故人の死亡後の手続きって?臨終直後から葬儀後の手続きまで全て解説

故人の死亡後の手続きって?臨終直後から葬儀後の手続きまで全て解説

身内の方などが亡くなられた後にやることといえば、葬儀を挙げる方が多いでしょう。しかし、故人の死亡後には様々な書類の手続きをしなくてはいけません。そのうえ、その手続きは非常に幅広くやるべきことも多いといえます。今回は、故人の死亡後に行う手続きを解説していきます。

2019-11-08

死亡後の手続きについて

葬儀

大切な方が亡くなった際にやるべきことといえば、多くの方が葬儀を思い浮かべるでしょう。
たしかに、故人とのお別れとして、故人にゆかりのある方を集めて葬儀を行うことは非常に重要なことです。

しかし、故人の死亡後に行うべきことは葬儀だけに限りません。
故人の死亡に伴って行うべき手続きが存在します。
さらに、その手続きは多岐に渡ります。

具体的にどのような手続きがあり、どのような手順で進めていけばよいのでしょうか。
今回終活ねっとでは、故人の死亡後に必要な手続きについて解説していきます。
以下に今回の記事で解説する内容を簡単にご紹介します。

  • 臨終後直ちに行うべき手続きにどのようなものがあるのか?

  • 葬儀後すぐにおこなうべき手続きとは?

  • 葬儀後に行う手続きにはどのようなものがあるのか?

  • 故人の死亡にまつわる補助金や給付金を受け取るための手続きとは?

  • 遺族年金を受け取るための手続きとは?

  • 故人が死亡した場合に名義変更や解約が必要となる手続きとは?

  • 相続に必要な手続きに関する相談は行政書士にすれば良いのか?

死後に伴う手続きについて戸籍、相続、保険などといった様々な視点から解説していきます。
死後に必要な手続きのことをよく知っておきたいという方にとって非常に役立つ内容となっておりますので、ぜひ最後までお読みください。

「終活ねっとのお葬式」では、状況やご要望に合わせて選べる豊富なセットプランをご用意しております。
葬儀・お葬式についてわからないことがある方は、お気軽にご相談ください。

葬儀にかかる費用についてわからないことがある方は、「葬儀費用の相場はいくら?内訳や料金を安くする方法、注意点まで解説」をご覧ください。

臨終後に直ちに行う手続き一覧

人々

故人が亡くなった直後、悲しみにくれる遺族にとっては酷なことですが、やるべき手続きはたくさんあります。
亡くなったのちパニックに陥らないためにも、ぜひ時間の余裕があるうちに手続きを確認しておきましょう。

まず最初に、死亡後二週間以内に行うべきことを一覧にしました。

手続きチェックリスト(期限が早い順番に)

まずは死亡後二週間以内に期限がくる公的手続きについて一覧形式のリストにしましたのでご参照ください。

やるべき手続き 期限・備考
死亡診断書の受け取り 病院で亡くなった場合は医師からその場で交付。
自宅など病院以外で亡くなった場合は医師による検案等が必要となる。
死亡届・火葬許可申請書の提出 7日以内
世帯主の変更 14日以内
健康保険の資格喪失届の提出 14日以内
年金の受給停止手続き 14日以内
住民票抹消手続き 14日以内(死亡届を提出した時点で自動的に抹消される)
介護保険資格喪失届の提出 14日以内

上記の通り、期限の近い公的手続きは多くあります。

その中でも特に臨終直後にやるべきことがいくつかあります。
次に、故人の死亡直後に行うべき主な手続きを確認していきましょう。
主な手続きとして、死亡診断書の受け取りと死亡届の提出、火葬許可申請書の提出が挙げられます。

死亡診断書の受け取り

故人が死亡した際に最初に行う手続きが、主治医からの死亡診断書の受け取りです。
具体的には、死亡届の右半分が死亡診断書として医師が記入する欄となっています。

一見すると、ただの故人の死亡について記された証明書程度にしか見えませんが、実はこの後の故人関係で行う手続きでは必要不可欠になってきます。
そのため、紛失しないよう注意して、コピーを取っておくことも大切といえるでしょう。

なお、死亡診断書は故人が入院中の病院で亡くなった場合はすぐに発行してもらうことができますが、ご自宅や旅行の滞在先といった病院以外の場所で死亡した場合は発行に日数や時間がかかります。
この場合、検視や病理解剖などを経てからの発行(死体検案書)となります。

市役所に死亡届を提出

死亡診断書を受け取ったら、最寄りの市役所や町村役場、区役所の窓口(戸籍担当)にて死亡届も添えて提出します(胎児の場合は死産届)。
ちなみに、犬などのペットが亡くなった場合も死亡届の提出は必要です(30日以内)。

なお、死亡届の用紙は役所の窓口や病院に備え付けられているほか、ご自宅でパソコンなどからpdf形式でダウンロードして取り寄せることもできます。

誰が届出人になれるのかについてですが、両親のような比較的近い身内でや義母のように遠く離れて住んでいる親族などでも大丈夫です(内縁の妻でも良い)。
また、身寄りのない単身者の場合は、事前に指名した人物でも問題はありません。

死亡届はこの次に触れる火葬許可申請書と同じように、故人の死亡日から7日以内に届け出ることが法律で定められています。
このため、火葬許可申請書と同時に提出することが多いです。

なお、市区についての細かい分類(札幌市東区や神戸市須磨区など)は以下のようになっています。

  • 政令指定都市(市に区がある):札幌市、仙台市、さいたま市、千葉市、横浜市、相模原市、新潟市、浜松市、名古屋市、京都市、堺市、岡山市、広島市、福岡市、熊本市など

  • 県庁所在地(政令指定都市以外):盛岡市、山形市、前橋市、長野市、奈良市、和歌山市、高松市、松山市、佐賀市、長崎市、宮崎市、鹿児島市など

  • 普通の市:釧路市、函館市、土浦市、高崎市、狭山市、所沢市、松戸市、船橋市、八千代市、多摩市、八王子市、町田市、海老名市、大和市、横須賀市、藤沢市、茅ヶ崎市、長岡市、松本市、焼津市、松阪市、箕面市、吹田市、八尾市、高槻市、豊中市、宝塚市、西宮市、倉敷市、福山市、佐世保市、など

  • 東京23区(特別区):荒川区、江戸川区、大田区、江東区、品川区、杉並区、墨田区、世田谷区、中野区、目黒区など

火葬許可申請書の提出

死亡届とともに提出することになるのが火葬許可申請書です。
これを提出すると火葬許可証が発行され、ご遺体を火葬することができるようになります。

なお、こちらも故人の死亡日から7日以内に出すべきものです。
死亡届と死亡診断書、火葬許可申請書を提出すると、代わりに火葬許可証が発行されます。

この火葬許可証は故人の火葬が終わった後も、埋葬許可証としてご遺骨の埋葬(納骨)の際に必要となりますので、紛失しないように気を付けましょう。
なお、戸籍関係の窓口は年中開いていますので、その点はご安心ください。

葬儀社が提出を代行してくれる

最近では、ご遺族の依頼さえあれば葬儀社が代理人として死亡届などの提出を行ってくれる場合もあります。

葬儀の準備においてご遺族は非常に多忙になりますので、その点では挨拶がてら葬儀社のスタッフに任せられるのであれば任せてしまうのが良いでしょう。

なお、この場合は委任状を準備する必要はありません
加えて独身の一人暮らしの方、身寄りのない人の場合も、事前に葬儀社に死後事務委任契約を結ぶなどすれば死亡届の提出などを代行してもらえます。

葬儀後すぐに行うべき手続き

困った人々

親族が死亡した後に行うべき手続きは実にさまざまです。

ここでは、親族が亡くなった場合に行う手続きをいろいろとご紹介していきます。
なお、手続きを進める際にはチェックリストや一覧表も用意しておいた方が良いでしょう。

世帯主の変更

その家の世帯主が亡くなった場合は、役所の戸籍担当窓口にて世帯主の変更手続きを行う必要が出てきます。

期限

世帯主の変更手続きは、世帯主に変更が発生した日から14日以内に届け出ることが義務付けられています。
なお、世帯主が亡くなった場合は、新しく世帯主になる人物が届け出ることが必要です。

申請先

申請先は役所の戸籍担当の窓口です。

なお、戸籍担当の窓口は各自治体の本庁のほか出張所や窓口センターにも設置されているため、本庁まで出向かなくても最寄りの出張所で手続きができます。

提出書類

なお、世帯主の変更手続きの際には本人確認書類(運転免許証やパスポート、マイナンバーカードなど)と印鑑(新しく世帯主になる人物のもの)を持参する必要があります。

そして、役所の窓口で住民異動届を受け取り、必要事項の記入と押捺を行った後に提出する流れです。

健康保険の資格喪失届

親族が亡くなった場合は、その方が加入している保険に応じて資格喪失届を提出する必要があります。
どの種類の保険も、亡くなった次の日には資格喪失が発生するためです。

期限

健康保険の資格喪失届を提出する期限は、保険の種類によってさまざまです。
まず、故人がサラリーマン(会社員)であるといった、事業所に雇われていた場合は、会社の専門の部署が手続きを行ってくれます。

このため、ご遺族が行うことは保険証を会社などに返すだけで、後は事業所が5日以内に日本年金機構に対して手続きを行う段取りとなります。

一方で国民健康保険・後期高齢者医療保険の場合は14日以内が期限となっています。
また、介護保険の場合は10日以内に手続きを行います。

申請先

故人が事業所などに雇われていた場合は会社の専門部署(総務課など)が代行で行ってくれます。

また、故人が国民健康保険加入者や介護保険加入者の場合は市区町村の社会保険担当窓口に、後期高齢者医療保険加入者の場合は後期高齢者医療広域連合に届け出るという流れです。

提出書類

提出書類についても加入していた保険の種類によって異なってきます。
まず、企業に雇用されていた方の場合は健康保険証を事業所に提出するだけです(事業所側が被保険者資格喪失届と一緒に提出)。

一方、国民健康保険や介護保険、後期高齢者医療保険の場合はそれぞれの資格喪失届と健康保険証を窓口に提出します。

国民年金・厚生年金の受給停止の手続き

健康保険の資格喪失手続きと同じように重要なのが、国民年金や厚生年金(企業年金や公務員向けの共済年金・警察共済年金、農協加入者向けの農林年金や農業者年金など)の受給停止手続きです。

なお、年金を受け取っていない分がある場合は未支給年金としてご遺族が受け取れます

期限

期限については、国民年金の場合が故人が死亡してから14日以内に、厚生年金の場合は10日以内に手続きを行う必要があります。

どちらも葬儀が終わってからでも間に合いますので、焦らなくて大丈夫です。

申請先

国民年金についても、また厚生年金についても受給停止手続きは、最寄りの市区町村の年金関係窓口や全国の年金事務所(旧社会保険事務所)で行うことができます。

ただし、現在ではワンストップサービス(1ケ所でさまざまな手続きが可能なサービス)も整備されているため、役所で手続きを行ってもそのままデータが年金機構に転送されるため便利です。

提出書類

必要書類については、各年金の資格喪失届や年金受給者死亡届、故人の年金手帳に加え、故人の死亡を証明する書類が必要です。

ただし、2011年以降に日本年金機構に住民票コードを提出している場合は、死亡を証明する書類の提出は必要ありません。

介護保険資格喪失届の提出

さらに、要支援・要介護認定を受けていた方が亡くなった場合は介護保険資格の喪失届の提出が必要です。

要支援・要介護認定を受ける可能性があるのは、65歳以上の人と40~64歳の人で老化に起因する疾病により要介護認定を受けた場合に限られます。

故人が要支援・要介護認定を受けていた場合、市町村役場に介護保険被保険者証の返却と介護保険資格喪失届の提出を行います。

期限

期限は個人が死亡してから14日以内です。
年金支給停止手続きや健康保険資格喪失届と期限は同じなので、他の手続きと並行して忘れずに行いましょう。

必要書類

提出には介護保険資格取得・異動・喪失届が必要です。
各市区町村のホームページでダウンロードすることができます。
この書類とともに介護被保険者証を各市区町村役場に提出します。

還付金が支払われる場合も

介護保険の資格喪失手続きを行うと介護保険の再計算が月賦で行われ、変更通知書が送られます。

未払いがあった場合は、納付書や督促状が届くため、それに応じて支払う必要があります。
過払いがあった場合には、還付通知書が送付されるためそれにしたがって還付・受領手続きを行えば過払い金の還付を受けることができます。

住民票の除票の手続き

亡くなった親族を住民票から除票する手続きも必要です。
住民票を除票せずに、住民税などの税金関係が不都合になる場合もありますので、忘れないでやるようにしましょう。

なお、除票の手続きは故人の死亡後のほかにも、引っ越しや離婚による絶縁の際にも行う手続きです。
ちなみに、すべての世帯員の除票が行われた戸籍謄本が除籍謄本です。

期限

除票手続きは死亡届などに比べると、期限は5年間と長めに設けられています。

より正確には故人の死亡届を提出してから5年以内であるため、故人の葬儀や心の整理などが終わってからでも遅くはないといって良いでしょう。

申請先

住民票の除票手続きの申請先は、最寄りの役所の戸籍担当窓口です。

引越しなどの際の転出・転入や住民票書類の請求などの場合と同じように、申し出れば手続きはスムーズに進むでしょう。

提出書類

なお、住民票の除票手続きに必要な書類は、住民票除票のための所定の書類です。

それらの必要な書類は窓口に備え付けてあったり、pdfからダウンロードできたりしますので、そこから入手したうえで必要事項を明記のうえ提出しましょう。

葬儀後に行う手続きリスト

困った人々

故人が亡くなった後に行う葬儀の準備や各種手続きも重要ですが、葬儀後に行うことも非常に多いです。
ここでは、葬儀後に行う各種手続きについて具体的に見ていきましょう。

葬儀後、落ち着いてから取り組むべきことはその相手別に大きく3つに分けることができます。

  • 公的機関との手続き

    税金関係、補助金関係、遺族年金関係など様々です。
    以下で詳しく解説します。

  • 契約関係の手続き

    不動産、銀行口座、クレジットカードなどこちらも多岐にわたります。
    漏れのないようにぜひこの記事を活用してください。

  • 相続関係の手続き

    相続については複雑な手続きがたくさんあります。
    多くの場合人に相談する必要があるでしょう。

葬儀後落ち着いたら行うべき重要手続き

では次に葬儀後落ち着いた段階で行うべき重要手続きを解説します。
上記分類で一番最初に挙げた、公的機関との手続きについて一覧にまとめましたのでご参照ください。

やるべきこと 期限・備考
雇用保険の受給資格者証の返還 1ヶ月以内
相続の放棄 3ヶ月以内
所得税準確定申告・納税 4ヶ月以内
相続税の申告・納税 10ヶ月以内

それでは以下、それぞれの項目について詳しく解説していきます。

雇用保険の受給資格者証の返還

故人が事業所に従業員として雇用されていた場合は、雇用保険に加入していることが多いです。
このため、雇用保険に加入している状態で亡くなったり退職したりした場合は、受給資格証明証を返還する必要があります。

提出先は最寄りの職業安定所(ハローワーク)で、故人の死亡日から1ヶ月以内に返還する必要があります。
提出に必要な書類としては、受給資格者証のほか死体検案書および住民票等も必要となります。

似たようなケースとして、故人が中退共(中小企業退職金共済制度)に加入していて受給前に死亡した場合は、相続人が受け取るのが一般的です。

この場合は故人の戸籍謄本や請求人(相続人)の住民票・印鑑証明書、マイナンバーの写しなどを準備して、中退共の給付業務部に申請します。

相続の放棄手続き

相続と聞くと、多くの方が定期預金や不動産、ゴルフ会員権などの財産の相続や財産分与をイメージするでしょう。

しかし、仮に故人が生前に住宅ローンなど借金を残していた場合は、その借金も相続することになります。
そこで、もし借金まで相続したくないというような場合に行うのが相続の放棄手続きです。

手続きを行うことのできる期間は、相続が発生したことを知ってから3ヶ月以内で、最寄りの家庭裁判所に対して行うことになります。

必要書類として相続放棄申述書や除票手続きの済んだ住民票、ご自身の戸籍謄本のほか、故人(被相続人)の戸籍謄本も必要です。
なお、戸籍謄本は本籍地の最寄りの市区町村役所で交付してもらえます。

必要書類の提出後に裁判所からの照会にきちんと回答して受理されれば、相続放棄が認められる流れです。

以下の記事では、葬儀費用を払った際の相続放棄について詳しく解説しています。
ぜひご覧ください。

所得税の準確定申告

故人が株式会社や有限会社、医療法人などの法人の代表の場合、または在宅で仕事をしていた場合は準確定申告と呼ばれる手続きが必要です。

本来であれば事業主自身が行う確定申告ですが、事業主が死亡した場合はその代わりにご遺族などが代わりに申告を行うことになります。
なお、相続人が複数いる場合は、すべての相続人が署名することが重要です。

申告先は最寄りの税務署で、準確定申告の期間は故人の死亡後4ヶ月以内となっています。

ただし、1月1日から通常の確定申告の期限である3月15日の間に故人が亡くなった場合は、前年度分に加えて今年度分も申告しましょう。

なお、必要書類については普通の確定申告の場合とほとんど変わりません。
給与所得者(正社員や派遣社員など)や年金受給者であればA様式の申告書を、事業所得者や不動産所有者(家主など)、株主、会社役員の場合はB様式の申告書を提出します。

相続税の申告

故人が遺産を残した場合などは相続税の申告も必要です。
ただし、相続遺産の金額が基礎控除額を上回る場合のみ申告が必要となりますので、遺産がわずかだったという方については対象外となります。
なお、具体的には遺産総額が4800万円以上の場合が相続税の課税対象です。

相続税については税務署が申告の必要を認めた場合に、送付状付きの案内文が送られてきます。
案内文が届いた場合は、遺産などをきちんと計算して申告しましょう。

申告期限は相続が発生したことを知った日から10ヶ月以内です。
なお、期限を過ぎても申告はできますが、この場合は期限後申告書の提出を求められたり、場合によっては延滞税や加算税の納入を求められたりする場合があるので注意が必要です。

以下のリンクから、相続税について解説した記事がご覧になれます。
ぜひご一読ください。

補助金・給付金を受け取るための手続き

お金

故人の死亡の際には、補助金や給付金を受け取ることができる場合があります。

ここでは、故人が死亡した場合に受け取ることのできる補助金や給付金の請求手続きについて見ていきましょう。

やるべきこと 期限・備考
生命保険金の請求手続き 2年以内
健康保険加入者の埋葬料請求 2年以内
国民年金の死亡一時金請求 2年以内
国民健康保険の葬祭費請求 2年以内
高額医療費申請手続き 2年以内
労災保険の葬祭料請求 2年以内

生命保険金の請求手続き

故人が生前に生命保険の契約をしていた場合(団体信用生命保険も含む)は、生命保険金の請求手続きを行うことになります。

期間は故人の死亡後2年以内で、請求先は契約した生命保険会社(住友生命や日本生命、明治安田生命、第一生命、全労済、県民共済など)です。

請求手続きの際には各保険会社との契約の際に受け取った手引きに基づいた流れや必要書類によって行われます。
ただし、場合によっては請求が受理されない場合もありますので、あらかじめ理解しておきましょう。

健康保険加入者の埋葬料請求

故人が健康保険に加入していた場合、故人の埋葬に必要だった費用を請求することができます。
埋葬料の請求ができるのは全国健康保険協会(協会けんぽ)の保険加入者で、申請可能な金額は最高5万円です。

申請期間は故人の死亡後2年間となっています。

なお、埋葬料と似たようなものに葬祭費がありますが、こちらは同じく協会けんぽの船員保険加入者のほか、国民健康保険や後期高齢者医療保険の加入者に支給されるものです。

国民年金の死亡一時金の請求

国民年金には死亡一時金という制度があります。

これは、20歳から59歳までの第1号被保険者(自営業者や学生、その配偶者〈旦那の場合も〉)が3年以上保険料を納めており、老齢年金や障害年金を受け取ることなく亡くなった場合、ご家族が受け取れるお金のことです。

死亡一時金の金額は保険料を納めた月数に応じて12万円〜32万円です。
遺族が遺族基礎年金の支給を受ける場合や、寡婦年金を受ける場合には支給されません。

手続きができる場所は、最寄りの市区町村役所や全国の年金事務所などで、国民年金死亡一時金請求書と故人の年金手帳、戸籍謄本、除票済み住民票、印鑑などが必要書類として挙げられます。

日本国籍を所有する方のみが対象であるため、日本国籍のない外国人などは対象外です。

国民健康保険加入者の葬祭費請求

先ほど触れた埋葬費は協会けんぽの制度ですが、国民健康保険加入者の場合は埋葬だけではなく葬儀にかかった費用の一部を補助してもらえる葬祭費の請求もできます。

故人が国民健康保険加入者の場合であれば5万~7万円、後期高齢者医療保険の加入者であれば3万~7万円が支給額です。

申請期限は故人の死亡後2年以内で、申請できる場所は市区町村役所の健康保険担当窓口となっています。
申請に必要な書類は、国民健康保険または後期高齢者医療保険の資格喪失届と、葬祭費申請用紙、さらに本人確認書類と実印です。

なお、公的な葬祭費補助には生活保護の場合の葬祭扶助がありますが、こちらは全額支給となります。

高額医療費の申請手続き

特に年齢を重ねた場合は、病院や老人ホームを利用することも増えるため、医療費も高額になることが多いです。
このため、自己負担で支払った医療費が高額の場合は、申請すればその一部が払い戻されます。

故人が亡くなった後に申請する場合は、故人本人に代わって相続人が申請をすることができますが、払い戻された医療費も相続財産として数えられるという点に注意が必要です。

払い戻し申請ができるのは国民健康保険など公的な保険に加入している場合で、請求できるのは故人の死亡後2年以内となっています。

申請に必要な書類は、高額医療費の支給申請書と故人との関係を証明できる書類、病院や老人ホームの領収書などです。
そして、手続きは市区町村役所の健康保険担当窓口で行うことができます。

労災保険の葬祭料請求

働く方にとって加入しておくと便利な存在が労災保険(労働者災害補償保険)ですが、実は労災保険にも葬祭料の支給制度があります。

労災保険の葬祭料は、在職中に業務で亡くなった方のご遺族か、ご遺族がいない場合は故人の葬儀を行った会社や友人に支給されるという制度です。
なお、通勤災害(交通機関の事故など)で亡くなった場合は、葬祭給付という形で支給されます。

支給額は31万5千円に給付基礎日額の30日分を合わせた金額ですが、最低保証として給付基礎日額の60日分が設定されているというものです。

申請をするには故人の所属していた事業所を管轄する労働基準監督署に、葬祭料の請求書類と保険の資格喪失届を持参しましょう。

申請する期限は故人の死亡後2年以内です。

遺族年金を受け取る手続き

お金

故人が亡くなったことで生活が苦しくなった場合に、遺族年金の存在は非常に助かるでしょう。
ここでは、遺族年金をそれぞれ受給するための手続きについて見ていきます。

国民年金の遺族基礎年金

20歳以上のすべての国民が加入する国民年金には、遺族基礎年金という制度があります。

これは国民年金に加入している故人で老齢基礎年金の受給資格期間が25年以上あるという方が亡くなり、かつ加入期間の3分の2以上保険料を納めている場合に受給されるお金です。

受給の対象となるのが、故人の扶養家族である配偶者や子供ですが、子供については18歳未満であるか、20歳未満で障害年金の受給対象者(障害者手帳を持っている)である場合が該当します。
このため、成年後見人や成年被後見人は対象外となりますので注意が必要です。

手続き自体は市区町村役所の年金担当窓口でできます。
なお、非常にまれなケースである軍人恩給や被爆者年金関係は自治体だけでなく国にも問い合わせるなどすると良いでしょう。

国民年金の寡婦年金

寡婦年金とは、第1号被保険者である夫が亡くなった場合に、10年以上婚姻関係にある妻が60歳から65歳までの間に受け取ることのできる年金です。

なお、この年金は第3号被保険者(事業所で働いている方の扶養者となっている配偶者のこと)は受け取ることができません。

また、上記に挙げた死亡一時金に関してはどちらか一方しか受け取ることができません。
どちらが支給額が大きいか計算し、判断する必要があります。

こちらについても手続きは市区町村役所の年金担当窓口でできます。

労災保険の遺族補償給付

先ほども触れた労災保険には遺族補償給付の支給制度もあります。
こちらについても業務中や通勤中の事故で亡くなった方のご遺族に支給されるお金といって良いでしょう。

受給資格があるのは故人の妻や60歳以上の方、障害のある方が挙げられます。
こちらも手続きは市区町村役所の健康保険窓口が担当です。

ちなみによく似たものとして労災年金というものもありますが、こちらは業務中などの事故が原因で不自由になった方が受ける年金といえます。

厚生年金の遺族年金

事業所で働く方が加入する厚生年金にも遺族年金があります。

加入している方が亡くなった場合にご遺族が受け取ることのできるお金ですが、受給資格があるのは扶養されていた妻や子供、55歳以上の人物(父や父母の場合も含む)などです。

なお、国民年金の第1号被保険者が被扶養者の場合は受給資格がありません(受給する側が寡婦年金の対象者であるため)。

こちらも手続きは市区町村役所の年金窓口が担当です。

名義変更・解約が必要な手続き

困った人々

公的機関に対する手続きのほかにも、金融機関などに対して行うべき手続きも多いです。
ここでは、故人の死亡後に行う手続きで公的機関以外に対して行うものについて見ていきましょう。

やるべきこと 期限・備考
不動産の名義変更 相続が確定した段階で
銀行口座の名義変更 ただちに
株式の名義変更 証券会社に相談
公共サービスの名義変更 ネット上で完結することも
クレジットカードの名義変更 相続が確定してから
自動車所有権の移転 15日以内
携帯電話の名義変更 お店に連絡
免許証・パスポートの返還 すみやかに

不動産の名義変更

故人が生前に不動産を持っていた場合は、名義変更が必要となります。
ただし、相続遺産として数えられるため、相続が確定した段階が手続きを行うタイミングといえるでしょう。

不動産の名義変更は相続登記の手続きと同じであるため、登記簿謄本や戸籍謄本、住民票、固定資産税の評価証明書などを取得したりする必要があります。

全ての書類を整えたうえで、相続登記申請書類を作成し最寄りの法務局に手続きを行う流れです。

銀行の預金の口座変更

故人が銀行口座(郵便局の郵便貯金も含む)を残している場合も、直ちに口座変更手続きが必要になります。

ここで1つ覚えておいていただきたいことが、故人の口座は故人が亡くなった後は凍結されて、通帳も預貯金もそのまま使えなくなるという点です。

ちなみに、手続きが終わらない状態で故人の定期預金など預金口座のお金に手を付けることは、横領罪に問われかねませんので絶対に避けましょう。

手続きの方法や手順は銀行が違ってもほぼ一緒で、大手銀行(みずほ銀行や三井住友銀行、三菱東京UFJ銀行、りそな銀行、ろうきんなど)は全体として同じといって良いでしょう。
もちろん、地銀(北海道銀行や山陰合同銀行、横浜銀行、中国銀行、千葉銀行、南都銀行、肥後銀行、北洋銀行、福岡銀行、群馬銀行など)でも同じです。

まず、口座がある銀行に連絡し、残高証明書と相続手続きの書類を入手しましょう(郵送での入手も可)。
そして、遺産分割協議の後で、相続届と被相続人と相続人の戸籍謄本、印鑑証明書を添えて銀行の窓口に提出することで、新しい預金者として口座を使えるようになります。

戸籍謄本の取得方法

戸籍謄本とは、個人の氏名・生年月日・父母との続柄や配偶者関係などを記録した戸籍を、原本のまま転写したものです。
故人が亡くなって死亡届が受理されると戸籍謄本にも死亡の事項が反映されます。

死亡後の手続きの中で銀行口座の名義変更や、埋葬料の請求の際には故人の戸籍謄本の提出を求められます。

では戸籍謄本とはどのように取得できるのでしょうか?
取得手順をご紹介します。

  • 故人の本籍地を正確に把握する

    まず戸籍謄本の請求先である自治体を確定させるために、故人の本籍がどこにあったのか確認する必要があります。
    死亡届を出した役所で「住民票の除票」を取ると確認できます。

  • 本籍地のある役所の郵送の窓口に請求手続きを行う

    各自治体のHPなどで必要書類を確認し、出向くもしくは郵送によって戸籍謄本を請求します。
    戸籍謄本には、様々な種類がありますが、再請求は手間なので全て一度に請求すると良いでしょう。

  • 郵送の場合、手数料を定額小為替で納める必要あり

    手数料は定額小為替で納めます。
    これは郵便局で販売されています。郵送請求で出生から死亡まで請求する際には、何通の戸籍が編成されているかわからないため、多めに小為替を入れておくと良いです。

  • 出生まで戸籍を遡る必要がある場合も

    戸籍は基本的に結婚、離婚、養子縁組等で変わります。
    生命保険の保証金など場合によっては戸籍謄本を出生時点から確認することをもとめられる場合がありますが、1市町村の戸籍に出生時から記録残っていることは極めて稀です。
    そのため、ここ以前にどこにいたのかを取り寄せた戸籍謄本を頼りに遡り、同じ作業をお行う必要があります。

株式の名義変更

故人が株を保有しているということであれば、株式の名義変更も必要です。

まず、野村証券や大和証券などのような証券会社で取引口座ので名義変更手続きを行い、さらに実際に株式を発行している企業との手続きを行うことになります。

証券会社への手続きについては株式名義書換請求書と取引口座引き継ぎの念書、相続人全員の同意書及び印鑑証明、被相続人と相続人の戸籍謄本、遺産分割協議書が必要です。

さらに株式発行企業への手続きですが、こちらは証券会社が代行してくれる場合が多いため、証券会社に相続人全員の同意書さえ提出しておけば問題ありません。

公共サービスの名義変更

電気やガス、水道、NHKといった公共サービスについても名義変更が必要です。

一見すると異なる各サービスですが、基本的な手続きの方法は所定の用紙に必要事項を記入したうえで郵送などで送付しましょう。

もし、公共料金で未払いのものがあれば支払い、今後使う予定がないということであれば解約も行います。
やり方がよくわからないという場合は、電話の音声案内などを参考にすると良いでしょう。
さらにNHKなどはオンライン上で名義変更手続きを終えることができます。

このほか郵便局関係では停止手続きを行うことで、個人あての手紙や郵便物の送付が配達されます。

クレジットカードの名義変更

クレジットカードも名義変更をすることになりますが、基本的に借金であるため、こちらについては相続が確定してから行います。

具体的な手続きの方法はカード会社に連絡して、所定の手続きをインターネット上で行うか、書類を郵送する形で行うのが一般的です。

なお、クレジットカードについては名義変更を怠ると、利用できないだけではなくカードの更新すら断られる場合もありますので、面倒くさがることなくやりましょう。

自動車所有権の移転手続き

故人が軽自動車などを保有していた場合は、故人が亡くなってから15日以内に自動車所有権の移転を行うことも大切です。

大きく分けて、車を購入したお店に依頼するやり方と、ご自身でやるというやり方とがあります。

お店に依頼する場合は、車の譲渡証明書と、新旧所有者の印鑑証明書と委任状、期限内の車検証、新使用者の車庫証明書が必要です。

ご自身で行う場合は上記の書類に加えて、手数料納付書と自動車税・自動車取得税申告書、様式の決まった申請書を添えて運輸局で手続きを行います。

なお、故人の車を廃車にする場合は相続手続きが終わってから、所定の手続きを行う順番です。

電話の名義変更

「デジタル終活」という言葉もブームになっていますが、故人の携帯電話などの名義変更も重要なことです。

ソフトバンクやNTTドコモなどさまざまな携帯電話の会社はありますが、基本的に手続きの方法は変わりません。

名義変更の書類は携帯電話ショップやインターネット上から入手できるので、その書類に必要事項の記入と捺印をしたうえで、携帯電話ショップに提出しましょう。

運転免許証・パスポート

運転免許証やパスポートといった本人確認書類として使えるものは、故人の死亡後は返納が必要なものです。

運転免許証の場合は故人の死亡診断書と戸籍謄本(コピー)を添えて最寄りの警察署に提出しましょう。

一方、パスポートの場合は戸籍謄本(コピー)を添えて各都道府県の旅券担当窓口に返却します。

相続放棄の手続き

相続放棄については先ほども触れましたので、ここでは簡潔に触れておきます。

まず、家庭裁判所に相続放棄申述書や除票手続きの済んだ住民票、ご自身の戸籍謄本のほか、故人の戸籍謄本を持参して相続放棄の申し出を行い、その後裁判所からの照会に回答しましょう。

この流れで受理されれば相続放棄できます。

相続の手続き相談は司法書士にするの?

人々

ここまで故人の死亡後に行う手続きについていろいろと見てきましたが、相続関係の手続きに関してはできれば書籍を参考にしたり専門家に相談したりしながら進めると気持ちも楽になるでしょう。

相続関係は多くの場合、行政機関に手続きを行うことから、行政手続きのプロである行政書士に相談するのがおすすめです。

また、不動産登記や裁判所への手続き関係であれば司法書士や公証人に相談すると良いでしょう。

死亡後の手続きまとめ

葬儀

今回終活ねっとでは、故人の死亡後に行う手続きについていろいろと見てきました。
内容をまとめますと、以下の通りです。

  • 故人の臨終直後に行うべきこととして、死亡診断書の受け取りと死亡届・火葬許可申請書の提出が挙げられる。
    なお、死亡届・火葬許可申請書の提出については葬儀社が提出を代行してくれることも多い。

  • 親族が亡くなった後に行う手続きとして、世帯主の変更や健康保険の資格喪失届の提出、年金関係の受給停止手続き、住民票の除票手続きがある。

  • 葬儀が終わった後に行う手続きには、雇用保険の受給資格証の返還や相続放棄の手続き、所得税の準確定申告(故人が経営者の場合)、葬祭費や葬祭料請求などがある。

  • 遺族年金を受け取る手続きも故人の死亡後に行う。
    主な遺族年金には、国民年金の遺族基礎年金と寡婦年金、労災保険の遺族補償給付、厚生年金の遺族年金が挙げられる。

  • 故人の死亡後に名義変更や解約を行うべきものは多岐にわたる。
    主なものとして不動産や銀行預金、株式、公共サービスクレジットカードの名義変更や、自動車所有権の移転手続き、運転免許証やパスポートの返納、相続放棄がある。

  • 相続の手続きについては行政機関に対する手続きは行政書士に、裁判所や不動産関係の手続きは司法書士に相談できる。

故人が亡くなった後に行う手続きは実に多く、特に初めて経験する方にとっては非常にしんどいように感じるでしょう。

ただし、すべてを葬儀が終わった後などにやらなければならないわけではないため、専門家の方の力を借りながらじっくりやっていくと良いです。

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