
葬儀で着物を着る時に知っておくべきこと!マナーや豆知識を紹介!
近頃の葬儀では、洋装で参列する方がほとんどです。親の葬儀には着物を着たいが決まりごとがわからない、喪主の立場だと着物を着るべきかどうかわからないといった声も耳にします。ここでは葬儀で着物を着る時に知っておきたいこと、豆知識やマナーを紹介します。
最終更新日: 2020年12月17日
葬儀で着る着物について

着物を着る機会が少なくなった近頃では、葬儀も洋装で参列する方が多くなっています。
とはいえ、喪主の立場だと着物でないといけないのでは?という疑問の声や、親や配偶者などの葬儀にはやはり着物でという声も聞かれます。
ただ、着物は決まりごとが多く面倒だ、着物のことはよくわからないというのが、実際のところではないでしょうか。
今回「終活ねっと」では、葬儀で着る着物について、知っておかれるとよい知識、決まりごとやマナーについてご紹介していきます。
葬儀で着物を着るのはどんな時、誰が着るの?
葬儀で着る着物の格や帯の色との関係は?
葬儀の着物に家紋は必要なの?
男性の正喪服はどんなもの?
葬儀での着物のマナーについて
葬儀での着物はレンタルでもかまわない?
以上の項目について解説していきます。
大切な方とのお別れの場には、ふさわしい装いで臨み、こころを込めてお送りしたいものです。
ぜひ最後までお読みいただき、喪の着物について知っておかれるとよいでしょう。
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葬儀で着物を着る時に知っておくべきこと

まず葬儀で着物を着る時に知っていた方が良いことについて解説いたします。
和装・洋装を問わず、喪服には第一礼装、準礼装、略礼装といった格式があります。
(正喪服、準喪服、略喪服といういい方もあります。
)
弔事の種類や、出席する時の立場によって、ふさわしいとされる格式は異なります。
葬儀で着る着物というと、一般的に思い浮かべるのは黒喪服でしょう。
黒喪服は弔事における和装の正装ですが、黒喪服以外ににも、異なった格式の着物があるのです。
葬儀のようなセレモニーの場では、主催者としても参列者としても、失礼のないよう本来の決まりごとやマナーは心得ておくべきでしょう。
基本的には故人の親近者が着用する
かつては、慶弔を問わずセレモニーの場では、ほとんどの女性が着物を着用していました。
時代の流れとともに、現代の葬儀ではほとんどの方が洋装で、和装の方は限られています。
では、どのような立場の方が着物を着用するのでしょうか。
基本的には故人の親近者が着用します。
喪主や喪主の妻、故人の配偶者、故人の子供などの、いわば葬儀を主催する側の人です。
本来、和装にも洋装にも正装・略装がありますから、喪主の立場であっても正装であれば洋装でもかまわないのです。
しかし、和装のほうが正式で、洋装は簡略化されたものというイメージを持たれる方が多いのも事実です。
また、現代では葬儀での着物というと、正装である黒喪服をさすのが一般的ですから、着物の方が格が高いとされやすいのでしょう。
一般会葬者は、主催者側である喪主や遺族よりも格式が高い喪服は着用しないのがマナーとされています。
着物のほうが正式だというイメージをお持ちの方にとっては、喪主が洋装で参列者が和装だと、違和感を覚えるかもしれません。
葬儀の主催者側の立場であれば、正装である黒喪服を着用しておけば、間違いないでしょう。
着物の格
始めに書いたように、喪服にも格式があります。
では、着物の格とはどういったことなのでしょうか。
洋装であれば女性の場合、ワンピースやツーピース、アンサンブル、またスカートの丈などで格式が決まります。
和装の場合は、着物の色と帯の色によって格が決まります。
白喪服については、以下で詳しくご紹介しますので、ここでは除いてご説明します。
黒喪服に黒喪帯を締めるのが、和装での第一礼装となり、葬儀や告別式での装いとなります。
黒喪服に色喪帯を締める、また喪にふさわしい色の色無地や江戸小紋を色喪服として用いると、略礼装となります。
略礼装は、親族であれば三回忌以降の法事に、一般の参列者であれば通夜の席や法事、偲ぶ会などでの装いとなります。
また、喪服の格は着物と帯の組み合わせでも変わってきます。
格の高い方から黒喪服に黒喪帯、黒喪服に色喪帯、色喪服に黒喪帯、色喪服と色喪帯の順になります。
黒喪服
現代では、和装の喪服は黒一色のものが主流になっており、染め抜き五つ紋付の黒喪服が最も格の高い正喪服とされています。
生地は、冬ものには羽二重か一越縮緬 夏ものには駒絽か平絽を使用します。
また、ひとくちに黒といっても、染色方法によって黒染めの風合いは違ってきます。
主なものに、黒の下地に紅を使ったたものと藍を使ったものがありますが、現在ではその他のさまざまな染色方法があります。
いずれにしても、深みのある黒が好まれる傾向にあるようです。
黒喪服では、帯揚げ、帯締め、帯も黒を使用します。
襦袢と半襟、足袋は白、草履は布製の黒を用います。
帯は通常、袋帯の方が格が高いのですが、喪の帯では名古屋帯がごく一般的です。
袋帯は悲しみの場にはふさわしくないとする地域もあり、袋帯なら不幸が重なるとされる二重太鼓をさけ、一重太鼓に結びます。
喪の装いは地方によって異なりますから、地域の風習も大切にしていかれるとよいでしょう。
白い喪服など
梨園の葬儀や、江戸から明治時代を描いた映像作品などでは、白い喪服を目にすることがあります。
現代の一般的な葬儀ではなかなか見かけることがありませんが、白い喪服も正式なものなのです。
日本人の喪服の歴史は古く、『日本書紀』や『隋書倭国伝』には白い喪服の記述があるそうです。
ところが、718年に発令された養老喪葬令で、「天皇は直系二親等以上の喪には墨染めの色を着る」と定められたのをきっかけに、平安時代になると貴族の間にも黒い喪服が浸透していきました。
ただ、黒い喪服を着ていたのは上流社会の人たちで、庶民は白い喪服のままだったのではないかともいわれています。
そのためか、武家社会となった室町時代には、また白い喪服が復活します。
明治維新を機に西洋の文化が取り入れられて、再度喪服は黒になり現代に続いています。
貞女二夫に見えず(ていじょじふにまみえず)のことわざのように、夫亡き後も再婚しないという意味で、嫁入りに白喪服を持たせる地域もあったようです。
このように、長い歴史の中で使われてきた白喪服は、いまでも正式な喪の衣装なのです。
帯の色
着物の格の項でも紹介したように、黒喪帯がいちばん格上となり、「黒共帯」ともよばれています。
黒喪帯には、黒無地または、雲取りや流水、紗綾形、法相華、有職紋様などの地紋が用いられています。
略礼装では、色喪帯が用いられ、こちらは「色共帯」ともよばれています。
白や鼠、紫などの地色に、黒喪帯と同じく地紋が使われます。
色喪帯には、蓮華文、凡字文、般若心経文などの喪専用として使われる地紋も多いようです。
喪の装いにおいては、帯の色よりも着物の色を主として考えます。
ですから、黒喪服に色喪帯の組み合わせよりも、色喪服に黒喪帯の組み合わせの方が略式になります。
家紋の有無
着物に入れる家紋の数は、五つ紋・三つ紋・一つ紋の3通りがあります。
家紋の数は多いほうが格が高くなりますので、第一礼装である黒喪服には必ず染め抜きの日向紋(ひなたもん)を5つ入れます。
色無地や小紋を喪服として着用する場合も、必ず紋が入ったものにします。
紋のない着物ではおしゃれ着になってしまい、弔事にはふさわしくありません。
色無地は紋をつけることで、紋のない訪問着や付け下げよりも格が上になります。
着物の格は紋の数で決まりますから、たとえば一つ紋の訪問着よりも、三つ紋の色無地のほうが格が上ということになります。
男性の正喪服
男性の和装での第一礼装は、黒羽二重の染め抜き五つ紋付きの長着と羽織に、仙台平(せんだいひら)の袴をつけます。
女性と違い男性の第一礼装は羽織、長着、袴とも慶弔で同様となります。
弔事では、草履の鼻緒や羽織の紐などで違う点がありますので注意が必要です。
羽織の紐は黒かグレー、半襟及び長襦袢は白または黒かグレーにします。
帯は地味な色の角帯、足袋は黒か白、草履は畳表付で鼻緒の色は黒または白を用います。
慶事には扇子を持ちますが、弔事では必要ありません。
葬儀で着る喪服のマナーについては、こちらの記事でより詳しくご紹介していますので、ぜひご覧ください。
葬儀の喪服で着物を着る際のマナー

葬儀で着る黒喪服は女性の第一礼装ですから、ふさわしいマナーを心得ておくべきでしょう。
葬儀の喪服で着物を着る際のマナーはどのような点に気をつければよいのでしょうか。
着物を着た時の髪型
着物を着た時の髪型の基本は小さくまとめることです。
葬儀ではお辞儀をする場面が多いので、顔にかからない髪型がよいでしょう。
ロングヘアーであれば低い位置でのアップに、セミロングなら耳にかける、目立たないようにピンでとめるなどして、顔まわりをすっきりさせます。
ショートヘアならそのままでかまいませんが、アレンジは必要ありません。
着物を着た時の化粧
喪服を着た時の化粧は「片化粧」といわれるように、薄化粧が原則です。
派手にならないように、紅はささないのがしきたりですが、薄い色の口紅ならよいとされています。
チークもつけない方がよいという意見もありますが、つけるならナチュラルな薄いものにします。
ラメやグロスなど光沢のあるものは避けましょう。
結婚・婚約指輪以外のアクセサリーはNG
和装の場合はアクセサリーは着けないのがマナーです。
結婚指輪・婚約指輪以外は身に着けません。
葬儀の際に真珠のアクセサリーをしてもいいかについては、こちらの記事でより詳しくご紹介していますので、ぜひご覧ください。
葬儀の着物はレンタルでも大丈夫?

かつては第一礼装の黒喪服と黒留袖は、嫁入道具として必ず用意したものでした。
地域や家庭により、こういった慣習の残っているところもありますが、生活習慣の変わってきている現代では、これらをお持ちでない方は少なくありません。
では葬儀の着物をレンタルしても大丈夫なのでしょうか?
レンタルの着物でも問題ない
ほとんどの女性が葬儀で着物を着ていた時代とは違い、現代では一生のうちに着る機会があるかどうかもわかりません。
現代の生活習慣や住宅事情からして、和装喪服を持つことは合理的ではないとも言えます。
ですから葬儀といえども、着物をレンタルすることは問題ありません。
便利に利用できるレンタルショップがたくさんあるのは、それだけ需要があるということです。
レンタルには出張着付けがセットでになっているところもあります。
オンラインショップもたくさんありますから、それぞれの事情に合わせて上手に利用されるとよいでしょう。
着付けは葬儀社にもお願いできる
ある程度の規模の葬儀社なら、貸衣装部門がありますし、自社で取り扱いがない場合でも提携している貸衣装店を紹介してもらえます。
着付けの手配もしてもらえますので、早めにお願いしておくとよいでしょう。
葬儀に着物で行く際のまとめ

今回「終活ねっと」では、葬儀で着る着物について以下のことを解説してきました。
葬儀で着物を着用するのは、基本的に故人の親近者である。
和装喪服には格式があり、着物と帯の色で決まる。
礼装の着物には必ず家紋をいれる。
紋付羽織袴が、男性の正喪服である。
葬儀で着物を着る際のマナーについて。
葬儀の着物はレンタルでも問題はない
葬儀の主催者の立場になったときには、会葬者よりも格式の高い喪服を着用するのがマナーです。
洋装でもかまいませんが、日本人の持つイメージからして、やはり和装なら間違いないでしょう。
着物の決まりごとを知っておくことで、参列してくれた方への礼を欠くことなく、こころをこめて大切な方とのお別れができるのではないでしょうか。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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