要がなくなり、火葬式が注目されてきたといえるでしょう。
一日葬・密葬との違いは?
小規模葬儀には、一日葬や密葬もあります。
一日葬・密葬は告別式や本葬がある点で火葬式とは異なります。
一日葬も火葬式と同じく通夜を省略しますが、葬儀・告別式は行います。
一般会葬者がほとんどおらず、親戚しか集まらない場合に、一日葬を選ぶ人が増えています。
密葬とは近親者のみで火葬を先に済ませ、後から本葬を行う葬儀形式を指します。
しかし大規模な葬儀をしない人は、そのまま本葬を行わないケースも近年には見られます。
そこから身内だけで行うごく小規模な家族葬が生まれました。
密葬と家族葬は混同されがちですが、本来は違うものです。
いずれにせよ、葬儀に丸一日を要する一日葬や、小規模であっても従来の葬儀の形式をとる密葬・家族葬に比べると、火葬式は儀式に使われる時間が大幅に省略されています。
火葬式(直葬)の流れ

火葬式はどのような流れで執り行われるのでしょうか。
逝去してから火葬式が終わるまでの流れを説明します。
逝去
病院で亡くなったら死亡診断書を発行してもらい、速やかに葬儀社に連絡をします。
搬送・安置
日本では法律により死後24時間は火葬できませんし、火葬場が空くまで数日待つ可能性もありますので、その間遺体を安置する場所を決める必要があります。
搬送先は自宅または葬儀社や火葬場の霊安室などになります。
搬送後、葬儀社のスタッフと火葬場や僧侶の手配等の打ち合わせをします。納棺・出棺
故人の旅立ちの身支度を整えたら、棺に納める儀式を行います。
この時お花や、故人の思い出の品を一緒に納めることができます。
棺のふたを閉めたら出棺となり、火葬場へ向かいます。火葬
火葬の前に今一度棺のふたを開け、故人と最期のお別れをします。
僧侶に読経をお願いする場合は、火葬炉前でお経を読んでいただきます。
火葬が終わるまでに1時間程度かかりますので、控室で待機します。骨上げ
火葬が終わったら、係員の指示に従い骨壷に遺骨を納めます。
火葬式(直葬)のメリット・デメリット

ここでは火葬式(直葬)のメリットとデメリットについて説明します。
葬儀は故人との最後のお別れの儀式ですから、これらをよく踏まえた上で本当に直葬で送ってよいのか考えましょう。
火葬式のメリット
火葬式にするメリットは、通夜や告別式を行わないことによる遺族の負担の軽減があげられます。
葬儀の費用を抑えることができる
一般的な通夜や告別式であればかかる費用が不要となるため、費用的にはかなり抑えられます。
香典返しの必要がない
火葬式は限られた身内のみで行うため、一般的には香典をもらうことがありません。
香典返しの必要がないので遺族の作業的な負担が減ります。参列者への対応が不要
通夜や告別式での参列者への対応は、遺族にとって精神面・体力面での疲労が多いものです。
火葬式にはその心配がありませんから、心身への負担が随分違います。
火葬式のデメリット
逆に一般的なお葬式をしないことによるデメリットも考えられます。
火葬式にする場合は、きちんとその内容を理解しておかないと、思わぬトラブルになる可能性もありますので注意しましょう。
お別れや供養を十分にした実感が得られないことがある
葬儀にかける時間を大幅に短縮した火葬式では、十分なお別れの時間が取れなかったと感じる人も少なくありません。
見送った後に供養の面で満足感が得られず後悔することのないよう、納得の上で葬儀社に依頼をしましょう。親族からの不満が出る可能性がある
火葬式は一般的にイメージされる葬儀の形式とは異なります。
お葬式をあげるのは当然と考える人からすれば、火葬式に違和感を覚えるのは無理もありません。
特に親族に高齢者や伝統的風習を重んじる方がいる場合は、説明不足による不満が出ることも考えられます。
どのような意図で火葬式にするのかを丁寧に説明し、周囲の理解を得るようにしましょう。参列希望者への配慮が必要
火葬式はごく限られた身内のみで行いますので、生前故人と親しかった一般の人は立ち会うことができません。
事前に火葬式で送ることを説明し、参列を希望していた人には後日弔問の機会を設けるなど、配慮が必要です。菩提寺に納骨できない可能性がある
菩提寺がある方は、通常はそのお寺の主導により葬儀が行われます。
火葬だけの葬儀は宗教儀式が省略されているため、菩提寺と関係のない儀式をしたと見なされ、納骨を拒否される可能性があります。
火葬式であっても納骨ができるよう、事前に菩提寺に相談するようにしましょう。
火葬式(直葬)の注意点

今まで火葬式(直葬)のメリットとデメリットなどについてご紹介してきました。
ここでは、火葬式を行うときの注意点について解説します。
火葬式(直葬)のときの服装
火葬式は、一般の参列者が来ることはなく、ほとんどの場合に遺族や近しい親族のみで行われます。
そのため、火葬式の服装は喪服が一般的ですが、必ずしも喪服である必要はないでしょう。
しかし、いくら身内しかいないとはいえ、派手な服装やカジュアルなものは控えるようにします。
服装は黒などの地味なものを選ぶようにしましょう。
24時間は安置する
上記のように日本の法律では、ご遺体を24時間安置しなければならないと法律で決まっています。
死亡診断書をもらったからといってすぐに火葬することはできません。
また、火葬場の予約がなかなかとれないといった可能性もあります。
そのため、ご遺体の安置場所を確保しておく必要があります。
ご遺体の安置場所としては、葬儀社や斎場の安置施設、ご自宅、民間の安置施設などがあげられます。
病院の霊安室には長時間安置することはできないので、早めに葬儀社に連絡するなどをして安置場所を確保するようにしましょう。
葬祭費がもらえないことも
故人が国民健康保険や後期高齢者医療制度に加入していた場合には、葬儀の日から2年以内に申請することで、葬祭費をもらうことができます。
しかし、火葬式を行ってから葬祭費を申請しても、支払われない可能性があります。
火葬式では葬儀が行われていないと判断されてしまうケースです。
火葬式を行うときに葬祭費がもらえるのか不安な方は、一度自治体に問い合わせて確認してみるといいでしょう。
以下の記事では直葬と葬祭費の関係について詳しく解説しているので、ぜひこちらもご覧ください。
火葬式(直葬)の香典について
火葬式では一般的に香典をもらうことは少ないです。
しかし、もし火葬式のお知らせに香典辞退の記載がなければ、持っていくようにしましょう。
ほとんどの場合香典を辞退する旨が記載されていますが、火葬式だからといって持っていかなくてもいいというわけではありません。
このように香典を持っていく場合に備えて準備をしておくようにしましょう。
火葬式(直葬)にかかる費用

費用が少なくても済むとされる火葬式ですが、実際の費用はどの程度かかるのでしょうか。
一般の葬儀と比較してみます。
平均は20万円程度
火葬式(直葬)にかかる費用の平均は、20万円程度になります。
葬儀費用は、遺体を搬送する距離の長さや、どのようなサービスを利用するかによって異なります。
格安で直葬が行えると宣伝している葬儀社もありますが、後から追加料金を色々と請求されるケースがありますので注意してください。
火葬式のプランに含まれるものは、棺、骨壷、寝台車、霊柩車、ドライアイス、火葬手続きの代行料など、必要最小限の物品・サービスとなっていることが一般的です。
火葬場には公営と民営のものとがあり、火葬料や控室使用料は施設により違ってきます。
また僧侶にお経をあげてもらうのか、火葬までに自宅以外の安置施設を利用するのかなど、葬儀の内容により追加料金が発生します。
それでも火葬式は宗教的儀式や会葬者への対応がないため、費用はかなり抑えられたものになります。

一般的な葬儀にかかる費用
一般的な葬儀にかかる平均費用は200万円弱といわれています。
儀式のための費用のほか、会葬者への飲食接待費や返礼品の費用もかかります。
いただく香典で全ての費用を賄うことはできません。
家族葬のような小さいお葬式でも、100万円程度はかかるといわれています。
会葬者への接待がない代わりに、香典もありませんから、費用負担としては一般の葬儀と変わらないか、場合によっては小規模葬儀の方が持ち出しの額が大きくなる可能性もあります。
葬儀の費用についてもっと詳しく知りたい方は、「終活ねっと」の以下の記事もあわせてご覧ください。
また、「終活ねっと」では様々な葬儀プランをご用意しております。
葬儀費用でお悩みの方はぜひご覧ください。



火葬だけの葬儀が向いている人とは

火葬だけの葬儀はどんな人に向いているのでしょうか。
まず故人の遺志で、なるべく遺族に葬儀の負担をかけたくないと希望している場合には、火葬式は意義のある選択肢となります。
また高齢で亡くなったために葬儀に呼べる人が少ない場合や、身寄りがおらず親戚や知人が喪主となる場合にも、火葬式は向いているかもしれません。
従来の葬儀の形式にこだわりがない人や、葬儀費用をできる限り抑えたい人には、火葬式が向いているといえるでしょう。
火葬だけを行う葬儀のまとめ

いかがでしたか?
今回「終活ねっと」では、火葬だけを行う葬儀について以下のように解説してきました。
火葬式(直葬)とは、一般的な通夜や告別式を行わない、最もシンプルな葬儀形式である
お葬式全体に占める火葬式の割合は約16%で、都市部の方がより割合が高い傾向にある
火葬式の流れとしては、逝去後にまず遺体の搬送先を決めて安置し、その後納棺して火葬場へ搬送したら、最期のお別れをし、火葬を行い、骨上げとなります
火葬式のメリットには、葬儀の費用を大幅に抑えられること、参列者への対応がなく、香典返しも不要であることがあげられる
逆にデメリットは、供養の実感が十分に得られない、参列希望者や親戚から不満が出る可能性がある、菩提寺に納骨できない場合があるなどで、火葬式を選択するなら事前のきちんとした説明や相談が不可欠である
火葬式を行うときには服装や香典のマナーに注意することや、安置場所を確保する、葬祭費がもらえない可能性があるということにも注意するようにする。
一般的な葬儀にかかる費用の平均が200万円弱であるのに対し、火葬式の平均は20万円程度である
火葬式は、従来の葬儀の形式にこだわらない人や葬儀の費用をできる限り抑えたい人、参列者が少ない人などに向いており、故人の遺志により選ばれることもある
火葬式は葬儀にまつわる様々な負担を軽減できますが、デメリットについても正しく認識しておく必要があります。
火葬だけで納得のいくお別れができるのか、後悔のないよう遺族はよく相談した上で決めることが大切です。
「終活ねっと」では、他にも葬儀やお墓に関する記事を多数掲載しています。
以下の記事では、家族葬にかかる費用について詳しく解説しているので、ぜひこちらもご覧ください。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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